○舟橋
政府参考人 特殊指定の問題でございますけれ
ども、これは昨年の十一月から見直しを行ってきておりまして、その当時は全部で七本ございました。そのうちの二本、これは
平成十六年とか十七年と比較的新しいものでございましたので、見直しの
対象外にいたしまして、残り五本について見直しを行ってきたわけでございます。
この五本は、例えば昭和三十年とか三十一年に制定されたものとか結構古いものもございますし、実際に使われていないような、適用例がほとんどない、そういったような事情もございましたので、こういった五本の特殊指定をそのまま残しておいていいかどうか、制定時の必要とされた事情が今もあるかどうか、それから特殊指定と別に一般指定というのがございますので、その一般指定で
対応ができるんじゃないかとか、仮にできない場合でも過剰
規制の部分はないかとか、そういった
観点から五本を見直しまして、四本については
委員御
指摘のとおり廃止を行った。
新聞でございますけれ
ども、
新聞の特殊指定、これは昭和三十年で、もう五十一年たっておるわけでございますけれ
ども、二つほど我々は問題として
指摘をいたしてきておるところでございます。
一つは、
新聞の特殊指定、これは価格競争を原則的または全面的に禁止しておるというものでございます。これについては、特殊指定の指定
要件、これは独禁法の二条九項にございますけれ
ども、「公正な競争を阻害するおそれがあるもの」こういう
要件がございますけれ
ども、その
要件を満たしているかどうか、法的な相当性に問題があるんじゃないか、これが第一点。
それからもう
一つは、
委員御
指摘の消費者
利益の点でございますけれ
ども、こういった
新聞の特殊指定がある、それがゆえに長期購読の割引とか口座振替の割引、それから高齢者・学生向け割引、そういった割引が導入されていないということで、
新聞の特殊指定があるがゆえに消費者
利益の増進、独禁法の
目的というのは消費者
利益の増進でございますので、そういう増進につながっていないんではないか、その妨げになっているんではないか、そういう
観点の問題を
指摘してきたということでございます。
それから、
委員の御
質問にございましたけれ
ども、実際には値引きが結構行われているんじゃないか、それについて公取はどう考えるかというお話がございましたけれ
ども、御
指摘のとおりでございまして、特殊指定の二項では販売店の値引きを禁止しておるわけですけれ
ども、西日本を中心に、例えば一年間購読すると三カ月は無料にするとか、そういう無代紙がございますし、それから販売店でなくて
新聞社の方につきましても、特殊指定の一項で地域によって異なる定価を付すということが禁止されている、その禁止がありますけれ
ども、実際には名古屋と東京で、あるスポーツ紙なんかは値段が違うわけですね。そういったことがございます。
そういった価格差の存在、これは形式的には特殊指定に該当しますけれ
ども、公正な競争を阻害するということが本当に言えるかどうか。そういったところについて我々は疑問に思っていまして、実際には特殊指定というのは適用できないんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
それから消費者団体の
懇談会のことでございますけれ
ども、四月二十日に八団体十名の方においでいただいて懇談いたしました。その席上では、
新聞の価格は自由化すべきだ、それから長期購読者に対して割引というのを行うべきではないか、短期でくるくる変わる人には値引きとか景品というのはあるけれ
ども、五年十年ずっと購読している人は同じ値段で、全然そういうサービスも何もない、そういった問題などの
指摘がございまして、
新聞特殊指定の廃止について支持する
意見が圧倒的だったということでございます。これは、私が先ほど申し上げた消費者
利益増進の
観点、いろいろな割引が導入されていない、特殊指定がその妨げになっている、そういったことと軌を一にする消費者団体の御
指摘だったかな、そういうふうに理解をしているところでございます。
それから、最後でございますけれ
ども、今後どのように取り組んでいくかということでございますけれ
ども、これにつきましては、今回、六月二日の発表にも書いてございますけれ
ども、
議論がかみ合っておらない、特段の進展が望めない、それから各政党においても、特殊指定を存続させるべきだ、こういう御
意見がございますので、そういう
状況にかんがみて結論を出すことは見合わせるということでございますので、今後、そういった経緯を踏まえまして、どうしていくかは適切に判断して行ってまいる、そういうふうに考えております。