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伊藤(公)
委員 総裁を目指して頑張ってもらいたいと激励をします。
なかなか
麻生外務大臣は、答弁を聞いていても、時々はらはらするけれ
どもユーモアもあって、やはり
日本の政治家の新しいタイプのリーダーだなと。ヨーロッパ、
アメリカで、やはりトップリーダーの条件の
一つはユーモアがあることだと言われていますけれ
ども、そういう意味で、
麻生外務大臣はあすのリーダーになる、非常に楽しみな、重要な要素を持っている候補者だというふうに思います。激励を送っておきます。
そこで、これから
日本はどういう
外交を展開していくかという、やはり長期的な
日本の戦略がなければならないというふうに思います。小泉内閣の
外交は、日米
関係というものもかなり緊密になった、あるいは
北朝鮮問題でも
一つの前進をした、これはもう小泉内閣でなければ、あるいは総理でなければできなかったかもしれない、もちろん解決しているわけではありませんが。しかし、そういうことと同時に、やはりぎくしゃくしているところも現実にあります。それは、
日本には
日本の主張がありますけれ
ども、
日本と
中国、
日本と韓国、アジア
外交についてやはり私はこれから
考えなければならない点があるんじゃないか、率直にそう思います。
なぜそんなことを申し上げるかというと、もうこの世界にいる者ならだれでも当たり前のことでございますけれ
ども、おわかりいただいているところでありますが、これから世界の舞台がどこになっていくか。
例えば、
アメリカ、カナダ、メキシコ、NAFTA、ここは今GDPが九百兆円ちょっとです。一年ほど前だと九百三十九兆円。それからEU二十五カ国、ここは一千兆円ちょっとであります。それからアジア三十九カ国、ここは九百二十九兆円。ですから、一千兆円前後、NAFTAもEUも、そしてアジアも、大体GDPはそう大きく違わないんですね。
NAFTAの人口が四億九千万人、EUが大体四億五百万ぐらい。しかし、決定的に違うのは、アジアが三十六億八千万人。これはもう、経済も政治も文化も、アジアがこれからの世界の舞台になっていくことは間違いがありません。
そのときに、日米は大事です。しかし、アジア
外交も、ここにしっかりと
日本がシフトしていかないと、やはり問題が残る。
一九七二年、私が政治をそろそろやろうと思った時期のことでございますが、あのときに大変ショックを受けました。それはニクソンの訪中です。
日本の政治家も
日本人も、特に
日本の普通の
人たちはだれも
考えていなかった。
中国は敵だ、中共だと言っていたときに、一番頼りにしていた
アメリカが全く
日本に相談なしに、ある日突然、あれは二月、訪中をされました。米中
関係が新しい
時代を迎えた。
日本は大慌てで、約半年後、田中角栄総理
大臣が訪中をするということになりました。
私は、
外交というのはそういうものだ。
自分の国の国益、そして中長期的に
自分たちの国がどう世界の中で生きていくかということを
考えて決断していく。だから、日米
関係は大事です、けれ
ども、アジアにもう少ししっかりとシフトをしていく必要が絶対にある。
そうはいいながら、じゃ具体的にどうしていくのか。私は、
麻生大臣が大変影響力のある
日本の政治家ですから、そして、あした総理になるかもしれないという期待をかけられている人ですから、非常に具体的に申し上げたいんです。
小泉総理は、
日本に観光客一千万人と言いました。確かにふえましたよ、五百万から六百万に。しかし、観光客は、
日本に来て、帰っていってしまうわけです。そこで、今、
日本に次の
時代の主役になっていく若い
人たちが学んでいるのは、留学生で十万人です。そのほかに就学生、
日本語を勉強して
自分の人生に生かしていこうという
人たちが、多いときには四万ぐらい、入管が厳しくすると二万ぐらいに一万、二万変わる。私は、
日本の
国家戦略としてこのことを
考えなければならないときが来ていると思います。
つまり、次の
時代、その国に帰ってリーダーになっていく、
日本で今学んでいる十万人を超える留学生や、そして、
自分の限りなく大切なお金を費やして、
日本に
日本語を学んで人生に役立てようと思う
人たちが何万といるわけですね。二万から四万ぐらいの間、前後しているわけです。しかし、その方たちが、
日本に来て、
日本に失望していく
人たちもかなりいる。
私は、例えば就学生を入管に任せておく
時代ではない。
外務省、文部科学省、経済産業省、厚生労働省まで含めて、
国家戦略として、若い
人たちが一人でも多く
日本に来て学んで、そして
日本に理解をしていただいて、将来とも
日本とのかかわり合いを持って生きていくという若い
人たちを、私は、この国が具体的にいろいろな面で
支援していく必要があると思います。
たまたま、
ODAが官邸主導だということになりました。私は
ODAだけでできるとは思いませんが、
ODAの
国家戦略の中に、
日本語を学んでいる
人たち、学びに来る
人たちをもっと
政府を挙げて
支援すべきだ。
例えば、就学生は学割もききません。今、アジア、主要な国の
人たちは、留学生とか就学生なんかを分けている
時代ではありません。学びに来る
人たちは全力で
支援をする。むしろ、ぜひ学びに来てくださいということを大変どこの国もやっています。特にヨーロッパはそうですね。
今、
中国の北京大学に一番留学に来ているのは韓国ですよ。私は、韓国という国はこれからますます強い国になっていくと思います。
私は、国内のことだけではなくて、例えば
外務省もかかわっている、あるいは文部科学省が
先生を送っている世界の
日本人
学校あるいは補習
学校、今世界に百八十五校、これは補習校です。それから、
日本人
学校が八十五校あります。ここは細々と、
日本の
外交官や商社の方たちの
子供さんたちが学ぶための、本当に小さな、拠点地しかありません。私はむしろ、ここを、現地の
人たちも
日本語を学んでいただけるような拠点にしていくべきだと思っています。
こういうことを、国内あるいは世界の窓口を
考えて、ちょっとこれは私は
質問通告していなかったかもしれませんが、
麻生外務大臣の決意を聞いたら、これはぜひ
国家戦略としてこういうことを
支援してもらいたいということをお願いしておきたいと思いますが、現在の
外務大臣としてどうお
考えか、簡潔にお答えください。