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麻生国務大臣 これは、
吉良先生、そもそも、もともとのOECFと輸銀とを合併してJBICにするときに話がさかのぼって、ちょっと思い出していただきたいところなんですが、私
どもから見て、そこそこ商売をした方からいくと、十年据え置き、二十五年の返済、それは金融か。普通、おまえ、大体金返すのは十年以内だろうが、それを十年据え置き、二十五年の返済なんというものは、それは果たして金融かというOECFの社会と、輸銀の社会、いわゆる
輸出入銀行ですけれ
ども、銀行業務とを一緒にするというのに、そもそもちょっとこれは無理があるんじゃないかというのが
最初の出だしだったんです。
しかし、そのときはしゃにむに一緒にされたのですが、今度は、一緒になったらなったで、分かれるのはいかがなものかという話がまた同じ役所から出てくるから、ちょっと、同じ役所でも人がかわればこれだけ変わるものかというぐらい、時間がそうさせるのでしょうけれ
ども、そういった話が正直ありました。
御存じかと思いますが、国際金融というのは約一兆一千億円ぐらいやっているのですが、その国際金融という、いわゆる昔で言う輸銀の
部分というのは、約一兆円を借りているのは
日本企業なんです。相手の国が借りておりますのが約一千億。十対一ぐらいの比率と思っていただければと思います。
傍ら、その円借の
部分は、これは六千五百億ぐらい。その六千五百億の分のほとんど一〇〇%が相手の
政府ということになりますので、貸し付けている相手の内容は全く違うというのがまずちょっと現実としてある。
それから、続きまして、今言われましたように、JBICという名前で、これはやはり大蔵省の、JBIC、かつての輸銀がそのプロジェクトにくっつくと、
日本の銀行も安心してついていくという、リードをするという
意味での効果というのはすごく大きかったというのは事実だと、私も海外にいて、それはそう思います。
したがって、私
どもとして、今回の結論としては、いわゆる円借とか無償とか、そういった
部分はJICAの中に統一するにしても、この輸銀の
部分というのは、これはどうしても必要なのではないか。そこで、JBICという名前も残した上で、今度は、
政府系金融機関は農林中金とか全部一緒になられますので、この中に輸銀の
部分というのをJBICという名前もつけて残して、今言ったような御質問に対して対応していこうとしているのであって、私
どもも、このJBICの輸銀の
部分というのは極めて有効だと思っております。
したがって、その種の機能は、新しくできる
政府系金融機関の中にきちんと残した上でということになってまいりますので、形としていろいろ御懸念のところはあろうと思いますけれ
ども、借りている側から見れば、実態としては今申し上げたような実態になっておりますので、話のスムーズな通り方としては、今回の形の方が、相手国側からすると
交渉する相手があっちこっちになりませんものですから、新JICAというところでやりやすくなるのではないかというのは率直な
実感でもございます。
いろいろやってみて、また不都合があったら変えなければいかぬところが出てくるのかもしれませんけれ
ども、今のところは、実態から申し上げますと、そういった
やり方の方が正しいのではないかと思っております。