○古本
委員 お配りをした資料の二番をごらんいただきたいと思います。これは昭和五年の、一九三〇年当時の皇居周辺の霞が関あるいは永田町かいわいの、今でいう住宅地図の感覚に近い図面でありましょうか。一連の資料を集めるに当たりまして国会図書館の担当御当局には大変な御尽力をいただきましたことに感謝を申し上げながら、資料を使わせていただくわけであります。
大臣、どうですか。当時、新議事堂というのがちょうど皇居の真下あたり、おへその下のあたりにありますね。これは、まさに今の議事堂のロケーションだと思います。ドイツ大使館があります。これが今は国会図書館に変わりました。その横、さっと左に目を転じると、これは大蔵
大臣官邸というんでしょうか。
谷垣さんも、昭和五年であれば、オリジナルの、独自の官邸に入ることができたわけでありますね。さらに、その上に目を転じると、文科、当時文部
大臣官邸があって、その上に大蔵
大臣秘書官官舎というのもありました。
よく言われます。明治、大正、昭和の初期、まさに私利私欲を捨てて、国家のために高潔なる政治をすることができる政治家がいた。そして、まさに公僕として国家
国民のために公務に邁進する、これは憂いなく邁進することができる官僚がいた。その前提に、衣食住足りていい仕事ができるということがあったんじゃないでしょうか。
谷垣さんは、今、世田谷に御用地をお持ちだというふうに
資産公開なさっておられますが、
我が国の
財政をすべて預かる
谷垣さんが世田谷のそんなちっちゃな家に住んでいちゃいけませんという見方もあります。通勤にどれだけかかっておられるか存じ上げませんが、まさに危機対応で、すぐ駆けつけられる距離に官邸があったっていいじゃないですか。
勢い、今、確かに
財政の赤字、大変な喫緊の課題である中で、
政府資産を圧縮していこうという
考え方自体は否定するものではありません。したがいまして、我が党の方も、中の議論の中で、そのことについて真っ向から否定するのは無理があろうということで、きょうの
審議にも臨んでおりますが、これは、本当に必要なものの
国有地というものは、行政の
目的の範囲というものが大変定義があいまいであります。空き地で持っておくことによって、将来の防災空地になるかもしれない、あるいは都市
計画道路の替え地候補の種地になるかもしれない。そういうことを、国として
資産を持っておるということも、これはかけがえのない、国家としての、ある意味ゆとりであり、後世に受け継いでいく大変な
財産であるんじゃないかという問題意識なわけであります。
したがって、先ほどの、都心三区の公務員の皆さんの宿舎をお売りなさい、こういう御指示でありますが、配付しました資料の六番、こちらのA4の方ですが、公務員宿舎の移転・
跡地利用に関する有識者
会議の資料をごらんいただきたいと思います。
六でありますが、六の一をまずごらんいただきたいわけでありますが、大体これは
経済財政諮問会議で総理が、都心の公務員宿舎について
売却できるものがあるんじゃないかということをおっしゃった。これを受け、御省として有識者
会議を立ち上げた。それで議論を重ねてきた結果、現在、一定の売り払い
基準なりを定めようと、別途、六月の骨太に向けてやっておられる、こういう全体の工程図でよろしいかと思います。加えて、
財政審によって、
国有財産がどうあるべきかという議論も並行して議論が走っております。そして今回の
法改正であります。
そこで、
大臣にお尋ねいたしますが、今回の
法改正の趣旨によれば、理財局長は先ほど、そういったことに貸し付けるということは想定をしていなかったというふうにおっしゃいましたが、いいですか、国家の
財政が今火の車なんですね。つまり、
財政収入を得たいんですね。一方で、
効率的な行政を行っていく上においては、近いところに公務員の皆様が宿舎を設けるということも否定はしないとおっしゃった。
そうすると、実は、実現可能な実にうまい
方法がある。これは、
国有地を
民間ディベロッパーに貸し付けて、そして事業を営んで、あるフロアを
底地に応じてそれをもらえば、フロア分もらえば、これは実は、公務員の宿舎が移転せずして、かつ、
底地は手放すことなく大家さんとしてあり続ける、そして賃貸
収入を得ることができるんですね。
今回の
法改正は、もとよりそういうことは想定していません。それはおっしゃったとおりです。そこのところに後追いで、公務員宿舎はけしからぬという議論と、あるいは
財政審の話が、答申が一月の十八日になされた。これは幾つかの話が走っておりまして、この際、これをあわせた議論をしなきゃいけないと思うんです。
その意味で、改めて
大臣にお尋ねするわけでありますが、これは技術的な部分も含んでおりますけれども、
国有地の
底地を国が持ちながら、これは大家さんとして持ちながら、行政
目的をかないながら、そして、
民間から賃料が入る
方法が仮にできるならば、これは得策だと思いませんか。