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達増委員 片山政務官の言動で、政務官の役割というのを大きく勘違いしているんじゃないかなと思わされた件はもう
一つありまして、いや、もうバイスミニスターとは名乗らないということを認めていただければ、この材料は取り上げないでおこうかとも思っていたんですけれ
ども。
いや、大したものではございません。新聞記事であります。読んだことがある人も多いんじゃないかと思うんですが、読売新聞が「政治の
現場」という大きい連載企画で、去年の終わりごろからことし初めにかけ小泉チルドレン特集を企画、連載していて、一月二十日が片山政務官の記事でありました。
私は、これを読んで、いや、これはとんでもない勘違いをしているんじゃないかなと驚いた部分がありますので、そこを読みます。記事ですので呼び捨てになって恐縮ですが、
片山は、十一月の政務官人事で、通常は当選三回前後の
議員が就任する
経済産業政務官に抜てきされた。長年、官僚の側から自民党代議士の軌跡を見てきた片山は、こう思い定めた。
〈自分は、ほかの新人
議員とは、求められていることが違うんだ。自民党の当選五回くらいで優秀な人のやり方を手本にしよう〉
勘違いしているんじゃないかと思ったのは、ここから後なんですけれ
ども、
地元には、陳情処理の早さをアピールした。
「うちの事務所は「すぐやる課」です。何かあったらすぐ連絡下さい」
霞が関で培った人脈が生きた。関東農政局幹部を招いて地元の農業関係者への説明会を開き、
国土交通省や
経済産業省との橋渡し役も務めた。
経産政務官としては、年末の
予算編成や税制改正の前に、古巣の財務省主計局や主税局を訪ねて
情報を集めた。十二月二十日、主税局長・福田進の部屋にお礼にきた片山は、ミカン箱を抱えていた。
「ぜひみんなで食べてください。私の名前と同じ、「片山系」という品種の地元のミカンなんです」
これはもう、本当に古い、旧来型の自民党政治を精力的にやっていることじゃないかと思って、大変驚いたんです。
こういうことはやめていこうというのが平成十一年の
法案の趣旨。イギリス本家は、国
会議員と官僚は原則接触
禁止であります。そういう政官の癒着を断って、けじめをつけなければ、政権交代可能な二大政党制というのは機能しないということで、平成十一年の
法改正のときにはそこまでは踏み込めなかったんですが、三年の猶予で十一年の
法改正は見直し規定がございました。そういう政治家と官僚の関係、議会と
政府の関係、そうした事柄については三年以内に検討を加えるものとするということが盛り込まれておりまして、ただ、三年以内に検討して、本格的に検討した
成果として、自由党が平成十五年に出した
法律案を紹介しますと、
国民主導政治確立基本
法案というのを自由党は平成十五年の通常
国会に
提出しておりまして、ここで、行政機関の職員の国
会議員等への接触の制限等というのを盛り込んで、原則接触
禁止。
これは、本家イギリスの場合ですと、議会オンブズマンというのがいて、各地元の陳情事、地元のいろいろなああしてほしい、こうしてほしいという陳情は、それは国
会議員が役所につなぐんじゃなくて、議会オンブズマンという、そういう中立的な機関にそれが上げられて、
日本の請願
制度をより中立的に、かつ効率的にしたものと理解すればいいと思います、その議会オンブズマンが適当だと思ったものを役所に振り分けていく。地元の要望は、その議会オンブズマンに直接行くんじゃなく、
議員の紹介が必要なんです。だから、国
会議員はそういうところで地元とのパイプ役はちゃんと果たすんですが、その
議員はそれを直接役所にあっせん、口ききを働きかけるのではなく、議会オンブズマンという中立機関を通じて役所に働きかける。
あるいは、副
大臣、政務官という与党
議員が
政府の中にきちんと入って政治主導でやっていくということは、平成十一年
法案の名前が
国会審議の
活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する
法律案ということで、政策をちゃんと政党、これは細川連立内閣で選挙改正、今の選挙
制度を導入したときも、政党
中心で政策本位の政治、そういう選挙にしていかなきゃならない、これが、ここ十年来、
日本が取り組んでいる政治
改革の基本路線ですからね。
だから、副
大臣や政務官が期待されているのは、与党がつくっている政策をきちんと
政府の中の政策につないでいくことが最大の目的なわけです。ですから、そこを踏み越えて、地元の要望を各役所に、しかも自分の所掌する役所以外のところにもどんどんつないでいくというのは、全然これは政務官の仕事じゃないんですね。
ですから、パーラメンタリーセクレタリーとあえて名乗らない、これは国際社会で確立された言葉です、そういうパーラメンタリーセクレタリーと名乗らずに、何か本来政務官がやることじゃないこと、あるいはやってはいけないことをどんどんやっているんじゃないかという疑問を禁じ得ないんですけれ
ども、それでもバイスミニスターを、というかパーラメンタリーセクレタリーを名乗らないでやっていかれるつもりですか。