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近藤政府参考人 お答えを申し上げます。
まずメタンハイドレートでございますけれ
ども、燃焼時のCO2の排出量が少ないということで、非常にクリーンなエネルギーでございます天然ガス、この天然ガスが水と合わさってシャーベット状になったものでございます。今御
指摘のように、メタンハイドレートの原始資源量というのは約四百兆立方メーターと言われておりまして、これは天然ガスの原始資源量とほとんど同じぐらいの分量があるわけでございます。
とりわけ
日本の近海では、南海トラフを中心に、試算ベースでございますけれ
ども、七兆四千億立方メーターぐらいある、これは天然ガスの年間の消費量の百年分ぐらいあるんじゃないかというように私
どもは見ておるわけでございます。そういう
意味で、メタンハイドレートは非常に有望な国産エネルギー資源ということで、大いに期待をしておるところでございます。
ただ、残念ながらメタンハイドレートは、今申し上げましたように、地中にシャーベットのようにあるものですから、なかなか取り出せない。油のように、掘りますと自然に噴出してくるとか、ガスのように、入れるとガスが噴き出してくるというものではございませんので、経済的にどうやってとっていくかという点で非常に難しい点がございます。
そういう観点から、私
ども、平成十三年度からいろいろな研究開発をやっておりまして、十八年度、今年度からはカナダで、陸上で掘り出す実験といったことで、四十兆円の予算を計上しておるところでございます。原油価格が相当高くなってきておりますので、今、メタンハイドレートが原油に換算をいたしまして五十四ドルから七十七ドルぐらいだったら生産できるんじゃないかという試算もございまして、経済性も出てくる
可能性がございますので、私
どももこれから十年ぐらいかけてじっくりと研究を、かつ、急ぎながら、やっていきたいと思っております。
それから、マンガンのところも一緒に御
質問がございましたので、そこも
お答えさせていただきます。
海洋資源としてのマンガン団塊というのは、深海底に直径で二センチから十五センチぐらいのこういう丸い塊があるわけでございます。これは球状の鉄とマンガン酸化物の集合体でございますけれ
ども、太平洋、大西洋、インド洋等にございまして、これは非常に有望なものでございます。
そのマンガン団塊の中には、非鉄金属、それからニッケル、銅、コバルトといった有用な金属が入っておりますので、私
どももこの重要性を早くから着目をしておりまして、昭和五十年度から平成八年度まで二十二年間かけまして、二百八十三億円の予算措置を講じてこの開発の努力をしているわけでございます。
この具体的な開発に向けて、経済産業省の調査結果を踏まえまして、平成十三年から、深海資源開発株式会社という会社がございますけれ
ども、そこの会社の方で、ハワイの東南沖の公海上で排他的な探査権というものを取得いたしまして、今、探査
情報の解析などを行っているところでございます。
ここで調査をしている結果が、六億トンぐらいのマンガン団塊が
確認できておりまして、これがうまくいきますと、例えばその六億トンの中から、ニッケルで
日本の三十年分ぐらいのニッケル、それから銅でございますと
日本の四年分ぐらいの銅がとれるのではないかというようなことで、大いに期待をしておるわけでございます。
さらに、ちょっと
答弁が長くなって恐縮でございますが、マンガン団塊以外に、最近は、海の中の山のようなものがございまして、その山の表面に板状に付着をいたしましたコバルトリッチクラストと呼んでおります、ちょっと適当な
日本語がないので英語のままで恐縮でございますが、コバルトリッチクラストというものでございますとか、海の底から沸き上がってくる高熱の熱水ででき上がります海底熱水鉱床というものがございます。こういったものの中でいろいろな鉱物資源がとれるということがございまして、コバルトリッチクラストにつきましては大西洋の海域を中心に、海底熱水鉱床につきましては伊豆、小笠原海域を中心に賦存
状況を調査しておるところでございまして、昭和六十年度から平成十七年までの二十一年間で百二十二億円の予算措置を講じて調査を行っているところでございます。
これは賦存
状況の調査という
段階でございまして、なかなかまだ開発まで行っておりませんけれ
ども、こういったところを今後ともしっかりと開発をしていけるように、必要な調査、技術開発、こういったものを進めたいと考えておるところでございます。