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岡本(充)
委員 民主党の
岡本でございます。
きょうは、
環境委員会での私にとっても初めての
質問でございまして、
大臣、どうかいい御答弁をいただきますよう、よろしくお願いします。
まずは、今回の
石綿対策、
アスベスト対策について、私のこれまで感じてきた所感を少し述べさせていただきたいと思います。
アスベストというのは、本当に古くから人間の生活の中で有効に活用されてきた物質だったのかもしれませんけれども、
健康被害との相関が明らかになったことも決して新しい話ではなかった歴史があります。そういった中で、多くの方が
原因不明の病気となり、そして大変苦しい呼吸困難の中で命を落とされていった、そして、これから先もそのリスクがある中で、今まさに
政府が
対策となるべき案を出してきた、そういった
状況にあるわけであります。
そういった中で、この
環境委員会には、第百六十三国会において
石綿対策の
総合的推進に関する
法律案が民主党議員より
提出をされておりますけれども、民主党も、この
石綿対策にこれまで以上に前国会含めて力を入れてきているのが実情であります。
そういった中で、私は、民主党の衆議院議員の中でもう数少ない医師免許を持つ一人となりましたこともありまして、今回は特に、
健康被害をどのように
認定していくのか、少し医学的な分野に偏ってしまいますけれども、その点に特に主眼を置いて、仲間の議員と少し
質問を分けて
質問をしていきたいというふうに思っております。
まず初めに、皆様方に少し資料をお渡しさせていただいたんですけれども、ちょっとカラーになって見にくい、字がちょっと読みにくいところがありまして恐縮でございますけれども、なぜこの資料を出したか。
こちらは、上のレントゲン写真、そして右が、Bと書いてあるCTの写真ですけれども、これがいわゆる肺繊維症、
アスベストを起因とする肺繊維症になられた方のレントゲン写真です。黒い部分が空気の吸えるところ、そして白い部分が繊維化をした肺です。このように、空気の吸える肺がどんどん少なくなってくる。同じ二〇%の酸素のあるこの地球上にいても、この患者さんにとっては極めて苦しい呼吸
環境に置かれるわけです。
この左下はちょっと所見が違う方なので、Cはちょっと残しておいて、Dですけれども、これがいわゆる
石綿小体と言われる、
石綿が肺に突き刺さっている顕微鏡の写真です。先が丸くなっておりますけれども、この細長い物質を含めて、何マイクロメートルという、例えば、ここに直径三マイクロメートル、長さが二十から百マイクロメートルの
石綿小体が写っているというふうに書いてありますけれども、非常に細かな
石綿がこのように肺に突き刺さることで、ここから、これが
原因となって肺繊維症になってみたり、胸膜と言われる肺を包む膜に、肥厚といってだんだん分厚くなってくる、こういうことを契機に悪性中
皮腫という病気が起こったりしてくるわけなんですね。
いろいろな病気がありますけれども、今お話をさせていただいたとおり、こういった呼吸困難を伴う病気というのは極めてその経過においても苦しい経過をたどりますし、こういった皆さん方を救っていく必要性は高いということで、
政府が出された方針ということについては、私も大変、ああ、大きな網をかけるんだなとある意味感心をした部分がありました。いわゆる
すき間なく
救済をするという一文であります。
これは正直申し上げまして、かなり私は難しい。もちろん、
政府としてそれを打ち出されたわけですから、その方針にきちっと沿ったぐあいの
法律案になっている、もしくは
法律の運用をされると信じておりますけれども、この
すき間なく
救済をしていく、こういう方針のもと、まず、悪性中
皮腫においてはどのように診断をし、悪性中
皮腫の人はほぼこの新法の
対象になるというふうに聞いておりますけれども、悪性中
皮腫だというふうにどのように
認定するのか。医師としての立場で言わせていただくと、非常に診断が難しいんです。どのように診断をつけていかれるのか、その確定診断を
すき間なくしていく方法についてお答えをいただきたいと思います。