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鈴木(政)
参考人 ただいま御紹介いただきました
日本原子力研究開発労働組合の
鈴木でございます。本日は、どうぞよろしくお願いします。
今回、このような
委員会の場で発言させていただき、大変
感謝申し上げております。
原子力の
研究開発の
現場の声ということでお話の方をさせていただきます。
私の話としましては、主に三点お話をしたいと思います。資料の方を御
参考にしていただければと思います。
まず第一点目でございますが、すべてはやはり
現場からであるという点でございます。二点目が、
原子力政策の実現に必要なものは何であるかという点でございます。三点目は、
技術はだれがつくるのかという点でお話の方をさせてほしいと思っています。
まず初めに、私ども、働く
立場の者が考えている使命と
責任という点に関して、若干御紹介させていただきます。
先ほどのお話にありましたように、
日本はまさしく少
資源の国でございます。
エネルギーの安全保障、
環境保全という
観点で、国内の
原子力技術をもって問題を解決するという使命を我々は持っております。
燃料サイクル
技術、これは、非常に少量の
資源、少量の
廃棄物というもので大きな
エネルギーが生産できるというリサイクル型の
エネルギーシステムでございます。我々、この
技術というものをやはり確立したい、そういう夢を持っております。また、その
研究開発に取り組むことに誇りを持ってやっております。当然、
現場の中では、
安全確保、いかに安全を担保するかということが大事でございますので、やはり安全を何よりも優先させながらやっていくというのが我々の使命でありますし、
責任であります。
次に、このようなサイクル
技術というものを
開発する上での課題でございます。
昨年十月ですか、
原子力政策大綱が閣議決定されまして、我々も、今までの中から新しい
一つの夢が描けたというふうに思っております。二〇五〇年に諸
条件を整えた上で商業ベースを目指すという話がございました。また、その過程において、二〇一五年までに高速炉サイクルの実用化像とそれに至る
研究開発というものの
計画を示すというステップがございます。さらに、本年三月におきましては、総合科学
技術会議において、この
技術が国家基幹
技術というのに選ばれております。
ここで非常に大事なことは、我々、実際に
技術をやっていく
立場といたしまして、いかに実用化に持っていくかという点でございまして、その
技術を実証する上では幾つかのステップがございます。
段階的に多くの
開発課題を解決していく必要があると思っております。
その際、非常に大事な点というのは、まさしく
原子力の
政策あるいは
現場の状態、予算であるとか人材であるとか
技術継承であるとか、あるいは国全体の体制というものが、実際の
現場との整合が合っているかという点であるかというふうに思っております。
実際、
政策がどういう方向に向かっているのか、あるいは、実際、
現場において人や予算が適切にあるのか、あるいはプロジェクトが実用化あるいは
産業化に行くステップとして
技術継承が十分に図ってあるかという点であるとか、さらに、産学官の連携、連帯というものが十分に機能されているかという点を、
現場の
観点から見ながらやっていきたい、そういう点を我々は非常に問題認識を持っております。
我々の考え、三点の話をしましたが、一点目でございます。やはりすべては
現場であるというふうに思っております。
当然、
研究開発から実用化あるいは
産業化と進む
段階において、安全かつ着実に進めていくということが大事でございます。やはり国や
原子力産業あるいは機構の者あるいは実際
現場に立つ我々働く者というものが、同じ方向を向きながら同じ目標に対して共有感を持っているという点がまず大事だと思っております。
さらに、
研究開発の成果というものを創出する、成果を出す場であるとか
安全確保を徹底する場というのはすべて
現場でありますし、その
現場で働く人であります。そういう実際の
現場というものをぜひ重視してほしいと思っております。国として、あるいは
先生方、
原子力政策の立案あるいはそれを評価する際、やはり
現場の声というものをぜひ反映してほしいと思っています。
実際に
現場に来ていただき、我々の働く姿、どんな人間が実際に物を扱ってやっているかというところをぜひ見てほしいと思っていますし、実際、
原子力というものを肌身に感じてほしい。その上で、
政策の立案あるいは天下国家、将来のビジョンというものをぜひつくってほしいというのがまず一点目でございます。
二点目でございますが、
政策の実現に必要なものは何かという点でございます。
やはり
研究開発から実用化あるいは
産業化というものを当然見通した中で
政策の方をぜひつくってほしいという点と、それを実際に実効的に機能できる、そういう国全体の体制というものをぜひつくってほしいと思います。
先ほど、
政策大綱の方が出されておりますが、私ども機構の方といたしましては、中期目標、中期
計画というのが設定されております。やはり
政策大綱の目指すところと、そのプロセスの目標、各五年ごとの評価をしておりますが、やはり評価の方が
大綱の目指すところに対してどうなのか。つまり、非常に長期的な
観点を要するものでございますので、そういう
観点での評価というものをぜひ考えてほしいというふうに思っております。
次に、
政策と実際に整合されているのかどうか。つまり、これは経営
資源の配分というふうに表現しておりますが、やはり
政策大綱に沿って実際にやっていくという中では、実際の資金と申しますか、予算と人というところが非常に大事だと思いますが、そういう部分が適切なと申しますか、実際の配分があるかという点がございます。
OHPの下の方にもございますが、我々、統合いたしまして、独法化になって一律の削減ということがございます。一律の削減というよりも、やはり必要なものに対しては必要な対応をするという点が非常に大事だというふうにも思っておりますので、その点もぜひ
政策の中での
検討ということで考えてほしいと思っております。
現場におきましては、年々削減されてきておりまして、非常に限界に来ているというのが
現場の生の声でございます。
最後に、三点目でございます。
技術はだれがつくるのかということでございます。
技術を実際に完成していく、あるいは仕上げていく、商品にする、製品にするという中におきまして、図面とか文章のみならず、やはり
現場での
経験、
現場での成果、実際の実験を通しての成果と申しますか、それがやはり大事であるというふうに思っています。その部分というのはやはり、実際そこに携わる人、人間だと思っております。今日まで来た
日本の
技術を振り返りますと、やはりいろいろな科学
技術の進歩がございます。それに携わった人間が熱い思いで取り組んで、その成果として、ある困難を乗り越えて成果を出している、結果を出しているということがございますので、やはりそういう人間というものの人材の
確保あるいは育成というものが非常に大事だというふうに思っております。
別添の方に、ちょっと我々の予算、人員、あるいは組合員の人数比を出しております、別紙二ですから一番最後のページですが。やはり七年前と今の十八年度と見ますと、我々組合員の構成の人数のバランスが非常に変化している。つまり、実際これから
技術をやっていく三十代、二十代の方がかなり減っているという
状況になっております。今のままですと、五年後、この二十三年の予想図にありますように、さらに二十代、三十代が減ってくるということがございますので、ぜひこういう現状を御
理解いただきたいと思っております。
次でございますが、やはり我々労働者の
立場でございます。働く人々が誇りを維持しながらさらに進んでいくというためには、やはり労働
条件等の維持、改善というものも当然大事な点でございます。ぜひその点も考慮してほしいと思います。
最後に、
技術の点で、先ほどもお話ししましたが、やはり人が非常に大事だという点と、人がつくり、あるいは人が構成する組織が、その集団が物事をつくっていくということが非常に大事だと思っています。当然、我々は会社の中におきましては、経営側、労働者側、そういう
立場でございます。労使
関係というのも非常に大事だと思っています。健全な労使
関係というものを築きながらやっていく。
信頼を持って進むと同時に、労働者の
立場でいろいろなものを改善する、要求する。つまり、職場
環境、労働
環境というものを改善していく。そこにはやはり、活気に満ちた職場あるいは夢のある職場あるいは愛情のある、そういう職場というものをつくっていくことが大事だというふうにも思っております。
まとめになります。やはり、ぜひ
現場の声をということで、こういう場を与えていただきまして非常に
感謝しておりますし、ぜひ
現場をごらんになっていただきながら、
現場で働く者がどういう生きがいで、どういう気持ちでやっているか、そういうものをぜひ感じてほしいと思いますし、当然、
現場で働く者、我々は、安全かつ着実に進めていく気持ちでおります。やはり職場の将来が見えるというものをぜひつくってほしいと思っております。
最後に三点。もう一度繰り返しになりますが、やはり
現場の声というものをぜひ
政策に反映してほしいという点。
原子力政策というものと整合した
資源の配分という点です。最後に、労働の職場、労働の
環境条件を含めた改善、あるいは労使
関係のさらなる構築というところをぜひ御
理解してほしいという点が私の
意見でございます。
本日はどうもありがとうございました。(拍手)