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葉梨委員 おはようございます。
自民党の
葉梨康弘でございます。
大臣とは、
行革特、
総務委員会と、何か毎日お顔を合わせているような
感じがいたしますけれども、きょうは、
地方自治の
憲法であります
地方自治法の
改正について、二十分ほど時間をいただきまして
質疑をさせていただきます。
大臣の頭に、
行革で、簡素で
効率的という方、これもぜひ進めていただきたいんですが、頭脳の中にもう
一つ民主主義という部屋を持っていただきたいなということをお願い申し上げておきたいと思います。
そして、常に、
行革特でも、さわやかな弁舌、それからすばらしい知識、本当に感服をしておりますけれども、
大臣と比べて私が一個ぐらいまさっているところがあるかなというと、
選挙を二回経験しておりまして、
大臣は一回でございます。
選挙というのは本当に
民主主義の
学校でございまして、必ずしも頭がいいからといって当選するわけではないというのはいろいろな結果が証明しているようでございますけれども、
選挙の中で、やはり私
自身も、頭の
下げ方だとか、あるいは人に対する感謝の気持ちというのをいろいろと学ぶことができた。ですから、やはり私、
選挙というのは、これは
民主主義の
学校じゃないかというふうに思います。
ですから、今、
議院内閣制というのをとっておりまして、頭のいい人ということであれば、全部、
官僚とかあるいは
学者出身の方が
大臣になればいいんでしょうけれども、必ずしもそうじゃなくて、
選挙を経験した方が
大臣になっているというのが、やはりそこは
民主主義のみそじゃないかというような
感じを持っております。
そして、その
民主主義のもう
一つの
学校と言われているのが
地方自治でございます。これはトクビルが言ったわけではないということなんですけれども、まさに
地方自治は
民主主義の
学校であろう。
その
民主主義でございますけれども、一九四七年の十一月、チャーチルの
下院演説ですが、
民主主義というのは
最悪の
政治体制である、しかしながら、今まで試みられたすべての
政治体制を除いてはというようなことを
演説でおっしゃられています。これは多分、当時、
スターリニズム全盛の
時代ですから、あるいはファシズム、ここら辺を念頭に置きながら、
民主主義における
意思決定の非
効率さ、これを
最悪の
政治体制ということであらわしながら、しかしながら、その一見無駄に見える非
効率さの中に多角的な
民意を取り入れる、その
民主主義のすばらしさがあるということを逆説的におっしゃられたことじゃないかなというふうに
感じます。
行政については、今、
行革推進法も審議されていますけれども、やはり簡素で
効率的なもの、これはどんどんどんどん進めなければならない。しかしながら、多角的な
民意の
反映という
意味では、余り簡素、
効率性ばかりを重んじるということは、ちょっと
危険性を伴うんじゃないかなというような
感じがいたします。
資料でも、具体的な
説明は申し上げませんけれども、
市町村合併による三役、
議員の
減少状況ということで、これぐらいしか減ってないんだ、あるいはこんなに減ったんだ、
両面の見方があるかもわかりませんけれども、
平成十五年から
平成十九年を比べますと、
地方議員の数は三一%。これはこの四年間での三一%ですから、相当な
激減状況であろうかと思います。私の地元でも、今まで大体百五十票ぐらいで当選していた
人たちはもう当選できません。一千票とらないと当選できない。そういう形でいいますと、従来
地方議会を通じて
反映されていた
民意というのはなかなか吸収されづらくなる。
それに加えて、今回、
地方自治法の、
審議会レベルの話ですけれども、
行政委員会についての
見直しというのが
議論されて、今回
法律にはのってこなかったわけなんですが、ただ、そこのところも、今非常に私危惧しておりますのは、
三位一体の
改革が進む中で、これは
地方に
自由度を与える、
地方に
裁量を与えるというような旗印で行われていますけれども、そういう面もあるんですけれども、必ずしもその面だけじゃなくて、
地方の
首長に
裁量を与える、
地方の
首長に
自由度を与える、すなわち、どちらかといえば民主集中制的な
意味で、
首長ばかりに
権力が集中してしまう。果たしてそういう形での多角的な
民意の
反映というのはできるのかなというような
感じを私
自身は持っております。
行政委員会制度については、今までも
形骸化が
指摘されております。私も、昔役所にいていろいろ見ておりましたけれども、
行政委員会を支える
官僚の側あるいは
公務員の側が必ずしも
委員の
先生方に
情報を上げないということがあります。そうなりますと、ますますこれは
形骸化をしてしまう。
ですから、今後いろいろな形で
行政委員会について
見直しを行っていくに当たっても、やはり
教育委員会というのは、
知事の
権限が大きくなったときに、
教育の
継続性を維持するためにある
意味で
機能を持っているわけだし、あるいは
農業委員会なんかも、
農業を守るという
意味では
機能を持っているわけだし、それを整理するというよりも、むしろ、その
機能をどうやって発揮させていくのか、そういう
観点からしっかりと
改革を進めていく必要があろうと思います。また、
行政委員会について検討するに当たって、多角的な
民意の
反映、そういったような視点、これをぜひとも十分に配慮していくことが必要であるというふうに私考えますけれども、
冒頭、
大臣から御
所見を承りたいと思います。