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横山委員 ありがとうございました。
今、青森の場合ですと、一月二十四日の段階で積算の降雪量が三百九十八センチ、二月十三日で七百四十三センチとなっております。
青森というところは、私は実は
東京生まれの
東京育ちで、三十三歳で青森に行きました、そろそろ八年目、九年目になるんですけれども、夜中も三時過ぎぐらいに大体除雪車が来るわけですね、その音で目を覚まさせられます。それで、朝起きてみると、雪の塊が家の前にごろごろしている。車で出かける人は、青森の場合には、電車、バスというのは、地方ですから本当に一時間に一本、極端なことを言えばそういう
状況で、みんな車で通勤する。その除雪した雪の塊をもう一回
道路に投げ出して出ていくという、非常に非生産的なことを繰り返しながらずっときたわけです。あるいは、それで困るというのであれば、深夜に除雪車が来たときに起きて、それが往復して戻ってくるときにその固まった雪を
道路に投げて全部持っていってもらうとか。本当に、市民は厳しい、苦しい
生活をしている。それは一戸建ての場合です。
そして、例えば、マンションに住んでいる人でも、冠水とかがありますから地下駐車場とかそういうのがほとんどなくて、駐車場は青空駐車場ですね、仮に三日車に積もった屋根の雪おろしをしなければ、その年は大体車は使えません。それを落として出ていくというようなことができない程度に雪が積もっています。それぐらい市民
生活というのが、雪かきなしでは一気に麻痺してしまう
状況なわけです。
それではこの雪かきに一体どれぐらいのコストがかかっているのかということを、青森市にあります雪国学研究センターというところが算出したことがあります。ちょっと話が長くなって恐縮なんですが、ここは市内の青森公立大学、大学の中にある公の研究
施設です。ここが世論
調査をとって算定したところ、市民一人当たり、雪かきの一日の平均時間はどれぐらいですか、一冬で何回雪かきに出ますかとか、そういうことでアンケートをとった結果出した数字なんですが、大体二万五千二百十円という数字が出ております。
それで、青森の場合は、青森市に限って言えば、十二万九千六百九十四世帯あります。世帯といっても、一世帯一人が代表して出て雪かきするか、お父さんもお母さんも、学校から帰ってきたばかりの子供もみんなで雪かきするか、いろいろなケースがありますし、それから一戸建てとマンションではもちろんいろいろな負担も違います。そういうこともすべて含めて
考えて、単純にこの二万五千二百十円に十二万九千六百九十四世帯を掛けますと、三十二億六千九百五十八万。結局、これだけのお金が、市民の自助努力によって、雪かき労働費として消えていっているわけです。
この労働費なんですが、実は問題はその時給ですが、労働局に問い合わせて、最低賃金を六百六円と聞いて、その六百六円に掛けた数字です。したがって、雪かきを一時間やった人、この中にいらっしゃればわかると
思いますが、一時間雪かきやって、はい、時給だよと言って六百六円渡したら、まず普通みんな怒ります。六百六円という対価ということはないと
思います。最低でも、お年寄りなどのために、本当にボランティアみたいな感覚で安くやってくれているところでも大体二千五百円ぐらいは時給を払いますから。二千五百円として計算しますと、百三十五億円になるんですね。これは青森市内だけの数字です。ほかにも弘前市などいろいろあります。青森市内だけで、その市民が、年間百三十五億の費用を自分たちが雪かきすることによってつくり出している。この金額は本当に相当なものだと思うんです。
ですから、何もしないで、何もしないでという言い方はおかしいですが、ただ、雪が降ってきて、大雪だ、ああ、どうしようどうしようと言っている間に
災害になってしまって、それで五億下さい、十億下さいと言っているのと違うんですね。百三十五億ものお金を自分たちの労働によって、要するに自助努力によってつくり出している中で、それでもなお五億助けてください、十億助けてくださいと言っている声を、私は何としても届けたいと思っております。
少し長くなって恐縮ですが、今のは青森の市民の努力です。
一方、
行政の方もしっかりとした努力をしておりまして、青森市ではコンパクトシティー構想というのが、全国的にも紹介されております。これは、一九七〇年から二〇〇〇年の三十年ぐらいで市街の中心地から郊外に一万三千人ぐらいの人口が流出した、それによるインフラ
整備が三百五十億ぐらいだったということなんですが、結局、それによって
道路を延長していかなければいけませんから、また、そこに雪が降れば雪かきをする必要がある、
除雪費がかさむということで、
除雪費が非常に市の財政を、県の財政を圧迫していくということで、青森市の市街、中心部に人口を集めてしまおうということを政策として青森市は始めております。
その結果、市外の方に行くと、うちは下水道も
整備されていないというようなところもあって、私としてはそういう声を聞くからこのコンパクトシティー構想はすばらしいですよというふうにはなかなか言いにくい面もあるんですが、しかし、少子高齢社会に向けた先進的な取り組みとして、NHKであるとか
日本経済新聞であるとかにも相当高い
評価を与えられていたように記憶しております。
具体的には、市内の中心部に、駅周辺にいろいろな多目的なビルを建てる。そのビルに入ると、地下には卸売市場みたいなものがあって新鮮な食材が手に入る、一階から上は若者向けのお店もあるし、骨とう品なんかを扱っているところもあるし、もっと上の方に行くと公立の図書館もあるというような形で、とにかくコンパクト化していく。市内中心部にはお年寄りが住むのにも便利なバリアフリーのマンションなんかもどんどん建設されているというような形で、コンパクトシティー構想というのも進めております。
私は、市民は多大な自助努力、
行政も、もちろん批判する人も大勢いますが、先進的な試みをしている、そういう努力に対して、長くなって恐縮ですが、
防災担当大臣のお立場から、国としても本当に十分な
支援をお願いしたいと
考えますが、特別交付税、特例的な国庫補助等、
大臣の御
所見を述べていただければと
思います。よろしくお願いいたします。