○平
委員 私も、
中小企業をやっておりましたし、
組合の
実態もいろいろ見ておりますけれ
ども、
長官のはかり知れないディープな人間関係というものがあるわけですよ。それはまた今度
お話をしたいと思います。
続きまして
質問をさせていただきますが、今回、
昭和二十四年以来の
中小企業組合に関する法令の
改正ということでございますので、なかなか
中小企業の
組合について議論する場がないと思いますので、あえて
質問、また意見を言わせていただきたいと思います。
今回の見直しでは、
組合の
金融事業、主に
共済事業がクローズアップをされているわけでありますが、本来、
組合の
金融事業といえば、商工中金からの転貸し
融資が
中心であったと思います。商工中金の民営化が今大変な議論になっているわけでありますし、
中小企業制度の見直しをするというタイミングにもありますので、もう一度この
金融機能の再評価をしておく必要があると私は思います。
組合を介して、商工中金、
組合、会員
中小企業というこのスキームでの
中小企業金融というのは、私は、ある
意味、既存の
金融機関の欠点をすべてクリアしているすばらしい仕組みだなと思っています。
どういうことかというと、あの
金融不安、貸し渋り、貸しはがしのときに一番の問題になったものは何かといえば、目ききができなかった、モニタリングができなかった、この二つであります。まさに目きき
機能、モニタリング
機能をどうするかということでございます。
市中の銀行は、まず、土地や株を担保にして貸す。一億の土地だったら七掛け、八掛けにして貸す。悪質な銀行は値上がり分までオーバーローンをして貸す。もしくは本人や第三者の保証を担保として、それを前提として
融資をするということですから、当然目ききなんかできるはずもありません。
また、多くの地元の信金、信組、これは今、リレーションシップバンキングと言っておりますが、長年の取引関係や濃密な人間関係、取引関係をベースにしてモニタリングが十分できているというのが本来の形でありますが、実際は、バブル崩壊後収益が悪化をした関係で、信金、信組もリストラ、リストラで、信組、信金なんというのは、大体週に二、三回営業所に顔を出すんですが、職員がどんどん減っていくわけでありますから取引先がどんどんふえていって、もう二、三カ月も顔を見たことないよなんということも日本じゅうあちこちで起きたわけであります。さらに言えば、
信用保証協会の保証がつく、みずからリスクをとらない
金融だけで満足をして、新規
融資をしないなんということも起きていたわけであります。
そういう
意味からいくと、この商工中金から
組合を経由した転貸しの
融資というのは、先ほど言った目きき、モニタリングの
機能を見事に実現しているというふうに思います。
どういうことかというと、
中小企業の
組合は同業者であり仲間なんですね。そういうことで、よくわかることがあります。その会社の
内容なんかもよくわかるんですね。社長はどういう人間なのか、うそをつく人間かうそをつかない人間か、約束を守る人間なのかそうでないのか、跡取り息子はどんな人間だ、一流大学は出ているけれ
ども人間的には欠陥のある人間かどうかとか、そういうこともわかる。取引先はどんなところか、いわゆる
中小企業で言うところの筋のいい取引先、もうけさせてくれる取引先なのか、赤い取引先、赤い取引先というのは、厳しい、損ばかりさせられる取引先なのか、そういうこともわかります。事務所の明かりも何か随分早く消えているなとか、夜遅くまで仕事をしているなとか、社員が忙しそうにやっているのか暇そうにしているのか、こういうことがわかるんですね、同業の
組合でやっていると。そして、さらに言えば、ちょっとした変化もすぐわかるんです。ちょっとした変化、新しい取引先ができたとか、最近番頭がやめたとか、まじめ一辺倒だった社長に若い愛人ができたとか、そういうことも含めてわかるんですよ、これはもう
経営危機ですからね。
これは、全社が、会社の
内容がよくわかるということがまさに目ききであります。ちょっとした会社の変化がわかるということがモニタリングであります。私も銀行をやっていますけれ
ども、これは大変なことなんですね。この目ききをつけるというのは大変なことでありまして、その後、モニタリングを維持するというのは大変なコストがかかります。
多分、今、商工中金、
中小企業組合、会員
中小企業、この間で微妙にうまく回っているこの仕組み、言ってみれば、商工中金の側から見れば、目ききとかモニタリングを
中小企業組合の方に低いコストでアウトソースをしているという考え方。お金を借りる会員
企業の方は、なかなか財務諸表に出てこない
数字だとか言葉で言いあらわしにくいものを、その
中小企業組合を通すことによって実質評価されているという仕組みで、実際に目詰まりしていたところを
中小企業の
組合というものが取り除いているわけですね。市中の銀行がこれだけの目きき、モニタリングを、特にモニタリングはコストがかかりますから、やろうと思えば貸出金利に五%、一〇%上乗せをしていくという話になるわけであります。
今回、この
中小企業組合法の
改正、いろいろな見直しをする中で、
一つの極めて有効な
中小企業の
金融の手段として、商工中金、
中小企業組合、会員
中小企業という、このスキームというものを再評価する必要があるのではないかなと。
そんな中で、真ん中にあるこの
中小企業組合のガバナンスを
強化し、監査を
強化することによって
信頼性を増す。
信頼性を増すことによって商工中金、もしくはそれ以外でもいいですけれ
ども、商工中金やその他の
金融機関が
中小企業に対してさらに安い金利でお金を回すことができる。そうすれば
中小企業組合は内々の中で、あそこは財務諸表は悪いけれ
ども、今度来た二代目は非常にまじめな男で商売もよくなるだろうといったら、
理事が連帯保証したりすることもありますけれ
ども、そこにお金を出していくことができるというふうに思います。
まさに
中小企業と
金融機関の目詰まりを取ってきたわけでありまして、ますますその流れをよくするために、今回の
改正に絡んでも、前向きに、
中小企業の
金融の問題とあわせて、この
組合法の
改正というものを機会にとらえていく必要があると私は思いますけれ
ども、経産省のお考えを、せっかくですので、同期の片山政務官にお願いしたいと思います。