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麻生国務大臣 日中関係に関しては今さまざまな論調が出ておりますけれ
ども、簡単に言って、靖国問題が
解決したら
日中関係はすべて
解決するかといえば、そんなことはないのではないか。私
どもは、
尖閣列島の話にしてもいろいろ抱えておりますので、そういった
意味では、あれは象徴的に一つになっておる、まずそう思っております。
また、先ほど申し上げましたように、
中国のGDPが伸びておりますので、今、ちょっとあそこは数字が余り正確によくわかりませんので、この数字が本当かどうかと言われると、ちょっと私
ども、それほど正確な統計数字が
理解できないところなんです。
理解できないというのは、鉄の生産量はこんな伸びて、セメントの生産量はこんな伸びているのにGDPはこれだけというのは、私らの常識からは考えられないので、どこか数字が間違っているか。何か、普通そういうのは必ずパラレルになることになっているんですが、そこは随分違ったりしますので、何となくいま一つ
意味がわからぬところもあるんですが。
仮に発表どおりという前提に立って
答弁をさせていただければというかなり前提をつけないと、これはなかなか、後で、おまえ、こんなこと言ったじゃないかと言われると、数字がなかなか難しいことになりますので。そういう前提で言わせていただければ、GDPが三分の一か四分の一まで大きくなってきているというのは、僕は何回も申し上げておりますとおりいいことなんだと思いますが、同時に、拮抗するような
経済力というのになってくると、隣国にあって拮抗するような
経済が出てくるということは、それは二国間
関係にいろいろな
勢いでぎくしゃくさせるものが出てくるというのは、これは日中に限った話ではなくて、どこでも同じようなものだと思っております。
したがって、そういうようなものはある程度時間をかけていくところなのであって、今までは全然格差がありましたものが今はそうじゃなくなってきておりますので、
お互いさま、何となく今までは、
経済力も十分の一じゃないか、人口からいったらそのさらにまた十倍じゃないかというような話になりますので、いろいろなものをいいですよ、いいですよと言っていたものが、おいおい、ちょっと待て、そうなってくるとこっちもという話になってきて、何となく双方に、競争とかいうのは同時に緊張感を生みますので、
そこらのところが、いい
意味であれば競争になりますのでさらに発展していくことになるんですが、何となく
お互いに
経済力の覇権を争うというようなことになるといかがなものかという感じがしております。
今回、東
アジア共同体というのを十二月に立ち上げるときに、インド、インドネシア、オーストラリア等々、
民主主義というものとか
自由主義経済という価値観を共有している国々と一緒になって、今こういうものを立ち上げるということで成功したんです。
この間、戴秉国という、
中国の元中連部の部長をやって、今、李肇星という
外交部長の下にいますので副部長をやっている戴秉国というのが
日本に来たときに、少なくともこの問題に関して、
日本と
中国はこの東
アジアの地域において覇権を争うということはしない、そういったヘゲモニーを求めないというのを共通の
理解にしようではないかという話を言ったんです。
私
どもとしては、そういったところをある程度しっかりしておかないと、両方で覇権を争うということになってきますと、
周りの周辺
国家にとりましては、それはかなり新たな別な緊張を生んで、なかなか難しいことになっていくと思います。この地域が
経済的に発展するということと覇権を求めるということは、これは全然違う話なので、そういった点を基本として双方でやっていくというのは、水平分業とか垂直分業とか、いろいろな
経済用語がありますれ
ども、いろいろな形で両国というのは手を携え得る
部分というのは非常に大きいんだと思っております。
私
どもとしては、
中国との
関係というのは、今むしろ、私
どもの世代よりも、もっと若い世代の方が、
サブカルチャーの面、文化の面、いろいろな面で友好
関係が確実に今広がってきつつあるということは、えらいいいことなんだな、基本的にそう思っております。