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辻元委員 このイスラエルの問題は非常に深刻で、イランの核開発にも少なからずというか、かなり、イスラエルが持っているじゃないかというような認識のもとで、その周辺国への核
拡散ということが懸念されていることは常識になっていると思います。
これは
日本の
防衛白書ではどういう取り扱いになっているか、イスラエルについて。こうなっています。
核保有国であってもこれを放棄して非核兵器国として加入する国もある、NPTにですね。この事例として、南アフリカ、ウクライナ、カザフスタン、ベラルーシを取り上げているんですが、次です。依然として加入を拒んでいる国もある。要するに、この前は、核保有国であっても、依然として加入を拒んでいる国もあるということで、
防衛白書の例示は、イスラエル、インド、パキスタンになっています。これは、明らかに核を保有しているということを強く意識して書かれた
防衛白書であると思います。
私は、
防衛庁の方に聞きました。そうしますと、イスラエルは宣言していないものの、既に核兵器を保有している事実上の核兵器国と言われているという答えをペーパーでいただいているわけです。
そうすると、一方、イスラエルに対しては、NPTにも入っていない。イランはNPTに入っております。イランに言うんだったら、イスラエルにも
国際社会でしっかり問題にしていくぞという姿勢が、やはり
日本が説得するときに必要だと思うんですね。
これはアメリカのシンクタンク、科学国際
安全保障研究所、ここは核については非常に著名なところですけれ
ども、報告書を出しました。これは昨年です。
それで、その報告書によれば、イスラエルは軍事用のプルトニウムを五百六十キロ保有、原爆の百四十五個分ですね。インドは八十個分、パキスタンは七十個分と推定しているわけです。北朝鮮は三個から九個分に当たるんじゃないかと。そんな中で、イランは民生用の高濃縮ウラン七キロだけだったという、これはこの報告ですね。さらに、イスラエルは年間十から二十キロのプルトニウム
生産を続けており、核兵器二から五個分ふえているというような報告、これは初めて公表されたものなんですね。
こういうことが背景にある中で、イランの問題が生じてきています。
一つは、アメリカとの間での敵視政策みたいなものも背景にあるし、そして、アメリカはイスラエルの核開発については黙認しているわけですよ。
国際社会の中でというか、NPTの昨年の
会議でも、追加議定書をめぐって、イスラエルがNPTに加盟していないのに、なぜ自分たちばかりに義務ばかり課せられるのか、入っている国のエジプトなどのアラブ諸国とかブラジルなどからもこんな声が上がっているわけですね。
ですから、私は、今晩、
外務大臣と交渉されるに当たりまして、
日本としては、このイスラエルの核というものについても、しっかりとこれから
国際社会の中で問題にしていくぞという構えが必要だと思うんです。先ほど、イランとの二国の間で
信頼関係に基づいて説得すると言ってはるんですけれ
ども、私、ちょっと弱いなと思ったんですよ。その背景まで踏み込む覚悟を持って説得しないと、それこそ、
日本との間の油田の開発やいろいろかかってきていますからね。
イスラエルの核問題について、当たりさわりのない
答弁はもう結構です。今晩の会談に非常に大きな
日本のいわゆる国益というものがかかっていると思いますので、私、余り国益という言葉は使わないですが、あえて使えば、イスラエルの核問題、
国際社会で問題にしていこうじゃないか。こっちはNPT
体制にも入っていないんですよ。それでこれだけ、
日本も事実上の核保有国だと言っておるわけです。こっちを放置してイランに対してだけという姿勢ではないというところを
日本が見せることは、アメリカは見せないでしょう、見せにくいと思いますよ。そこをはっきりと
日本が見せることは、イランを核開発についてソフトランディングさせる大きなポイントだと思いますが、いかがでしょうか。