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参考人(
山本正
堯君) ただいま
先生御指摘の山陽自動車道の盛土崩落
事故でございますが、去る九月七日の午前一時ごろに
台風十四号による未曾有の異常降雨がございまして、岩国市の山陽自動車道の岩国インターから玖珂インター間において土砂崩落がございまして、近くの民家二軒が土砂に埋まり、残念ながら三名の方がお亡くなりになりました。
私
どもとして、改めてお亡くなりになられました
方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御
遺族の
方々に対しまして心から哀悼の意を表したいと思います。また、負傷されました
方々に対しましてもお見舞い申し上げますとともに、一日も早い御回復をお祈りを申し上げておるところでございます。
さて、現在、被害者の方あるいは御
遺族の
方々に対しまして、補償等につきまして私
ども西日本高速道路株式会社といたしまして誠心誠意お話合いをさせていただいているところでございます。
また、今回の災害につきまして私
ども、道路公団時代でございますが、西
日本道路株式会社といたしましても大変重大な問題であると重く受け止めておりまして、
原因究明を行うために九月の十日、発生と、早急に道路公団におきまして砂防や地すべりの専門家を
委員長といたします山陽自動車道の災害
調査検討
委員会を設置をいたしました。この
委員会は、十月一日以降私
どもの西
日本高速会社に引き継いで鋭意
調査を行っておるところでございます。
この
委員会では、四回にわたる討議を経まして、崩落要因が主に四つの要因であるというふうに結論を得たわけでございますが、
一つは、
先生御案内のとおり、主に連続累積降雨量が五百ミリを超える異常降雨であったという気象的な要因。それから二番目には、地層的な、地下水の供給を受けやすい地質構造、二つの断層破砕帯があったといったような地質的な問題。それから三つ目が、地形的で、三つの沢から地下水の供給を受けて
一つのボトルネックになっておったといったような地形であったという要因。それからもう
一つは、四番目は、地下排水孔に一部欠損があったということで、ここから盛土に浸透水を供給した可能性は否定できないんじゃないかと。こういう四つの要因が、崩落要因が指摘されたところでございます。そういう要因が複合的に重なりまして、長時間の降雨によって浸透した水と断層による破砕帯や三つの沢からの地下水が盛土部に集中して崩壊に至ったと、こういうことでございます。
こういう崩壊の
復旧に当たりまして、
委員会にいろいろ御議論をいただき、四回にわたる御議論をいただきまして、
対策の事項といたしまして、崩壊の土砂は完全に除去するということ、それからぎざぎざにいわゆる段切りを行うといったようなこと、滑りをできるだけ少なくするといったようなこと、それから盛土の下部には浸透水の良い材料を施すといったようなことというような提言を受けまして、私
どもとしては、これに基づきまして
復旧対策を実施すべく今準備を進めておると、こういう
状況でございます。
また、今回ののり面の災害を受けまして、盛土ののり面の緊急点検を西
日本株式会社管内で百八十四か所で実施をいたしました。その結果、緊急に
対応が必要だと言われておる箇所が六か所ございましたので、そのうち五か所の
復旧工事は既に完了をさせていただいております。残り一か所につきましては、この今回の
事故の近くの場所でございますが、今週中にも完了の予定でございます。この
委員会の検討結果を受けて更に詳細な
調査が実施する必要がある箇所もございますので、そういう
調査を実施いたしていると、こういうことでございます。
今回の崩落現場につきまして、
復旧の時期、
先生お尋ねの
復旧の時期でございますけれ
ども、現在、
西日本高速道路株式会社におきまして、御
遺族の方、被災者の方あるいはまた地域の地元の
方々に対しまして、崩落
原因の説明あるいは今後の
対策工事の説明を誠心誠意行っているところでございまして、これらの
方々及び地域の御理解が得られ次第、私
どもとしては昼夜連続態勢で鋭意工事を進めて、できるだけ早期に山陽自動車道を
復旧させたいというふうに
考えております。
冬になりますと、現在山陽道が止まっておりますので、中国自動車道に迂回をしていただいている
方々も大変多うございます。そういった
方々につきましても、冬の積雪の時期に入ってまいりますので、私
どもとしましては、できるだけ年内、できるだけ早い時期に
復旧を目指したいというふうに
考えておるところでございます。