○吉井
委員 消防の
広域化というんですけれ
ども、これまでから広域的に
消防活動をやってもらっているわけですね。それは、市の
消防本部という形もあれば、幾つかの
市町村ないしは町村が集まっての一部事務組合という形での現に
消防の
組織があって、そして
消防応援協定によって、第一次出動だけでは不十分だ、
火災規模が大きくなったら、応援協定に基づいて周辺の
消防本部なり組合の方から駆けつけて、一緒になって鎮火に当たる。だから、そういう点ではネットワークを組んでやってきたわけですね。同時に、巨大合併といいますか、統合して、支署なり出張所がなくなってしまうと、
現場から遠くなるということが防災の面では大きなマイナスになってくるんですね。
だから、大事なことは、きちんと機能するもののネットワークをどう組み上げて広域的にも消火の
体制をきちんとつくっていくかというのがこの問題の一番大事なところであって、ですから、それがかなり無理やりの合併というやり方で、とにかく規模を大きくすればいいという、この発想というのは、私は、事防災という面では必ずしも当たらないというふうに思うんです。
そこで、
先ほどからも出ておりましたが、
消防力のことについて、その整備の問題を伺います。
もともと
消防組織法というのは、
市町村消防、
自治体消防の原則をうたっておりますし、
組織法第六条は「
市町村は、当該
市町村の区域における
消防を十分に果すべき責任を有する。」と。
市町村が
火災の予防、警戒、鎮圧、救急業務、人命の救助、災害応急対策その他の
消防に関する事務を確実に遂行する、これは
消防力の整備指針、第一条ですね。それができるように国が
消防力の整備指針や
消防水利の基準を示して、
市町村に対して必要な施設及び人員の整備を
要請しているということですが、
要請だけじゃなくて、本当は、国としても、三位一体改革だ何だと言っているだけじゃなしに、この分野については、実際に
地方の整備がおくれておれば、
財政も含めてどれだけの支援をやるかということを考えるのが一番の先決だと思うんです。それをやらないと、ただやみくもに
広域化したら整備できるというものじゃありません。
ところが、よく見ると、施設及び人員の整備が、
市町村の
財政状況があって実際進まないわけですよ。
消防職員の数はふえているんですが、現有車両に対する定員の充足率というのは三年に一度の調査で見ても減少傾向にありますし、実はよく見ると、
消防力基準の見直しをやっていますね。だから、いただいた資料を見ておっても、九六年四月一日の算定数という基準の数字と二〇〇三年四月一日の算定の基準数がうんと変わっています。例えば、
消防ポンプの自動車の整備
状況。二〇〇三年四月一日の基準数で整備数を見れば、これは九五・五%で、足りないのは五%足らずということになるんですが、ところが、九六年四月一日ので見れば八六・七%、だから一三%以上基準に満たないわけですね。
だから、その充足率が上がったという話は簡単にはいかなくて、実際には、分母を小さくすれば率が上がるのは当たり前の話ですから、本当に整備を進めるということは、やはりこれまでから、身近なところで
消防資機材が整って、第一出動で、初期消火で鎮火をしてしまうというこの
体制をどれだけきちんとつくっていくかというのがこの問題の一番のかなめだと思うんです。
私は、そういう点では、やはり
消防力基準の見直しがあって、さっきの数字で、
消防職員について見ても、二〇〇三年四月一日の基準でいけば七五・五%ですから、まだ二五%
職員が不足しているわけですが、九六年四月一日の基準でいけば七四・六%と、さらに充足率は低いわけですね。ですから、資機材もそうだし、実際、防災に当たる
消防職員も十分充足されていない。四人に三人しかいない、四人に一人は足りないという
状況ですから。
ですから、こういう点では、管轄区域内に十五メートル以上の中高層建物がある場合に整備が必要とされるはしご車とか、あるいは危険物がある場合、石油化学コンビナートとかそういう場合はもちろんそうですが、化学
消防車とか救助工作車、
消防ポンプ自動車、この救助工作車とかこういうものは
消防ポンプ自動車に比べても一〇%ぐらい充足率は大体少ない。
だから、この辺の
状況を見ると、どうもこの読売の記事が書いているように、この実態からすると、新法というのは、
専門スタッフの確保やそれから特殊車両の装備強化などを進めやすくするようにこの
法律を考えてきたというのも
一つのねらいなのかなと。しかし、本当は、この
法律を幾らつくってもそれだけでは充足にはならない。もっと
財政問題の根本に踏み込まないと、
財政的裏づけを持たない限り新法をつくってもうまくいかない、進まないと思うんですが、新法のねらいの
一つは、この特殊車両等の整備という、読売に書いているようなことが入っているんでしょうか。