○谷口(隆)
委員 おはようございます。公明党の谷口隆義でございます。
昨日、五年にわたる
量的緩和政策を
解除されたわけでございますが、先ほどの
福井総裁の御答弁にもありましたけれ
ども、過去を振り返りますと、
デフレスパイラルというような大変危惧された
状況がありまして、また
景気低迷が長く続いたわけでありますが、九九年の二月にゼロ
金利政策が実施をされまして、二〇〇〇年の八月にこれが
解除されたわけでございます。この
解除されたときに、政府の方は、
決定会合で議決延期請求権を新
日銀法のもとで初めて行使をいたしました。そういう
意味では、このゼロ
金利の
政策の
解除というのは政府と
日銀が一体でなかったというようなところもあったわけでございますが、今回、この二〇〇一年三月から実施をされました
量的緩和政策、昨日の
決定会合の
状況を聞いておりますと粛々と行われたわけでございますし、本日の報道ぶりを見ておりましても、政府もまた
国民一般も大きな違和感がないというような
状況で、政府、
日銀一体としてなされたということに対しまして、
評価をするところでございます。
この
量的緩和政策というのが、これは極めて異例な
政策でありました。
海外でもこういう
政策はなかったわけでありまして、本日の報道を見ておりましたら、
海外の
市場関係者においても、
量的緩和の
解除とゼロ
金利の
解除と混同しておる方もおられるというようなことのようでございます。
このような極めて異常な
政策が
解除されたということは、徐々に平常な
状況に戻っていく
過程に入ったということでございますが、しかし、考えますと、このゼロ
金利政策の実施からスタートしまして七年間、間半年ほど
解除された時期がありましたが、こういう超低
金利政策が行われた結果、
国民生活の中ではいわば日常的にこれがビルトインされているというような
状況があるわけでございます。ですから、非常に低
金利の中で年金生活者が大変困窮をしておったり、また、中小
企業の経営者が今度また
金利が上がるのではないかというようなことで大変心配もされているというような、いずれにいたしましても、
市場とまた
国民との間の
対話を慎重にやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
また、もう
一つは、近々
福井総裁もBISの総会に行かれて、バーナンキ議長と意見交換をするということを聞いておりますが、今回のこの
量的緩和の
解除が世界的な過剰流動性への幕引きかというような
金融関係者のとらえ方もあるわけでございます。まだFOMCの方では二回程度
金利が上げられるんじゃないかというようなこともありまして、
金利差が
拡大をするというようなことで、
国内の
金融関係者はこのゼロ
金利がしばらくは維持されるだろうというようなことで、むしろ円売りというような
動きもありますし、
海外の方は、むしろこれからいよいよ
金利が復活してくるというような中での
動きも出てくるというようなことで、ぜひこのあたりを
市場と、また
国民との間の
対話を十分にやっていただきたいと思うわけでございます。
先ほどの
質問にも出ておりましたが、今回、
目安を、
枠組みの中で数値を明示されたわけであります。このことについて、先ほどの
質問にもありましたように、これはインフレターゲティングなのかといったようなことがありました。私の個人的なことをまず申し上げますと、現在このインフレターゲティングを採用しておる国が、
デフレのところで採用したというのは、一九三〇年代にスウェーデンが一国行ったきりでありまして、あとは、インフレを抑制するという
観点でこのインフレターゲティングを導入しておる。上がった風船をひもで引き下げることはできるけれ
ども、ガスの抜けた風船を上に上げることはできない、こういうようなことで、私はインフレターゲティングに対しましては非常に否定的なことを持っておるわけでございます。
それで、
日銀の方は、今回の
枠組みの中で、ゼロから二%が各
委員の中長期的な
物価安定の
理解の範囲内だ、また
中心値をおおむね一%前後だというような、数値を
明確化されたわけでございます。それで、安倍官房長官が先日の記者会見で、消費者
物価上昇率のゼロから二%については、この
政策を進めていく上で
国民に対する
説明責任を果たす
透明性について
評価できる、こういうように言及されておるようでございます。これらについては、
政策判断をする、
政策決定するという者には責任が伴うんだというような御発言がございます。
今回の、先ほどのゼロから二%、またおおむね一%前後という明確な数値に対しまして、
総裁、達成責任という
観点で御答弁をお願いいたしたいと思います。