○二階国務
大臣 今、
増原議員からるるお話がありましたとおり、貿易黒字というものが、
日本の安全、あるいはまた
経済的な、
世界経済の中での
日本の存在感ということにつながるというお説、私は、まことにそのとおりだと思っております。
私も最近、WTOだ、あるいはAPECだ、その他の国際
会議に
出席をさせていただく機会が多いわけでありますが、やはり、
日本という国に対する、他国が
日本との接触の際に、常に、
日本経済がどこまで伸びておるか、あるいは本当に元気なのか、この行き先はどうなるのかということを真剣にお考えになっておられるわけでありまして、最近は、会うたびに、
日本経済もようやく明るくなってきてよかったですね、おめでとうございますとまでおっしゃってくれる人もあります。
中には、先般韓国からおいでになりました将来の大統領候補の一人は、
日本経済のこうした復活への力強いステップは、どうしてこういうふうな
状況になったか、今後、
経済産業省としては、明るい未来を展望しながら新
経済成長戦略なるものをおつくりになっているようだが、それはいつごろできるのかという熱心なお尋ねがありました。私は、余りにもそのアプローチが熱心でございましたので、
サービスをしまして、それでは、でき上がったらハングル語に直してあなたの方へお届けしよう、こう申し上げたわけでございますが、それほど
日本経済について各国が注目しておる。
その中で、私
たちは、人口減少社会に突入するという大きな問題を控えております。しかしそれは、
日本経済にとっても
日本の社会にとっても重大な問題には違いありませんが、このことにばかり私は目を奪われておったのでは政治にならないのではないかと思っております。
これは、猪口さんを担当
大臣にして今、この少子化ということに対して取り組んでおります。いろいろな御
意見や御主張をいただければどんどん取り入れてやっていこうという政府の姿勢でありますが、それはそれとして、我々も協力して一生懸命取り組まなきゃいけない。
経済産業省は、あらゆる
経済界にもお願いをして、子育てが円満に推移するように御協力を願いたい、そういう気持ちがあって、機会あるごとに御協力をお願い申し上げておるわけであります。
私は、少子化、高齢化の社会だから、
日本経済はこの先、非常に困難に直面するのではないかという見方は、
賛成ではありません。それは、まさに逆風をついてということになるかもしれませんが、我々は、あえてこのことに挑戦をしようということから、人口減少社会、高齢化社会を
承知の上で新
経済成長戦略なるものを打ち立てようとしております。言いかえれば、だからこそ今、こういう思いもあります。ぜひ御理解を賜りたいと思うわけであります。
そこで、
製造業の
国際競争力、これが一番大事だと思うんですが、それを担うのは
中小企業の
技術力だということを最近しみじみと思うようになってまいりました。ですから、先ほど来申し上げてまいりましたように、全国で優秀な
中小企業を三百社選んで、近くそうした皆さんにも御上京願って、一緒になって議論しようというようなことも考えておるわけでありますが、これは、やはり国際的に、ほとんどが五〇%以上のシェアを持っておるという驚くべきデータが出てまいりました。そして、自信を持っております。
大
企業の皆さんが、しょっちゅう大
企業の偉い人が私
たちの
工場を訪れてくれて、こんなものをつくってもらいたい、こんなものはできないか、何か新しいものができておるのがあれば見せてもらいたい、そして、自慢に言うわけではありませんが、大
企業がこのごろは私
たちのところへ足を運んでいろいろなお話をしてくれる、そういう時代に今なったんですと。しかしまた、こうした
中小企業の皆さんは、大勢が働いているわけではないところの
社長みずからがインターネット等を駆使して、
経済財政諮問
会議における議論はと、こうおっしゃるわけですね。それから、白書もちゃんと読んでおります、この
委員会での議論もまた録画、撮っておいて、夜落ちついてからこれを拝見しておる、こう言われるわけでありますから、本当に御苦労をしておりますが、私は、将来に明るいものを感ずることがしばしばございます。
そういう次第で、これから、選び抜いた基盤
技術というものに対して積極的に支援して、これを基本として
我が国の
経済力をさらに高める、そして、
議員御
指摘のように、それが
日本経済の安全保障にもなる、
日本経済の将来を担っていただくことにもなる、こういう思いを込めて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。