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下条委員 ありがとうございます。
まさにおっしゃっているとおりでございますので、これは超党派を含め私どもの全体の気持ちとしてお願いすると同時に、申し合わせの会の中で出られたようにぜひ
連携をとって進めていただきたいというふうに改めて申し上げたいと思います。
次に、いろいろな自治体の方向感について私はちょっと確認をしたい、そして、それについての指導についてちょっと御
意見を聞きたいというふうに思っています。
と申しますのは、今回土石流が発生した
長野県
岡谷市の二つの
河川は、
長野県が土石流発生の危険がある土石流危険渓流として
調査、公表している
場所でした。ともに危険渓流であるから
整備は行わなきゃいけないんでしょうが、実際は行われていなかったのが現実であります。
危険渓流や地すべり
危険箇所、斜面の角度が三十度以上で高さ五メートル以上の急傾斜地崩壊
危険箇所など、土石流や崩落で民家などに
被害を与えるおそれがある
箇所を
土砂災害危険箇所として県が
調査し、公表するということであります。ただし、この危険渓流の防災
整備には法的根拠がなく、防災
対策は、
長野県が民家への
被害が予想される
箇所を
中心に、県が国に砂防
指定を申請して、
指定を受けた
地域で進めていく。こういう順番で、あくまで主軸がこの場合は県になっているということであります。
また、実際私が調べた感じでは、この大
災害のあった
長野県の
岡谷市においては、こういう申請をした後の
マップを自治体がつくらなきゃいけないんですが、一九九六年、今から十年前に市内の危険渓流を記した防災
マップをつくって、それを全戸に配布しています。全戸に配布、ただし十年前である。十年前以降、つまり、九六年以降は全戸に配布していないと言うんです。これが実態である。そのため、今回、
被害者の多くは、十年前でございますから、危険渓流の認識というのは余りなかったというのが現場の
住民の
方々の
意見でありました。
自治体でせっかく調べて危険とわかっているのに
整備がされていないし、
住民の多くが知らないままであったということであります。これについては、もう一度申し上げますが、いろいろな意味で法的な規制、根拠がないということでありますので、私としては、さっき順番で
大臣おっしゃったように、全部の
箇所を
整備するのは大変だと思いますし、お金も時間もかかる、そうであれば、
住民にこの部分は危険だよということを繰り返し認知してもらうということが必要じゃないかと思います。
例えば、現場に私どもが
大野委員長とお邪魔して、崩れた山の中にはセンサーを置いていますよと。今度また何かあったときは、そのセンサーで察知して下に住んでいる
方々につなぐと。それは起きたところはセンサーを置くかもしれませんが、問題はこれから起きるところはどうするんだと。
先ほど
大臣おっしゃっていただいたように、台風もこれからもっとあるかもしれない。この千年で地球の温度が四度も五度も上がって、零下を超えてもう摂氏に入っております。そうすればどんどん氷が解けて、ますます
雨量が多くなる可能性があるということじゃないかと思います。
そこで、これはこちらからのあくまでも提案であります。今決まっていないので今後どうしたらいいかという指導の部分での提案でありますけれども、例えば人が集まってくるところでの閲覧や各戸への配布をどんどん進めていったり、公民館や
地域の掲示板に目につくように
マップを掲示しないと、今回亡くなったり、土石流が当たったり木が当たったりして体がばらばらになってしまった
方々というのは、若い人じゃないです、御存じのとおりほとんど七十過ぎの方とかお年寄りの方でありますよね。そうしたら、規則がなくて、十年前に
マップを配ったからいいじゃないかというのではとても、年をとってくるとなかなかそこが危険だという認識がだんだん薄れてしまうということじゃないか。そういう意味では、目立つところに張りつけたらどうだというのが一つの提案だと思います。
そしてまた、国としても、先般「
土砂災害ハザードマップ作成のための指針と解説」という冊子をつくって、
住民の
意見を反映した
ハザードマップの
作成と
住民への周知の方法を具体的に発表されております。これは私も存じ上げている。その中でも、富山県の氷見市なんかは、
避難経路、
地域の
災害履歴、
危険箇所について
地元の事情や
住民の声を反映した
地域密着型の防災
マップを
作成して全戸に配布しているということであります。
私が申し上げたいのは、責任をとれということではなくて、自治体によってばらばらなんですね、やっているところもあるし、やっていないところもあるし、
マップはもう十年前に配ったからおれは
関係ないよというところもありますし、ですから、これをもう少し指導していただいて、住んでいるお年寄りの
方々に、あなたの住んでいる上の渓流は危険な
マップに入っているんですよ、ただ、まだ激甚的な
災害まで至らないので
整備はできていませんけれども注意をしてくださいよということを、事前にそこに住んでいる
方々に認知してもらうように周知を指導していったらどうかなという
考えを提案したいと思いますが、この辺御
意見を伺わせていただきたいと思います。