○渡辺(周)
委員 私も実は脱北者の方々とお会いをしまして、もう
日本にも大勢帰ってきていらっしゃるんです。御存じのとおり、帰ってきたルートを聞くと、今まで、法的根拠がないので、
日本の
外務省の方が、正直言って、非合法とは言いませんけれども、かなり危険な手も使って引き渡しをして
日本に帰らせている。
日本に帰ってきたのはいいけれども、帰ってくるまでは
外務省の仕事だけれども、ここから先は厚生労働省、生活保護とか。では住むところはあるのかというと、実際、今おっしゃったように言葉ができない。中には、身寄りがある方ならまだしも、身寄りがほとんどもう絶縁していたような方々もいる。今さら、おいです、めいですといって例えば帰ってこられても大変困る。実際、この人たちを人道的に救うことはもちろんであります。ただしかし、
日本で仕事をするのはやはり厳しい問題がある。ただでさえ北朝鮮の中で貧しい生活を強いられて何十年と生きてきた人たちには、スキルも当然ないわけであります。ですから、これについてはこれからまださまざまな検討が必要だと
思います。
私たちがなぜ北朝鮮の人権という切り口から入っていったかというのは、これはやはり御存じのとおりでして、この北朝鮮という国は、全く人権というものを無視した国。
世界的にも、極東の小国の、何かヨーロッパあたりに行きますと北朝鮮も
日本も区別もつかない、そんなことはよくあることなんだというぐらいの
認識でしかないところへ、人道とか人権という切り口から入っていくことによって
世界の耳目を、あの北朝鮮の圧政体制に対してやはり目を向けさせること。そして、これによって、なぜ国民が背を向けて自分の祖国から逃げ出してくるのか、これがやはりそもそもの原因じゃないか、そもそもの理由は何だ、そもそもの原因は何だということを、当然
世界に目を向けさせることももちろんであります。
それによって、出てくる方々が、北朝鮮の中では、
日本がこういう法律を制定したということは恐らくもう伝わっているでしょう。これは自由北韓放送、ちょっと名前を忘れましたけれども、脱北者が北朝鮮に向けて今ラジオを流しています。それを一生懸命今、ジャミングというか邪魔しているんですね、北朝鮮は。しかし、またそれに何か強力なものを流して、とにかく
情報を徹底して北朝鮮の国内に与える。脱北者のうち七割がラジオを何らかの形で聞いていたということであります。
我々としては、いろいろな方が出ることで拉致問題の新しい
情報、北朝鮮国内で行われている、例えばにせ札の問題、あるいはたばこだとかいわゆる薬なんかのにせものをつくっているということの
情報が脱北者の手によって西側にもたらされる。ファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党の幹部もそうであります、そして安明進という元工作員が、彼らは亡命でありましたけれども、北朝鮮から逃げたからこそ、ある
意味脱北したからこそ、横田めぐみさんを北朝鮮の金日成政治
軍事大学校で見かけたという生存
情報が彼によってもたらされたわけであります。
ですから、脱北者をやはり我々西側が保護することによって、あの国の神秘のベールに包まれた
部分、あるいは我々として本当に知りたい拉致の
情報、やはりこういうものの真相をさらに究明する
一つの手がかりになるということで取り組んできたわけであります。せっかく成立した法律でございます。ぜひ、
効果的な
運用を我々も
考えますし、また
政府としても御
認識を持っていただきたいというふうに思うわけであります。
最後になりますが、前回の
委員会でもやりました
日米地位協定の問題。
この
日米地位協定については、まさに、今回の
政府間協議そして
閣議決定についても言及がない。この点についても前回も
質問しましたけれども、この地位協定を、これは本当に
運用でいくのか、改定するという
決意はないのかということを
伺いたいと
思います。
それから、
沖縄の将来的な
米軍施設の返還について、その跡地に対して、環境保護、つまり除去、土壌のクリーニング、土地洗浄をするというようなこと、これは免除されているわけであります、アメリカ側は。例えばこの点についてどのようにしていくのか。私は、やはりその点について、環境の条項を入れていくべきではないか。韓国では既にそうしております。
こうした問題について、これは不断の見直しが行われて当然でありますけれども、なぜ、
日米地位協定、
我が国に残された最大の不平等条約、まさにこの地位協定が、改定をするという
決意を見せずに
運用だけでずっと来てしまったのか。また、今回のような大きな節目においても、なぜ
日米地位協定について言及されていないのか。
そして、このままいきますと、結果的には、
日本側が基地の跡地についてのさまざまな
対応もしなければいけない。御存じのように、これは北谷町だったでしょうか、たしか、
米軍の施設跡地を掘り返してみたらドラム缶にいっぱい有害物質が入ったものが出てきた。これは国が何とか
支援をしたからできたけれども、例えば自治体だけではできない。
こういうものについて、やはり私は、
米軍にも当然
情報提供を求め、ある
意味では
米軍にも
負担をさせて、その土地の浄化、クリーニングをするということも今から検討すべきだと
思いますが、実際そういうことというのは
考えられているのかどうか。その点について
最後伺いたいと
思います。