○阿部(知)
委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私は、二〇〇三年のたしか七月であったと思いますが、この
イラク特別
委員会の海外視察で、当時、高村
委員長のもと、そして与党の筆頭は中谷・元
防衛庁長官でありましたが、
イラクへの視察に伺わせていただきました。その直後に国連本部が爆破され、そしてその後、当時ですが、奥参事官そして井ノ上書記官が亡くなられるという事態を受けた中で、私
ども社民党としても一貫して反対しておりました
イラクへの
自衛隊派兵と派遣というものが行われました。
自来、私
どもの党もそうですが、恐らくほとんどの国民が、一日も早く
イラクの
復興と、そして
自衛隊が無事で帰ってくることを望んで、待って、そして、きょう例えばこの
委員会の質疑も、そうしたことに何らかの展望が見える、そういう思いを国民は持っていると私は思います。
きょう、私が先ほどの
赤嶺委員の御質疑を含めて伺っておりますと、やはり何か奥歯に物が挟まったような御答弁が多くて、これを国民から見た場合に、本当に一体これは何を論議しておるのかということも見えづらいし、国民の思いからも遠いもののように思います。
私は、冒頭、額賀
防衛庁長官に二点お願いしたいと思いますが、
自衛隊が
イラクに派遣され、そして約二年を迎える中で、実は、派遣前と今とで異なった事柄があると私は思います。
それは、
アメリカとの
関係において、一つは、昨年の十月に、日米同盟の再編と変革でしたか、再編と今後の展望でしたか、いわゆる2プラス2、未来のための変革と再編という取り決めがなされ、今
長官は、鋭意、
地元側の納得も含めてこの
日本国内の米軍基地の再編問題を担っておられるわけですが、私は、ここで掲げられた文章の冒頭に、この「日米同盟 未来のための変革と再編」は、「世界における課題に効果的に対処する上で重要な
役割」という形で、当然、私たちはみんな世界の中に生きておりますが、世界という地理的にも非常に広い概念の取り込みがなされ、そして、これは
麻生外務大臣にもお伺いいたしましたが、ことし明けてから、QDR、四年ごとの
アメリカの国防政策の見直し等々の中で
アメリカが、対テロ戦略も含めて迅速に稼働、移動できる態勢を組むと。
果たして
我が国は、日米同盟と言われる
関係の中で、この
アメリカの
動きと、どのように本来
我が国が守るべきものを守って行動していくかということにおいて、ともすれば、やはり非常に懸念されるような事態が起こる。例えば、地理的な制約である、安保条約に言うところの極東事項、あるいはガイドラインでは、フィリピン以北という、周辺という概念をとったこと、今はもう広く
中東まで
自衛隊が行っているわけですから。
きょうは非常に抽象的な御答弁しかいただけませんので、しかし、それでもいただいておきたいと思いますのは、額賀
長官に、
我が国としてきちんと守るべき諸法制、そして、もちろん憲法の制約もあります。安保条約もそうであります。先ほど
赤嶺委員がお聞きになった、
航空自衛隊が残り、各地で米軍の後方
支援をするようになった場合に、おのずと問題が生じるだろうという認識で聞かれたのだと思いますが、
防衛庁長官としては、
我が国の守るべきのりを当然ですがきちんと守って一つ一つに当たっていかれるということと、そのためには、何がのりであるかということを、国民に、今何が問題になり、何が論じられて、例えばラムズフェルド
長官との
お話の中で
長官が、額賀さんが答えられたこともそうですが、やはり、やぶの中では国民が不安でならない、この船は乗ってどこまで行くんだろう、そういうことがありますので、一つ一つ明らかに明言し点検していく覚悟を、まず冒頭、一点お願いいたします。