○中原爽君 自由民主党の中原でございます。
早速ですが、今お手元に配付資料をお配りしております。四枚ございまして右下に番号が振ってあります。一番ですが、左の上をごらんいただくと(参考)となっておりまして、これは、厚労省の方で
医療制度構造改革試案、お
出しになりました二十一ページをそのままコピーしてきました。上の段のところは、経済財政諮問会議が提案されております名目GDPの成長率に人口動態のものを掛けたというものでありまして、これで
医療費を抑制すると。それに従いまして厚労省の方で仮に計算をされたという表になっております。
それから、下半分のところは、アイウエオがありますが、エのところで保険免責制の創設。これは厚労省でお考えになっている部分かとは思いますけれ
ども、それの
内容が表の方に出ておりまして、外来一回受診千円と五百円の例示がございます。それでマイナスの三・二兆円とか、そういう計算が成り立つと、計算で出てきたという資料になっているわけであります。この二つのことについてお尋ねをしようと思います。
配付資料の二の方でありますけれ
ども、二番目の配付資料でありますが、これが、GDPというのは名目と実質と両方あるわけでありまして、そのうち実質のGDPが計算式が変わりました。以前というのは、去年までは、去年の暮れまでは、実質の計算式は、一九九五年を
基準年度に取りまして、それからこの実質の計算を毎年やってきたわけですけれ
ども、もう十年もたっているということでありまして、こういう一九九五年を固定
基準年度にしたという方式は今採用されなくなりました。
アメリカも
イギリスもカナダも、こういう方式じゃなくて、毎年、前年度を
基準にしてこの実質のGDPを計算するという方式で、これは連鎖方式でありますけれ
ども、そういう方式に変えたわけであります。
日本も昨年の十一月ごろからこれを採用すると。一九九五年の
基準年度は廃止すると、こういうことになっております。
それで、この上の数字が並んでおりますところは、これは内閣府でお
出しになった国民経済計算の中から私が打ち変えたものでございます。したがって、実質のGDP、右側の方は数字を現在の方式に改めて作ってみました。ごらんいただきますと、左が名目で右が実質であります。一番下の二〇〇四年を見ていただくと、名目が五百五兆円、実質の方が五百三十二兆円。それからさかのぼって見ていただきますと、いずれも実質の
データの方が数値としては大きいわけであります。したがって、この名目を実質で割りますと、これが一より大きいか少ないかということになるわけですが、これ少なければその経済はデフレであるということになるわけです。
これ見ていただくと、全部デフレの
状況が続いているということが分かります。そうすると、先ほどの、諮問会議で計算式をお作りになっているわけですが、名目GDPの成長率、これを使って
医療費総枠を抑制しようということをおやりになるわけなんですが、どうして名目を使うのか。GDPというのは実質もあるわけですから、実質を使うべきなのか、名目を使うべきなのかということは、私はちょっと疑問に思うんですね。どっちの
データの方が有利なのか。有利と言うとおかしいんですけれ
ども、数字が違ってくるはずですから。ここのところはどうなっているんだということをまずお聞きしたい。これが
一つ。
それから、次の三ページ、三番でございますけれ
ども、ちょっとごらんいただきたいと思うんですが、三番の一番上のところ、数字の1でマクロ指数の提案ということがございます。で、計算式があります。給付の伸び率イコール名目のGDPがあって、全人口の、前年度の人口で六十五歳以上の増加率を割ると。ただし、ここには掛ける二分の一というのが付いているわけなんです。
ここには括弧の注ということが書いてありまして、その注のところは、
社会保障給付費八十四兆円、二〇〇二年の実質の実績であると。このうち約半分を占める
年金四十四兆円は、マクロ経済スライドの
導入で名目GDPの伸び率に給付が抑制されているため、ここで残りの給付費を対象とする
意味で二分の一にしたと。要するに、二分の一掛ける。全体で八十四兆円あるんだけれ
ども、その半分の四十四兆円が
年金だと。
年金はこの前大騒ぎをしてマクロ経済スライドを掛けたと、こういうことになっているわけですね。
マクロ経済のスライドで出てくる数字というのはGDPそのものですから、それを掛けたから、だからそこの
年金だけはGDPがもう既に掛かっているというわけですよ。だから、八十四兆円の半分の四十四兆円は差っ引くということで二分の一を掛けると、こう説明してあるわけです。これは四月二十七日の説明なんです、諮問会議で。出典は財政諮問会議の四月二十七日の有識者議員が提
出した資料であり、明らかに二分の一ということはここでうたってある。
ところが、先ほどの資料の一でごらんいただいたように、厚労省で計算されたのはこの二分の一が掛かっていないんです。どっかで二分の一が消えちゃったということになるんですね。それ大きいですよ。
年金を加算するのか、
年金を差っ引いて計算するのかで数値が違ってくるわけだから。じゃどうして二分の一、四月は二分の一だった、十月になったら二分の一なくなっちゃっている、これはどういうことだということになります。
資料の三ページをごらんいただきたいんですが、これが十月の四日にお
出しになった経済財政諮問会議の配付資料、十七年の十月四日、
医療制度改革について牛尾さん方の四人の連名で、これはもう経済財政諮問会議のメンバーの方でありますけれ
ども、お
出しになった別紙の1というやつですね。
これ横にしてごらんいただきますと、注の1、注の2、注の4というのがあるんですね、注の3、注の4があります。それで、注の4をごらんいただくと、高齢化修正GDPの伸び率イコール名目のGDPの成長率プラス六十五歳以上の人口の増加数を全人口の増加数、前年度で割ったと、こういうことになって、二分の一はくっ付いてないと、ここには。どこへ行っちゃったのということですけれ
ども、その下のところに説明書きがあるんですね。
平成十七年四月二十七日諮問会議では、
社会保障給付費全体に適用すべき高齢化修正GDPを提案したと。これと整合的な
医療給付費に係る高齢化修正GDPは上記のようになる。何の説明だか分からない、これは。二分の一をどうしたということが書いてない。
恐らく、二分の一の計算式はやめたと。それで、上の二分の一を取った計算式にするという
意味でこの注の4が書いてあるんだろうというふうに想像できるわけですね。そうしか読み取れない。それじゃなきゃ何でこんなものを入れるか。これと整合的な
医療給付費に係る高齢化GDP、上記のようになる、で、二分の一は取れてる、こういうことになっているんですね。どうしてこうなるのか説明してほしい。
もう一度申し上げますと、経済財政諮問会議は最初、四月の時点で、
年金分の四十四兆円、これを差っ引くという
意味で二分の一を掛けた。そのことについては、九月の九日の日に、これは本間さん、諮問会議の
委員である本間教授が某所で講演をなさっているんですね。
そのときにどういうふうにおっしゃっているかということなんでありますけれ
ども、いろいろ発言をされているわけなんですね。某経済保障関係の業界誌十月三日号に出ております。本間教授が都内の健康保険組合の役員を対象として講演をなさったと。そこに、四月二十七日には新しいマクロ指数を提案している高齢化修正GDPというもので、これは
社会保障給付費の伸び率を名目GDPの成長率に全人口に占める
高齢者割合の伸び率、パーセントを二分の一だけカウントしたものだと、こういうふうに講演でおっしゃっているんですね。
だから、九月の時点までは二分の一残っていた。ところが、十月四日になったら、先ほどの配付資料の3のように、二分の一は消えちゃったということなんですね。このことを説明していただきたい。
すなわち、何で名目のGDPをお使いになって実質をお使いにならないのか、これが一点。それと、二分の一が消えてしまったのはどういうわけだと、これをお尋ねしたいと。