○松原
委員 そこで、ちょっと時間の
都合があるので次の
質問に移って、時間があればまた戻りたいと思います。
現在、私の友人であります作曲家のすぎやまこういちさんという方がおられます。ウルトラマンのテーマとかつくってきた作曲家の方でありますが、彼が九月にアメリカのニューヨーク・タイムズに意見広告を出す、こういうふうなことを進めているわけであります。
なぜニューヨーク・タイムズに意見広告を出すのか。やはり彼らの
認識において極めて間違った事実が事実として受け取られている。「THE FACT」という名称でこの意見広告を出すそうであります。私が思うに、恐らく一回これを出しますと、
日本円で一千万以上のお金がかかるんではないかと思っておりますが、彼は個人で
日本の名誉を復活させるためにこれをやっていくと。本来、これは国家がやるべきことだと私は思っておりますが、それをすぎやまさんという作曲家が個人でやろうとしている。大変に評価できることだというふうに思っております。
そのFACTの中で彼が語っているのは、ニューヨーク・タイムズのいわゆる社説の一面をとって、これも三人の弁護士がいて、その方々の了解が得られないと社説に載らないんです。その三人の弁護士が、例えば南京の問題に対して誤った
認識を持っていて、この事実をすぎやまさんが出しても、事実としてそれを認定しなくて、これは社説としてふさわしくないというふうにすると、お金を出したくても出して載っけることができないことになるわけであります。
私は、そこでこれがどう扱われるか自体も極めて問題だと思っておりますが、彼は真っ当なことを言っていると思っております。
中国市民三十万人を
日本軍が殺害したとされる南京大虐殺が事実であるかのように伝えられています。
日本人は事実に基づいた批判であれば、これを真摯に受けとめます。しかし、当時の
中国国民党
政府の謀略宣伝による虚偽をもとに非難されるのであれば、
日本国民として受け入れるわけにはいきません。
こういうふうなことがありまして、
内容は、ちょっと全部読むと時間がありませんので簡潔にまいりますが、南京大虐殺を証明する代表的な写真と言われるのが、南京市民の虐殺死体、写真A、ここに物を持ってきておりません。そして、南京市民の死体は、揚子江岸に引きずってこられ、川に投げ捨てられたと。
五十万部を超えるベストセラー、アイリス・チャンの「ザ・レイプ・オブ・南京」の表紙になり、
日本でも、毎日新聞が一九八三年八月十六日付で、南京大虐殺は事実だとこの写真を掲載している。
ところが、撮影された写真は、いずれもトリミング、一部カットされ、オリジナルな写真では撮影場所を特定できる材木場が写っている。これをもとに、
中国軍と戦闘した南京戦従軍将校の高橋氏は、揚子江の、時間がないのであれしますが、死体の方向が一定であることから、流されてきたものであるということがここで論証されております。その写真で、死体の方向、頭が向いている方向が一方向なんではないかと思いますが、こういうふうなことが書いてある。
そして、「ザ・レイプ・オブ・南京」の本文に掲載されている慰安婦強制連行の写真も有名になった。英文キャプションは、
日本軍は何千という女たちを家畜のように追い立てた、彼女たちの多くは、集団強姦されるか、軍用売春を強制されたとなっている。
ところが、この写真は、南京事件が起こる一カ月前、
日本で発行されていた写真週刊誌アサヒグラフ、一九三七年十一月十日の写真のトリミングであると。これも、そのちゃんとした物を載っけてニューヨーク・タイムズに載っけようとしている。
ほかにもいろいろな記事が、新聞の一面ですから、かなり量も書けるわけであります。こういうことを
日本の一民間人がやって、やはり誤った事実が伝わっていることを何とかしなきゃいかぬと。
私は、これは
大臣にお
伺いしたいわけでありますが、例えば、一回ニューヨーク・タイムズにそういった社説を載っける。
日本だって、
日本の
政府はそういった社説を
日本の五大紙に載っけたりしているわけですよ。一回載っけて例えば一千万かかるとして、毎日載っけて、三百六十五日、三十六億五千万。高いといえば高いけれども、私は、
日本の名誉を、
日本の誇りを復活させるには、それは高い費用とは言えないと思っております。
あちらのそういった知識人に対して極めて影響のある新聞に、毎日同じ
内容を出す必要はありませんよ、入れかわり立ちかわりで、それぐらいのことをしていかなければ、
日本に対するかなり意図的なネガティブキャンペーンがあるということを、私は従来から、さまざまな
観点からこの
外務委員会で申し上げてまいりましたが、それを払拭することはできない。私は、その
意味で、そういうことを
外務省としては考えるべきじゃないかと思うんですが、
大臣、御見解をお
伺いしたい。