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西久保参考人 スカイマークは八年前に
創業して、そのときに業界から有資格者を多く募りました。これはどの
創業の
企業にも当てはまることではあるんですが、
創業の
企業というのは組織として完成しているものではありません。
スカイマークは有資格者だけは集めましたが、組織としての機能は十分でなかったと私は思っています。それは今なおそういう部分が残っております。
この二年間、組織の充実ということに重点を置いて社内を改革してまいりました。例えば、
日本航空さんから当社に転職していただいた方がいらっしゃいます。あるいは、全日空さんから当社に転職していただいた方がいらっしゃいます。
日本航空さんからは、以前係長であった方が転職されて当社に入ったときに、課長になっておられます。ところが、全日空さんから課長でいらっしゃった方が当社に来たときに、後から入ったものですから、係長になっておられる。こういう以前の
会社との職位の格差であるとか、そういった矛盾を消さないまま
スカイマークは
会社を営んでおりました。このことが社内の組織力を随分弱めておりました。以前の
会社の職位に、
自分の頭が切りかえることができず、上司の命令を十分に実行しなかったり、あるいは現場の報告が十分でなかったり、そういうことが私が来た時点でも散見されました。
当然、
整備士が退職するということは、これは好ましいことではありません。しかし、有資格者の数そのものよりも、組織としてきちんとした機能が働いているかどうか、これもまた安全面でかなり重要なことだと私は思っております。
経営陣が指示をして、なおかつ各本部でその本部のトップが現場に指示をして、それがきちんと行われているかどうか、それがよくわからないという
状況が
スカイマークの二年前の
状況でございました。
これについては強くメスを入れています。当時なかった賃金規程あるいは就業規程、実質的にはなきに等しかった就業規程を制定し、それに現実をきちんと当てはめていくことをやっております。これによって職位と報酬と指示系統を
一つにするというのが、この二年間で一番大きな作業だったと私は思っております。
今なお、それはまだ完了しておりません。昨年ございました
整備期限を過ぎて運航していたというこういった恥ずべき
状況につきましても、まず組織が完全でなかったことから、書類の流れが適切でなく、
整備士個人の技量に依存するところが多かったためにこういうものが発生しております。
会社としてきちんとチェック機能が働くようにするのが今の私の最大の役目と自覚しております。