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達増委員 対日
改革要望というものが注目を集めています。正式には、日米
規制改革及び競争
政策イニシアチブに基づく
日本国政府への米国政府要望書。毎年一回ずつアメリカ政府から
日本政府へと渡される文書でありますけれ
ども、これに対する注目が高まりました大きなきっかけは、去年の郵政民営化をめぐる議論の中で、この郵政民営化というのは、結局、このアメリカの対日
改革要望に基づいてやっているんじゃないか、アメリカに言われたとおりにやっているんじゃないかという議論でございました。
これは、衆参両院の郵政特別
委員会でも、野党のみならず与党の議員からも指摘された論点でありますけれ
ども、毎年のこの対日
改革要望の中に郵政民営化、盛り込まれまして、ちょうど
日本側の郵政民営化、法案をつくって、
国会に上げて、通していくそのプロセスと、アメリカからの要望というものが非常に平仄が合っていて、結局、これはアメリカの利益のために
日本でやっているんじゃないかということが指摘をされました。
そして、先ほど厚生労働
委員会で、医療
改革関係法案をめぐり、いささか普通でない展開になっていると聞こえてきておりますけれ
ども、この医療
改革についてもやはりこの対日
改革要望の中に盛り込まれてきていて、それに従ってやっているんではないのか。この郵政民営化と医療
改革をつなぐキーワードが保険であります。
これは、アメリカの保険会社、大変有力な政治力のあるそういう保険会社、政治力もあって、アメリカ政府にいろいろ働きかけて、
日本の簡易保険、郵政がやっていた簡易保険百二十兆円を、そこにアメリカ保険会社がどんどん入っていく。また、
日本の公的医療保険、これを相対的に縮小させ、自己負担が上がった分、民間の医療保険に入って、入院保険でありますとか、がん保険でありますとか、そういった民間の保険に入っていれば大丈夫というふうに、そのように
日本の公的部門を縮小させて、そこにアメリカの保険会社がどんどん入っていけるようにする。そういう
目的のために郵政民営化だ医療
改革だということが行われているんではないかということが議論され、そういったことを解説する書物もどんどん出て、売れているという現状であります。
また、このことは新聞、テレビがなかなか取り上げないというところも指摘されておりまして、去年の郵政民営化をめぐる衆参両院の特別
委員会での議論でも、せっかくの
質疑、答弁が新聞には載らなかったり、テレビでも取り上げられなかったり、かなり日米、国を挙げて謀略的に進めているんじゃないかというような指摘も行われております。大変気になるテーマでありまして、そこに保険というキーワードがある。
今回のこの
中小企業等協同組合法等の一部を
改正する
法律案でありますが、ほとんどが
共済制度に関する
改正と言っていいと思います。
共済というと保険であります。そこで、ひょっとしたらと思って、去年の十二月に出ましたこの対日
改革要望を調べてみたところ、ありました。「透明性およびその他の政府慣行」という項目のもとに「
共済」という章がございまして、次のように書いてあります。
「
共済は、民間と直接競合する各種の保険商品を提供し、
日本の保険市場において相当な市場シェアを有している。
共済には、保険の
監督官庁である金融庁以外の省庁が
規制を行っているものがある。」今私たちが
審議している法案もまさにそれなわけであります。「また、全く
規制を受けていない
共済もある。
共済に関する一貫した
規制体制の欠如は、健全かつ透明な
規制環境を企業並びに保険
契約者に提供する
日本政府の能力を損なうものであり、また、ビジネス、
規制及び税の
観点から、
共済が民間の競合会社に比べて大幅に有利に立つ要因となっている。」かなり強い表現も入っております。「中には、この有利な
状況を市場シェアや商品提供の拡大のために利用し続けている
共済もある。米国は従って、
日本に対し次の方策を取るよう要望する。」とございまして、まず一番目、「全ての
共済に民間競合会社と同一の
法律、税水準、セーフティネット負担条件、責任準備金条件、
基準および
規制監督を適用することにより、
共済と民間競業会社の間に同一の競争条件を整備する。」「全ての
共済」と書かれております。
そして、次に、金融庁以外が
規制を行っている
共済のことを制度
共済と呼んでいるようなんですが、「特に「制度
共済」については、現状の
見直しと、様々な問題の中でもとりわけ、不特定の大衆を事実上対象とする
共済の販売慣行について調べる政府横断の検討を二〇〇六年中ごろまでに行う。」現状の
見直しを二〇〇六年中ごろまでに行う。ああ、実は今、この
審議はこのとおりにやっているのかとはたと思うわけであります。「この
見直しでは、制度
共済間の
規制の扱いや
監督の相違点、また、それらと民間保険会社との違いも調査するべきである。」と書いてあります。
この
見直しの仕方については、今読んだのは一番新しい去年十二月に出た対日
改革要望ですが、その前の年、二〇〇四年十月に出た対日
改革要望の中では、その
見直しの要望についてはこう書いてあります。「米国政府は、現在、金融
審議会の保険の
基本問題に関するワーキング・グループにおいて、無認可
共済にかかわる議論が行われていることを歓迎するとともに、根拠法を有する
共済に関しても早い時期に同様の
見直しが開始されるよう求める。米国政府はさらに、これらの議論および
関係省庁間の議論がオープンで透明性のある形で行われ、また利害
関係者(外資系を含む)が議論に積極的に貢献し、
関係省庁職員と意見交換をする機会が提供されるよう求める。」
この要望書が出た後に
中小企業政策審議会第一回
組織連携部会ということで、去年六月にこの
中小企業政策審議会の
組織連携部会がスタートいたしまして、今回の
法改正につながる
審議会の
見直し作業がちょうどこの対日
改革要望を受けたような時間的な流れの中でスタートしている。かなり手とり足とり、この対日
改革要望のとおりに作業が進んでいるのではないかという疑問を持ちまして、まず伺いたいんですが、今回のこの
法改正というのは、結局この対日
改革要望を受けて行われているものなんでしょうか。