○福島委員
猪口大臣、また副
大臣、政務官、本当に御
苦労さまでございます。連日、
少子化対策ということで全国を駆け回っておられます
大臣の御努力にも心から敬意を表する次第でございます。
本日は、発達障害の問題について取り上げたいと思っております。
この発達障害という言葉自体はさまざまな
意味がありまして、非常に広い
意味ですと知的障害もその中に含まれるわけでありますが、メンタルリターデーションですね。本日は、より狭い
意味で、一昨年成立いたしました発達障害者
支援法に定義するところの
意味で使わせていただきたいと思っております。
発達障害の問題をなぜ取り上げるのかということについては、
青少年の問題と深くかかわっている、こういう認識があるからであります。例えば不登校の問題、引きこもりの問題、
ニートの問題、現場でそうした問題に取り組んでいる人は、この発達障害という障害にどう取り組むのかというところに突き当たっているという現実があるわけであります。
発達障害というのは聞きなれない言葉であるかもしれません。法律ができまして、
社会の認知度も高まってきたか、そういう
思いもいたします。また、この法律は議員立法で成立をいたしまして、きょうは小宮山
先生お座りでございますが、国会での審議では非常に貴重な御
質問をしていただいたような経緯もございます。
我が国の障害者法制のあり方自体が発達障害者
支援法をつくらなければならないことになったというふうに私は思っております。
大臣もよく御存じだと
思いますが、我が国の障害者法制は、身体障害、知的障害、精神障害と、
児童の場合には
児童福祉法でありますけれ
ども、その障害種別に応じて法律がある、そして、その中に
支援策が盛り込まれているわけであります。
お手元にお配りしました資料でございますけれ
ども、いわゆる発達障害というのはどこに位置づけられるかというと、知的障害の丸が真ん中にあるわけであります。
左側には広汎性発達障害。いわゆる自閉症スペクトラムと言われている障害でございますが、一部知的障害と重なっているけれ
ども、重ならない部分もある。その特徴は三つあります。言葉の発達、
コミュニケーションの障害、これが
一つの特徴。
対人関係、
社会性の障害、これが二つ目の特徴。パターン化した行動、こだわり、これが三つ目の特徴でございます。
このように知的障害ということの中にすべて含まれない障害というのが存在する、こういうことが大事でございます。
右の方には注意欠陥多動性障害、ADHDということで、最近アメリカでも非常に有名な障害でございますけれ
ども、これは、不注意であるとか多動であるとか多弁、衝動的に行動する、教室の中で走り出してしまって、校庭に勝手に飛び出していってしまう、こういったこともあるわけですが、この場合も、知的障害がある場合とない場合とあるわけです。
学習障害というのは、もともと知的障害がないけれ
どもさまざまな学習において困難を有する、そういう定義から、知的障害と重なっていない。知的障害という従来の障害者法制で定められた範疇ではうまくカバーできない障害がある。しかも、それは決して数が少ないわけではない、こういう認識があるわけであります。
文部科学省は、LD、学習障害の問題がありましたので、九〇年代からいろいろな
取り組みを進めてきたのでありますが、平成十四年に、LD、ADHD、高
機能自閉症に関する全国
実態調査の発表ということで、これは診断の確定したものではありませんけれ
ども、それぞれの教室で特別な
課題を持つ
児童というのはどの程度いるんだろうか、こういう
調査をしたわけです。その中で上がってきた数字が六・三%。六・三%ですから、三十人のクラスで二人ということになるわけであります。非常に数が多い。
どのようにしてこの障害に対して
支援をしていくのか。というのは、この障害に気づかないと、さまざまな問題を起こすことがあります。
例えば学習障害ということであれば、障害によって字を読むということが非常に困難な生徒もいるわけであります。それがそういう障害によって起こるということが認識されないと、あなたは努力不足なんだ、もっとしっかり頑張らなきゃいけないという話になる。例えばADHD、これは本人が思っていても衝動的に行動してしまう。親のしつけが悪い、そして、それに対してどうやって罰を与えるか、
教育の中でこういう話になるわけです。
それは、実は、障害という観点からいうと逆
効果しか生まない。そうやって責められれば責められるほどセルフエスティームが落ち込んでいって、二次的な障害を引き起こしてきて、引きこもりとかそういうことにつながっていく、こういうことがわかってきたわけであります。
今申し上げましたように、発達障害というのは非常に数が多い、そしてその対応によってさまざまな二次障害を起こすこともある、そしてそのことが結果として引きこもりや
ニートのような問題にもつながってくることがある。そういう
意味で、この発達障害の問題にどう対応するかということは現在の我が国においても非常に大切な
課題である、そして、従来の法制ではこれは対応ができないということで、議員立法として発達障害者
支援法というものをつくろうという流れになったわけであります。
この発達障害という問題について、
大臣から、御所見といいますか、余り聞きなれない言葉だと
思いますけれ
ども、お
考えをお聞きできればと
思います。