○土肥
委員 民主党の土肥隆一でございます。
きのう遅くまで
国土交通省の担当者の皆さんときょうの質問のやりとりをしておりまして、なかなか私が
考えていること、言っていることの本質が届いたのかなというふうにも思っておりまして、きょうは
竹歳局長、
答弁書を離れて御自由に答えていただきたいと思うのでございます。
実は、お互いに歩み寄りの余りなかった質問取りの結果、十時半ごろ宿舎に帰ったんですけれども、しかし、幸いというか偶然ですけれども、身長が一メートルぐらいしかない男性のサラリーマンが、両方とも松葉づえをついて、松葉づえをわきに抱えながらかばんを提げて、駅におりられて、私と同じ方向に歩んでいる。まだ三十五、六歳ではないでしょうか。いわゆる成長ホルモンが足りなくて、親御さんが努力なさったかもしれませんけれども、残念ながらそういう障害で、足にも障害が出ているという方でした。
一緒にエスカレーターに乗りました。本当にやはり
バリアフリーというのはよかったなと痛切に感じた次第でございまして、私とてとてもこの階段を上がることはできないぐらいのエスカレーターでございまして、彼もそれに乗り込んで、また帰っていきました。恐らくこの人は、
バリアフリーがこれだけ都内で進んでいなければ仕事はできないだろうと思いますね。そういう意味で、私は、声をかけようかなと思ったんだけれども、遠慮して見送ったわけでございます。
そういう意味で、日本の
社会に
バリアフリーというものがこれだけ発達して、頑張ってこられたということは大変すばらしいことだと思いますし、そういう方が何人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。そんな感じを持ちながら、もう一度きょうの質問をどうしようかと
考えて今に至っているわけでございます。
先ほど
竹歳局長がこれはまさに福祉政策であるとおっしゃったときに、またちょっと私も何というような気持ちになったわけでございます。実は私はもう十七年目に入る
国会議員ですけれども、大半は厚生労働省に関する福祉、医療、年金などを扱ってまいりまして、この厚生労働省
行政というのは、一人一人の
障害者、
高齢者、病人に視点を当てて、そしてトータルとしてどんな政策が望ましいかということを
考えるわけです。私は、どうして
国土交通の
委員になったのかよくわかりませんけれども、希望は第三希望ぐらいに出しているのに、やはりここに行け、こう言われて今も
委員を務めている次第でございます。
それで、
高齢者、
障害者等の
移動等の
円滑化の
促進に関する
法律案、もう私、この
法案名を見ただけで、中身は何だろう、
国土交通省が何をするんだろう、
障害者や
高齢者のために何をするんだろうということを
考えて、この
法案を読み始めました。ところが、私はやはりそういう厚生省
関係のような仕事を長くしているゆえでしょうか、いろいろひっかかるところがあるんですね。
まず、定義はもう先ほど御質問がありましたからいいのでありますが、今日、福祉
行政、
障害者自立支援法というのができまして、三障害と言われている身体、知的そして精神、これはもう区別しないことになりました。そして、それぞれ
地域にある作業所だとか授産所だとか
施設だとかいうのを自由に選択する。ですから、障害を持っている人をだれでも預からなきゃいけないという
時代に入っているわけです。
と同時に、契約を結びますから、契約
制度になっておりますから、
障害者は
利用者なんです。そして、
施設なり作業所なりと契約を交わしまして、初めてそこで所属
関係がはっきりする、こういうことになっておりまして、これは、
障害者や
関係施設も大変緊張してこの新しい
制度の出発をしているところでございます。ただ、介護報酬が十月に決まるというので、お金のことは全然わからないで
制度だけが先に進んでいますから、みんな持ち出しで今やっておりますが、これからは大変な状況になるだろうと思います。
私は、今回の、いわゆる
バリアフリーを完成させよう、ハートビル、そして交通
バリアフリーを含めて、これを面的にとらえて、そしていわば
障害者や
高齢者に優しい
まちづくりをしようという大変結構な話なんであります。ぜひこれは
実現していただきたいという視点を持って質問させていただきます。
私はこだわりを持つ人間ですので、特に
障害者や
高齢者に対してこだわりを持つ人間ですので、こだわったところを幾つかこれから申し上げたいと思うのでございますけれども、例えば、第二条で、面的な面も、通常徒歩で歩ける距離となっているわけですね。これは何だと私はすぐ思うわけです。こんなところにこだわるのもどうかとお思いかもしれませんけれども、いろいろな
障害者がいる、いろいろな
高齢者がいて、
徒歩圏内で面的な
整備をしますと言われると、だれが歩くの、こう聞きたくなるわけですね。同じ距離を歩いても、二十分も三十分もかかる人もおれば、すっと五、六分で歩ける人もいる。ですから、こういう定義の仕方はなるほど
国土交通省的だなと思うのでございまして、何かもう少し違った表現があったらいいなというふうにも思います。
さて、それは意見として申し上げておきますけれども、この
法案のすぐれた面は十分評価しつつも、もうこれで最後の質問になりますので、私がこだわったところを最後に申し上げて、私の責務を果たしたいというふうに思っております。
この
法案は一貫して、「
高齢者、
障害者等の」、この決まり文句で出発するわけです。この
高齢者、
障害者という存在を、
ハードが
中心の
国土交通省とはいえ、例えばそれが
市町村に返って仕事が始まるわけでありますから、そういう意味で、やはりもう少し違った視点というか、先ほど局長が福祉とおっしゃったんですから、福祉的な視点で見てもらいたいものだと思うのでございます。要するに、十把一からげで扱えない人たちなんですね。したがって、そういうことを念頭に置きながらこの政策を
実施していっていただきたい。私は大変期待しながら、そういう意見を申し上げたいと思います。
この第四条に典型的にあらわれるんですけれども、第四条の二項で、国は、教育活動、広報活動を通じて、
移動等円滑化の
促進に関する国民の
理解を求めるとともに、その
実施に関する国民の
協力を求めるように努めなければならないと。これは大変厳しい要求でございます。
そこで、教育活動とは何なのか、広報活動は何なのかということをまずお聞きしたいと思うので、御
答弁をお願いします。