○
大門実紀史君 大門でございます。
我が党は、この間、
金融庁が出された
法案には賛成をしてきておりましたけれ
ども、この
法案も何とか賛成したいと思って精査、
検討をいたしましたけれ
ども、賛成には至りませんで、反対というふうにさせていただきたいというふうに思います。
その
理由は、今日もいろいろ
質問がありましたけれ
ども、この四年半、私はここでずっと座っていろんなことを見てまいりましたけれ
ども、不良債権処理の最終処理が進むと同時に、
収益向上というのも各
金融機関の目標に掲げられたわけでございます。その中で何が起きたかといいますと、職員のリストラと
金融機関の店舗の統廃合ということが一方で起きて、
銀行がどんどんどんどん店舗を縮小していくと、これは急速に進みました。一方で、
収益の
向上ということでは手数料収入を増やそうという方向に切り替えて、これは
金融庁も奨励をされてこられました。その中で
金融商品をどんどん
販売していこうということになってきているわけですけれ
ども、今、そういう中で
金融被害というのが相当この数年で増えている
状況でございます。
で、これは
保険も
銀行も同じでございまして、この前この
委員会で取り上げました明治安田生命はあの後、大問題になりましたですね。これは、この点では
金融庁が毅然と対応されたということを敬意を表しておきたいと、私も取り上げさせていただいたんで言っておきたいと思いますけれ
ども。
そういう中で、今回の
改正の
意味なんですけれ
ども、
銀行は店舗をどんどん縮小してきていると、しかし手数料収入を上げたいと、こういう
代理店制度を
銀行の求めといいますか、
銀行の意図としては
代理店制度で
販売をしていきたいと、こういう流れにあるということもしっかり見る必要があるというふうに思います。
今でさえその
金融被害が増大している中で、先ほ
ども代理店の許可云々で日本はまだまだ後れているというような話がありましたけれ
ども、私は、もちろんその日本はまだ訴訟社会になっておりませんから、いろんな点で、そういう点では意識が後れているかも分かりませんが、問題は何が後れているかといいますと、
金融消費者保護法、この整備が諸外国に比べて後れているわけです。私もこれが先に
提案されて通った後でしたら今回の
代理店制度も賛成あり得るかなというふうに思いますが、順番が違うと、外国に比べて順番が違うと。
利便性という話がありましたけれ
ども、私はまず
利用者保護があっての
利便性で、チャネルの
拡大ということにあるべきだという点で、ですから
規制緩和
一般に、何でも反対いたしませんけれ
ども、よく見なければいけないと。何でも
規制緩和賛成で、
規制緩和に反対したら何かこう守旧派みたいな、物を何か言いづらいと。そうではなくて、ちゃんと
利用者保護とかそういうものがあっての
規制緩和だという点を
考えますと、私は時期尚早といいますか、順番が逆だと。諸外国でやっているような、先進国でやっているような
利用者保護制度をまずきちっと整備すべきだと、それからの
提案であるべきであろうという点で反対ということでございます。この点についてはもう
質問、いろんな懸念は出されましたので、改めて触れる気はありません。
そこで、今日は、今現在の
金融被害の現状と
金融庁の対応について
質問したいと思います。
金融被害が増えているというのは、お手元に資料をお配りいたしましたけれ
ども、これは国民生活センターの資料ですけれ
ども、九八年からすると、もう相当何倍にもなって、六倍以上ですかね、増えております。二〇〇四年が少し減っているのは、これは実はサラ金
関係が減っているだけで
一般金融機関としてはもう横ばい状態、今年は更に増えるんじゃないかというふうに見られておりますので、
一般金融機関の苦情というのは減っていないということ、むしろ相当増えているということでございます。
で、例えば、その中でもこれから社会問題になると思われます変額個人年金について簡単に対応を聞きたいと思いますけれ
ども、変額個人年金というのは名前のとおりですけれ
ども、年金の給付額が
運用次第で変動するというものです。これはまあ、
契約者個人の責任で選択して
投資信託等で
運用するもので、元本割れもあり得るというふうな
商品でございます。
従来、個人年金というと、定額制が当たり前だったわけですね、老後の安定ということで。ところが、九九年から
金融庁がこの変額年金の
販売を許可し、売出しが始まって急速に伸びておりますね。で、〇一年度は六万一千件ぐらいであったのが、〇四年度でもう四十二万件になっていると、四年間で七倍も増えています。金額も二〇〇四年度で五兆八千億円の
契約金額になっておると。年金
制度の不安を背景にこれだけ伸びているんだと思います。
こういう、皆さんが年金に不安を持っているということ、そういう背景で伸びているにもかかわらず、この問題での苦情もいろいろ増えておりまして、国民生活センターの調べでは、二〇〇二年に比べたらもう四、五倍の苦情件数が増えております。
内容は悪質なものがかなり多いということで、生活センターの方で事例を出してもらいましたけれ
ども、要するに元本保証かと思っていたらそうではなかったと、年金原資保証という独特の言い方があるんですけれ
ども、それを元本保証と思い込んでしまったとか、定期
預金が満期になる直前に
銀行員が訪問してきてこの個人年金勧められたとか、五年間
運用したいと言ったのに二十年のこの変額年金を勧められてよく分からないまま
契約されたと。この非常に複雑な
保険ですから、
説明責任がどこまで果たされたかとかいろいろトラブルになる問題が生じているということでございます。
問題は、
銀行で窓販していますので、
銀行の信用がこう背景にあって安心して入っちゃうという
ケースが増えて今問題になっているんだと、特に問題になっていると思います。
実は、この変額年金については、当初から危険性を指摘する声が強くありました。
銀行の窓口
販売のときは、特に二〇〇二年の
金融審議会の中で
議論がされています。
委員の中で強く窓口
販売やめるべきだというふうに主張された、意見を出された方がおられます。高橋
委員という方ですけれ
ども、この方はある雑誌でこのように述べておられます。二〇〇二年のことですけれ
ども、二月ごろワーキンググループの会合が開かれ、そこで
金融庁の案が示されて、四月から個人変額年金を解禁するということが分かったと。そこで、私はこんなリスクの高い
商品を今の法
制度の下で解禁すべきではないと申し上げたけれ
ども、例によって御意見として拝聴しておきますということで終わってしまって解禁になったというふうに述べておられます。
私は、これは特に変額
保険、変額と付くのは非常に問題になっていますね、今でも。そういう点からいくと、非常に慎重に当たられるべきだったと。ここで解禁をされて、今実際に被害がじわじわと広がっていると。これは今後確実に私は被害広がると思います。
この
金融庁は、この時点で
委員の強い反対があったにもかかわらず、窓口、
銀行の窓販を解禁されたということは、私は
金融庁自身が責任を問われる事態に間もなくなってくると思いますが、どういうふうにとらえておられますか。