○古賀(一)
委員 今、
住宅行政と都市
計画との絡みを申し上げました、容積率ですけれども。このほかにもあるんです。
例えば土地区画整
理事業も、
住宅あるいは
住宅群というか、こういうものを前面に戦略的に出していくなら、
日本全国のあちこちで隘路に立ち至っている土地区画整
理事業にも一つの突破口を開けると私は思うんです。
土地区画整理がどうなっているか。実は私の地元にもあるんです、立ち往生しているのが。今度新幹線が来るんです、久留米という私の地元に。ところが、筑後川沿いの空間というものは、古い建物、小さな家、ぼろな家、余り言うと怒られますけれども、小さい工場等々があって、恐らくこれは再
開発をしなきゃ、もう新幹線の玄関口としてはまずい、古い古い状況になっているんです。
ところが、区画整理をやろうとしても、これはなかなか、もうこの年になって、息子は東京に行っておる、ここの土地を一〇%か二〇%とられて、立ち退いて、もう余計なことはせぬでいいと。大体こういうことで、とりわけ
高齢化社会はこれが進みにくい。そうしたときに、ところがその反対をしておる、ごねておるというか、区画整理は反対だ、困りますと言っておる人にとっても、実は、自分が死んでしまったら、この家、この土地はどうなるんだろうと。あっちではたった八十坪、七十坪、東京では広いでしょうけれども、この土地はどうなるんだろう、売るにも売れぬと。こういうイメージなんですよ、地方都市の。
そうしましたら、結局町はよくならない、売らない方々も将来について本当にこのままでいいかどうかと思っている。そんなときにこそ、まさに、おじいちゃん、こういう区画整理をした後、すばらしい街路を生み出した後、これが
法律の組み立てどころなんですけれども、要するに、立派なオートロックの高規格介護
住宅で、あなた自身が自分で、今はおじいちゃんも元気だからいい、しかし、五年後、自分は要介護になるんじゃないかとみんな思っていますよ。今は元気だけれども、そんなオートロックで、近代的で、そして自分でもトイレに行ける、これならそっちでよかよ、いいよと。そうしたら、自分が死んでもそれは息子の家賃収入にもなる、財産にもなる、こういう状況だと私は思うんですよ。
ところが、そこをただ立ち退けと、一
戸建てであんたは今まで百坪の土地に住んでいるけれども、七十坪でというような補償でやるからみんな反対なんです。むしろそれを集合化して、
住宅がそういう高規格介護型、ハイグレード何とか共同
住宅というのかな、そういうメニューを何とか法制的に組み立てていけば、
全国の袋小路に至っております土地区画整
理事業も、私は相当前に進んでくると思っております。これはもう答弁は求めません。提案として申し上げます。
それで、時間もなくなりましたが、ちょっとくどいようでありますけれども、住空間が持つ意味というものは、
住宅局の
皆さん方が考えておられるよりもっと大きい、そしてもっと付加価値の高い多様な住空間が知恵を出せばあるということを、私は一つ申し上げたいと
思います。
まず、私の地元には大川という家具の町がありまして、これは何度か申し上げたことがあるのですけれども、今は置物家具が売れない。倒産、倒産で、家具の町というのはもう大変です。首をつった中小企業の社長さんが本当にもう何人もおられますよ。それほど家具産地というのは今かわいそうでひどい状況にあるんです。
これなんかも、私は彼らにも言うんですけれども、例えば間仕切り家具という概念があるんです。これは一回言ったことがあるんですけれども、これは社会にとっても物すごい重要な意味を持つ家具であります。
子供が中学生、小学生のときには、その勉強
部屋を仕切る。今までは壁ですよ。それを本箱、あるいは水屋、あるいは衣装だんすで間仕切りをする。そして、各
子供たちは二人勉強
部屋を持つ。しかし、ライフステージに応じまして、
子供たちは大学に行き、やがて結婚していなくなる、そうしたときに、一つの
居住の中で家具を移動させられる、車つきですから。今度は、
子供たちが孫を連れてくるときには、その
居住空間が、例えば三世代で話し合いをする一つの広い居間になる。
こういういわゆる間仕切り家具の活用というのもあるし、あと、もう長くは申し上げませんけれども、屋上緑化というのも
住宅行政の一環に組み込んでもいいんじゃないかと私は思うんですね。省エネになる、CO2削減になる、都市緑化になる。
だから、屋上緑化とか間仕切り家具とか、あるいは和風
建築の再見直しであるとか、そういういろいろな課題というもの、知恵というものがこれからの
居住空間に、
住宅行政が強制はできませんけれども、一つの道を示すという面で、私はあり得ると
思います。
私は、こういう広い視野を持った新しい
住宅行政の展開という件について、再度
大臣に、ちょっととっぴだった部分もあるかもしれませんけれども、ああ、
住宅行政では今まで聞いたことのない議論だなと恐らくお
思いだと思うんでありますけれども、こういう展開を目指していくということについて、
大臣の一つのやる気をお示しいただければ幸いに存じます。