○
北側国務大臣 与党の中でもいろいろな意見がありますけれども、民主党の中もいろいろな意見があるんだなということがきょうよくわかりました。
私は、まず、無駄な
道路という表現が実を言うと余り好きじゃないんですね。私も一昨年九月から
国土交通大臣に就任してから、
国土交通省というのは本当に幅の広い役所でございますが、私のところにあるさまざまな御要望、やはり圧倒的に
道路が多いんですね。圧倒的です。それも、北海道から九州、沖縄まで、どの地域、私がいろいろな地域へ行っても、地元の知事さん、首長さん、経済界の方々、どこに行っても、この
道路がというお話を必ずと言っていいほどお聞きするわけですね。そういう
意味で、
道路整備というのは、我が国においてはまだまだやらなきゃいけないところが多いと私は認識をしております。
とともに、一方で財政の問題がございます。財政も危機的な
状況の中で、やはりこれから、これは
道路だけではなくて公共
事業すべてそうだと思うんですが、優先順位というものを明確にしていく。必要性の程度、緊急性の程度等々、これは総合的に勘案をして、そこはきちんと数値で出していかないといけないと私は思いますが、総合的に勘案して、やはり優先順位、プライオリティーというものをつけていくことだというふうに思っているところでございます。
御承知のとおり、今、
道路特定財源の
見直しの論議がこれから本格的に始まってまいります。もう一つは、この
道路特定財源の問題と同じく、公共
事業をこれからどうするのという議論もあるんですね。幾ら
道路特定財源について確保しても、シーリング、
委員は専門ですから、シーリングの方で毎年何%制約だというふうにキャップをかぶせられてしまいますと、幾ら
道路特定財源があっても
道路に使えないわけでございまして、この
道路特定財源をどうしていくかという問題と、今後公共
事業、
道路投資をどうしていくんだという話と、二つはもちろん関連しておりますが、一応別の問題として議論がこれから進んでいくところだというふうに考えております。
そういう中にあって、ぜひ、この
道路特定財源の
見直しの問題であれ、公共
事業、特に
道路投資の今後のあり方にせよ、やはり足が地についた議論をしていただく必要があると思っておりまして、そういう
意味では、余り観念論、抽象論で議論するだけではなくて、例えば、これは私、去年お願いしたんですけれども、各整備局単位ぐらいで、関西なら関西で、整備
目標についても具体的なイメージを出してもらいたい、そうした方が議論がしっかりできると。
例えば、これから十年間で、仮に今までの予算というものをそのまま、同じような予算でどの程度の
事業が、
コスト縮減も加味してどの程度進んでいくのか、そういう絵をきちんとやはり示した方がいいですね、そうしないとなかなか地についた議論にならないので、それをぜひやりましょうと。
それと、これからは、これも
社会資本全体に言えることなんですが、維持
管理コストがすごくかかってくるんですね。やはり、従来整備されてきた
道路等につきまして維持
管理を適切にやっていかないと、結果としてライフサイクルが短くなってしまって
国民負担が大きくなってしまうという問題もありますし、あと、橋の問題なんかでいいますと、例えば昭和三十年代、四十年代につくった橋が、今やもう四十年以上たつのも出てきているわけですね。そうすると、いずれ近い将来更新をしなきゃいけません。その更新
コストについてもきちんとこれからは念頭に置いていく必要がある。だから、新規の
事業だけではなくて、維持
管理コストが必要です、これからどんどんふえてきますよ、いずれ更新
コストがふえてきますね、そういうこともある程度試算を出していただきたいなと。
それとあと、優先順位の問題としていいますと、例えば、これは首都圏でも関西でもそうだと思いますが、日本の
道路というのは環状が十分できていないんですね、環状
道路が。都心に行く
道路は割と比較的できているんですが、環状
道路ができていない。これが非常に
道路渋滞だとか環境の悪化につながっている。こういうのはやはり優先順位が高いねだとか、それから空港とか港湾とか、こういうところのアクセスになる
道路というのも、これまた、これからの国際競争を維持向上させていくという観点からも非常に優先度が高いねというふうに、それぞれ、これから優先順位が高くなる考え方、手法としてどんなものがあるかということもぜひ議論をお願いしたいと。
そういうことを、実を言うと、先般、
国土交通省で、
道路局を中心に取りまとめを案として、あくまでたたき台です、これは何か決めたということではありません、今後の議論の参考にぜひしていただきたいということで、
道路整備の中期ビジョン案というのをつくらせていただいたところでございまして、こうしたものを参考にしていただいて今後の御議論を、政府・与党内でもしっかりやりたいですし、
国会内でもぜひお願いをしたいというふうに思っているところでございますので、議員におかれましても、一度ぜひ話をお聞きいただければありがたいと思っているところでございます。