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川内委員 このQDR二〇〇六の四十五ページにこのような記述がございます。ちょっと長くなりますが、読み上げさせていただきます。
制度化された大規模戦力からより多くの作戦能力を前線に集中させる将来型戦力への移行が可能となるだろう。また、これによって、冷戦時代の駐留戦力から遠征作戦に適合した将来型戦力への移行も補強されるだろう。将来の統合戦力は徐々に支援のための小規模な現地プレゼンスのみを残して、受け入れ国の
施設を利用するようになっていくだろう。これにより、大規模な
施設基盤を備えた昔ながらの作戦
基地を海外に維持する必要性が薄れるとともに、非対称的脅威、これはテロのことを言っているんだと
思いますが、非対称的脅威に対する戦力の露出が低下するだろう。
このようにQDR二〇〇六で、海外の大規模な
基地は減らしていく、そして展開力を重視するんだということを述べております。
ですから、額賀
長官の意見に私は賛成であります。急激な変化は
安全保障上好ましくはないと。したがって、
日米安全保障条約という
日本の現在の
安全保障にとって死活的に重要な二国間条約は当然に維持されるべきであります。しかし、この間の
沖縄が受けてきた数々の苦難を
考えるときに、少なくとも、米国も国防総省が発表する文書の中でこのように
考えているのであれば、
グアムに
海兵隊の
基地を移転してもらう。
すなわちそれは、さらにこのQDRの他の部分にもヒントになるものが書かれているんですが、例えばこのQDRの二十一ページに、テロリストのネットワークは、ムスリム
世界を急進的、神政的な圧制のもとに支配しようとして、この辺は私は異論がありますが、
アメリカはこう言っているということですが、脅迫、プロパガンダ、無差別の暴力を用いる。これらのネットワークは米国やムスリム
世界の国々を含む同盟国、協力国の彼らに対抗する意思を疲弊させることも意図していると、明確にこのQDR二〇〇六はテロとの闘いを対象にしている。そして、そのテロはムスリム
世界を想定している。
そしてまた、特に今回、この二〇〇六には不安定の弧という言葉はなくなった
わけでございますが、ムスリム
世界につながる不安定の弧、この前に発表された、二〇〇一年に発表された不安定の弧に
沖縄より、より近いのが
グアムでありますから、そういう
意味では、
グアムに
海兵隊を集中させて、そこから出動する。そしてまた、
北東アジアあるいは
日本海の防衛については、既に運用が始まっているミサイル防衛システム、あるいは
日米間で開発の
合意をしているミサイル防衛システムもある
わけですから、そういう形の中で十分に
安全保障の空白というものが消せるのではないかというふうに私は
考えておりまして、そういう
意味では、このQDR二〇〇六というのは大変に示唆に富んだ米国
政府が出された論文である、文書であるというふうに思うんです。
こんなことを両
大臣にお聞きするのは甚だ僣越でありますが、このQDR二〇〇六の全文を
防衛庁長官、
外務大臣はお読みになられたかどうかということをお尋ねいたします。