○肥塚
政府参考人 まず、今先生から御
指摘がありました、間に合うのかという点と需給について、今後の価格の見通しといいますか必要額の見通し、それから質の問題という三点についてありました。
まず、需給と、それから間に合うのかという点でございますけれ
ども、一緒にお答えさせていただきます。
いわゆるクレジットについては、ある民間
調査機関の
調査によりますと、二〇一二年までに約六億九千万トンの需要が見込まれているという見通しがございます。一方で、クレジットの供給につきましては、既に国連のCDM
理事会に登録済み、あるいは登録手続中のプロジェクトから、約八億五千五百万トンのクレジットが出るというふうに見込まれています。
これを見ますと、一見供給の方が上回っているようなんですけれ
ども、ただ、今この見通しの中には、プロジェクトの操業
状況あるいはまた制度的な問題で、実際にクレジットにならない
可能性もあるということで、こういう需給
状況を踏まえますと、
一つは、できるだけ世界全体のクレジットの供給量を拡大していくということが必要だというふうに思っていまして、私
どもも従来から、フィージビリティースタディーでございますとかキャパシティービルディングとか、いろいろな
政策をとってきておりますけれ
ども、国連におけるルールの改善等を含めまして、まず第一点は、クレジットの供給量拡大に向けての
取り組みも進めていく必要があるんじゃないか。
それから、今、間に合うのかというお話ですけれ
ども、既にオランダ、スペイン等がいろいろな取得制度を持っております。ただ、フィンランドのように、これから整えていこうという国もございますので、
我が国としても、できるだけこの制度を速やかに整えて、取得を始めるということが大事だというふうに思っています。
それから、見通しでございますけれ
ども、私
どもとしては、目標達成に不足する差分約一・六%、一億トンをクレジットで取得するということを今念頭に置いているわけですけれ
ども、今の、価格見通しはなかなか難しいんでございますけれ
ども、いろいろな予測を使いますと、五ドルとか十ドルとか十一ドルとかいうような想定がございまして、掛け算をしますと約六百億とか千五百億円
程度。このうち来年度の、
先生先ほどお話がありました、国庫債務
負担行為百二十二億円というのは、昨年時点でのいろいろな世銀等の
調査を見ますと、大体五・六三ドルとか五・九ドルという価格でございますので、それで単純に割り算をしますと、約一千八百万トンぐらいに相当するという予算額をとりあえずちょうだいしているというのが今の
状況でございます。
それから、質の点でございますけれ
ども、これは先生のお話のとおりでございまして、私
どもも、省
エネルギーあるいは再生
エネルギーに関するCDM事業というのは、途上国の発展にもつながりますし、
我が国の
エネルギー安全保障にもつながるということで、非常に大事だと考えています。
ただ、これも先生御存じのとおり、CDM
理事会で承認されるためには、通常の設備投資とは異なる追加性の証明ということが必要になっているものですから、その点で、代替フロン、燃料転換というのが非常に認められやすいということで、そういうプロジェクトが多いというのは事実でございます。
したがいまして、私
どもとしては、
エネルギー分野のCDM事業が広がっていくように、国際的にも
関係国と語らって、いろいろな活動を通じて国連のルールの改善を図っていきたい。
それからもう
一つは、さっき先生のお話にございましたけれ
ども、私
どもは非常にすぐれた省
エネルギー技術を持っておりますので、これをできるだけ途上国の
政府や企業に対して紹介をする。今、フォーラムとかいろいろな場所を通じてやっていきたいというふうに考えておりまして、そういうルールの改善とそういう努力を通じて、先生がお話しの省
エネルギーのプロジェクトが拡大していくという方向を目指して、先生、質というお話がございましたけれ
ども、方向としてはそういうことを目指したいというふうに私
どもは考えております。