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阿部(知)
委員 若者に反省を迫る前には、やはり教育のあり方というものがきっちりと、若者は、私は小児科医ですから思いますけれ
ども、この世に生まれてくるとき、邪悪な子はいないわけですね。真っ黒けな心の子もいないわけです。でも、この
社会という受け皿の中あるいは家庭という中でさまざまに自我が形成されていくときの問題、そして、長期的には
自分の
仕事観とか、どういうふうに自己形成していくかという中で、今日、
日本の若者像はあるのでしょうから、教育の問題は、
大臣もこの間ずっと
厚生労働省と文科省の連携ということで御尽力いただいていますので、ぜひそのあたりでもまたリーダーシップをとっていただきたいと思います。
私が本日特に伺いたいのは、例えば、今
大臣が私が小児科医であるということを御
指摘いただきましたので、ちょっとだけ個人的な経験で申し上げさせていただくと、先ほど
女性の
働き方はよくなったのかとお伺いいたしましたが、若い
男性の
働き方も、心模様もやはり不安定ですし、非常に大変になっているんだと思うのです。
その最もわかりやすいというか、極端な例だと思うのですが、
大臣は、赤ちゃんに午前様というのがあるのを御存じでしょうか。午前様というのは、何を言っているか、みんな、へっと思われるでしょうが、十二時を過ぎて寝る子供たちですよね。普通は大人なんですけれ
ども、でも今、私は小児科医で、
育児雑誌とかの編集にもかかわり、いろいろなことを書いておりましたから、その中で、この近五年内外の
調査で、実は午前の十二時を回って眠るゼロ歳児が、二千人の集計をすると千人を超しているんですね。ゼロ歳児の午前様が出現してきている。
理由は、例えばお父さん世代、二十代後半から三十代のパパたちが帰ってくる時間が十時、十一時で、そして、そこから唯一の子供との接触時間がおふろに入れるということになっております。もしそれがなければ寝顔も見ずにまた次の朝会社に行くわけですから、お父さんとなっている若い
男性たちもそこが唯一の
自分の接触時間になるわけです。こうしたことは、少なくとも三十年前にはなかったですし、
育児指導をやっておりましても、八時には寝かせなさいと言っていられたわけです。
でも、今明らかに、親は子といる時間、子供と過ごす時間は本当に限られておりますし、子は親といる時間、これは人間としての当然の権利だと思います。特に子供にとってはかけがえのない両親、親だと思いますから、そういう時間が非常に少なくなっております。
そこで
大臣は、では、この
働き方の問題、
男女差別の問題じゃなくて、
働き方、ある
意味で、
労働法制とか
パート労働法でやるんだというふうに
ワークライフバランスのことをおっしゃいましたが、私
どもはこの
雇用均等法の中できちんと
基本理念に位置づけてくれと申し上げておりますが、もし
大臣のようなお考えをとるのであれば、例えばですが、ワークバランス基本法とか、もっと骨格的に、どんなふうな
生活が一人の人間の
仕事と家庭の
調和をトータルに図れるのか。私は、すべての
分野に及ぶ骨格法にしない限り、今
大臣のおっしゃっているような形にはなっていかない。変な話ですが、こっちをふさげばこっちに出るみたいな形で、形を変えながら、実は
労働環境というものがどんどんどんどん個人には厳しいものになっていくように思います。
その
一つの私の懸念を次には述べさせていただきますが、
大臣のお気持ちの中には、ワークバランス基本法的に骨格的にやろうというお考えがおありなんでしょうか。