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2005-10-06 第163回国会 参議院 厚生労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         岸  宏一君     理 事         国井 正幸君     理 事         武見 敬三君     理 事         辻  泰弘君     理 事         山本 孝史君     理 事         遠山 清彦君                 坂本由紀子君                 清水嘉与子君                 田浦  直君                 中島 眞人君                 中原  爽君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 藤井 基之君                 水落 敏栄君                 足立 信也君                 朝日 俊弘君                 家西  悟君                 小林 正夫君                 柳澤 光美君                 柳田  稔君                 蓮   舫君                 草川 昭三君                 小池  晃君                 福島みずほ君     ─────────────    委員異動  九月二十六日     辞任         補欠選任      足立 信也君     津田弥太郎君      小林 正夫君     森 ゆうこ君      柳澤 光美君     下田 敦子君      柳田  稔君     谷  博之君      山本 孝史君     広野ただし君      蓮   舫君     円 より子君  九月二十七日     辞任         補欠選任      広野ただし君     島田智哉子君  十月五日     辞任         補欠選任      家西  悟君     小林 正夫君      下田 敦子君     那谷屋正義君  十月六日     辞任         補欠選任      小林 正夫君     家西  悟君      小池  晃君     小林美恵子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岸  宏一君     理 事                 国井 正幸君                 武見 敬三君                 谷  博之君                 辻  泰弘君                 円 より子君                 遠山 清彦君     委 員                 坂本由紀子君                 清水嘉与子君                 田浦  直君                 中島 眞人君                 中原  爽君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 藤井 基之君                 水落 敏栄君                 朝日 俊弘君                 家西  悟君                 小林 正夫君                 島田智哉子君                 津田弥太郎君                 那谷屋正義君                 森 ゆうこ君                 草川 昭三君                 小池  晃君                 小林美恵子君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   尾辻 秀久君    副大臣        厚生労働大臣  中野  清君        厚生労働大臣  西  博義君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       西川 京子君        厚生労働大臣政        務官       藤井 基之君    事務局側        常任委員会専門        員        江口  勤君    政府参考人        厚生労働省職業        安定局高齢・障        害者雇用対策部        長        鳥生  隆君        厚生労働省職業        能力開発局長   上村 隆史君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       北井久美子君        厚生労働省社会        ・援護局長    中村 秀一君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    中谷比呂樹君        厚生労働省老健        局長       磯部 文雄君        厚生労働省年金        局長       渡邉 芳樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○障害者自立支援法案内閣提出) ○委員派遣承認要求に関する件     ─────────────
  2. 岸宏一

    委員長岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  昨日まで、山本孝史君、柳澤光美君、足立信也君、蓮舫さん及び家西悟君が委員辞任され、その補欠として谷博之君、森ゆうこさん、円より子さん、島田智哉子さん及び那谷屋正義君が選任されました。     ─────────────
  3. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 理事辞任についてお諮りいたします。  辻泰弘君から、文書をもって、都合により理事辞任したい旨の申出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  理事辞任及び委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事円より子さん及び谷博之君を指名いたします。     ─────────────
  6. 岸宏一

    委員長岸宏一君) この際、中野厚生労働大臣及び西川厚生労働大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。中野厚生労働大臣
  7. 中野清

    ○副大臣中野清君) このたび厚生労働大臣を拝命いたしました中野清でございます。  厚生労働行政につきましては、働き方の多様化が進み、人口減少社会の到来を控える今日、すべての人が意欲と能力を十分に生かしながら働くことができ、安心して生活できる環境の整備が重要であると考えております。私といたしましては、現場の声に耳を傾け、国民の視点に立って、誠実かつ積極的に取り組んでまいります。  厚生労働委員会先生方の御理解と御協力を得ながら、西副大臣西川藤井大臣政務官とともに全力で尾辻大臣を補佐してまいる所存でありますので、どうぞよろしく御指導を賜りますようお願いをしたいと思います。
  8. 岸宏一

  9. 西川京子

    大臣政務官西川京子君) おはようございます。このたび厚生労働大臣政務官を拝命いたしました西川京子でございます。  選挙中を通しまして、国民の一番の要望課題がこの厚生労働行政の中にほとんど含まれるような気がいたしました。本当に重い課題を抱えたことになると思います。  西、中野両副大臣、そして藤井大臣政務官とともに尾辻大臣を精一杯お支えして一生懸命努力する所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  10. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 以上で発言は終了いたしました。     ─────────────
  11. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、社会保障及び労働問題等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  13. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  障害者自立支援法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会援護局長中村秀一君外六名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  15. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 障害者自立支援法案議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。尾辻厚生労働大臣
  16. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) ただいま議題となりました障害者自立支援法案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  障害保健福祉施策につきましては、障害者及び障害児地域における自立した生活支援することを主題に取り組んでおりますが、現在は身体障害知的障害精神障害といった障害種別等によって福祉サービス公費負担医療利用仕組み内容等が異なっており、これを一元的なものとすることや、その利用者の増加に対応できるよう、制度をより安定的、効率的かつ持続可能なものとすることが求められております。  これらの課題対応し、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことにより、障害者及び障害児福祉の増進を図り、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会実現に寄与するため、障害者自立支援法案を第百六十二回国会に提出しましたが、衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。  しかしながら、制度をより安定的、効率的かつ持続可能なものとするため、今回の改正を一刻も早く実現する必要があることから、ここにこの法律案提案し、御審議を願うこととした次第であります。  以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、自立支援給付障害福祉サービス自立支援医療補装具の購入などに要する費用支給とし、当該給付を受けようとする者は、市町村等に申請を行い、その支給決定等を受けることとしております。  第二に、自立支援給付の額は、障害福祉サービス等に通常要する額の百分の九十を原則としつつ、利用者負担が多額となる場合等については、家計に与える影響等を考慮して給付割合の引上げを行う等、負担軽減措置を講ずることとしております。  第三に、市町村及び都道府県が行う地域生活支援事業に関することを定めることとしております。  第四に、市町村及び都道府県は、国の定める基本指針に即して障害福祉サービス地域生活支援事業等提供体制確保に関する計画である障害福祉計画を定めることとしております。  第五に、自立支援給付に要する費用は、一部都道府県が支弁するものを除き市町村が支弁し、その四分の一を都道府県が、二分の一を国が、それぞれ負担することとしております。  このほか、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律を始め関係法律について所要の改正を行うこととしております。  最後に、この法律施行日は、障害者支援施設に関する事項など一部の事項を除き、平成十八年四月一日としております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  17. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。     ─────────────
  18. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  障害者自立支援法案につき、現地において意見を聴取するため、明七日、大阪府に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員等決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  21. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 障害者自立支援法案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  22. 小林正夫

    小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。  大臣にお聞きをしたいと思います。  障害者にかかわる法律障害者基本法を始めとして幾つかあります。総じて言うと、それらの法律目的あるいは理念、このことに対して大臣はどういう所感をお持ちなのか、お聞きをします。
  23. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 我が国の障害に関する法律といたしましては、まず福祉に関するもの、それから教育に関するもの、雇用に関するもの、建築物に関するもの、交通移動に関するものなどがございます。こうした幾つもの今お話しのように法律があるわけでございますが、障害者施策に共通の考え方としては障害者基本法において述べております。  すなわち、障害者自立社会参加支援のための施策を総合的かつ計画的に推進する、それから障害者個人の尊厳や差別の禁止、さらに障害者自立社会参加のための国や地方公共団体の責務、こうしたものが目的基本理念として障害者基本法において述べられております。これがすなわち基本的な考え方であるというふうに考えております。
  24. 小林正夫

    小林正夫君 私は、今回の法律案に対して障害者の方の思いというのは大きく分けて三つぐらいに集約できるというふうに私自身思っています。一つは、現状のサービス水準を維持向上してほしい、こういう願いが一つ二つ目には、もっと社会参加ができるようなそういう環境をつくってほしいと、これが二つ目だと思います。三つ目には、所得保障なき応益負担に反対したい。こういうことが、私自身今回の法律を考えたときに、障害者の方の多くの意見、この三つぐらいに集約をされるのかなというふうに思います。  そこでまず、質問の初めに当たって、社会参加という切り口で何点か質問をさせていただきたいと思います。  私たちの生活の中で、障害者でも健常者でも、社会参加をすることや集団生活を送ることは自立していく大きな要因だと思います。正に今審議している自立支援、こういうことだと思います。そこで、移動支援サービス見直しについてお聞きをしたいと思います。  私は、移動サービス障害者社会参加を保障するものだ、このように私は理解をしております。そこで、今回の法案提案の中に、市町村地域生活支援事業には、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう必要な援助を行うというふうに書かれています。移動支援サービス個別給付から地域生活支援に変わる、このようにうたわれておりまして、このことは具体的にどのような変化があるのか、お聞きをしたい。具体的な事例を出して示していただきたいと思います。  あわせて、今までやっていた方法と、今回地域生活支援に変わる、それぞれ利点、欠点はあると思うんですが、このことについてもお話を聞きたいと思います。
  25. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 今委員から御指摘ございましたように、外出時の支援を行う移動支援につきましては、障害者方々社会参加を促進したり、地域での自立した生活を支える上で重要なサービスであると、こういうふうに認識いたしております。  今回、移動支援につきましては、支援費制度の下で個別給付でございましたけれども、今回の法案では地域生活支援事業として位置付けております。  具体的にどういう事業になるかということでございますが、法律上、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業として位置付けられたこと、その費用につきまして国、都道府県補助することができる規定を設けましたこと、それから、市町村等がこの法律障害福祉計画を作っていただきますが、その計画に盛り込む、事業実施について盛り込んでいただくと、こういうふうにまず制度的には考えております。  また、厚生労働省の方では地域生活支援事業の運営にかかわるガイドラインを自治体向けに作成しまして、サービス提供体制確保障害者方々個々ニーズ対応するサービスにしたいと思っております。  こういうことに見直しをすることによってどういうふうに変わるかということでございますが、個別給付はそれの良さがございますが、事前に支給決定が必要なためにあらかじめ予期できないニーズに臨機応変に対応できないとか、個別給付のために複数の利用者の方に対して一人の介護者対応するといったようなことができないなど、柔軟な対応ができないという課題もあったところ、こういった点については改善されるのではないかと思っております。すなわち、市町村地域の特性や利用者状況に応じた柔軟な形態での事業実施が可能になると考えております。  問題点といたしましては、事業委託先が例えば限定されて、事業者を自由に選べなくなるのではないかという御懸念ですとか、これまでのサービス水準確保がされないのではないかといった御懸念が示されております。  サービス水準確保につきましては、そもそも今回の障害者自立支援法、財政的な基盤を安定させるということなどを中心に考えて提案されているわけですが、先ほど申し上げましたように、障害福祉計画に盛り込むこと、市町村必須事業にしたこと、国の補助を行うといったことで、そういった点で財源の確保に努めてまいりたいと思います。  以上申し述べましたことにより、個々ニーズ対応するという個別給付利点を引き継ぎながら、柔軟な対応を可能とする地域生活支援事業移動支援の拡充を私どもとしては図ってまいりたいと考えております。
  26. 小林正夫

    小林正夫君 今御説明ありましたけれども、更にちょっと質問をします。  今まで個別給付ですから個人に合わせていろいろサービスを提供してきた、それができなくなる、こういうことを含んでいますから、これはサービスの後退になってしまうんじゃないかと私は思います。  例えば、バスを配車をしますと、こういう現象があったと思います。となれば、この日のこの時間にこの場所に集合してくださいという、私はこういうことになるんだと思うんです。要は、全体でバス利用して移動するという場面がこれから生じることがあると思うんですね。そのときに、この日のこの時間にこの場所に集合しなさいということが、多分そういうことになってくると思うんです。体調だとかそれぞれの個別の障害者のそういう状況に合わすのではなく、この場合でいうと、バスが配車されることに合わせていくことになると、このように思います。  要は、人でなく物に合わせていくという、こういうサービスが、一番初め大臣がおっしゃった、この社会福祉、いろんな意味でみんなで支えていくというこの目的に反しているんじゃないかと思いますけれども、この点どうでしょうか。
  27. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 無理やりに、お出掛けになる皆さんを、何人かが外に出たい、外出したい、買物に行きたいといったようなことをおっしゃったときに、じゃ、何人かそれをおっしゃったから無理やりまとめて行ってくださいというふうに申し上げるためにこの仕組みをつくったつもりは全くありません。そういうことを申し上げるつもりもありません。やはり体調に合わせてこの日に出掛けたいとおっしゃれば、それはもうそのサービスをするというのは当然のことでありますから、そういった意味では今までのやり方を変えるつもりでもありません。  むしろ、個別給付ですと、今までの臨機に対応するというのがやや難しい、手続上の面でぱっとというのがなかなか難しいところもありますから、かえって、今日いきなりちょっとと言われたときに対応できるようにもむしろ考えておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
  28. 小林正夫

    小林正夫君 次の質問に移ります。社会参加という意味合いの二番目の質問になります。  障害児放課後児童クラブ入所枠解消状況についてお聞きをしたいと思います。  ノーマライゼーションの実現が何より大切なことだと思います。障害児健常者が一緒に生活をすることが普通のこととして受け入れられる世の中にしていかなきゃいけない、これが基本だと思います。  私は、昨年の十一月三十日と今年の三月十八日のこの厚生労働委員会障害児放課後児童クラブ入所枠について質問をいたしました。その結果、一割程度の自治体制限を設けている、このことが分かりました。解消取組を求めたところ、厚生労働省として今年の四月に文書が出されまして、障害児の適切な受入れを求めた放課後児童健全育成事業実施について、こういう通達が出されました。このことは大変良かったと思いますし、感謝を申し上げたいと思います。  この文書が出されてちょうど六か月経過するわけなんですけれども、この制限を設けていた一割の自治体は現在どのようになっているのか、把握できていたら教えていただきたいと思います。
  29. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 放課後児童クラブにおきます障害者受入れ推進につきましては、議員今御指摘いただきましたとおり、本年四月に地方自治体に改めて通知をいたしまして、地域の実情や放課後児童クラブの実態に応じて適切な受入れを図るよう指導をしたところでございます。  その通知を踏まえたその後の自治体対応状況ということでございますが、現時点では全国調査を把握をしておりませんが、厚生労働省では毎年、放課後児童クラブに関する全国調査を行っておりまして、次の調査に当たります来年度早々の調査におきましては障害児受入れ枠に関する調査項目の追加を予定しておりまして、既にこの旨を各自治体に予告をしております。  そういうことで、なるべく早く改善をしていただくようお願いしているところでございます。
  30. 小林正夫

    小林正夫君 私、放課後児童クラブ入所あるいはそこに入りたいということは、社会生活集団生活の本当、出発点だというふうに思います。その意味で、枠があるから入れないという、こんなことが決してないようにしていかなきゃいけないと思いますので、更なる取組お願いをしておきたいと思います。  と同時に、今お話しのとおり、いろいろ調査をして結果をまとめると、こういう報告でしたけれども、私は、厚生労働省としてもっと突っ込んで、なぜ枠が設けられていたのか、その一割の自治体が今どうなっているかということは正確にまだ把握できていないということですから、それを早くしっかりして、各市町村に対して厚生労働省として是非改善に対する強い指導をしていただきたいと思いますけれども是非大臣の日ごろおっしゃっているきめ細かく丁寧にと、この部分やっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  31. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) これはもう前にも御答弁申し上げたところでございますけれども障害児児童クラブにおける受入れにつきましては国庫補助の加算を行って今いたしております。したがいまして、私どもとしては国庫補助の中でそうした場合には加算しますよということでやっておるわけでありますけれども実施する側としては自分のところでまたそれに足さなきゃならぬわけでありますから、そうした事情も勘案しながら実施しているんだろうというふうには思います。  しかし、障害児受入れに当たりましては、子供にとって最善の支援が行われるように、もう私どもは最善の支援が行われるように、そして一人一人障害の種類や程度、各クラブの職員配置、施設の構造等、いろんなことを考えなきゃいけない面もありますけれども、とにかく、申し上げたように最善の支援というのがもう一番の基本でありますから、当然、前にもお答えいたしましたように、一律に障害児枠を設定することは適当でない、もうこれだけ受け入れたらあとは無理ですというようなことを言うことは、これは適当でないというのはもう繰り返し申し上げているとおりでありますし、そういうことのないようにというふうに今言っておるところでもありますが、これはお話しのとおりでありまして、また今の調査も更に進めながら推進していきたいというふうに考えております。
  32. 小林正夫

    小林正夫君 一点確認です。保育所について障害児入所枠はないと十一月三十日の当委員会でお話がありましたけれども、これは間違いないですね。
  33. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 国としては保育所の障害児受入れについて枠を定めているということはございません。  ただ、保育所は専門に障害児を受け入れる施設ではないために、職員の配置あるいは施設の構造、設備などから、障害児を安全に適切に受け入れる体制が十分に整っていない保育所もございます。こうしたことから、各自治体におきまして、子供の処遇をむしろ考えまして、個別に受入れの可否について判断されているというふうに承知をいたしております。
  34. 小林正夫

    小林正夫君 確かに、受入れに当たっていろいろ条件整備をしないと難しい面もあると、こういうお話だと思いますけれども、でもそれを早く解決してやらないと、保育所に入りたい、でもそういう条件整備が整わない、結局駄目ですと、こういう現象が生じているということですよ。この改善を早くしていかなきゃいけないと思いますけれども大臣、どうでしょうか。
  35. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今の答弁聞きながら、率直に、私どもとしては障害児保育というのを一生懸命言ってきたところがありますから、一生懸命言ってきたそのことと今の答弁、どういうふうに、まあ役所的に答えるとこうなるのかなと思ってつい聞いていたんですが、私どもが日ごろ言っております障害児保育を進めたいというそこのところと、今の国の制度をきっちり説明するとこうなりますということともう少し詰めて、いずれにしても前向きに進めなきゃいかぬことだという認識は私どもは持っておりますことを申し上げたいと存じます。
  36. 小林正夫

    小林正夫君 障害児を持った親は本当に入所したいと、こう思っている方は一杯もちろん当然いるんです。今大臣おっしゃったように、こういう方たちが本当に受け入れられる、こういう社会を早くつくっていくということに対して更なる努力をお願いしておきたいと思います。  次に、社会参加という切り口の三番目の質問です。障害者の文化活動への参加の支援について伺いたいと思います。  作品の展示だとか発表会などで多くの人に自分の作品を見てもらうということは本当に喜びであり、励まされる、こういうことだと思います。多くの人に、障害者の頑張り、あるいは一生懸命取り組んでいる姿が理解されていくものと思います。  障害者基本法の第三条の基本理念の二の中で、「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。」とうたわれています。障害者が文化活動を通じて社会参加を果たしていく、自立していく取組は大変大事なことだと思います。  そこで、何点か質問をいたします。  障害者の文化活動への支援について、基本的な考え方と、この支援に対する予算、この推移がどうなっているのか教えていただきたいと思います。
  37. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  今、障害者基本法の御紹介ございましたが、そういう考え方に立ちまして、私ども基本的な考え方として、障害者方々が芸術文化活動に取り組むということにつきましては、自立にもつながりますし、またこうした活動を通じて社会参加にもつながりますし、また社会全体が障害に対する理解を深めるということで意義深いと考えております。  平成十三年度から全国規模の障害者芸術・文化祭というのを実施しております。今年は山形で実施されること、五回目になっておりますが、こういうことに対しまして国として四千七十万円補助をさせていただいているということ。それから、自治体に対しまして、これは都道府県市町村でございますが、障害者自立支援社会参加総合推進事業四十八億円の中の一事業として、芸術・文化講座開催等の事業補助を行っております。
  38. 小林正夫

    小林正夫君 大臣、お聞きをするんですけれども、実は今回の法案審議に当たっていろいろ障害者の方からも連絡をいただいたり要望もいただいております。  その中の一人が個人ボランティアで障害者の方に習字を教えている、こういう方から私の方に連絡がありました。その彼女の悩みは、生活圏の中で無料の展示場探しはなかなか難しく大きなエネルギーが要ります、障害者基本法基本理念、又は障害者を社会全体で支えていく意味からも、展示の受入れに対する指導あるいは協力を求める取組、更に身近な展示場探しに役立つ情報を提供してもらうと有り難いと、こういう話があったんです。  それで、私、厚生労働省の方のお力もかりまして、東京中心、関東中心のところにいろいろ連絡を取り合いながら、この辺の実態がどうなっているのかということを少し調べてみました。大型量販店やスーパー、鉄道の構内など、そういうところがどうなっているのか。あるいは神奈川県、千葉県、埼玉県、こういう状態聞きました。時間があればこの報告もしたいんですが、ちょっと時間もないものですから。  要は、総じて言うことは、調べ方によってはもっと把握ができたかもしれないんだけれども、県レベルでは民間の取組を把握しているところが極めて少ないと感じました。ですから、今言ったような先生方障害者の方の作品をどこかで展示しようと思ってもその足掛かりすらつかめないと、県レベルに聞いてもなかなか難しいと、こういう実態なんです。  それで、全国公民館連合会とか日本百貨店協会、日本民営鉄道協会、さらには全国地方銀行協会など、こういうところにも問い合わせをしたんですが、今まで申出がなかったということがあったり、あるいはそういうことについて個別事情を把握していないとか、先ほど言ったように、本当になかなかこういう方が展示をしたいというふうに思っても足掛かりすらつかめない、こういうのが実態だというふうに私、分かりました。  そこで、取組の中心は私、市町村だと思いますけれども、思いますけれども障害者を社会全体で支えていくという理念からも、私、提案をしたいと思うんですけれども、展示の受入れに対する協力を求める取組を行っていくということ、それと、民間活動で行われている、今言ったように障害者の方の作品を展示をしていっていいと、あるいは展示をすることに対して理解がある、こういうものを把握して、身近な生活圏の中で展示場探しに役立つ情報を是非まとめていただいてそういうものを提供していく、こういうことをやっていただけませんでしょうか。提案としていかがでしょうか。
  39. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 障害をお持ちの皆さんが芸術活動をしておられる、そしてそれをいろんなところで展示しておられる、私も何回も見たことありますし、感動しながら拝見させていただいたこともあります。したがって、今そうしたことは極めて大事なことだというのは、もう全くそのとおりだと思います。  そこで、国とか自治体も何にもやっていないかというと、例えば、国ですと障害者芸術文化祭開催事業などというのをやっておりまして、やっていないわけではない。そして、自分たちがやったことは確かに、私の手元にも都道府県で四十一か所やりましたとかという資料があるわけですが、自分でやったことはちゃんと当然、国の予算使ってやっていることですから把握していますが、それから広げて社会全体でという感覚で、じゃ、民間でどんなことをやっておられるかなというのは確かに把握していないと思います。  したがって、おっしゃるように、自分たちは国の予算でやっている、それにとどまらず社会全体でやるためにどういうふうに考えるか、またそういう情報をどういうふうに把握するかということは大変必要なことだと思いますので、そうしたまた取組は進めてまいりたいというふうに思います。  ただいまの御提案は真剣に検討させていただきたいと存じます。
  40. 小林正夫

    小林正夫君 是非よろしく、もう前向きに取り組んでいただくことをお願いをしておきます。  次の質問項目に移ります。済みません、資料。成年後見制度についてお伺いをしたいと思います。    〔資料配付〕
  41. 小林正夫

    小林正夫君 障害者に対するサービスや介護保険制度は、措置制度から利用者が自ら事業者を選ぶ契約方式になりました。それは自己決定の尊重という理念に基づく利用者本位の制度なのですが、一方ではそれは、自分のことはすべて自己責任でやりなさいと、こういうことでもあります。判断能力が衰えた高齢者や知的障害者、精神障害者などが契約内容理解し判断することが難しい場合には、当然保護が必要になってきます。自己責任が求められる契約社会においては、成年後見制度の期待は更に高まっていくと思います。ですから、制度利用しやすいものにしていくことが大事である、こういう前提から幾つ質問をいたします。  まず、成年後見制度については、介護保険制度の一部改正案の中で、六月十四日の審議のときに、普及を促進していくことは市町村必須事業であることを確認をいたしました。そのとき私は、成年後見制度は、介護保障にとどまらず、知的障害の人たちの中でもこの制度を活用されていることを望んでいる人も多いと、このように発言をいたしました。  そこでお聞きをいたします。知的障害精神障害の人たちが制度利用する場合に、認知症とは異なった課題はあるのかどうか、お聞きをいたします。
  42. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 成年後見制度、今、認知症のお話が出ましたけれども知的障害精神障害のある方など判断能力が不十分な方々の権利を擁護する制度と、こういうことでできております。  そういった意味では、今委員の方から認知症の方と違いがあるのかということでございますが、基本的にこの成年後見制度利用につきましては、知的障害精神障害を持つ方、認知症の方と共通な課題があると、こういうふうに認識しております。
  43. 小林正夫

    小林正夫君 今お手元に資料を配付をさせていただきました。これは実は厚生労働省が出した文書です。本来、時間があれば少しこの説明を求めたかったんですが、時間の関係で説明を求めることは省きます。ただ、この実施時期と周知方法についてどのように考えられているのか、お聞きをします。
  44. 磯部文雄

    政府参考人(磯部文雄君) この通知を発出しましたときから、実際の扱いはこういうふうにしていただきたいということでございます。  周知方法といたしましては、その通知を発出したこと自体もございますし、介護保険法の改正保険法の施行につきましての全国課長会議等におきましても、こうした趣旨について周知しているところでございます。
  45. 小林正夫

    小林正夫君 四親等から二親等へと、こういうふうに緩和されてきましたので、使いやすく一歩なったと、このように理解をします。是非、多くの方に周知していただいて利用が普及していくように努めていただく、このことをお願いします。  そこで、制度利用する場合に、後見人を専門家、例えば弁護士さんなど専門家にお願いすると、いろんな資料を見ると、月に報酬として二万円から三万円お支払いするということがよく言われます。それで、この障害者や家族にとって月二万とか三万円の負担は大変私は厳しいというふうに思います。制度利用が進まない原因の一つとされていた今手続の緩和、四親等から二親等、こういうことは一歩前進だと思いますけれども、もう一つ課題である手続や報酬費用が高額という、この問題にも取り組む必要があると思います。  実は、八月一日の読売新聞の朝刊に、東京都は申立て費用、後見報酬を助成という記事がありました。その内容は、認知症患者が約十六万人とされている都が今年度から始めた事業で、区市町村が成年後見制度推進機関を設置、運営する際に補助金を出し、十万から十五万円とされる申立て費用、月二から三万円の後見報酬など助成をする。事業費は今年度分だけで約三億円を見込んでいる。五年後には四十九の区市すべてに推進機関を整備する。補助の枠も広げ、費用の面で低所得者には使いにくいとの批判にもこたえたと。こういうことを東京都は取り組むということが明らかになりました。  是非、この辺の取組も国全体として必要じゃないかと思いますけれども大臣、いかがでしょうか。
  46. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) この成年後見制度、なかなか使っていただけませんでした。しかし、最近特にこの認知症の高齢者の方々などの被害が話題になったりいたしまして、随分こうした制度を皆さんにも御存じいただけるようになりましたし、また使ってもいただけるようになったと認識いたしております。ただ、そのために今おっしゃったような課題があることは確かでありまして、特に費用につきましても、今おっしゃったように、それはもう月に二万も三万も掛かったら、利用するといってももう本当に難しい話に、経済的に難しい話になりますから、その辺の、まずどのぐらい費用が掛かるかというところもよく改めて私どもも調べてみまして、そしてどう対応するかというのを検討したいというふうに思います。  局長手を挙げておりますから、答えさせてください。
  47. 磯部文雄

    政府参考人(磯部文雄君) 老人の方につきましては、成年後見制度につきまして現在国庫補助事業を設けておりまして、市町村の申立ての対象となる高齢者等につきましては、費用負担が困難な方に対しまして、今おっしゃいました医師の鑑定費用等につきまして助成する事業を行っております。これは十三年度以来やっておりまして、十六年度には六百十六市町村において実施されているところでございます。  こうした助成事業を少しずつ拡大していくということも今の御指摘に沿うものかと存じております。
  48. 小林正夫

    小林正夫君 最後の質問項目にさせてください。  福祉サービスなどに要する障害者利用負担について質問をいたします。  幾つ質問を用意したんですが、ちょっと時間の関係で幾つかのポイントに絞って質問をさせていただきます。  前国会審議の中で、七月一日に衆議院の厚生労働委員会が開かれました。同僚の山井議員が一割負担に関する質問をしましたけれども政府参考人の答弁趣旨は、どのような活動でもサービス提供として利用料の一割負担お願いをしている、社会保障制度全体の整合の中で一割負担お願いするが減免だけはきちんとやっていく、所得保障は就労支援を含め総合的に考えなくてはならない、他制度とのバランスを考えた負担額を設定した、こういうふうに衆議院では答弁がありました。どんな場合でも社会保障制度は一割負担基本、だから今回の障害者自立支援法でも一割負担にした、こういうことなのかどうか。  私は、障害者の方は機能的な不利があると思います。そういう障害者の方に、ほかの制度も世の中みんな一割負担なんだから障害者の方も一割負担を求めるということが真に平等なのかどうか、私は疑問があるんです。  そういう意味で、社会的不利と機能的不利を持った障害者の方、障害者はそういう意味で私は不利があると思っていますので、健常者と平等でなくてはならないというこの考え方は悪平等じゃないかと思いますけれども大臣、いかがでしょうか。
  49. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、今回この障害者自立支援法案を出させていただくに当たって申し上げておりますことは、いろんなことを申し上げておりますが、今の御質問の部分について申し上げますと、他の制度とのやはり整合性をどうしても取っておかなければならないというところを私どもは申し上げております。いろんな社会保障を取り巻く制度法律がありますけれども、やはりそうした中で整合性だけは取っておかないといけないというふうに考えて全体をつくっております。それが一つ考え方にあります。  ただ、といってもということがその後出てくるわけでありまして、したがって、できるだけの減免の仕組みをつくって負担を小さくしよう、無理のない負担利用料を払っていただこうという仕組みにしたというところでございます。  それから、御質問の趣旨の中でもう一点付け加えて申し上げますと、やはりみんなそこは公平にやらなきゃいけないと思っていますことは、障害をお持ちであってもなくても、やはり所得があればそれは負担していただくという、そこのところはみんな同じようにしておく必要があるのではないかと私は考えております。そこのところでやはりみんな平等にしておくべきだというふうに思っておりまして、そういう精神でこの仕組みをつくったということでございます。
  50. 小林正夫

    小林正夫君 平等かどうか、また別な機会というか、またこの委員会の中で機会があったら、大臣意見交換、あるいはそういうことで話合いをさせていただきたいと、このように思います。  最後の質問です。  私は、この法案審議する上で一番大切なことは、障害のある人々の個人の尊厳を傷付けたり自主性を壊すことがないようにすることだと思います。  支援費制度は、自らの収入により負担額が決められていた、だから自立ができたと歓迎される制度だったと私は理解をしています。ところが、今法律案では、世帯の所得に応じて利用者負担上限を設定することになるので、親や兄弟、配偶者に頼る状況をつくり出すことになる。このことが障害のある人々の個人の尊厳を傷付けたり、あるいは自主性を壊すことになる。また、親は、老齢化していく中で、障害者が自分の収入で暮らしていけるかどうか、いつも心配と不安を持っているんです。大臣はそのことをどのように考えられているのか、この質問をして私の質問を終わりたいと思います。
  51. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、この法案の中で基本的に言っておりますことは、正に自立でありますから、障害者御自身、本人の利用料は本人に払えるものであれば払ってくださいと。払えるものであるというのは、減免措置や何かでいろいろ私どもは考えておりますからということをそういう表現にしてしまいましたけれども、とにかく、まず基本にありますのは、本人で負担してくださいと。  ただ、その減免措置を考えるときに、家族と一緒に生活しておられる方は、生計を一にしておるとよく言いますけれども、そういう生計が一になっておる場合にはその中での所得というのをどうしても見ておりますから、そうした全体の所得の中で減免措置を考えさせてくださいというふうに言っておるわけでございまして、ただ、それも御判断で、それはもうあくまでも本人で見るというふうにおっしゃれば、それはそれを選択していただくように、選択してくださいというふうにも申し上げておるわけでありますから、どうしてももう御本人だけでというふうにおっしゃればそれを選択していただいて、そしてとにかく御本人の負担にしていただく、これを基本にしておるところであります。
  52. 小林正夫

    小林正夫君 これで質問を終わります。ありがとうございました。
  53. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日です。  今の小林議員の質問も含めて、ちょっと、具体的な質問に入る前にどうしても二点ほど確認しておきたいことがあります。  それは、今度、再度提出されたこの障害者自立支援法案、昨日今日の趣旨説明を聞きますと、基本的にはさきの通常国会審議された中身と同じです、ただし、衆議院で修正された部分については、それはそれできちんと取り入れているし、施行期日については一部を除いて来年四月一日というふうに変えておりますと、こういう御説明でした。私は、本当はもう少しきちっと考え直して出し直してほしかったと思っているんですが、そういう形で、基本的には、さきの通常国会審議中、衆議院解散で廃案となった法律案とほぼ同様の内容だというふうに基本的には理解しています。また、そういう説明でした。  とすると、さきの国会でいろいろ議論があって、説明をいただき、あるいは見解をお述べいただき、あるいは答弁をされたこの部分については、基本的には生きているというか、その趣旨は継承されているというふうに考えてよいのかどうかというのがこれからの議論のスタートになります。いや、あれはもう全部チャラだということであれば、これ一からやらなきゃいけないわけで、前回も私質問をさせていただきましたけれども、それが、そのやり取りが生きているのかどうかということを、まずひとつ大臣のお考えをお聞きしたいわけです。  もっとも、もっと一歩踏み込んで答えてほしいこともあるし、もっと補強してほしいところもあるので、その言葉どおり一歩も動かないのかということを言うつもりはありませんけれども基本的なところで継承されて生きているというふうに理解していいのかどうか。そうすれば、そのことを確認した上で次の質問に入れるので、そこをひとつ。  それからもう一つは、衆議院で修正されたところについては今回提出された政府案に取り入れられているわけですけれども、衆議院でたしか十一項目ほど附帯決議がありました。私の記憶では、これは全会一致で附帯決議を採択されたというふうに記憶しているんですが、とすれば、それはそれなりに生きているというふうに私は受け止めたいわけですが、それについては大臣はどう受け止めておられるのか。  この二点、まず具体的な質問に入る前に確認をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  54. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、前国会におきましての御審議の中で私どもがお答え申し上げたこと、このことは当然生きておるわけでございまして、そのとおりに進めていきたいというふうに、当然のこととしていたします。前国会でお答えしたことは、それは当然生きておりますということであります。  それから附帯決議、これは国会の御決議でありますから、私どもは大変重く受け止めております。大変重く受け止めておりますということを申し上げます。
  55. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そうすると、私たちのこれからの議論は前回国会でのやり取りなり附帯決議なりを一応ベースにして議論を始めてよろしいと、こういうふうに受け止めましたので、そういう前提でこれからの質問に入っていきたいと思います。  さて、今日は、皆さんのお手元に今資料を配っていただいたかなと思いますが、今回の障害者自立支援法の中でも精神保健医療福祉の分野を中心に、かなりこだわって幾つ質問をしていきたいというふうに思います。  私は勝手に今回の改正案を障害者自立支援法の新設及び精神保健福祉法等の一部を改正する法律案というふうに呼んでいるんです。なぜかというと、相当多くの部分、精神保健福祉法の一部改正が含まれているにもかかわらず、どうもそちらになかなか目が行かないというか、議論が届かないというか、そういう傾向があったものですから、あえて障害者自立支援法の新設及び精神保健福祉法等の一部を改正する法律案というふうに勝手に呼んでおります。そういう認識の下に、まずお手元のお配りいたしました精神保健医療福祉の改革ビジョン、ちょうど約一年ほど前におまとめになったものであります。是非この資料を活用しながら、三点ほど問題を分けてお尋ねしたいと思います。  まず最初に、基本的に精神障害者のための保健医療福祉施策の改革をどう進めていこうとしているのか、その際の現状認識と改革に向けた基本方針について、まず大臣からお答えいただきたいと思います。
  56. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) お話しいただきましたように、今回の障害者自立支援法案を作りますに当たりまして、まず基本的なところで、精神障害の皆さんに対して、三障害を同じように扱うという大前提、大きな私どもが考えておったことがございましたので、それに向けて準備を進めてまいりました。そこで、そのまず最初の作業として精神保健医療福祉の改革ビジョンというものを作りました。ですから、今回の支援法案の一番基本に、精神障害者の皆さんのことをどうするかということに当たってはこの改革ビジョンがあるというのはもう仰せのとおりでございます。その精神の下に私どもは作業を進めてきましたし、今後も政策を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。  この改革ビジョンにおきましては、患者の病状等に応じてより適切な医療が行われるための精神医療の改革、それから障害者地域で安心して暮らせるための地域生活支援の強化、それから精神疾患の精神障害者に対する国民理解の深化ということを進めることとしておりますので、まずこの改革ビジョンの一番基本で言っていることを私どもは基にして進めてまいりますということまで申し上げて、また多分御質問がおありだろうと思いますから、お答えさせていただきたいと存じます。
  57. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ちょっと余り先走らせないように、基本的なところからお尋ねしたいと思っているんですね。  つまり、確かに今おっしゃったように、今回の障害者自立支援法法律を作るということが精神保健医療福祉改革の中の一つの重要な柱として位置付けられていることは私も理解しています。それは後で聞こうと思っていたんです。むしろ、まず精神保健医療福祉の現状認識について大臣はどう考えているのかということを聞きたかったんです、最初に。現状認識が間違うと、解決の方法も間違うんですよ。だから、現状認識と、それを改革するための基本方針は何かということを聞いているので、三番目の質問に対する答えじゃなくて、一番目の質問に対する答えです。
  58. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 大変失礼をばいたしました。  そういうお答えでございますと、まず申し上げたように、精神障害の皆さんに対するところをもう一回見直さなきゃいけないというふうに思い、この法律案を作らせていただいたわけでありますが、その一番の基本にありますことを申し上げますと、我が国の精神保健医療福祉施策というのは歴史的に入院処遇を中心にして対策が講じられてまいりました。そういう経緯がございますけれども、近年、精神医療の質的向上や早期の社会復帰への方向転換が図られてきましたけれども、その成果がまだ十分でないという、その成果がまだ十分でないという認識の下で私どもはこの作業を始めたということでございます。
  59. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 大臣なりにお答えになっているのかもしれませんが、私はちょっと不満足なんですね。  つまり、精神保健医療福祉の現状についてどうしてもやっぱり言わなきゃいけないのは、現在でもなお三十数万人の人が入院していると。最近、若干減って三十四万とかですけれども。つまり、諸外国と比べても余りにも精神医療は入院中心主義であったと。それをこれからもっと家庭や地域で暮らしていけるように、どう具体的に保健医療の領域と福祉の領域、うまくドッキングさせて、新しい仕組みの中で多くの皆さんが地域で暮らせるように持っていけるかということが基本なんじゃないですか。  大臣としてはそういう認識ぐらいはきちっと持って今回の法改正なり改革ビジョンの実行に当たってほしかったと思うんですけれども、そこはどうですか。もう一遍改めて聞きますが。
  60. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) そう申し上げたつもりでありましたけれども、十分御説明申し上げていなかったのかもしれません。  一言で申し上げますと、私もそう申し上げたいと思ってお答えしたつもりでございます。すなわち、入院から在宅へという大きな流れがありますから、その入院から在宅へということを進めなきゃいけない。申し上げたのは、その在宅へという方向転換がまだ成果が十分現れていない、しっかりここを進めなきゃならないということでこの法律も作らせていただきましたということを申し上げたつもりでございます。
  61. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そうすると、基本的には、去年の九月に取りまとめられた精神保健医療福祉の改革ビジョン、これを基本に据えながら、その中で、恐らく保健医療の分野については、来年の医療法の改正なり、あるいは診療報酬の改定の中でまた具体的にどうするかは御検討いただけることになるだろうと思いますが、少なくとも精神障害者の福祉に関して、今回の障害者自立支援法の中で精神障害者の福祉のこともきちっと受け止めて今回の改正案を取りまとめたというふうに理解していいんですか。
  62. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) そのとおりでございます。
  63. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 それでは、ちょっと次に行きます。もう少し大臣として明確なお答えをいただけるかと期待をしていたんですが、ちょっと正直言って勉強不足です。そのことを指摘して、次に行きます。  今回、障害者自立支援法の中に附則として精神保健福祉法の改正が盛り込まれている。この点については私はこれはおかしいということをさきの国会でも指摘しました。もちろん、障害者自立支援法の中にかかわる項目についてこの法律の中で一部改正をするということはあり得ると思う、事務手続上。しかし、今回の改正案をよく見ますと、精神保健福祉法固有の改正項目が少なくとも十項目近く含まれているんですよ。  これは、実は十二年、平成十二年に精神保健福祉法の改正があって、そのときにまだ十分詰め切れない問題があったから五年後の見直し規定を付けて五年後にはちゃんと見直しましょうということで、従来から精神保健福祉法の改正の固有の課題としてあった問題が含まれているんですよね。今回それを一緒くたにしてしまった。  お伺いしたいのは、今回の精神保健福祉法の改正の性格というか、位置付けは一体どうなんだろうと。私の理解では、別途、別途精神保健福祉法の五年後の見直しがあるというふうに理解していた。ところが、今回の自立支援法の中にすぽんと入っちゃって、その附則にまあ言わばついでにこうしますみたいな提案の仕方になっているんですよね。一体、今回の精神保健福祉法の改正はどういう性格のものなのか。五年前に五年後の見直しをしますよという約束をした、そのことの答えなのかどうなのかということを聞きたい。  なぜかというと、実は今回の改正の中身をずうっと、これから後でやりますけど、チェックしていきますと、例えば、検討課題、宿題として残っていた医療保護入院の制度とか保護者の規定の見直しとかいう宿題がちゃんと答えが出てないんですよ。とすると、この宿題になっていた部分の答えはいつ出されるつもりなのかな。つまり、次の精神保健福祉法の改正はどう考えておられるのかなということにもつながるので、改めてお伺いします。今回の障害者自立支援法の中で併せて改正されている、提案されている精神保健福祉法の一部改正というのはどういう性格、どういう位置付けの改正なんですか。
  64. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今般の精神保健福祉法の改正は、この部分でいいますと、御指摘のとおり、前回の平成十一年改正見直し規定等を踏まえて取りまとめたものでございます。  改正案の作成に当たりましては、前回の改正の際の委員会での御議論を踏まえながら検討を進めまして、昨年の秋、精神保健医療福祉の改革ビジョン、先ほど来話題になっておりますけれども、この改革ビジョンでありますとか、それからその後この法律案につなぐためのグランドデザイン案を取りまとめましたけれども、そうしたものを取りまとめまして、今般、在宅福祉サービスに係る国等の負担の義務化や改善命令に従わない精神病院に関する公表制度の導入などの措置を講じようとするものでございます。  特に、今回の障害者自立支援法でいいますと、この改革のビジョンでも大きく、先ほども申し上げましたように、国民理解の深化、精神医療の改革、それから地域生活支援の強化と、この大きく三点がございますが、今回の自立支援法の中で取り組みましたのはその中での地域生活支援の強化というところでございますので、そこに重点的に、この分野に重点的に障害者自立支援法の中では取り組んでおるということでございます。  今いろいろ御指摘もいただきましたけれども精神保健医療の分野にはまだまだ課題が残っておることはもう事実でございますから、そしてまた、そうした問題について関係者の御意見も分かれておることなども非常に多うございますので、引き続きそうした御意見を更にお聞きしながら検討を進めていかなければならないと考えております。  申し上げておりますのは、問題は残っておりますということを申し上げておるところでございます。
  65. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そうすると、ちょっと確認しておきたいんですが、さっきちょっと説明しましたけど、従来から宿題として、検討課題としてされてきた医療保護入院制度見直しとか、あるいは保護者の規定の見直しなどなど、従来の五年後の見直しの中で検討しますよと言ってきた課題が今回なお積み残されているという認識がおありかどうかということと、それの解決に向けて次なる法改正も視野に入れて今後取り組みますということなのかどうか。その二点。
  66. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) ただいま申し上げましたように、問題が残っておるというふうに認識をいたしております。  そして、問題が今お述べになったようなこと、具体的に言いますと、であるということも認識をいたしておりますので、申し上げましたように今後の課題でございます。検討をさせていただきます。
  67. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 それじゃ、ちょっと各論的に幾つか、今回改正提案されている精神保健福祉法の中身についてお尋ねをしていきたいと思います。  まず第一点は、精神障害の定義について今回改正されております。皆さんも御案内のとおり、精神障害者の定義の規定で、精神分裂病という病名がそのまま残っている。しかし、近年、関係者の中では統合失調症という新しい名前にしようということで、既に学会とか関係団体ではその名称がほぼ定着しつつあると。したがって、今回この改正の中で精神分裂病という病名を統合失調症というのに変えようということについては、これは賛成をいたします、この部分は。  ただ、それだけでいいのかなという気がしてなりません。皆さん御存じだと思いますが、改めてその第五条の定義のところを読んでみますと、非常にもやっとしているんですね。この法律精神障害者とは、精神分裂病、これがまあ統合失調症に変わる、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者と、こうなっている。これ、改めて読み直してみると、何か随分、こんな定義でいいのかなと思う部分があると思いませんか。  例えば、例えば知的障害をそのままここに入れておくということはどうなのか。一方で知的障害福祉法があって、そちらには知的障害の定義は何らなされていないんだそうです。一方、精神保健福祉法の中には丸々知的障害ということが入っているというのは、これでいいのかどうか。さらには、学会等ではほとんど使われなくなった精神病質という言葉がそのまま残っている。これはこのままでいいんだろうかと、こういう議論が実はあるわけであります。  そこで、大臣にお尋ねしたいのは、前回、七月二十八日に私がこの精神障害の定義についてお尋ねをしたときに、こういうふうに答弁されました。障害者の範囲も含めて、施行後三年を目途に検討をさせていただきたいと、こういうふうにおっしゃいました。  そこで、ちょっとその再確認をしたいんですが、その検討をさせていただきたいという中身は、今私が申し上げた精神保健福祉法第五条の定義、その他の書きぶりも含めて、ここを見直しを含めて検討をしたいというふうに理解してよろしいか。
  68. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) もう極めて正直に申し上げたいと思います。  七月二十八日の委員会でお答えいたしましたときには、そのころ、この障害者自立支援法障害者の範囲の在り方についていろいろ御議論がございまして、そのときは言わば谷間問題でありました。難病をどうするのかとか、発達障害どうするのとかというふうな御議論がありましたので、私の念頭にありましたことは、このお答えいたしましたときに念頭にありましたことはこの問題であったことはもう正直に申し上げます。  しかし、これを見直しをするということになりますと、当然、今御指摘いただいたようなことも含まれてくることは今お聞きして必然だというふうに思っておりますから、当然この答えの中には、今改めてこうしたことも含めて検討すべきだというふうに考えるということを申し上げたいと存じます。
  69. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非検討をしてください。ただし、大変難しいです。だから、十分に関係する皆さんとの意見交換をされた上で判断をしてほしいと思います。  さて次に、この定義問題とも絡めてというか関連して、これも同じさきの国会の七月二十八日の委員会で部長の答弁だったと思いますが、一つは、坂本委員に対して、高次脳機能障害について、これは精神障害の範囲に含めて精神保健福祉法の対象となると考えていますという説明がありました。それからもう一つ、発達障害についても、概念的には精神保健福祉法の対象となるので、今回の障害者自立支援法サービス対象となるというふうに御説明がありました。  確認したいのは二つありまして、この高次脳機能障害及び発達障害について、概念的には精神障害の範囲、そして法律的には精神保健福祉法の対象となるという答弁は間違いではないのか確認をさせていただきたいということと、もしそうであれば、そのことについて専門家や当事者団体、関係者の皆さんの了解をちゃんと得ていますかということをお尋ねしたい。  あえてこんなことをお尋ねするのは、必ずしも精神障害の範囲としてほしくないという気持ちも一方でないわけではないので、法律の対象でここで答弁するだけでは済まない問題なんですね。この二点について部長の方から答弁をいただきたい。
  70. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。  まず第一点の、御指摘の答弁を引用いたしましての高次脳機能障害、これにつきましては器質的精神障害等として、また発達障害につきましては心理的発達障害等として概念的には精神障害に含まれる旨御答弁申し上げたところでございます。そのとおりでございます。確認をいたします。  それから、当事者の方との関係でございますが、サービスをこのように定義をいたしました場合に、自立支援法におきますサービス対象になってまいります。それにつきましては、希望される方あるいは希望されない方様々おられますので、また御意見を伺いながら的確に対応してまいりたいと思っております。
  71. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 ちょっとそれは、意見を伺いながらということは、これまでは伺ってないということ。
  72. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 発達障害の皆様が特に問題になろうかと思いますけれども、当事者の方々との会議の中でこのようなお話を申し上げて、それなりの御理解を得ておるところでございます。
  73. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 もうこれ以上言いませんけれども、実は私の知っている方からは、必ずしもそんなことについてきちんと説明も受けてないし、納得もしていないという御意見をいただいているんです。だから、もちろん、サービスの対象となるということについてはそれなりの意味があることは承知していますけれども、しかし、だからというか、まあ言わば答弁で当事者の皆さんの神経を逆なでするようなことをやってはいけないと私は思うんですね。  だから、是非ここは、そういう整理をしているという、医学的には分からぬでもないんですよ、私も。しかし、それをそういうことできちっと位置付けて行政的にやっていきますよということについては、十分説明と同意を得てください。インフォームド・コンセントをちゃんと取る努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  74. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 御指摘のとおり、様々な分野の方々からの御意見を聞きながら対応してまいりたいと思っております。ありがとうございました。
  75. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 次に、随分議論になりましたから、私は、この精神保健福祉法第三十二条の問題については二点に絞ってお尋ねをします。  今回、精神保健福祉法第三十二条、通院医療費公費負担制度、これが精神保健福祉法の条文から外されて、新たに作られる障害者自立支援法の中の自立支援医療の中に位置付けられた。法律が移ったわけですね。同時に、従来五%負担だったのが、この部分についても一〇%負担と、こういう提案内容になっています。  ただ私は、大臣に聞きたいのは、これまで精神保健福祉法の第三十二条は、単なる福祉意味ではなくて、むしろ、さっき大臣にお尋ねしました、入院中心の精神医療から、通院で何とか地域で支えられないか、通院を支援して地域生活を支えるという政策目標があったと私は思うんです、この三十二条の通院医療公費負担制度は。  そういう意味からいうと、今回、一つは、精神保健福祉法から外して自立支援法の方に持ってきたことの言わば非常に座り心地が悪いという感じがするのと、もう一つは、五%から一〇%に上げるということで、本来政策目標であった通院を支援地域生活を支えるという、そういう政策目標が吹っ飛ぶんではないか、あるいは少なくとも一部抑制されるんではないかというふうに考えざるを得ないんですが、この点についてはどうお考えですか。
  76. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、今の一番基本の部分でございますけれども精神障害の適正な医療の普及を推進するというその考え方は、今回の見直しにおいても私どもも全く変えておるものではございません。そのとおりに考えております。  そしてまた、冒頭申し上げましたように、精神障害の皆さんの施策も三障害合わせたものにしたいというふうに考えておりまして、そういうふうに全体の仕組みを作りましたから、やはり全体の仕組みの中、三障害共通の仕組みの中でこの制度を考えるというふうにしたところでございます。  あと問題は、今まで五%だったものが一割と言っておりますから一〇%に変化した、そのことがどういう影響があるんだということでございますけれども、私が申し上げました推進するということから逆行するのではないかというお話でございましたけれども、確かに、五%から一〇%というふうに言いますと、五%上がったではないかというふうにも言えると思いますけれども、ひとつその一〇%という意味は、先ほど来申し上げております全体の整合性の中で社会保障全体が一割というふうに言っております。その全体の整合性ということで一割という数字は決めたわけでありますけれども、その五%が一〇%になっても、今までですと五%というのでもうこれ上限決めておりませんから、人によっては五%が随分大きな額になっておられる方もおられた。しかし、今回の場合は随分上限というものをいろんな仕組みの中で作っておりますから、逆に費用が低くなる方も出てきますし、増える方や減る方、両方おありだというふうに考えます。そうした中で、みんなで支え合うという仕組みだけは御理解をいただきたいというふうに考えておるところでございます。
  77. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 説明は随分と苦しい説明になっているんですが、一点だけ再確認します。  少なくとも、この通院医療費を公費負担をしてきたということの政策的意味は、入院中心の精神医療から、通院を支援して地域生活を支えましょうという政策目標があって取ってきたということだと私は理解しておりますから、とすると、その政策目標は、その政策目標は変えるつもりはないということと、それから、そのためには今後様々な支援策を講じていきますという二点はお答えできますか。
  78. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 申し上げましたように、精神通院医療が精神障害の適正な医療の普及を推進する役割を担っておるというその趣旨は、変えるつもりは全くございません。  それからまた、その趣旨を推進するためにできる限りのことはさせていただくつもりであるということも申し上げたいと存じます。
  79. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非具体的に、今専門家の皆さんの御意見も伺いながら検討されているようですから、実質的に、私も精神医療に携わっているときの経験からして、相当、外来通院で支えるというのは大変なことなんですよ。まあ、二週間に一遍来なさいということじゃ済まなくて、ほとんど毎日でもおいでになって、何とか入院させないで頑張ろうということでやってきている人たちにとっては、この三十二条は非常に意味があったんです。ですから、そういう意味が吹っ飛ぶようなことがあってはならないということだけ強調して、是非今後の検討をお願いしたいと思います。  さて、そのこととある種関係するんですが、ややこれは地域的にちょっと違いがあるんですけれども、私は近畿の状況しか余り知りませんが、大阪府や京都府など幾つかの自治体では、従来の三十二条に基づく五%負担分を県単独で負担をする、助成をするということで実質的に通院医療の無料化を実現してきている自治体が、県だけじゃなくて政令市のレベルでも幾つかあるんですね。で、こうした自治体側の努力についてどの程度尾辻大臣は認識をされているのか、どういうふうに評価されているのか。そして、実は今回の改正がどういう影響を与えるというふうにお考えなのか。もちろん最終的にはそれぞれの自治体の御判断ということになるんだろうと思いますが、しかしこれ、場合によると従来無料だったところが一割負担となるという話になるんですよね、地域によっては。  こういう点について、どう現状を認識されて、どういうふうに影響が出るとお考えになってて、何らかの対応をしようと思われているのか思われていないのか、お尋ねします。
  80. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。  まず、地方自治体におきます医療費の患者負担について独自に助成をされている、このことにつきましては、そのような事例があることを承知をしております。  それで、次に、今度の、今般の法律によりましてそれがどういう影響があるかどうか、そこにつきましては、私たち、皆様が支え合う形での御負担お願いをいたし、負担軽減措置も講じておりますので、何とか御理解がいただけないかと、こう思っておるわけでございます。  それから、最終的にこの事業をどういうふうに考えていくかと、地方自治体における事業をどういうふうに考えていくかということにつきましては、やはり最終的には地方自治体の御判断によるものと、このように考えております。しかし、厚生労働省といたしましては、費用を皆で支え合うと、こういう趣旨から、制度お願いしております負担につきましては利用される方に御負担いただきたいと、このように考えておる次第でございます。
  81. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 これから具体的に自治体が相当悩むと思うんですね。私が聞いているのでは、従来から五%分は何とか予算組んできたからその分は対応できるのかなと、しかしどうしてもプラス五%分は対応できないなという御意見があったり、それから地方自治体の財政も厳しいから、そういう意味じゃ、この機会にその県単独の補助をやめにしようという議論が出てきたりしているんですね。  だから、恐らく、とてもじゃないけれども一〇%を丸々負担しようという意見はほとんどなくて、予算の範囲で五%分は何とか見ていけるんではないか、あるいは見ていこうではないかという御意見と、いや、この機会にやっぱりきっぱりゼロにしようというか、県単独の補助はやめようという議論がどうもあるんですよ。  そうすると、従来、さっきも言いましたけれども、事実上無料化されていてゼロだったところが一気に一〇%負担ということになるというところが出てくるんですよ。これは、結局はあれですか、自治体任せですか。国は何もしないんですか。
  82. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 現在の制度におきましても御負担お願いをしているわけでございまして、それを自治体の御判断で完全に減免をされておると、こういう状況でございますので、やはりそこは自治体の御判断としての整理しかなかなか国の制度設計上はできないのではないかと、このように思っております。
  83. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 大臣にお答えをいただいても同じ答えしかできませんか。
  84. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今お答え申し上げるとすると、やはり同じ答えになります。
  85. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 あしたまた大阪に出掛けていろいろ御意見を伺うということになっておるようですから、関西の皆さんの御意見を十分聞いて、また審議に生かしたいと思っています。  さて、じゃ次に別の課題に移ります。もう課題が山ほどあって、何ぼ時間があっても足りないんですけれども。  まず、今回の改正の中で提案されている一つの項目として、都道府県に設置されている精神医療審査会というのがあります。この精神医療審査会の委員構成を見直しましょうというのが改正のポイントです。  それだけだったら余り目くじら立てるほどのことでもないのかもしれませんが、実はちょっと御説明をいただきたいんですね。この精神医療審査会というのがどういう機能と役割を持っている審査会なのかということと、私が非常に気になっているのは、この精神医療審査会が、法改正で設置決められたんだけれども、期待されたほどその機能と役割を果たし切っていないのではないかという危惧がある。それは、その精神医療審査会の活動状況地域によって見ますと、非常に多くの件数を取り扱って、多けりゃいいというものじゃないんですけれども、多くの件数を取り扱って活発に動いているように見える審査会とほとんど開店休業という感じの審査会とがあるんですね。これは厚生労働省としてもある程度現状を把握していると思うんですけれども。  さて、その精神医療審査会というのはそもそもどういう機能と役割を期待されていたのか、そして現状はどうなのか。とりわけ、地域格差という点が非常にあるんではないか。そういう活動状況を把握して、今後どういう取組をする必要があると考えているのか。まずこの点をお聞かせください。
  86. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。  まず、精神医療審査会の機能についてでございます。これは精神保健福祉法第十二条の規定に基づきまして都道府県等が設置する機関でございます。措置入院、これは自傷他害、自分にダメージを与えるあるいは他の方をダメージを与える、こういうこと、あるいは医療上の必要から保護者の同意を得て入院をしていただく、これ医療保護入院と申します。この医療保護入院、このような患者の方々からの病状報告を定期的に受け取って検討する。それから、措置入院や医療保護入院をしている患者の方からの退院請求、あるいは入院中の患者の方からの処遇改善の請求、これらを受けましてその方々の入院処遇の必要性や妥当性を検討する、検証すると、このような業務をしている機関でございます。これが機能でございます。  次に、活動状況について御説明をいたします。  平成十五年におきましては、約十九万件を超えます定期報告、これを受け取ってございます。それから、全国で合計二千百三件の退院請求、それから百三十六件の処遇改善請求、これが全都道府県等の精神医療審議会で審議をされております。  退院請求と処遇改善請求の申請数、これが都道府県によりまして大きく差があるということは事実でございます。それで、これらにつきまして、私どもといたしましては、審査内容について適切を期すように指導しているところでございますし、今後とも、適切な精神医療の確保に資するような運営がなされるよう機能の充実などに努めてまいる所存でございます。
  87. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 文字どおり、通り一遍の答えで。  昨日、夕刊に、精神病院に入院している人の処遇についての調査結果が出ましたね。これ詳しいのを知らないんですけど、これちょっと質問通告してない。ちょっと見たら、七千人を超える人が隔離室に収容されていて、違ったかな、五千人を超える人が拘束されているという、そういう調査結果が出たという。で、そういう実態があるのに、処遇改善要求というのが余り上がってきていないところもあるというのはどういうことなんです。これ、本当にこの精神医療審査会が機能しているんですか。  昨日の夕刊に報道された、ちょっと新聞の報道内容を、申し訳ないけれども、ちょっと簡単に紹介してください。
  88. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 十月三日付けの新聞であろうか、あるいは昨日の新聞であろうかでございますが、記事の中身、内容といたしましては、精神科病院の身体拘束、隔離が一万二千八百五十人という記事であったと思います。  これにつきましては、厚生労働科学研究、これの一環といたしまして、毎年六月三十日現在までの精神病院の実態などを取りまとめた報告がございます。その報告の一部でございますけれども、その報告によりますと、隔離室の隔離患者の数が七千七百四十一名、それから身体的拘束を行っている患者数が五千百九名ということで、これを単純に足し合わせました数が一万二千八百五十名ということになっておりますけれども、この両者の間では重複、隔離をさせていただいた上で拘束をしていると、こういうケースがありますので、少し、実数はもう少し少ないのではないかというふうに考えております。
  89. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 一つは、その資料をちゃんとちょっと提出してください。厚生科学研究ということだったらレポートがまとまっているんでしょう。そういう新聞報道に基づいての議論だけじゃ不確かな点があるかもしれないから、ちょっとその報告をきちっと提出してください。それが一つ。  それから、もう一つ私聞いたんですけど、そういう実態に改めて驚いているんですけど、精神医療審査会がちゃんと機能をしていたらそういうことにはならないんじゃないかと思うんですけど、それはどう思いますか。当たり前の数だと思っているんですか。
  90. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 精神病院の処遇につきましては、精神保健福祉法の中におきまして第三十六条で様々な規定が整えられております。やはり、そこにつきまして行政といたしましてはしっかり守っていただくということを徹底をしていきたいと、このように思っております。  この数字自体につきましては種々判断があろうかと思いますけれども、これにつきましても、この報告書をよく精査をいたしまして検討をしていきたいと思っております。
  91. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 全然的を得た答えにならないですね。  ちょっと、大臣、要望しておきます。  一つは、精神病院への入院の実態を調査した今の厚生科学研究の報告についてきちっと資料としてこの委員会に提出してほしい、これを一つ約束してほしい、それが一つと、そのことと関連して、改めて精神医療審査会の実態をちゃんとチェックしてもらえませんか。私は、本来、精神医療審査会というのは、処遇改善も含めて、そういうことをどんどん申告してもらえば、チェックして改善命令出してやろうということだったと理解しているんですよね。それなのにそういう実態が厳然としてある。七千人も隔離室ですよ。隔離室というのは独房ですよ。そこに隔離されている。あるいは五千人を超える人が拘束されている。拘束って何これ、縛っているんですか。ということも含めてきちっと議論しなければ、これは話にならないと思う。  したがって、資料をきちっと提出することと、それから、そのことと関連して、精神医療審査会の在り方を改めてメスを入れる、この二点、お約束できませんか。
  92. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、資料でございますけれども、そうしたことに、そうしたことといいますのは、こういう委員会などでの御議論にも使っていただくためということもあり、当然調べておるものでございますから、整理して出さしていただきます。資料は出します。  それから、精神医療審査会にもう一度きっちりメスを入れろというお話でございますが、これもやらせていただきます。
  93. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非きちっとやってください。  その上で、今の問題と関連する話です。  今回の法改正の中で、精神病院の管理者に対して処遇改善とかあるいは入院の適否とかについて改善命令を出すと。しかし、その改善命令を出してもなかなかすぐには対応していただけないというところがあったんでしょう、精神病院の管理者に関する、改善命令に従わない精神病院の管理者に関する公表制度を導入すると。これはいいと思うんです。ただ、その実態はどうだったのか、ちょっと明らかにしていただけませんか。  精神病院というのはややもすれば密室になりがちですから、精神病院に関する情報公開というのはもっともっと進められるべきだと私は思うんですね。ましてや、今お話のあった精神医療審査会に出てきて、審査した上で審査会が改善命令を出す、改善命令を出したのになかなか対応しない、こんな精神病院の管理者がいる、こういう実態について、今回そういう公表制度を導入するということ自体は私は賛成です。賛成ですが、一体これまでどういう事例があって、行政はどういう点でぶつかって、どういう状況を踏まえて今回の改正に至ったのか、ちょっと説明してください。
  94. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) これまでも都道府県などによる指導監査において入院患者の処遇に関して不適正な事例があったということがございました。それにつきまして行政が御指導を申し上げても、最終的にはおこたえいただいたにしましても、時間が非常に掛かったという事例がございましたので、今般、指導監督の強化、情報公開の推進の観点から公表制度を導入するということにしたものでございます。  これによりまして、医療の質の確保、それから患者への情報の提供、精神医療の透明性の向上と、こういうものが図れるものと考えております。
  95. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非、精神病院の情報公開、これをちょっと積極的に取り組んでほしいと思います。  じゃ、次に問題、移ります。  今回の改正点での一つであります、医療保護入院とか応急入院など緊急に入院をしなければいけない、こういう場合に、その診療に携わる医者は精神保健指定医ということで今まではされてきました。今回の法改正ではなぜかそれを、特例措置を設けるということで、精神保健指定医ではなくてもそれができるみたいに変えようという話なんですが、ここはちょっと納得できないんですね。  まず、一つ質問なんですが、ちょっと制度説明をしてほしいんですけれども、一定の要件を満たす医療機関で一定の要件を満たす医師についてはそれを認めるという、何か訳の分からぬ条文になっているんです。従来、ある程度経験のある精神保健指定医が診なきゃいけないよというふうになっていたのを、何でこういう点について緩和するのか。そして、一定の要件というのは一体何なのかというのをちょっと説明してください、まず。
  96. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) まず、制度のことを若干御説明した上で御質問にお答えしたいと思います。  まず、医療保護入院といいますのは、精神保健指定医による診察の結果、医療及び保護のために入院の必要があるにもかかわらず、精神障害のため御本人の同意が得られない場合であって、保護者の同意に基づいてその者を入院させるというのが医療保護入院でございます。それから、応急入院といいますのは、同様な患者さんでありまして、急速を要して、ただし保護者の同意、保護者の方がなかなかアクセスできないとか、こういう同意が得ることができない場合において、七十二時間に限ってその方を入院させるというものが応急入院でございます。  今般の措置というものは、このようなケースが生じた場合、当該医療機関及び診察する医師が一定の要件を満たしている場合に限りまして、十二時間を限度として精神保健指定医の診察がなくても医療保護入院又は応急入院を行うことができると、こういうことを意図しておるところでございます。  そこで、お尋ねがございました、一定の要件というのは非常に分かりにくいということでございました。現段階におきましては、例えば医療機関の要件といたしましては、倫理会議などによる事後のチェック体制、これを確保している精神病院であること、このようなことを考えておりますし、また医師の要件といたしましては、一定期間以上精神科での診療経験を有していることなどを想定していることでございます。そして、今後、精神病院に入院している患者の方々への適切な処遇の確保という観点を踏まえつつ、関係者などの御意見を聞きながら具体的な基準を作ってまいりたいと思っております。
  97. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そうすると、具体的な基準はまだ決まっていないというか、詰めていないということなんですか。そのことと、その一定の基準を作るとして、だれが判断するんですか。厚生労働大臣が判断をするんですか。この先生は一定の要件を満たしているとか満たしていないとか、この医療機関は一定の要件を満たしているとか満たしていないとか。その基準はいつどういうふうに作るのかということと、その判断するところ、責任主体はどこですか。
  98. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。  まず、この基準でございますが、省令で定めることになっておりますので、法律が通りましてから省令という形で定めさせていただこうというものでございます。それから、だれが判断するかということになりますと、都道府県知事等になります。  以上です。
  99. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 そういうふうに緩和するため、する理由というか、何でそうするんですか。その理由については御説明あったかな。  要するに、従来は精神保健指定医がするというふうになっていたと。しかし、今回、言わば緩和するわけでしょう、基準をね。それは何でそうするんですか。
  100. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) これは、やはり地域医療、やはり地域の中で精神疾患を持たれた方々生活されていく上で、やはり地域医療、特に緊急時の医療を確保することは極めて重要でございます。したがいまして、緊急やむを得ないような事態、これにも十分対応していかなければなりませんので、そういう場合におけるルールを明確に定めておいて、精神科救急体制の充実、これに資するものとしたいという意図でございます。
  101. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 全然答弁になっていない。従来、これで済んでいたのがおかしいんじゃないか。要するに、多分推察するに、精神保健指定医の各地域における、各医療機関における確保が困難なために、現実的な判断としてそうしているんじゃないですか。それはそうは言えないんですか。  今まで精神保健指定医というふうに限定していたのは何でなんですか。十二時間とはいえ隔離する、身体拘束するわけですよ、行動制限するわけですよ。そのために一定の資格要件を持った医師に限定的にゆだねたわけでしょう。それが、そういう規定があったにもかかわらず、今回それを緩和するという理由が分かんない。理由
  102. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 重ねて御答弁申し上げます。  やはり、精神科救急医療体制、この確立が非常に重要でございまして、この精神科救急医療体制、これをやはり各地域で整備をしていくことが非常に重要でございます。そのために運営面でのルールを明確化すると、これが非常に重要でございまして、現在におきまして、やはり緊急やむを得ない場合、これを想定をしたことを考えなければなりませんので、精神保健指定医以外の一定条件を満たす医師の診察、これによりまして一時的な十二時間以内の入院をさせる手続を明確にしたいということで御提案させていただいた次第であります。
  103. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 駄目だ。大臣に聞きます。  だって、今の理由だったら、じゃ、何で精神保健指定医ちゃんと配置せんかいと、こういう話ですよ。だから、大臣、私は、何かこういう特例措置を設けることで何か精神科救急が良くなるみたいなことを言わないでほしいんですね。むしろ、応急入院とか、そういう言わば一定時間に限っていても、身体の拘束を伴うような判断をする場合には、精神保健指定医、良くも悪くも精神保健指定医という者ぐらいは最低限はあるべきだと私は思う。そういうふうに法律はなっていた、今まではね。ところが今回、そうでなくてもいいよと、一定の要件を満たす医師、まあ例えば何年か精神科の経験があったらよろしいよというんでしょう。  何でそういうふうに緩和をすることが救急医療の充実につながるんですか。ちょっと論理がおかしいと思う。そういうことができるようにするためには、ちゃんと精神保健指定医を確保せんかいという話じゃないですか。何でそういうことができないのか、救急医療を引き受けるべきしかるべき医療機関に、精神保健指定医の確保が何でこんなに困難になっているのか。大臣、どう考えているんですか。
  104. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 私の理解しているところで申し上げますので、また先生の御専門のお立場からの御指摘もいただきたいと思います。  すなわち、私が理解しておりますのは、精神病の患者さんが夜間急に具合が悪くなった。夜間急に具合が悪くなったときに、緊急の措置としてどこかに行かなきゃいけない。そのときに、指定医が、今そこのところは先生おっしゃることにつながるのかもしれませんが、その当直医の中で指定医が必ずいるといったようなところに運べればいいけれども、まあなかなかそうは現実いかないから、もう少し広げといて、とにかくその具合が悪くなった夜間の緊急の場合に、今晩だけはこうしてくださいねという仕組みぐらいはつくっといた方がより良いだろうということでこの仕組みがつくられたと私は理解いたしておるところであります。
  105. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 精神科の救急だけだったら精神科医でできるんですよ。何も精神保健指定医じゃなくたっていいんですよ、でしょう。ですよ。つまり、応急入院とか医療保護入院とか、本人が治療に同意しなくて言わば身体を拘束せざるを得ないような条件の場合には精神保健指定医じゃなきゃいかぬと、こうなっているんですよ。  だから、ちょっと精神科救急の話と指定医がなすべき緊急的な保護の話とは違うんですよ。だから、ごっちゃに説明されると、全然分かってないというふうに言わざるを得ないんですよ。  私は、精神科救急体制の拡充は必要だと思う。それは、例えばできるだけ多くの病院に精神科をちゃんと確保してもらって、自殺未遂があったときに精神科の先生がすぐ呼べるようにしてほしい、こう思っているわけです。しかし、それは必ずしも今回の特例の話とは違う話ですよ。今回の特例は、医療保護入院とか応急入院で、従来、精神保健指定医しかやっちゃいけないよとなっていたのをそうでない先生にもできるようにしましょうというのは、一歩後退だと私は思う。
  106. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 正に私の理解しているところでと申し上げ、また本当にもう先生専門でいらっしゃいますから、改めて御意見もお聞きしたいと思いつつ申し上げるところでありますけれども、夜間に急に具合が悪くなられた、それが御本人の意思ですべて、意思で治療しますよというふうに言えればおっしゃるとおりなんでしょうが、やはり非常に微妙な境目みたいなところがあるのではないかなと私は理解しておりまして、したがって、指定医でなきゃやれないと今まで規定されている、やっぱり無理やりにでも今晩は病院にいてくださいというようなケースが出てくるだろう、その微妙なところもあるからこういうルールをつくっておいた方が、ルールを明確化しておいた方がいいというふうに判断したと私は理解しておるわけでございますけれども、正に先生の専門のお立場の御意見は聞かしていただければ有り難いと存じます。
  107. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 もうこの問題はちょっと切り上げますけれども、私はちょっと、そうおっしゃるなら実証的なデータを示してください。私の理解では、精神科救急医療体制がそこそこできているところでは、それはそれなりにうまくいっているんですよ。逆に、精神科救急医療体制が整っていないところが、どうにもこうにもならなくなって無理やり病院に連れてこられて、さあ強制入院だみたいな話になっているんですよ。だから、どこでどういう事例があって、精神保健指定医が確保できなくてどう困ったかという実証的なデータを出してくださいよ。そうしたら納得するわね。皆さんの説明では納得できない。是非これはお願いしておきます。  次の問題に移ります。これもまた分からぬ問題ですから。  任意入院の病状報告。まず、任意入院とは、説明してください。私の理解では、かつて自由入院と言っていた、要するに患者さん自身がそれなりに病感を持っていて、それなりに入院することに納得して、で入院したと。自分なりに、あるいは先生と話してそろそろよかろうということで退院しましょうと。つまり、ごく通常の患者さんと医療者側との任意に基づいて行われる医療行為だと思っているわけ。それが任意入院だと思っている。その任意入院の患者さんの病状報告を求めるというのはどうもよく分からない。何で一々そういう人まで病状報告をしなきゃいけないのか。強制入院になった人は別よ。これはちゃんと報告しなきゃいかぬでしょう。しかし、それなりに分かって入院して分かって退院しましょうやという人の病状報告を、これ、国に出すんですか。何でそんなことをしなきゃいけないの。ちょっと説明して。
  108. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) まず、任意入院について御説明を申し上げます。  任意入院といいますのは、精神障害者御本人の同意によります自発的な入院でございまして、精神医療分野における一番多い入院形態でございます。ちなみに、現在の精神病院への入院患者の三分の二が任意入院という形態を取っております。  次に、なぜ病状報告をしなきゃならないのかということでございますけれども、この病状報告を求める対象の病院といいますのは改善命令を受けた病院でございます。すなわち、入院患者の処遇に問題があった病院につきまして、改善がなされているか、適切に処遇が行われているかなどを都道府県知事が経過的に、経時的にチェックをする、このために設けるものでございます。あわせまして、この報告がありましたときには、都道府県知事は入院の必要性に関しまして、先ほど御論議いただきました精神医療審議会に審査を求めることができるということにしておりまして、この制度を活用して任意入院の患者の方々への適切な処遇を確保し、またこの過程におきましては当然ながらプライバシーにも十分留意をしていきたいと思っております。
  109. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 説明していて変だと思わない。その患者さん御本人の同意に基づいて入院しているわけですよね。  そうすると、今の説明でちょっと確認しておきますが、すべての医療機関、すべての任意入院の患者さんについて病状報告を求めるものではないと、当然だわね。じゃ、限定的に任意入院の患者さんについて病状報告を求める場合があると、それは精神医療審査会において改善命令を受けたような医療機関に限られると。そうすると、その病院では任意入院の患者さんであっても不当に長期入院させられている可能性があると、こういうことですか。
  110. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) やはりそういう改善命令を受けた病院、医療機関、これにつきましてはやはり処遇に一般的に申しまして問題があったということでございますので、やはり適切なチェックというものはさせていただきたいというのがこの趣旨でございます。
  111. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 それだったら、ちゃんとその病院に出向いて事細かく調査をして、きちっと指導をしたらどうなんですか。病状報告、一枚の紙切れ、どの程度の報告書なのか知らないけれども、それを求めるということだけでいいんですか。  今の御答弁から理解すると、要するに、変なんだけれども、実態として処遇改善命令を受けるような医療機関においては、任意入院の患者さんについても不当に入院、長期入院をさせられているような場合があるであろうと、したがって病状報告を求めると。こういうことだとすれば、それだけではなくていろいろ問題があるわけだから、きちっと県としてその病院を監視し、あるいは指導をすべきじゃないんですか。病状報告を求めるだけでは全然足りないんじゃないですか。
  112. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 実務上で申し上げますと、現在の今御答弁申し上げました病状報告に加えまして、実地に参りまして指導をする、あるいは見せていただくと、このようなことと組み合わせた対応をしてまいりたいと思っております。
  113. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 念のため確認しておきます。任意入院の患者さんに関して病状報告を求めて、出さなかったらどうなるんですか。
  114. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) やはり最終的に、まず出していただけるように実地に出向きまして十分御理解をいただきたいというのがポイントでございますけれども、ただ、それを行政といたしましては繰り返しまして、場合によりましてはやはり更に強い措置ということも考えざるを得ないというふうに思っております。
  115. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 基本的には、私はこの任意入院の患者さんについてわざわざ病状報告を求めなければいけないこと自体がおかしいんだと思う。本来の趣旨からは考えられないことだと思う。ところが、事実としてそういうことがあるとすれば、それはその病状報告を求めるだけでは根本的な解決にはならない、非常にへんてこなやり口だというふうに指摘をせざるを得ません。    〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕  次の問題に移ります。  次は、市町村精神障害者の福祉に関する相談をしなさいというふうに変わります。これはもういろいろ従来のいきさつがあって、少しずつ市町村にもやってもらいましょうということで、身体障害知的障害、それから後ればせながら精神障害市町村にやってくださいということで徐々にお願いをしてきているわけですね。それはいいんですけれども、例えばどういう仕事の中身を想定しているんだろうか、そしてその仕事の中身によってどういう人材を想定しているんだろうか、その人材確保のためにはどういう手だてを講ずるつもりなんだろうか。そこら辺が見えないんです。市町村市町村へとおっしゃるけども市町村、大変ですよ。もうそれでなくても介護保険で大変なのに、そこへ障害者福祉であれもこれもと言われたら大変。  で、お聞きしたいのは、法律市町村精神保健福祉相談員を置くことができるとしてある。こんなものを一々書かれなくても、できるんだったらやりますよ。何で、置かねばならないとか、せめて置くように努めなければならないとか、要するに、必置規定か、あるいは義務規定か、あるいは努力規定か、もう少し強いトーンで書けなかったんですか。つまり、本気で市町村精神障害者の福祉についてやっていただこうという気持ちがないんではないかと。置こうと思えばできますよという程度の書きっぷりではどうも腑に落ちないのですが、この点はどうですか。    〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
  116. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 市町村の相談支援に関することでございますのでまず全体像を申し上げますと、相談支援事業市町村事業として今度の法律で位置付けられております。この法律では、御案内のとおり、三障害、統一的に扱うということ、またその制度自体、市町村が中心になって運営するということで、相談業務も市町村の方にまずやっていただくという整理になっております。  どういう相談かということがありましたけれども、まずいろいろサービスを受けるためにお困りになっているということで、まず入口の相談がございますし、支給決定を受ける上で申請するときの相談、それからサービスを使うときにどういうサービスがあるかという相談、利用計画レベルでの相談、サービス利用する際の相談、もう様々な相談があるということで正に大変な業務でございますが、これは、自立支援法のサービスをお受けいただく、申請してお受けいただく、その一連に関する相談、それからその前の様々な問題に逢着する、そこについての相談、あらゆる相談を市町村でやっていただこうと考えております。  従来、身体障害に関する相談は市町村で行われ、知的障害精神障害都道府県でありましたけれど、まず市町村に一般的な相談支援ということで、市町村にまずその業務をやっていただくという整理をいたしました。  朝日先生から徹底していないんではないかということですが、従来都道府県でやってきたという経過、それから都道府県に多くの資源があるということで、体制としては、都道府県から市町村に対するアドバイザーの派遣、困難ケースへの助言等を行うというような都道府県の仕事も残しつつ、市町村には順次専門的な職員を置いてもらおうということで、そういう職員の中には、例えば精神の分野で言えば精神保健福祉士を市町村に置いていくと、そういうようなことを考えているところでございます。  つまり、都道府県のバックアップ体制を得ながら、まずは市町村で従来手薄であった知的なり、それから精神障害についてこれから相談支援体制を強化していただきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
  117. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非、特に今御説明があったように、精神障害者の福祉に関する問題については、そもそも精神保健福祉法での規定ぶりが、主として都道府県とか保健所とか、そういうところになっていたということもあって、マンパワー的にもあるいはノウハウ的にも非常に厳しい現実があることは事実です。  しかし、市町村基本的なサービスを一元化していこうという方向は、それはそれで私は正しいと思うので、それに至る経過を十分、都道府県なりあるいは一定の規模を持っている政令市レベルから支援、協力ができるような、バックアップができるような体制づくりを是非やっていただきたいと。そして、うまくソフトランディングできるように、例えば十年とかぐらいのスパンで考えていただきたいということを、これはお願いとして申し上げておきます。  さてそれでは、時間の関係もありますからちょっと先を急ぎます。  幾つか飛ばしまして、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、そしてグループホーム、つまり、従来居宅の生活支援サービスの中にまとめられていた事業が、今度は、障害者自立支援法の中では、基本的には介護給付の方で、もう一部は訓練給付の方で対応するというふうに、図柄というか説明の図ではそうなっているんですが、利用する立場の人たちから、例えば今精神障害者でホームヘルプサービスを受けている、あるいはデイサービスを受けている、あるいはグループホームを利用している、入っているという人たちが、この障害者自立支援法の定め、制度に変わると、介護給付と訓練給付と何か区別されて、この人はグループホームではなくてケアホームだとか、何か今までの受けていたサービス利用できなくなるんじゃないか、一体どう変わるんだろうかという非常に素朴な質問が非常にたくさん届いているんですね。  そこで、施設のことについては後で伺いますから、まず、居宅支援事業として位置付けられたもので、今後、介護給付という、あるいは訓練給付というところで提供されているサービスについて、実際にはどういうふうに変わってくるのか、今まで受けられていたサービスは引き続き受けられるのかどうか、少し利用者の立場に立って説明をしていただければ有り難いと思います。
  118. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 新しいサービス体系と呼んでおりますが、まずここについてスタートするのは十八年十月からということになっております。それから、事業者さんの方でも、また利用者さんの方でも、激変は大変難しい面があると思いますので、五年間の間に移行ということを考えているというのがまず第一点でございます。  第二点、大変変な言い方ですが、いろいろサービスの実態調査さしていただきますと、今精神障害方々サービス利用の御利用、非常に少ないということがあるので、そういうサービスの充実が必要だと思っています。  今委員からお尋ねのあった居宅サービス、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、グループホーム、いずれも精神障害の方のサービスがございますが、これらにつきましては、今分類的には介護の給付の部分の例えばホームヘルプとかそういったところに分類されるわけですが、私どもとしては、今使われているサービスが使えなくなるというようなことはなく、また、こういうふうに体系が再編されるというのは、より良いサービスが届くように、いろいろ今、精神障害の場合はサービスが少ないことが一番の問題ですが、そうでないサービスの分野につきましても非常にメニューと実態と合わなくなっているというような部分も多々ありますので、そういったものを再編しまして、障害者の方の生活支援自立支援地域移行、就労移行に役立つサービスに再編したいという思いでやっておりますので、今お受けになっていて非常に役立っておられるというサービスがこの再編することによって失われることがないと、ないようにということを一番念頭に置いて、十八年十月までに準備作業をし、五年間の移行ということもやってまいりたいと考えております。
  119. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 来年の十月ということですから、もう少し丁寧な、理解しやすい説明が必要なんだろうと私感じています。  そもそも、介護給付を受ける、あるいは訓練給付を受ける、そのときに障害程度区分がどうなるのか、そのことによって何か今まで受けていたサービスが受けられなくなるんじゃないかというような、障害程度区分の仕方とも結び付けて不安を感じておられる方があるので、ここはもっとこれまでにもきちんと説明してほしかったと思うけれども、少なくとも、従来、それでなくても少ないサービスをかつかつ利用してやってきた人たちからそのサービスを取り上げるようなことはしませんというぐらいのことはちゃんと言わなきゃ駄目だと思うんですね。局長が言いにくければ大臣に言ってもらうとか、ちょっと考えてください。  次に、社会復帰関連施設について。これもまた、当事者からどないなるんだろうかという質問というか御意見が一杯届いている。今ちょっと説明がありましたけれども、社会復帰関連施設に関しては今後五年間ぐらい掛けていろいろ新しい体系に移行するんだということなんですが、これ前にも大臣質問させていただいたんで、どこかで中間的にもう少し分かるように説明してほしいということを申し上げたと思うんだけれども。例えば、精神障害者の地域生活支援センターを活動の場にしてきた人たちとか、あるいは、全国今六千ぐらいあるんですかね、小規模作業所でやってきたという人たちが、何か新しい施設体系の中でどういうふうになっていくんだろうかという非常に不安を示されている。私はそういう皆さんにこう説明しているんです。いや、どうなるんだろうかじゃなくてどうしたいか、皆さんちょっと知恵を出そうよと、こう言っているんですけれども。  今の段階で、社会復帰に関連する様々な、例えば地域生活支援センターがあり、あるいは小規模作業所がありというものについて、あるいはグループホームがありということについて、どういうふうにこれから新しい施設体系に移行しようとしているのか。少なくとも、さっきのお話で言えば、それでなくても非常に少ない社会的資源、これをもっともっとトータルとしては増やさなきゃいけない話だから、むしろ皆さん方が中心になってもっと中身のある豊富化した施設体系をつくりましょうというぐらいのことが言えないですか。ちょっと説明してください。
  120. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) なかなかその新しい体系、分かりにくいというお話で、我々の努力不足、説明不足ではないかと反省いたしております。  今お話にありました、現行制度精神障害者の地域生活支援センターございますけれども、そのセンターの活動状況を拝見いたしますと、相談支援日常生活上のお世話をされていたり、また障害者方々が自主的な活動の場として使っておられたり、あるいは情報提供の拠点になるという、非常に多様なサービスをされています。  今度の新しい体系でどういう位置付けになるかということですが、そのような利用実態からいたしますと、一つ考えられますのは、先ほど申し上げました障害者等からの相談や情報提供を行う相談支援事業を行っていただく相談支援事業者として、また、その事業者になりますと、非常にそのニーズが多い利用者の方につきましてはサービス利用計画の作成をすると、その作成費は自立支援法の方から給付されると、こういうことになろうと思います。  また、地域活動支援センター事業ということも考えておりますので、この今の地域生活支援センターそのものの中心が活動機会の提供の場所でありますので、ここが一つあり得るかと思います。  また、サービス事業者として自立訓練や生活訓練を行う事業ということもメニューに入れておりますので、これは地域生活支援事業として考えておりますが、そういう事業の展開もあり得るんではないかと思っています。  今、委員の方も、現場の皆さんからいろんなお知恵を、またいろんな声を出すべきだというお話があり、行政として、我々としてはそういったことを受け止めながら事業を組み立てていきたいと、こういうふうに考えております。
  121. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 是非、やっぱりこれはデスクでプランを作るんではなくて、現場ですったもんだしてきた人たちからの智恵をどこまで有効に酌み取ることができるかというスタンスでやっていただきたいし、それは当然のことながらしかるべき時点できちっと、節目節目で説明をちゃんとして、今後の作業はこんなふうに進めていこうと思うということを是非提示しながらやっていただきたいなと思います。これはいいですね。
  122. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 先ほどから大事な御指摘何点かいただいておりますから、私からお答え申し上げた方がいいと思うことだけを申し上げたいと思います。  まず、先ほどはホームヘルプサービスを例に取って、今まで受けていたサービスが受けられなくなる、そんな心配があるのかというお話がありましたけれども、そんなことはあってはならないと私ども考えておりますから、従来必要なサービスをお受けになっていたものは、これはもう必ずお受けになれるようにという仕組みにしておるつもりでございます。そういうふうにしておるものでございます。まずお答え申し上げます。  それから、施設の話は確かに非常にややこしいと思います。私どもが例えて考えておりますことは、一つ考え方で申し上げますと、昼と夜はやはり障害を持った皆さんも場所を変えて生活していただくというのがいいことだと思っているわけです。今までですと、夜もその施設におられて、そして昼もその施設の作業所で何かなさるというような形も多いわけでありますが、是非、夜はここで寝ておられるというか生活しておられる、それでまた場所を変えて、日中は作業所に行って作業をしていただくという、やはり昼と夜を分けた生活をしていただくというのがいいことだと思って、施設全体も、例えばそういう考え方で見直そうとしておるわけでありますので、従来の施設がそういう考え方の中でさあどうなるのかなという整理は大変難しい整理にもなってまいります。  それを五年間掛けて整理していきたいと思っていますし、また皆さんの方も是非、私どものそう思っていることなどを踏まえて移行していただければ有り難いと思っておりますから、この間、今先生おっしゃったような作業というのは、机の上で考えることと、それからまた現場で御苦労なさる皆さんのお立場というのはそれぞれありますから、是非そういうお声聞きながらこの五年間をやっていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、是非そうしますということをお答え申し上げておきたいと存じます。
  123. 朝日俊弘

    朝日俊弘君 時間が参りましたので終わりますが、是非、絶対量が全然足りないんですよ、特に精神障害の場合は。だから、何か新たな区分を作って、それで負担を押し付けて利用できなくするようにするなんて、そんなちゃちなことを言うんじゃなくて、むしろ絶対量を増やしながら、どういう機能分担を今までよりもいい形でできるか一緒に考えましょうと、こういうスタンスで是非やってほしいなということを申し上げて、質問を終わります。
  124. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 午後一時二十分から再開することとし、休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会
  125. 岸宏一

    委員長岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、小林正夫君及び小池晃君が委員辞任され、その補欠として家西悟君及び小林美恵子さんが選任されました。     ─────────────
  126. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 休憩前に引き続き、障害者自立支援法案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  127. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。  まず、障害者自立支援法案、前国会で一度しか委員会審議が行われませんでしたので、基本的なところを一応確認のためにお伺いしておきたいと思います。  これまで障害者につきましては支援費制度福祉サービス等を提供されておるわけでございますが、支援費制度については、ただ単に財政的な基盤が脆弱だというだけではなくて、精神障害者が対象になっていないとか、あるいは大変大きな地域格差が生じている等々、多々問題が出ているところだと思うのであります。  今般、障害者自立支援法政府の方から出されましたのは、単に、支援費制度で、裁量的経費ということで、特に在宅サービスのところが予算が足りなくなるという、こういう財政上の問題を解決するということだけではなくて、もっと基本的なところで、障害者福祉政策全般についてのしっかりとした意義付けがあって出されたものだと思いますので、そこのところを一度、支援費制度の限界と、それからこの障害者自立支援法の意義というものについて御説明をいただきたいと思います。
  128. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 率直に申し上げておりますように、今回私ども障害者自立支援法提案させていただいております大きな理由一つが、支援費制度では財政的にどうしても行き詰まってくる、これを国がきっちり義務的経費として今後障害者の皆さんの施策について金を出していく、そういう制度にしなきゃいけないということがございます。このことは、もう申し上げておるとおりでございます。  ただ、今回障害者自立支援法提案させていただいておりますのは、今お話もいただきましたけれども、単に財政的なことだけで出しておるものでは全くございません。これもかねて申し上げておりますけれども、これまでの私どもの、日本という国のという意味でありますけれども障害者施策というのは随分後れてきたことは事実であります。そのことを否定はいたしません。それをこの際見直そうと、きっちり今後にこういうことでやっていくんだという大きな方針を示して、そして一歩でも二歩でも理想に向かって近づけていこうという思いの下でこの法案をお出ししておるわけでございます。  そうした私どもが申し上げておりますことの、では中身はどうかというふうにいいますと、まず、これもお話しいただきましたけれども精神障害者が対象になっていないなど、障害種別間で制度サービス基盤に大きな格差があるということ、これを改めなきゃいけないというのが一点でございます。  それから、これまたお話しいただきましたけれども、居宅サービスをいまだ実施していない市町村があるなど、地域間格差が極めて大きい、そういうことがございます。すなわち、地域によってはサービスが行き渡っていないということがあるということでございます。  それから、更に申し上げますと、施設サービス体系が障害種別ごとに複雑なものとなっておりまして、障害者の就労支援地域生活支援などのニーズにこたえられていないといったようなことがございます。  そうした課題があると認識をいたしておりますので、その課題を克服するために、今回、自立支援法を提案させていただいているということでございます。  今般、支援費制度の自己決定と自己選択及び利用者本位の理念は継承しながら、支援費制度の持っているいいところはきっちり継承しながら、障害者自立した地域生活支援するための施策を一元化して出させていただいたということが、今回私どもが御提案申し上げておるものでございます。
  129. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 理念は誠に、これからの障害者の豊かな人生の実現ということを考えると、私は、ただ単に支援費を、財政の部分を義務付けすればいいというようなものではなくて、総合的なものとしてつくり直してやっていくということで意義が認められるものだと思います。  ただ、この障害者自立支援法については、特に障害者の側において心配をしているのは、定率負担、一〇%の定率負担が求められていると。これが、障害者の所得が少ない状況の中でとても支払が難しいということを多くの人が心配をしておるところでありまして、この点については、前国会においても厚生労働省からは、利用者の支払の能力というのを十分勘案した負担の上限額というのを設定する等々きめ細かな配慮をするというお答えはいただいておりますが、具体的に、この点について障害者個々状況にどのような配慮がなされるのか。福祉サービスに例を取ってお示しいただきたいと思います。
  130. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答えを申し上げます。福祉サービス利用される場合の利用者の御負担についてでございます。  今、委員からお話がございましたように、一割の定率負担と、こういうお話をいたしておりますので、大変御心配あるいは御不安に感じていらっしゃる障害者が、また御家族の方がおられるということでございますが、どういうきめ細かな配慮を講じているかということ、まず方法について御説明の上、具体的なケースについて御説明を申し上げます。  一割の御負担でございますが、そういう定率負担だということで、使えば使うほどその負担が重くなるというような御心配いただいておりますが、上限がございまして、月額の上限額が設定されております。この上限額につきましては一律ではございませんで、課税されている方については月額四万二百円の上限でございますが、所得の低い方につきましては二万四千六百円、一万五千円などの上限額が設定されております。  さらに、施設に入所されている方やグループホームを利用されている方で資産が少ないなど負担能力が少ない方につきましては、収入に応じて個別に減免させていただくということで、一割負担ということについて申し上げますと、月額六万六千円までの収入の方は定率負担ゼロとするなどの措置を講じております。  また、食費、光熱水費などの御負担をいただくことといたしておりますが、そういった場合でも、施設に入所されている方については、少なくともお手元に二万五千円が残りますよう食費の負担の軽減をしていると、こういうことがございます。  通所施設やホームヘルプサービス、御自宅から通所されるサービス、あるいはホームヘルプサービスを御自宅で利用される在宅で暮らす方につきましては、社会福祉法人減免制度によりまして、先ほど申し上げました定率負担の月額負担上限額を更に半分にするということで、二万四千六百円の方については一万二千三百円、一万五千円の方については七千五百円というふうに、個別の負担能力、個別の収入や資産の状態に応じたきめ細かな配慮をしているところでございます。  具体例ということでございましたので、例を四つほど申し上げます。  まず第一例でございますが、グループホームから通所更生施設に通う場合、月に二十二日通っていただいた場合、事業費は通所分で十四万九千円、グループホームの事業費が六万六千円でございますので、二十一万五千円になります。一割負担ですと二万一千五百円。通所施設の食費月一万四千三百円でございますので、課税世帯の方は三万五千八百円の御負担になりますが、障害基礎年金一級のみで暮らしておられる方、月八万三千円の方でございますが、定率負担が二万一千五百円から二千百円に下がります。一%、一割負担ではございませんで一%に下がると。食費につきましても、一日二百三十円、月に五千百円に下がりますので、三万五千八百円課税世帯の方に対して七千二百円の御負担になります。障害基礎年金二級のみの方は、先ほど申し上げましたように一割負担はゼロ%でございます。それから、食費につきましても五千百円になりますので、負担の合計額は五千百円ということで、課税世帯の方三万五千八百円に対して五千百円の負担になります。  同様に、自宅から施設に通われる場合、課税世帯の方二万九千二百円の御負担に対しまして、障害年金一級の方は一万二千六百円というように、自宅から更生施設に通うような場合にも減額になります。  三番目のケースとして、ホームヘルプを月百二十五時間利用する場合、これは事業費月額二十二万円になりますので、課税世帯の方ですと定率負担額は二万二千円となりますが、障害基礎年金一級の方でございますと、先ほど申し上げました社会福祉法人減免により上限が下がりますので、一万二千三百円の御負担ということで、一〇%負担ではなく六%負担に下がります。障害年金二級の方は七千五百円になりますので、一〇%負担ではなく三%の御負担になるということでございます。  最後に、四番目のケースで、施設に入所されている方、施設の月額が、事業費が二十三万円でございます。課税世帯の方でございますと、定率負担が二万三千円、食費等実費負担が月額五万八千円で、負担額が八万一千円でございますが、資産、収入等に応じた個別の減免制度によりまして、一〇%負担障害年金一級の方では四%負担、それから、食費の減免措置がありますので五万五千円の負担、課税の方八万一千円に対して五万五千円。同様に、障害基礎年金二級の方は、一割負担の方は、一〇%の負担の方はゼロ%になり、食費についても減免されますので四万一千円の御負担になると、こういう負担額になっております。
  131. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 原則は一〇%になっている定率負担が、実質的にはかなり軽減をされている。そして、障害者の方は必ずしも課税のラインにいらっしゃる方が多数ではなくて、むしろそこのランクにある方は少数でいらっしゃるので、そういう意味では、原則というのがむしろ一〇%を下回る数字になっているということであろうかと思います。  そういう意味で、所得、支払能力に応じてきちっとした上限設定をするということは大事なことでありますし、そういう点での配慮がなされているので、この点での広報が必ずしも十分国民になされていないので不安をあおっているところもあるのではないかと思いますので、これからもしっかりとその点での広報をしていただく必要があるのではないかというふうに強く思います。  次に、今回の法案障害者地域社会において自立した日常生活等を送ることができるようにということになっておるわけでありまして、そのためには、移動支援でありますとか手話通訳、あるいはその地域におけるきめ細かな相談であるとか情報提供というような対応が必要でありまして、そういう意味での地域生活支援事業地域活動支援センターの存在というものがなくてはならないものなわけです。この点がそれぞれの地域でしっかり確保されるということはもとより大事なことでありますが、現在、全国に六千ほどある小規模作業所、これは今、法定外の施設として非常に厳しい財政状況の中で皆さん頑張っておられるわけですけれど、ここが今後、障害者自立支援法ができたときに、新しい施設体系に移行したい、その中で約三割くらいの作業所がこの地域生活支援事業を行いたいという希望を持っておられるようにも聞いております。  そうなりますと、この点については、予算が義務的経費ではありませんので、また、希望するところは多いけれども予算が足りなくなったとか、あるいは地域生活支援に必要な障害者サービスが予算の枠があるがゆえに十分に提供できないというようなことになりかねないのでありまして、この点については、そういうことが決してないようにサービスの体制が整えられるということが基本として必要であることに加えて、必要な予算額が十分に確保されるということを是非しっかりとお取り組みいただきたいと思いまして、この点について御答弁ください。
  132. 西博義

    ○副大臣(西博義君) 今委員の方からお話ありましたように、今後、地域における様々な新しい事業が展開されていきます。地域生活支援事業という形で、地理的条件それから社会的資源の状況に応じて、その地域の特性それから利用者状況に応じて柔軟に実施をしていただくということになります。  そういう意味で、小さな単位でございます市町村、それから都道府県等に事業としてきちっと位置付けをしようという形で進んでいくわけでございます。その事業の中で地域活動支援センター、それから移動支援事業等につきましては、これは障害者地域生活支援のためにどうしても必要不可欠ということで、市町村が義務的に行う事業ということで位置付けをさせていただきました。  この中に、御指摘のように、今まで大変御苦労いただいてきた小規模作業所、成り立ちもいろいろそれぞれ違うわけですが、そういう作業所の中から、この枠組みの中で頑張っていただく、そういう方がたくさん出てくることが予想されます。また、それは大変好ましいことだというふうに思っております。  これらの事業がその地域の実情に応じて確実に実施をできるように、また現行のサービス水準が低下しないように我々としても最大限の予算獲得に向けての努力をしていかなければならないと。同時に、今御指摘がありましたように、いろんな事情で今までの事業をそのままお続けになる、そういう作業所も出てこようかと思います。そのことにつきましても、我々、決して忘れることなくきっちりとした対応をしていかなければならないと、こう考えております。
  133. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 次に、先ほど自立支援法については地域格差の解消も図るのだという大臣のお話がございましたが、前国会で、委員会質問に立ったときに、地域格差解消のためには数値目標を含めた障害福祉計画を策定して着実にやっていくんだという答弁をいただきました。その際にも申し上げたんですが、再度申し上げておきたいと思いますのは、この計画の策定に当たって、障害者ニーズがきちっと反映されたものでなくてはならないと思うからであります。現在も地域格差があるということは、市町村によってこの障害者の対策についての熱意の度合いが随分違っている。それは、ただ単に財政問題だけではなくて、基本的な姿勢の点においてもまだかなりばらつきがあると思うのであります。そういうところをしっかりと改革をして、障害者に必要なサービスが整えられるためには、やはり当事者の意見計画策定に当たって反映されなくてはならないと思うのでありまして、この点での担保措置についてお答えいただきたいと思います。
  134. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 今委員からお話がありましたように、また前国会でもお答えいたしましたように、地域格差をなくし全国障害福祉サービスを均てんしていくためには、障害福祉計画が実効性のあるきちんとしたものになるということが必要ではないかと考えております。  三年を一期といたしまして障害福祉計画を作成し、数値目標も盛り込んでいただくということで、第一期は平成二十年度までということにし、第二期以降二十一年度から始まる計画を作っていただきたいと。市町村都道府県、国ということで、国が基本方針を作り、市町村が積み上げ、都道府県が広域的に支援する計画を作りますが、それが更にまた国の方に積み上げた結果が反映されて、また国の障害者施策推進のための財源確保等、そういったものにつながるようにと考えております。そういった意味で、今委員から御指摘がございましたように、市町村で積み上げていただくということがすべてのことの基本になるというふうに考えております。  計画策定に当たりましては、障害者を始めとする住民の方の意見を反映するということが必要であり、計画策定のプロセスということが大事になると思いますので、住民の意見を反映させるための措置を講ずる旨の規定を設けますとともに、地方障害者施策推進協議会の意見を聴くというようなことで、当事者の方々の御意見、またニーズのくみ上げに対応してまいりたいと思っております。  どういう、実際に策定プロセス、過程を経るかということについては、自治体ごとのそれぞれのお考えもあるとは思いますが、私どもといたしましては、御指摘の点も踏まえまして、障害者意見が反映するよう、少なくとも障害者の御意見を聴く機会を設けるなど、そういったことは私ども基本方針に盛り込んで各自治体にお示しをしてまいりたいと考えております。
  135. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 是非お願いいたします。  次に、障害者の所得の確保についてであります。  今般、附則でこの障害者の所得の確保については検討を今後行うということが盛り込まれておりますが、この障害者自立支援法というのは、障害者が持てる能力、適性を遺憾なく発揮をしていただいて、この地域社会の中で自立した生活を送っていただけるようにということでありますので、これまでともすれば障害者というものを働けない人であるとか、あるいは何かしてあげなければできないとかいうふうに思っていた嫌いのある方たちについては、私はここは大幅な意識改革をしてもらわなきゃいけないことだと思うのであります。  これまで必ずしも、障害者はいろいろなことができるというようなことでその能力を伸ばして社会の中で活躍をしていただくというようなことについてのサポートが行われてきていなかった。その結果として、例えば今施設にいらっしゃる方たちについていえば、施設の中でお暮らしになってなかなか地域の中に出ていって自立するというのが難しいという方も多々いらっしゃるのが現実であります。  ただ、これから学校を卒業し社会に出ていこうというような人たちは、もっともっと能力に磨きを掛けることによって様々なことができるんだと。ですから、たまたま障害があるかもしれない、だからやり方が違うだけであって、やれることは障害がない人たちもある人たちも同じなんだという意識で、しっかりと国民一人一人が障害者とともに生きることについて私は考えを変えていくということが特に大事だろうというふうに思っておるのであります。  そういう意味で、厚生労働省になって一番のメリットは、福祉雇用が連携してできる障害者に一番のメリットがあるのではないかと言われ続けて、どれだけメリットが出ているかというと、残念ながらまだそこは十分になってないのではないかと思いまして、特に、一つは、障害者雇用という問題を取り組んでいるところについて、雇用制度がありながらいまだに足踏み状態を続けている。これは恐らく、求人と障害者との能力が合わないミスマッチだとかいうような答えが多分、なぜ就職できないかというと返ってくると思うんですが、そういうことではなくて、一人一人障害者は持てる能力が違うわけですから、その能力に応じて雇用率を達成してない企業は仕事をつくってもらうという発想でハローワークの現場の職員は仕事をしていかなければいけないのだし、そうすることによって初めて多くの方たちがいろいろな場で働けるようになるんだと思います。  ハローワークの人が足りないとかいう以前に、やはりそういう基本的な姿勢をしっかりと持っていただいてやっていただくということが大事だと思いますので、なぜできなかったかということも含めて、どういう取組障害者自立を支えていくかということについて答弁をいただきたいと思います。
  136. 鳥生隆

    政府参考人鳥生隆君) ここ数年、ハローワークの紹介による障害者の就職件数そのものは着実に伸びているところでございますが、今なお約十五万人の障害者が有効求職者として職を求めているという状況でございます。  これにつきましては、障害者社会参加が進み、ハローワークに求職申込みをする障害者が増えている状況がある一方で、企業において障害者に合った職域の開発等の取組が追い付いていないという状況にある、そういった要因もございます。  そういう中で、事業主のこのような取組の一層の推進を支援をし、障害者の就職を促進するのがハローワークの役割として非常に重要だというのは御指摘のとおりだと思っております。このために、ハローワークにおきましては、窓口におけるきめ細かな職業相談や事業主に対する求人開拓を進めると、これはもとよりのことでございますが、地域障害者職業センターと連携をいたしまして、企業の職務や雇用環境を分析した上で、障害者に合った職域の開発や環境整備といったことに努めていくと。あるいは、企業に対して、障害者の職域を開拓し就業環境等に配慮した特例子会社を設立するといった働き掛けを行う、あるいはそのノウハウの提供などの支援実施するといった取組も行っているところでございます。  先般の通常国会における障害者雇用促進法改正法案審議におきましても、ハローワークの相談支援体制の充実強化について厳しい御指摘をいただいたところでございまして、私どもといたしましては、さきに述べたような取組を一層進めることによってハローワークの機能を充実強化すべく、七月にも各労働局に指示をいたしましてその徹底を指導しているというところでございます。  今後とも、個々障害者の適性や希望に応じた求人開拓、あるいは職域の拡大といったことも含めて一層の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  137. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 今のお言葉がそのまま成果として出るように、その成果を上げていただいて初めて障害者の方の生活が変わるわけでありますので、そういう意味では、できるだけ早くにしっかりとした成果を上げていただくことを重ねて要請しておきます。  次に、就業に当たっての能力開発が重要でありますが、これまでともすれば、雇用というのは自分のことが自分でできる障害者が働くところであるので、能力開発というのもそういうものを前提に、身辺のことが全部一通り自分でできる人でなければ受け入れないとかいうような取組がなされてきておりますけれども、この障害者自立支援法考え方は、どんなに重い障害を持っていても、そのそれぞれの能力を生かした形での自立というのを実現していこうということでありますので、そういう意味で、日常生活のことが自分でできるかどうかということは余り本質的な問題ではないのであります。  ところが現実の、障害者に特化して設けられている職業能力開発校においても、ほとんどすべてその入校の条件に介護等の福祉的ケアや医療的ケアが必要でない方というような形で身辺自立が要件として設けられている。通えない方の寮があっても、そういうところには自立している人でなければ入れないというような取扱いがなされていて、これは自立支援法の下準備という意味でも即刻直していかなくちゃいけないことだというふうに思うのであります。  この点は、国立というか、運営が県でなされているものもあるわけですが、国も県も挙げてこの点については徹底していただく必要があると思いますので、今後の取組についての考え方をお述べいただきたいと思います。
  138. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) 雇用就労を目指されます障害者方々の訓練受講ニーズ、これに的確にこたえまして、訓練校、能力開発校が障害者方々の積極的な受入れを図っていくことは全く大事なことであるというふうに思っております。  特に、今委員から御指摘がございましたように、障害者職業能力開発校、ここでは障害の重度化の進展を踏まえまして重度障害者の職業訓練を一層推進するということで行っているところでございますが、その障害者職業能力開発校の応募要件におきまして、訓練において介護等のケアが必要でないこと等の日常生活における身辺自立、これを応募要件にしているのは委員御指摘のとおりでございます。  障害者職業能力開発校におきましては、専門機関として、障害者が身辺処理について一定の支援、配慮を受けながら効果的な職業訓練が受講できるように、そういうふうにしていくことが必要であるというふうに思いますので、委員の御指摘等も踏まえまして、応募要件等の改善につきまして急ぎ取り組んでいきたいというふうに思っております。
  139. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 是非早くにお願いいたします。  そもそも、その能力開発校の入校に当たって、訓練を受けて雇用に就けるかどうかということをその判定の要素にしているんですが、私は、そういうことではなくて、むしろ、就職するに当たって能力開発が必要かどうかと、必要であれば、そういう方はすべてその訓練校にお入りいただく。あるいは必要な事前の事業主のところでの実践的な訓練だとか、あるいはトライアル雇用を経験していただくということでやっていかなきゃいけないことだと思いますので、是非その点での考え方の変更、枠の拡大を今後進めていただきたいと思います。  次に、先ほど障害者自立支援法の中での最後のところの質問をちょっと後回しにしているんですが、つまり、障害者自立支援法の中で就労継続の支援事業というのが今回行われることになっております。雇用型と非雇用型とあって、そして、障害者多くの方がいらっしゃいますが、雇用に行ける人というのは多分そう多くない。そうすると、就労移行支援だとか、あるいは訓練校等で雇用に行っていただく方もいますが、一般雇用に行けない方について、就労継続支援事業の枠の中でお働きいただく、そこに雇用型と非雇用型がある。非雇用型については、現在の社会、授産所等の工賃が一万円足らずだというような状況がありますが、これがそのまま続くようなことになると、結局のところ今の実態とどこが変わるのかということになりかねないのでありまして、非雇用型のところにあってもできるだけ多くの工賃がもらえるように、少なくとも五万や七万の工賃を障害者が獲得できれば、障害年金と合わせて、ある程度地域の中で生活するだけの所得が確保できるわけでありまして、是非そういうことについての工賃が確保できるような取組をやっていただきたいというのが一つございます。  それからもう一点は、雇用について、現在は雇用という場合には最低賃金を払わなくてはいけないというようなことで、例えば普通の方の三分の一くらいの仕事量しかできないという方がいた場合には、なかなか企業の方もそういう方に最低賃金を上回るようなお給料をお払いして雇うということには二の足を踏むわけであります。こういう点については、最低賃金法というようなのもありますが、むしろ、障害者の働く場を確保するという観点でいえば、そういう法制とは別のところの、もっと就労を促進する新たな労働法制といいましょうか、障害者の就労を阻害している部分を取り除いた労働法制の在り方について、是非ここは、多様な働き方を実現するという観点から、今後この点についての積極的な御検討をお願いしたいのであります。  一部障害者について最低賃金法の適用除外がなされているのがあるのは私も承知しておりますけれど、最賃の適用除外をすると、えてして、なぜ適用除外したんだとかいうようなことを行政としてはきつく特に国会審議等の場で問い詰められるというようなこともありまして、こういう問題についてすごく慎重なんであります。でも、そのことが結果的には障害者の働く場を少なくしているということも事実でありますので、この点も含めて是非お願いしたいと思います。  二点について御答弁をお願いいたします。
  140. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 私の方は、前段の方の就労継続支援の非雇用型、主として、の工賃の問題についてお答えをいたしたいと思います。  今委員の方から、障害者方々の就労の問題について御指摘があり、その際、関係者の意識改革から必要ではないかというような御指摘もいただきました。従来の授産施設におきましては、様々な就労能力の方がおられますが、御指摘のとおり、工賃の方は月一万円未満の工賃の方が全体の四五%を占めるという実態であり、利用者の方の自立した生活を支え、働く意欲を喚起していくためにもこの水準の引上げは大きな課題だというふうに思っております。  これまでも、例えば地方公共団体の物品調達に当たり、授産施設等への優先発注認めるなどの取組は行われてきましたが、むしろ、そういう外部からの支援のほかに、やはり内部からの、施設そのものからの努力も必要ではないかと考えております。  雇用型につきましては、今回、障害者以外の方の雇用も交えることになりましたので、生産性を高めていくことがよりできやすくなったというふうに考え、工賃もその結果上がり得るんではないかと思っておりますが、問題は委員御指摘の非雇用型の方でございまして、この点につきましては、事業所ごとに目標工賃水準設定するとか、実際の工賃水準の公表など、とにかく引上げの促進を図るほか、私どもも、雇用型への移行を促すための様々な、例えばそういう事業所に対する報酬面での手当て等なども図りながら、何とか工賃が上がるようなことに努めてまいりたいと考えております。
  141. 鳥生隆

    政府参考人鳥生隆君) 後段の御質問にお答えしたいと思います。  委員御指摘のとおり、知的障害者等の職業的自立を図るためには、一般雇用に向けた支援策の充実を図る一方で、一般雇用への移行が困難な方に対しまして多様な就労形態に対する支援策を講じることが必要であるというふうに考えております。  このために、先般の通常国会で成立した障害者雇用促進法改正法によりまして、障害者雇用納付金制度において特例調整金等の支給を行い、障害者の在宅就業を支援することといたしました。さらには、常用雇用への移行段階として、数人の精神障害者等の方々指導員による援助を受けながら働くグループ就労を助成する制度を設けることとしております。  障害者の一層の社会参加、自己実現を図るため、今後とも、障害者の適性や希望に応じた多様な就業形態の選択が可能になるような施策の在り方につきまして引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
  142. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 終わります。
  143. 中村博彦

    中村博彦君 今、全国障害者の皆さんは不安の中におられると思います。今回、モデル事業が六十市町村で出ました。この要介護認定を見ましても、これは本当に三障害者の皆さんを正当に評価できるのかなという危惧心を持っております。  御存じのとおり、百六項目、そして七十九項目が介護保険制度の認定基準調査項目になっておるわけでございます。そして、障害者固有の項目が二十七項目。そして、それに基づく要介護認定、見させていただきますと、一次判定の結果、精神障害者は、五百九十七人のうち要介護五、要介護四、要介護三はゼロ%にしかすぎない。そして、この二次判定での変更率は五〇%に上っておるわけでございます。これは本当に、一次判定のこの精度の低さ。このデータを見られて、大臣、今の御感想をお願いいたしたい。
  144. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 委員の方からモデル事業についての御指摘、御紹介、そしてまたその結果についてのお話がございましたので、大臣が答えさせていただきます前に少し御説明をさせていただきたいと思います。  今年度、委員御指摘のとおり、六十の自治体でモデル事業を行いました。委員から御指摘ありましたように、要介護認定基準の七十九項目についてはコンピューター判定を行い、それで、今度の自立支援法の新しい区分を、障害者の特性の区分を見るために、行動面や精神面等に関する二十七項目と調査の特記事項、それからお医者さんの意見書、これを使って二次判定をさせていただきました。  結果は今委員から御指摘のとおりでございますが、私どもの作業といたしましては、介護保険の要介護認定と同じように、一次判定でコンピューターを使っていい結果が出せないかというための今回調査でございますので、この従来の七十九項目に今回二次判定で使わせていただきました二十七項目を組み込んで新しい障害程度区分のスケールが、物差しができないかと。その物差しができたとすれば、今委員から御指摘のあった精神障害の方についても、医師の意見書等を踏まえた二次判定では九五%近くの方が該当になりますので、コンピューターの新しい一次判定で二十七項目を取り入れて、できるだけ今回のモデル事業でやった二次判定の結果に近くなるような第一次判定のコンピューターソフトを開発できないかというのが今の作業状況でございます。  そういったことをしているということを御報告させていただきます。
  145. 中村博彦

    中村博彦君 介護保険でも要介護度認定というのは大変苦労したわけでございまして、本当に積み上げた結果、今の要介護度認定になっておりますので、これ、今現在のこの百六項目、そして障害固有の二十七項目ですね、これにとらわれず柔軟な対応是非お願いをいたしたいと、このように思います。  それと、やはり一番に問題に思っておりますのが、この認定のプロセスが御存じの支援費制度と全然違うわけでございます。市町村から本人の聞き取り、そして御存じのとおり、施設はA、B、Cランク、そして在宅は一、二、三、障害等級で決められたわけでございます。それが今回の自立支援法では、御存じのとおり、介護保険と同じように介護に要する時間を積み上げて要介護度を認定すると、こういう制度になってきておりますので、このやはり乖離というか尺度の違いというものを埋めなくてはいけないんではないか、こういうように思いますので、どうかひとつ、この一番の障害程度区分の判定というのに対する信頼というものを生むような努力を、旧制度と新しい制度との構築ができるように御努力をお願いいたしたいと、このように思います。  そして続いて、その中で、今申し上げましたように、調査員、相談員は市町村職員が対応をしようとしておるわけでございますけれども、やはりポイントは人材と、そして質だということでございます、人材の質。そうなってきたときに、介護保険ではケアマネジャーという制度を立ち上げた中で要介護度認定、すなわち障害者でいう障害者程度区分判定というものになるわけですけれども、この辺の問題、専門性の担保はできておるのか、ケアマネジャー的な研修、資格というものについてはどうお考えなのかをお聞かせ願いたい。
  146. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 委員の方から、介護保険のケアマネジャー制度を踏まえて、そういった観点から、また現在の支援費制度に至った経過、それからまた変わるということを踏まえて、支給決定プロセスと申しますか、サービス利用につながるまでの間のマンパワーあるいは担当者のお話について御質問がありました。  ただいまの障害程度区分の認定を行うためのアセスメント、そういったことを行うための調査、認定調査につきましては、委員御指摘のとおり、市町村の職員が自ら実施するか、又は高い専門性を有し、中立公平性を確保されるとできる民間事業者の方、これは相談支援事業者ということで都道府県知事が指定することになっておりますが、その指定相談支援事業者に委託するということを考えております。  この委託相談支援事業者につきましては、私ども、その指定基準でございますとかも考えてまいりたいと思いますし、人員については、相談支援専門員という、ケアマネジャーではございませんが、相談支援専門員という方々の配置が必要ではないかと思っております。  そういう相談支援専門員の方は、一定のやはり研修を受けていただくなどの質の確保を図る必要があるのではないかと思っております。介護保険におきます意味でのケアマネジャーのような制度を今この自立支援法の方で持っているわけではございません。
  147. 中村博彦

    中村博彦君 こういうように市町村が中心に担当をしますと、ともすれば市町村の財政判断で認定が大きくゆがむというおそれがなきにしもあらずということを指摘させといていただきたいと思います。  それで、先ほど坂本委員が、質問の中でございましたように、やはりこの障害福祉サービス市町村格差の大きさ、これも当然解消に向かわなくてはならないと、こういうように思います。ひとつこの相談支援事業、この相談支援事業に対して、やはり私は、高齢者の相談援助、介護予防マネジメントのほかに障害者支援を行っている在宅介護支援センターが全国に多くございます。そして、現在、桐生市や宇都宮市ではそのような役割を担っておるわけでございまして、この在介センターの人材を活用されるべきでないか。これは是非大臣、御検討をお願いいたしたいと。この在介センターの全国の協議会は、大臣の地元でございます鹿児島県の黒木さんが会長しとります。どうかひとつ在介センターの活用というものを是非考えていただきたい。  その辺の部分、ちょっと御答弁をいただいたら有り難いです。
  148. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 先ほど申し上げましたように、相談支援事業市町村が行いますが、先ほど申し上げましたように相談支援事業者に委託可能でございます。で、相談支援事業者につきましては、能力がおありになって、また中立公平性が確保できるということでございまして、具体的な委託先の選定につきましては個々市町村お願いをいたしますけれども、要件を満たすのであれば、例えば高齢者の在宅介護支援センターはなれないとかそういうことではございませんので、本当に地域の資源を使っていただくということが大事だと思いますので、要件を満たすものであれば委託の対象になることはもう十分あり得ると考えております。
  149. 中村博彦

    中村博彦君 前向きの答弁ありがとうございました。  本当に今、全国で不安の中にございます。私のところに障害者から手紙をいただきました。  私は今の作業所に通い始めて一年たちました。最初は両親に反対されての作業所通いでしたが、通うに当たって自分で決めたことがあります。とにかく一年休まず通うことでした。一年通ってみて、自分の気持ちが強くなったなあと思います。作業所の仲間は掛け替えのないもう一つの家族です。送迎付きで一日五時間程度の作業です。いただける賃金も何千円かです。作業所に来ることで家とは違った生活空間ができ、口数も少なかった人に笑顔が出るようになりました。仲間にとっての作業所は、ただ単に仕事場所というだけでなく、もう一つの社会勉強の場です。自立支援法により、仲間から作業所という大切な世界を取り上げてしまうことになりはしないでしょうか。一生懸命頑張っている仲間たちの将来に希望があるような自立支援法にしてください。収入負担是非利用者が不安定な状況に置かれないように、明確な道筋を大臣お願いしたいと。  作業所の利用者は伸び続けておるわけでございます。これは認可も不認可の作業所もあるようでございますけれども、やはりどうかひとつこの辺の視点を持っていただきたい。ちょっと御感想をお願いいたしたい。
  150. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今のお話は、私どもが一番望んでおることでございます。今のお話の中にも出てまいりましたけれども支援費制度になって確かに利用者の数が増えてきた。そのことはもう大変すばらしいことだと思っております。  ただ、その増えてきた財政的に負担をしなきゃならない。そのことを何とかしなきゃいけない。今後とも増え続けるであろうし、そして、今のお話に出てまいりましたようなそういったような皆さんを、すべての障害をお持ちの皆さんのために利用していただける制度にしたい、そして、そういう皆さんが仲間になっていただきたいと、こういうふうに思いまして、それに耐え得る制度を作らなきゃいけない。障害者の皆さんにサービスが提供できるようにきっちり財政的に裏付けをしなきゃいけない。  そのためにはまず、きっちり国が、義務的な経費だ、これはもう国がどうしても出さなきゃいけない経費だとして性格付けをしないと、今みたいに裁量的経費の中では、ここまでしかお金がありませんから、済みません、もうここでこれ以上できないんですというような言い方にどうしてもなってしまうので、それを避けるためにということで私どもはこの障害者自立支援法案お願いしておるわけでございます。  そして、今最初にお話がございました、今せっかく通って友達もできているのに通えなくならないようにしてくれと、こういうお話でございますから、それはもう当然でありますし、そんなことになったら何のためにこの障害者自立支援法お願いしているか分からなくなることでございますので、そうならないように私どもはいろんな減免制度を考えました。  ただ、余りにもその制度が複雑になってて、さっきも、ちょっともう局長がお答えするだけでいろんなケースが出てきて、恐らくお聞きいただくだけではお分かりいただけないような複雑な制度になっておりますから、これを何とか皆さんに御理解いただけるように、今後私どもは御説明をさせていただかなきゃならぬというふうに考えておるところでございます。
  151. 中村博彦

    中村博彦君 月の利用料が二万九千二百円、工賃、賃金が七千三百円、工賃を上回る利用料、本当にこういう部分を考えていただきたい。工賃水準をどう引き上げていくか。  私は、確かに授産施設、福祉工場ございます。その工賃というのは一体どう決められよるのかなと。収益が大きく出ておる福祉工場や授産施設がございますよね。その割に工賃、賃金が低いという実態があられるのでないのか。私は、そういう部分、もう一度、やはり頑張っておられる方には、現在、平均の賃金といいますのは一万から二万ぐらいだそうでございますけれども、やはりもう少し、頑張っておられる障害者の方はたくさんおられるんでないかと。この工賃の決め方というか賃金の決め方を是非ここでもう一度考えてみていただきたい。福祉工場では最低賃金の保障でされておるようでございますけれども、その辺ひとつ、社会・援護局長、豪腕を振るってですね、どうですか。
  152. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 先ほどもお答えさせていただきましたが、この工賃を高く水準を上げるということは、本当に我々頑張らなきゃならないことだと思っております。  今委員からお話しございましたように、福祉工場の方は、身体障害者の方の場合、月額十八万六千円、知的障害福祉工場、八万九千円と、こういうふうに承知しておりますが、授産施設になりますと、通所の場合だと一万二千円とか、知的障害精神障害、一万円と、大変格差がございます。  今委員からお教えいただいて、授産施設なり福祉工場なりもう少し、その施設自体の経営能力なり在り方の御指摘だと思います。私の方で責任を持ってその部分についてはもう一度点検をしてみて、改善する点がございましたら積極的に取り組んでまいりたいと思います。
  153. 中村博彦

    中村博彦君 老健局長のときは前向きのお言葉を全然いただけなかったのが、今日は二度にわたって前向きの御答弁をいただいて、本当に同じ中村姓で良かったなという感じがいたします。  それでは続きまして、これはもう御存じのとおり、障害者自立支援法は、障害者自立所得保障、就労支援というのがすべてでございます。そこで、今一番の問題点、すなわち職業訓練についてお聞かせを願いたいんですけれども、御存じのとおり、障害者雇用を積極的にしなくてはならないということで、障害者の職業訓練を支援するための訓練手当が出てございます。障害者訓練費支給というのが出てございますが、現在、平成十五年で十一億四千三百五十九万、平成十六年で十一億七千七百十四万、この手当が出てございます。しかし、都道府県に聞いてみますと、使い勝手が非常に悪いと、こう大臣、申しておるんです。それはどういうことかというと、この事業は自治事務であるにもかかわらず公共職業安定所の受講指示が要件になって硬直化しておるわけでございます。そして、総額ではこれ十三万円に上る支給額が出るそうでございますけれども自治体にしてみたら、もう少しその支給金額を下げて、そしてもう少し利用者を増やす、すなわち柔軟な運用を求めておるようでございます。  このような実態は、都道府県からの要望というのは大臣のお耳には入っておるでしょうか。
  154. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今のその具体的なお話は、率直に言ってお聞きをいたしておりません。
  155. 中村博彦

    中村博彦君 是非これも実態調査をしていただいたら有り難いと。当然、就労支援というのは積極的に、この自立支援法が成立すれば当然そういう部分というのは再構築して積極果敢に取り組まなくてはいけないと思います。そういう部分をひとつ考慮に入れて、都道府県がやりやすいようにお願いいたしたいと。すなわち、柔軟な都道府県の金額設定を規制緩和させていただく、そういう部分を是非お願いをいたしたい。  そして、御存じのとおり、この就労支援の方が高くて、実質就職していくと低い賃金になってしまうというような実態なんですね。こういう部分も是非考えていただいて、この障害者の職業訓練を支援するための訓練手当というものをより拡充、拡大、規制緩和していただきたいということを強く要望をいたしたいと思います。  続いて、同じように国が職業訓練に大きな予算を使っております。九百五十四億、平成十六年、そして平成十七年には九百三十四億円、そしてその中核組織である国立職業リハビリテーションというのがございます。この国立職業リハビリテーションではどのようなことをやられているか、具体的に御説明お願いいたしたい。
  156. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) 今委員から御指摘のありました国立リハビリテーションセンターでは、重度の障害者につきましての職業能力開発を取り組んでいるところでございまして、科目でいいますと、機械加工科ですとか電子機器科、OAシステム科、OA事務科あるいは経理事務科、そういった科目についての能力開発について取り組んでいるところでございます。
  157. 中村博彦

    中村博彦君 もう少し詳しい資料を、今日はいいですから提出をしていただきたい。これだけの予算を使いながら、二十一コース二百人、そして知的障害精神障害、各一回の入所機会しかない、そして御存じのとおり、非効率だと、効果的な運営がなされていないという内部の職員の皆さんからの提案もございます。ひとつ是非もう一度点検をしていただいて、どのように再構築をしていくのか、無駄なお金を使わないようにどのように費用対効果というサービス提供をなしていくのか、是非、ペーパーで結構でございますので私までお出しをいただきたいと、こういうように思うわけでございます。
  158. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 中村先生、何かちょっとお答えしたいようですから。
  159. 中村博彦

    中村博彦君 はい。
  160. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) 恐縮でございます。  今委員から御指摘のありました国立リハビリテーションセンターも含めまして障害者の職業能力開発施設におきましては、委員からの御指摘にありますような科目の見直し等を適切に行っているのかどうかということがございます。就職にいかに円滑に結び付けるか、雇用の安定にいかに結び付けるかということが訓練の本来の目的でございますので、応募倍率や就職率の低い訓練コース等、そういう見直しを適宜行いまして、雇う側の企業のニーズ、それから訓練を受けられます障害者の方のニーズ等を踏まえて適切に見直しに取り組んでいきたいというふうに思っております。
  161. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 失礼しました。
  162. 中村博彦

    中村博彦君 それじゃ最後に、先ほどの作業所のお話でございませんけれども、この利用者負担で食費の部分でございますが、御存じのとおり、中村局長はよく御存じで、この介護保険の食費は四万二千円、光熱費が一万円ですね。そうしたら、今回のこの障害関係は月額食費が四万八千円、光熱費が一万円であります。これ、四万八千円と四万二千円の基準額の違いといったら、これは何なんでしょうか。
  163. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  現在、四万八千円、それから光熱水費一万円と、こういうことでお示しをいたしておりますが、それぞれ実費がどのくらい掛かっているか経営実態の調査をしておりますので、その経営実態の調査を踏まえまして最終的に確定をさせていただきたいと、こういうふうに考えております。  介護保険の方も、当初四万八千円という数字であったと思いますが、その後の実態調査の結果を踏まえて委員御指摘の数字になったというふうな経過がございましたので、その点、できるだけ実態に即した食費、光熱水費の御負担お願いしたいと考えております。
  164. 中村博彦

    中村博彦君 中村援護局長は老健局長のときに低所得者には本当に熱い思いで、この食費が八十万円以下の第一段階、まあ記憶に幾らでも思い出してくると思いますが、低所得者一万二千円プラス光熱水費一万円だったですね。そうすると、この入所系の障害は低所得者七十九万二千円の方が三万一千円の光熱水費一万円なんですね。この差というのは、これ、是非考えて、前向きに、障害者の低所得者の方も大変多うございますので、是非考えてお願いをいたしたいと、こういうように思います。  最後に、この十月一日から介護保険制度がスタートしました。現場は今、大変な不安と混乱の中にございます。これもひとつ、お年寄りからの手紙を読まさせていただきます。  私は、現在八十歳、独り暮らしをしています。年金収入は月約七万円、八十万円少々です。要介護一ということで、ヘルパーさんが週に二回、デイサービスにも週二回通って、ぼけ予防とリハビリをしています。二年前から体が一段と不自由になってきているので、デイの利用回数を増やせるようにと料金を半分になる申請をして、一か月五千円の負担でした。食事代が一回三百円余り上がり、月二千円から三千円の負担増になりました。それに、今までの半額にしていただいたのが、十月からは四分の一しか引けなくなると聞きました。私の収入からすれば大きな負担ですと。  在宅重視のはずが、利用の手控えになってきておるんでないか、そして家族の介護負担が逆戻りになりつつあるんでないか、こういうように思うわけでございます。どうかひとつ、大臣、前向きにひとつ、制度が始まっても悪いところはひとつ修正をしていただいて、利用者入所者の生活実態、経済実態というものを踏んまえて是非お取り組みを願いたいと、このように思います。  大臣に最後の答弁をお願いいたしたい。
  165. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 介護保険の見直しにつきましては国会でお認めをいただきました。したがって、今またその実施に向けていろいろ作業を進めておるところでございますけれども、特に費用の計算の仕方、今いたしておりますけれども、いろんな御意見も賜っておることは事実でございます。そうした御意見をいただいておるところでございますから、御意見十分にまた聞かせていただいて、今お話しいただいたような、時代が逆行するようなことにならないようにきっちりやらせていただきたいというふうに思います。  それから、立たせていただきました機会に、先ほど工賃のお話がございましたので、そして、この工賃のことはもうこの介護保険の作業を始めましてからもう私も一番気にしていたことの一つでありますので、是非機会あるごとに御説明申し上げておきたいと思いますので、この機会に、立たせていただいた機会に申し上げたいと思います。  基本的に、私も現場も何回も見せていただいておりますから、皆さんが一生懸命働かれて、そして月一万円なら一万円もらっておられる、収入を得ておられる。それから、そのお金を利用料に払ってくださいというようなことにはもう決してならないようにということで配慮をしました。そして私どももいろいろ考えました。  これもいろんなケースがありますのでいろいろ申し上げると切りがなくなりますけれども、例えばで申し上げますと、二級の年金もらっておられる方、六万六千円、その方がもし工賃一万円もらっておられるとします。そうしますと、六・六万円のところまでは利用料ゼロでありますから、もうここのところでゼロであります。  さあ、それじゃ一万円工賃が乗っている分をどうするんだということでございますけれども、このケースでありましたら、三千円まず引いていただきまして、残りが七千円です。その七千円の一五%だけは利用料で払ってください、そこまでは払ってくださいというお願いをすることにしておりますので、七千円の一五%ですから千五十円です。ここまでは、一万円働いて得られたものの中から千五十円まで、これも上限千五十円ですけれども、そこまでは利用料として出してくださいというお願いをするつもりでおりまして、その一万円せっかく得ておられるものをそのままどんと出してくださいというようなことを申し上げるつもりは全くない、そういう仕組みにしておりますことだけは是非理解いただいておきたいと思いますので、この機会に申し上げました。
  166. 中村博彦

    中村博彦君 是非福祉工場や授産施設は全国調査をしていただいてお願いしたいと。  そして、御存じのとおり、本当に収益が大きい事業所もございます。それと同時に、官公需というのがございましたよね。この官公需だけを頼りにしたというような旧態依然の経営といいましょうか、そういう施設、事業所もあるんですね。しかし、頑張ればやはり収益が出て、そして工賃も高くできるんですよ。ただ、頑張っていない授産施設になると、これ見てみいと、売れてないわと。クリーニングにしても、御存じのとおり、パン工場や印刷にしてもやっぱり企業努力をしたときは利益が上がっておる。こういうものもやはり点検の中へ是非入れていただいて、積極果敢にお願いいたしたいと思います。  ありがとうございました。
  167. 西島英利

    西島英利君 自由民主党の西島でございます。  今回議論されております障害者自立支援法につきましては、前回の解散前の国会問題点課題が議論されまして、そのかなりの部分が解決されてきたのではないかと私自身は思っているところでございますが、残念ながらよくそれが一般国民には理解されていなくて、まだ反対運動も起きているのではないかというふうに思っております。  私の関係しております病院には、重度心身障害児・者の病棟を持っております。ここで保護者の方々から様々な御意見を聞かせていただくわけでございますが、その一番大きな心配事、それは、今回採用されます障害程度区分判定で軽く出ると病院を追い出されるのではないかという、そういう強い御心配をお持ちのようでございます。私自身これは、医療の入退院、医療は医師の裁量であるので、入退院は医師がある程度判断する形であるのでということでお話はしているんでございますが、是非その辺りの確認をひとつお願いを申し上げたいと。  さらには、様々な福祉施設ケアを利用されている保護者の方々も同様のような心配をお持ちのようでございますので、併せて御見解をお聞かせいただきたい。
  168. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  このたびの見直しによりまして、居宅サービス、施設サービス、三障害についてございますが、それを介護給付、訓練等給付に編成しますとともに、施設から事業体系のような形に整理をいたしております。かなりそういたしますと新しい体系というのは大くくりになりますので、それぞれの施設の方、事業者の方、利用者の方、また御家族の方、自分たちの今いるところがどうなるのかということを御心配いただいているかと思います。  まず基本は、今入っておられる方について、移行したとしても変化するということはない、当然のことながら経過措置を講ずるというのが第一点でございます。第二点は、施設の体系が移行するとしても、五年間という経過期間がございますので、そういった中でスムーズに移っていただくということに配慮してまいりたいと思います。  それから、委員の御指摘の中で、医療の問題については医師の言わば医療的な判断ということがあるということは、実際問題そのとおりでございますので、医師の医療判断を無視して、例えば障害程度区分の中でその医療判断がなされるというようなことは考えておりませんので、基本的には、その医療的な判断ということは、そこの医療機関なり主治医なり専門家、医師としての専門家の御判断がまずあるというふうに認識しておりますし、その判断が制度の変更によって変わるということは、適切な医療判断であればそういうことはないというふうに考えております。  総論で言えばそういうことでございますが、具体的には、私どもだんだんその事業の基準なりそういったことを明らかにして作業してまいりたいと思っております。その基本となりますサービス利用状況につきましてもようやくまとまりましたので、それらも踏まえながら更に作業を続けてまいりたいと考えております。
  169. 西島英利

    西島英利君 是非理解をしていただくためのPR活動もよろしくお願い申し上げたいと思います。  七月の二十六日の厚生労働委員会で公明党の草川委員質問されておりますけれども、育成医療につきましてでございます。  私も、草川委員のこの御質問をお聞きしまして、地元でいろんな御意見を伺いました。保護者が若年者ということもありまして、収入も少ない事情があるということで、負担の緩和につきましてもできましたらば更なる検討をお願いをしたいというふうに私自身思っております。これは答弁は結構でございます。  次に、通院公費負担制度についてでございます。  特に、今回五%から一〇%に自己負担が増えるということで、様々なこれも利用者方々の心配、それから医療機関の心配もあるわけでございますが、この中で一つ、この議論の中である程度確定しましたところの確認をお願いを申し上げたいというふうに思います。  つまり、自立支援医療の世帯の範囲、これが税制や健康保険制度において同一世帯の家族等の扶養となっていない場合、これは同一世帯に家族等がいたとしても、障害者とその配偶者のみの所得というところで、この所得の内容の中で低所得者対策の範囲に入るというふうに私自身理解をしておりますけれども、それでようございますでしょうか。確認だけお願いします。
  170. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) そのとおりで結構でございます。
  171. 西島英利

    西島英利君 ありがとうございます。  もしそうであれば、所得区分というのは所得税額によって決めることになっているわけでございますけれども、現状を見ますと、自立支援医療費の申請先は市町村となっております。市町村では、国税である所得税額を証明してもらうということにはなかなか難しい面もあるというふうに聞いております。わざわざ税務署に行って証明をもらわなければならないということは非常に不便でございますので、申請手続の簡素化ということをすべきだと考えますが、御見解をお願い申し上げます。
  172. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 今御指摘いただきました点につきましては、地方自治体関係者あるいはその関係団体から、申請者に税務署から証明書類を入手するなどの手続の負担が生じることから、所得税額ではなく、地方自治体において把握し得る指標によって所得区分を判定すべきなど、申請手続の簡素化について御意見をいただいているところでございます。  今後、所得区分について、例えば各世帯の地方税額又は収入額等によって設定するなど、申請手続で御指摘がございました御負担が生じないよう、簡素化する方向で詰めさしていただきたいと思います。
  173. 西島英利

    西島英利君 是非速やかな結論をお願いを申し上げたいと思います。  今回、この通院医療費公費負担制度についてでございますけれども、所得の低い方以外についても何らかの対策が必要であるということでございまして、今回、重度かつ継続の範囲が限定されるという方向で検討をされているようでございます。  この重度かつ継続ということになりますと、通院医療費公費負担制度の範囲に入るというふうに私は理解しているわけでございますが、その範囲が、統合失調症、狭義の躁うつ病、難治性のてんかんということがまず限定し、その後二年を掛けて検討して、必要であれば拡大をしていくと、そういうような説明を私自身受けているところでございます。  しかし、三つのこの疾患、これは、私自身も医師でございますから、昔習った教科書によりますと、内因性の三大精神病と。しかし、今はこれはもう旧態、要するに古い考え方になってきているわけでございますですね。今は診断技術も進んでまいりまして、この考え方も大きく変化をいたしております。  資料が配られていますですかね。資料を見ていただきたいと思うんですけれども、一枚目、「精神障害者の精神疾患の種類別構成割合」ということで、これは厚生労働省の患者調査の結果でございますが、これ見ていただきますと、「入院外」のところでございます。精神分裂病、今の統合失調症でございますけれども、この患者さん方は全外来患者の二三・七%、そして気分障害、これは広義のうつ病も含んでいるわけでございますが、これが三〇・六%、神経症性の障害、ストレス関連等々が二二・二%、精神作用物質使用による精神及び行動障害ということが一・七%という形でかなり多様化している。しかも、この方々が、じゃ短期で治癒して外来診療が終了しているのかということは、そうではないわけでございます。難治性の神経症、それから精神作用物質による、特にこれは覚せい剤による精神障害等々がございますし、また認知症の患者さんたちもこれを利用されているところでございます。  先ほどの朝日委員の話の中にも高次脳機能障害の話が出ました。御家族の方々精神障害とは見られたくないというような考えも今から数年前はお持ちでありまして、その検討会も厚労省を中心にして行われてきたというふうに私自身聞いているところでございます。なかなか精神障害に関しましては家族でさえも理解が得られない。障害者本人としても、やはり精神科に通院するということは非常に敷居が高いと、病気と思いたくないというようなそういう気持ちもありまして、こういう方々に対してできたのが通院医療費の公費負担制度ではないかというふうに考えております。  そこで、私は、やはりこれを一気に三つの三疾患に絞るのではなくて、まずは現行どおりでスタートして、二年間の検討をした上で対象疾患を決めていくべきではないかというふうに考えております。  そして、昨日行われました厚生労働省のこれに関する検討会が行われたわけでございますが、これに参加をされている委員の中からも様々な問題提起がなされているというふうに聞いております。是非こういう視点からの御検討をお願い申し上げたいというふうに思いますが、大臣、いかがでございますでしょうか。
  174. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) このたびお願いしております障害者自立支援法の中での減免の考え方は、これまでの応能負担というやり方、これも是非その中に残したいと思いましたので、そういうことで減免の仕組みをつくっております。したがいまして、所得の低い方にこうするという減免の仕方であります。  ただ、今お話しいただいております、自立支援医療の中での「重度かつ継続」と私どもは表現しておりますここの部分は、必ずしも所得の低い方ということでありませんで、医療費の場合は、やはり重度かつ継続といいますと、それは正確には高額かつ継続だろうと言う方もおられるんですが、まさしくその考え方でありまして、医療費はやっぱり高額なものがずっと続きますと、それはもう所得のある方でも大変でいらっしゃると。やっぱりそういう方に対しての何かやはり軽減の方法というのを考えておかなきゃいけないというので、私どもがこのたびこの仕組みを御提案申し上げておるわけでございます。  これは、今申し上げたようなことで、じゃ、重度かつ継続と私どもが言っているその定義が何だというので今大変な御議論をいただいております。一番いいのは、正に重度というか高額というのが非常に分かればそういうものにしたいわけでありますが、これを、それぞれの皆さんの状況をどう判断するかというのは専門家の間でもいろんな御議論がありまして、今のところやはり疾病名で表すしかないかなと、どうしてもやっぱり疾病名になってしまうなというふうに御議論が行っておるようでございます。  じゃ、今度はその疾病名をどうするんだと次に議論がありまして、率直に言いまして私どももそういうような考え方でつくっておる仕組みでありますから、そんなに狭めるつもりはなくて、やはりより広い方がいいと思っていますことは正直に申し上げて事実であります。だから、より広い方がいいんですが、ただ際限なく広げるというのもこれはまた問題が当然生じるわけでありまして、そこのところを今専門家の皆さんに御議論いただいている。実は昨日も御議論いただいて、今先生が御指摘いただいたように、もう昨日もいろんな御意見出たようでございます。そこで、まだとても集約できるところに行っておりませんので、今後とも御議論いただきまして、とにかくどんどん出していただいて、それで結論が出たものからどんどん対応していこうと、今私どもはそういうふうに考えておるところでございます。
  175. 西島英利

    西島英利君 こういう制度というのは、利用される方々がどう理解をするか、どう納得されるかというのが一番重要な部分でございます。ですから、何も検証されないままいきなりこの三疾患が出てきたというところに大きな問題があるだろうというふうに思いますので、是非そういう視点からの前向きの御検討をお願いを申し上げたいというふうに思います。  次の問題は、指定医療機関の問題でございます。  自立支援の医療に関しましては、それを利用される方々の医療機関が指定をされるということでございまして、特に精神科に関する医療機関もこの指定医療機関の中に入ってくるだろうというふうに思いますが。しかし、地域によりましては精神科医療機関のないことの方が多いわけですね。そうしますと、患者さんにとってみたら非常に不便でございます。当然、何か月かに一度は専門医に診ていただいて、後は、経過的なものは地域の医療機関に通院をしていくということがやはり患者さんにとってみたら一番便利のいい方だろうというふうに考えるところでございます。  そういうところから、簡単な保健医療機関の届出制でやって、絞り込むのではなくて、また、このような患者さんが通院していくところは、現行、お聞きしましたところ、これはみなしとして、今後もそういう形でみなしで指定をするというふうにお聞きをしているところでございますが、こういうことも起きるんですね。新規の患者さんを受け入れた保健医療機関、ところがそこは届けていなかったという場合には、やはり事後になっても届ければ前倒しで認めるというような、そういう患者さんの利便性に考えてのお考えも是非していただければというふうに思いますが、御見解をお願いします。
  176. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 自立支援医療につきましては、公費負担の対象となる医療に関しまして一定の質を担保するという必要性などから医療機関の指定制度を設けることになっております。したがいまして、現在の精神通院医療におきましては、現在のことを言いますと特段の指定制度がございませんで、健康保険の指定を受けた保健医療機関などであれば精神通院医療を行う対象となってきたところでございます。ここまでが現状でございます。  そこで、新たな制度に移行するに当たりましては、やはり経過措置を設けまして、現に通院医療を担当しておる医療機関で厚生労働省令の定める基準に該当するものは一年の範囲内で新しい制度による指定を受けたものとみなすと、こういうみなし規定を置きます。  そして、この経過措置の基準内容、これは今後検討することにしておりますけれども、またこの経過措置、それからその後の恒久的な指定基準、これにつきましては、御指摘を受けましたとおり医療機関の医療の質の担保、これは重要でございますが、また利用者のアクセス、これも重要なファクターと考えておりますので、これらを十分検討いたしまして、また新しい制度に円滑に移行できるようにしてまいりたいと、このように思っております。
  177. 西島英利

    西島英利君 是非、患者さんの立場でお考えいただきたいというふうに思います。  さあそこで、今回、ケアマネジメントの方に移らせていただきたいんですけれども、相談支援事業者にケアマネジメントが委託可能になるというふうに説明を受けております。しかし、精神障害者の場合というのは、理解をすることに非常に困難な部分もございます。  そういう意味で、先ほどちょっとそれの、近いニュアンスのお話はお聞きしておりますけれども、精神科医療機関もこの相談支援事業者の委託可能な対象機関として私はするべきではないかというふうに思います。  また、相談支援専門員の件でございますけれども、PSW、精神科の経験のある看護師も研修資格を与えるべきではないかというふうに、要は研修をしてこの相談員にさせるということになっておりますのでその資格を与えるべきではないかというふうに思いますが、いかがでございますでしょうか。
  178. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  先ほども別な観点で御説明いたしましたとおり、相談支援事業者には、その要件に該当すれば都道府県知事の指定を受けて指定相談事業者になり、市町村からの委託を受けていわゆるケアマネジメントを担当すると、こういうことになるわけでございますので、精神障害に専門的知見を有する医療機関についても要件が満たされれば指定されるという、十分指定される可能性はあるというふうに考えております。  専門職員につきましては、一定の実務経験を有し、国又は都道府県による研修を受講した方を配置するというふうに考えておりますので、その際、正に御指摘のありました方々はそういった意味精神障害の専門性をお持ちでございますので、研修を受けていただく対象になり得るものと考えております。
  179. 西島英利

    西島英利君 また、ケアマネジメントにつきましては、精神障害者の方々、なかなか見た目だけでは分からない部分があるわけですね。そこで、主治の医師に相談するか、若しくは医師の意見書に医療の視点から必要なサービスについてのコメントがあれば当然それを尊重するというような、そういう考え方も必要ではないかというふうに思っています。これにつきましては、介護保険ではそのような状況になっているというふうに私は理解をしております。  また、精神科デイケア、精神科訪問看護等、その医療サービスを含めての福祉と医療の連携がしっかりできるような形でのケアマネジメント、これが必要だろうというふうに思いますが、それを担保できるような運営規定等を書き込むべきであるというふうに私自身考えますけれども、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  180. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 給付障害程度区分の判定、これが大事でございますし、その後どうやってそれがサービスに結び付くかということが大事な流れになります。  先ほどもこの障害程度区分についてのモデル事業のお話をさせていただきましたが、やはりその中でも、新しく加えた二十七項目、それから調査に当たったときの特記事項、それから医師の意見書、この三つがモデル事業では二次判定で使われて一次判定の結果を更にニーズに合ったものに変えていると、こういう状況でございますので、私ども、医師の今お話にありました所見ということは、入所等の判定に係る病状の把握でございますとか、サービス事業者が例えば服薬管理しなきゃならないというような留意事項などにも役立つと考えておりますので、今度の障害程度区分や支給決定サービス利用のプロセスの中で医師の意見というものをうまく吸収できるような仕組みを現場の御意見も伺いながらよく検討してまいりたいと思います。
  181. 西島英利

    西島英利君 相談支援事業者、それから相談支援専門員のことにつきましては、一番重要なことは中立公平の担保ができるかどうかだというふうに考えております。介護保険はここのところに大きな問題がありまして、サービス事業者の囲い込み等々が行われて様々な問題が起きてきたことは、これは前回の介護保険の議論のときに皆様方お聞きになったとおりでございます。そういう意味で、この相談支援事業者等々の質の担保というのは地域自立支援協議会の役割ではないかというふうに私自身思っているわけでございますが、この権限についてお聞かせをいただきたい、これが一点でございます。  もう一点は、サービス利用計画を立てた場合には作成費が出るというふうに書き込まれております。相談支援事業者が経費として成り立つようなそういう作成費が設定されるのかどうか。やはり介護保険でも、介護支援事業者、ここだけでは、ケアプランだけではとても成り立たないということでサービス事業者と込みでやったところに問題が出てきたところでもございます。また、過去ありました、今でも存在はいたしますけれども、在宅介護支援センターにつきましても十分な予算の配分がなされなかったということで、考え方としては縮小されてきたと。つまり、機能がよく発揮されていなかったというところでの縮小があったというふうに私自身理解をしているところでございます。  是非、このような二の舞にならないように、どのようなお考えをされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  182. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) ケアマネジメントにつきましては、やはり地域の中で皆さんが信頼してゆだねることができる、そういった意味で中立公平性が大事だということは委員御指摘のとおりでございます。  そういった意味で、市町村地域自立支援協議会、これは市町村単位又は場合によっては数市町村、広域でやるということも考えられると思いますが、その地域の全体の障害福祉のことについて関係者が集まり、協議し、具体的には、個々の難しいケースについての、個々具体的にどういう支援をするかということを検討したり、その地域にどういうサービスが足りないかということを検討する、そういう場の中で、市町村が行う相談支援事業事業者の方に委託するんであれば、その相談支援事業者さんの運営状況などについてもその協議会の中で協議していただくことにより、御指摘のありましたケアマネジメントの中立公平性が保たれる仕組みをつくっていきたいと、こういう考え方でございます。  また、当然、これは市町村の仕事を事業者さんに委託する場合にはお願いしますので委託費が出されるわけでございますが、これとはほかに、特に、サービス利用者のうち、計画的な自立支援を必要とするためにサービス利用計画を作らなきゃならない、こういった方々についてサービス利用計画を作っていただきました場合には個別給付として計画作成費が給付されるということになります。これは、相談支援事業者さんが個々利用者さんに対して言わばサービス利用計画を作る、その報酬として支払われることになります。その水準につきましても、今御指摘ございましたように、そういう相談、民間の相談支援事業者さんが十分活動できるような水準が求められるという御指摘だと思いますので、そういう報酬を決定する際によく検討をさせていただきたいと考えております。
  183. 西島英利

    西島英利君 是非、介護保険と同じような、そういう経過をたどらないように是非お願いを申し上げたいと思います。  次は、障害程度区分の問題でございます。  先ほど中村委員からも御指摘があった件でございますけれども障害程度区分判定の試行事業実施結果速報が出てまいりまして、表、私の二枚目の資料にそれを出させていただいております。  一次判定を見てみますと、精神障害者の場合には、三分の一が非該当、それから三分の一が要支援、四分の一が要介護一という形で、ほとんど実はその人の状態が反映されなかったという結果がこれで表れております。そこで、医師の意見書を重視した結果、ようやく、その上の方の最終結果という形で何とか反映されたということになっているわけでございます。  そういう意味では、この判定には医師の意見書を重視するということが非常に重要かというふうに思いますが、さらには、この判定区分を認定をする場が市町村の審査会というところでございまして、是非この意見書の通訳役という形での医師の参加が望ましいというふうに考えておりますけれども、いかがでございますでしょうか。今回の試行事業でも医師の参加が認められない地域ということが多くあったというふうに、全国の医師会からもそういう御意見をいただいたところでございます。是非そういう視点からの御見解をお願い申し上げます。
  184. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  まず、審査会の委員の件でございますが、委員の職種は、全体を一〇〇%といたしますと二六・三%ということで最も多く、高いシェアを占めておりますので、かなり審査会では、五人程度の審査会になっておりますので、そういった意味では四人に一人がドクターでございますので、当然医師の参画を市町村としては要請しているんではないかと考えておりますが、その点につきましては、私どもまたよく調べてみたいと思っております。  昨日、この結果につきましては社会保障審議障害者部会の方にも御報告いたしました。その際、このモデル事業では、第一次判定は介護保険と同じ七十九項目使っただけ、第二次判定で新規の二十七項目と医師の意見書と特記事項が追加されておりますので、この差、つまり最終決定と一次判定との差、修正の際にどの項目が、つまり医師の意見書なり追加した二十七項目なり特記事項なり、どういうプロセスで見直されたのか、そういったことについてもこれから分析するようにという御指示を得ております。  いずれにいたしましても、私ども、そういう御指摘も踏まえまして考えてまいりたいと思いますし、先ほど御答弁申し上げましたように、主治医の意見というものは、障害程度区分の判定においても、またサービス利用決定においても非常に大きな役割を果たしていくというふうに考えておりますので、どのようにその結果を吸収していくか、現場の御意見も踏まえながら更に詰めてまいりたいと思います。
  185. 西島英利

    西島英利君 次に進ませていただきます。  今回のこの対象者の中に筋萎縮性側索硬化症、進行性筋ジストロフィー症等々の難病が含まれているわけでございます。この患者さんたちは、進行していきますと呼吸的には大変な状況になっていくわけでございまして、喀たん吸引の問題等が、これは常にそういうことをしていかなきゃいけない、二十四時間体制ということが非常に必要になってくる患者さんたちもいらっしゃるわけでございます。  このような重度者に対するサービスの量につきまして、今回、やはり利用される方々からの不安がたくさん寄せられているところでございますので、大臣の御見解、できましたらお聞かせいただきたいと思います。
  186. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 重い障害を持った方でも地域で暮らしたいという、その思っておられる願いにこたえていくということは、これはもう重要な課題だと私どもも考えております。  そこで、このたび御提案申し上げております法案では、特に重度の障害をお持ちの方、こういう方々を想定をいたしておりまして、ホームヘルプサービスのみを利用される場合には重度訪問介護、複数のサービスを併用されるような場合には重度障害者等包括支援、もう一回申し上げますけれども、重度障害者等包括支援という新たな給付類型を創設をいたします。それで対応させていただこうと思っておるところでございます。  今後、サービス利用実態調査でありますとか、それから障害程度区分試行事業の結果の分析なども行いまして、その対象者の範囲、それから報酬基準や運営基準、国庫負担基準などについて検討いたしてまいりますけれども、いずれにいたしましても、新制度において、現在既にサービス利用されている方々にとって大きな変化が決して生じないように、これはもう極めて大事なことでありますから配慮をいたしてまいります。
  187. 西島英利

    西島英利君 実にこれは命の問題にかかわることでもございますので、是非そういう観点からの御検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。  今日、午前中の朝日委員質問に対しまして大臣が、まさしくこれからは精神障害者の方々は入院医療中心から地域ケア中心になるというお話をされておりました。私も精神科でございますし、精神障害者の方々との様々なお話をする機会あるわけでございますが、地域ケアの中で一番重要な部分は住居のサポート体制、つまりどこに住むかという住まいの問題が大きな問題となります。特に精神障害者の方々がアパートを借りるということが非常に困難でございまして、まだまだ大きな偏見があるのかなと私考えているわけでございますが、この精神障害者の方々が安心してアパートを借りられるような、例えば公的保証人制度等の何らかの公的な支援が必要ではないかというふうに考えておりますけれども大臣、何か御見解ございましたらお教えいただきたいと思います。
  188. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) これは今朝申し上げましたように、精神障害者の皆さん、今まで入院中心で対策を講じてきたところでありますけれども、これを在宅中心へという大きな流れの中で私どもが更に進めていく、そうした中で、住まいの確保というのは、これはもう住まいがなければそういうことはできないわけでございますから、非常に重要な課題である、これはもう仰せのとおりでございます。  今、御審議いただいておりますこの障害者自立支援法案において、グループホーム等の福祉サービスによる居住支援の充実を図ることとしておりますけれども、これと併せまして、一般住宅の確保も必要不可欠であるというふうに認識をいたしておりますので、そのためにどうするかということでございます。  今お話しいただいたようなこともあろうかと思いますが、一般住宅への入居が困難な障害者支援する仕組みとして地域生活支援事業を考えておりますけれども、これで、この中でやらせていただきたいというふうに考えております。  その支援内容といたしましては、一つには、不動産業者に対する物件あっせん依頼及び家主等との入居契約手続支援、こうしたような手続の支援もさせていただきたいと思いますし、それから精神障害者や知的障害者に対する夜間を含めた緊急時の相談支援体制でありますとか関係機関との連絡調整、こうしたことも行おうと検討をいたしておるところでございます。  さらに、申し上げますと、国土交通省におきまして家賃債務保証制度を持っておりまして、高齢者に加えて障害者を対象とするための改正を行いまして、また公営住宅に係る入居資格要件を緩和して精神障害者、知的障害者の単身入居を認めることを予定しておると、これは国土交通省でやろうとしているというふうに聞いております。  私どもといたしましても、障害者の居住サポート体制の在り方について、そうした国土交通省でありますとか関係の省とも連携しながら、今お話しのとおりに極めて大事なことだと認識しておりますので、進めてまいりたいと考えます。
  189. 西島英利

    西島英利君 極めてこれが重要な部分でございますので、これが進まないことにはなかなか地域ケアも進まないというふうに思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  ちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきたいと思うんですが、老人性の認知症疾患センターの件でございます。  これは平成元年に創設されました部分でございまして、このときは老人性痴呆疾患センターというふうに言っておりました。そして、まさしくこれから認知症の方々が急激に増えていくというところで、これに対する対策としてつくられたのがこの当時は老人性痴呆疾患センター、今回は老人性認知症疾患センターという形に名称が変わったところでございます。  しかし、これが実は精神保健福祉課の担当でずっとやってきたわけでございますが、この経過の中でほとんど検証がされないまま、実はどれだけの効果が上がっているのかということも全くないまま、経済的な問題があるということで、これ、経済的な問題は老人保健局の老人保健課に移りまして、この担当だけが精神保健福祉課に残ったということになったところでございます。  私も日本医師会の常任理事をしていましたときにこの経緯にかかわったところからこの経緯はよく存じているわけでございますけれども、それ以降、実は精神保健福祉課がこれにかかわるということが非常にこう、まあエネルギーからいいますと薄くなってきた、軽くなってきた。そして、じゃ、その予算を出している老人保健課はどうなのかといいますと、担当そのものが精神保健福祉課でございますから、これに対する認識というのがやはりそちらの方でも薄まってきたということでございます。そして、これが実は今年、今年ですね、消えようとしていたわけですね。風前のともしびという状況になっていったところでございます。  しかし、これ今、全国に百六十か所あるわけですね。しかも、今まで歴史的にずっと来たこれだけのシステムでございます。これを全く検証もしないまま、こういう形で切り捨てていくというものはいかがなものかというふうに私考えているところでございます。特に、この認知症の問題、これから大きな社会的な問題になるわけでございます。最初のころは二十四時間の相談体制と、それから入院が必要なときには必ず受け入れるという空床を確保しておくこと、そういう厳しい状況の中でこの運営がなされてきたところでございますが、これが先ほど申し上げましたように風前のともしびになってしまっているというところでございます。  是非、どういう問題があってこうなってきたのか、検証をきちんとした上で、これを発展をさせていくのか、それとも形を変えていくのか、そういうことをやはり行政としてはしっかりしていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。  私は、決算委員会のときに、省庁間の縦割りが医療のIT化が進まない大きな原因だということを私は総理大臣にも申し上げました。今回、これは省庁内のやっぱり縦割りがこういうふうな状況を成してきたのではないかというふうにちょっと厳しく御指摘をさせていただきたいと思うんですが、是非最後に大臣の御見解をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
  190. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今、御自身お話しいただきましたけれども、精神病床等に関する検討会の最終まとめに、この「センターの活性化を含め、」というくだりがありますけれども、これは先生の強いお考えが述べられておるところだというふうにお聞きもいたしております。したがって、センターについてずっと関心をお寄せいただいておりますことに改めて御礼も申し上げたいと思います。  いずれにいたしましても、この認知症の方への支援体制の整備というのは、これはもう重要な課題でございまして、それをおろそかにするなどというのは、これはもう今後の高齢化が進む中でもとても考えられないことでございます。進めていかなきゃならないというのはもう申すまでもないことであります。  そしてまた、せっかく合計百六十か所に設置されておるセンターであります。これもお述べいただいたとおりであります。これを今後どういうふうに活用していくのか、これ今先生もう本当にお述べいただいたように、これまでのことをよくまた見直してみて、そしてまた今後どうするかということ、しっかり検討しなきゃならないいろんな問題があると思いますので、今仰せいただいたようなこと含めて検討をしながらしっかりした答えを出さなきゃいかぬと思っております。
  191. 西島英利

    西島英利君 この問題は本当に省庁内で全力を挙げて取り組むべき問題、その認知症の問題はですね、と考えておりますので、是非そういう御検討をお願い申し上げたいと思います。  終わります。
  192. 草川昭三

    草川昭三君 公明党の草川でございます。  育成医療の問題に絞って、若干の質問をさせていただきたいと思います。  先ほど、西島先生の方もこの育成医療の問題については大変御関心があるというお話でございまして、先生はもう言うまでもなくドクターの立場もあるわけでございますので、本当は先生の御質問の方がなじむかも分かりませんが、たまたま私が前国会、七月の二十八日にこの育成医療の激変緩和の問題を取り上げたものですから、今日はそのフォローアップという意味質問に立たさしていただきました。  元々この育成医療の問題を私が関心を持ちましたのは、若いお母さんでございますが、心臓病の疾患を持つお母さんの意見を聞いたのが元々のスタートでございまして、本当に小さな子供さんの心臓疾患、それを専門に診ていただく医療機関が非常に少ないということ、あるいはまた高額医療の負担という問題について、若い世帯なるがゆえにその負担に大変困っておみえになるというようなことから、この七月の当委員会でこの育成医療の問題を取り上げさしていただいたのが実は経緯であります。  特にまた、少子高齢化が今問題になっておるわけですが、特に少子化対策が重要になってきておるわけでございまして、こういう中で、先ほど触れましたように、七月の二十八日の審議でも発言をしておりますが、いわゆる障害児障害の早期除去ということが非常に重大な問題だと思いますし、また親の負担の軽減を考えることも重要な役割だと思いますし、そういう問題が少子化対策の一つ、こういう意味で重要な制度だと私は理解をしておるわけでございますが、今般この育成医療を自立支援医療とするわけでございますけれども自立支援医療となってもこの育成医療が果たしてきている役割に変化はないと思うんでございますけれども、改めて大臣の見解を賜りたいと思います。
  193. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今お話しいただきましたように、障害児の健全な育成を図る観点から障害の軽減等に必要な医療を対象に育成医療を実施しているところでございまして、その果たしておる役割というのは重要なものだと考えております。したがいまして、今回の改正におきましてもこの育成医療、医療の趣旨は変えておりませんで、具体的に政令で自立支援医療内容を定める際にも、障害児の健全な育成という育成医療の趣旨はきっちり記載をいたしたいと考えております。  変化するのかしないのかというお尋ねでございますので、変化いたしておりませんということをお答え申し上げます。
  194. 草川昭三

    草川昭三君 基本的にそういう答弁でこれから具体的に政令に取り組まれると思うんですが、やはりこの負担という問題になってきますと、過日、公明党の中でも議論をしたんですが、財政当局とのいろんな折衝の御苦労があったと思うんです。私にしてみればもっと財政当局の方もこういう問題については早期に答えを出すべきであったのではないだろうかと思うんですが、十月の四日、一昨日ですか、に経済財政諮問会議を控えておるわけでありまして、この問題についてもまた後ほど要望だけは出しておこうと思うんですが、いろんな意味で政令等の策定についてもまた御苦労があると思うんです。そういう意味で、一体この育成医療の現状というのはどうなっているのかということを改めて確認をしておきたいと思うんです。  まず、この育成医療の対象のうち、たまたま私は心臓疾患のことを言ったわけですが、主なものは何であり、どの程度の医療費になっており、どの程度の負担を親御さんがしておるのか、そういう現状についてお答えを願いたいと思います。
  195. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 現状についてまず御答弁申し上げます。  育成医療の医療費でございますけれども平成十五年度の実績が出ております。そこを基準、ベースに御答弁申し上げますと、一番多いのが心臓機能障害、いわゆる心臓病でございます。これが全体の医療費の四四・八%、これを占めております。それから、次に多いのがその他内臓機能障害一七・九%、それから身体不自由、これが一五・二%でございます。これがまず最初にお尋ねをいただきました、この育成医療の対象、どのようなものがあるか、どのくらいのパーセントかというものでございます。  それから、現状でいいますと、現在はいわゆる応能負担というので所得階層によりまして負担上限が変わってきております。  こういう状況でございます。
  196. 草川昭三

    草川昭三君 今、心臓疾患にかかわる入院医療費が約半数というんですか、四五%近いというような御答弁だったと思うんですが、心臓疾患に掛かる入院医療費の方ですがね、医療費というのは一般的にどの程度の費用になるのか、代表的な例でもし分かればお聞かせ願いたいと思います。
  197. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 医療費でございますけれども、多分総額ではなくて一人当たりのという方がお分かりになられるかと思いますので、そちらの方で御答弁をいたしますと、都道府県からの報告に基づきまして診療報酬明細書、いわゆるレセプトと称するものでございます、この一件当たりの平均で見てみますと、心臓疾患にかかわる入院医療費、これ一か月当たりで約百七十万円になっております。
  198. 草川昭三

    草川昭三君 レセプトを調べてみると一か月で百七十万ということになってまいりますと、相当なやはり高額医療費になっておるのではないかと思います。それは、素人で考えても、心臓という基本的に一番大切なもののそれなりの手術だとか対応されるわけですから非常に高い金額になるわけですが、例えば、少し大きな心臓の手術をして医療費が一か月で百七十万ですから、医療費全体で三百万円掛かったという場合、これは仮定の話で私、問題提起をするんですが、前回の当委員会審議をしたときに、若いお母さん方が多いから激変緩和をしてくれという趣旨で質問をしたんですが、中間的な所得層の世帯では、現行の育成医療制度ではどの程度の負担になるのか。これは現行のですよ、現行の育成医療制度ではどの程度の負担になるのか。また、障害者自立支援法の原則的な負担ルールでは負担はどのようになるのか。さらに、前回審議の際に政府が答弁をしていただきました激変緩和措置を適用をいたしますと、負担はどのように楽になるのか。具体的なイメージというんですか、これなかなか私お聞きしても難しいんでございますが、分かりやすく答弁をお願いをしたいと思います。
  199. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 自立支援医療費につきましては、低所得者の方につきましては月額二千五百円、五千円と、もう上限があるわけでございます。現在問題になっておりますのが中間的な所得の層でございます。市町村民税は課税され所得税は非課税の方、それから市町村民税はお払いになっており、また所得税もお払いいただきながらもその額が三十万円以下、こういう中間層の方々の問題でございます。  そこで、まず市町村税が課税されておられるけれども所得税は非課税の世帯の場合、現行の育成医療で医療費が三百万円ですと、市町村民税の課税状況に応じまして四千五百円又は五千八百円の御負担となります。これが現状でございます。  次に、障害者自立支援法の原則的な負担ルール、これを適用をいたしますと、医療保険の上限額となります九万九千八百九十円、これと食費の標準負担額、これを御負担いただくことになります。そしてこれを、前回御審議の際にお示しいたしました激変緩和措置、これをしますと、医療費に連動した負担上限額を設定する仕組み、こうなっておりますので、九万五千円プラス食費標準負担額の御負担ということで若干低くなるというものが、典型的な市町村民税課税で所得税が非課税の場合でございます。  同様に、市町村民税が課税され、かつ所得税額が三十万円以下の場合、これはちょっと現状の育成医療の制度では、所得税の税額状況、これを細かく拝見いたしまして、六千九百円から四万四千円、非常に幅がある御負担を現状ではいただいております。  それが、今般の自立支援法の下では、原則的な負担ルールでは、前の階層と同じ九万九千八百九十円、そして前回の激変緩和措置を適用いたしますと九万五千円、それぞれに食費標準負担額を御負担をいただくと、こういうことになります。
  200. 草川昭三

    草川昭三君 激変緩和の措置をして適用をしても、してもですよ、九万五千円ということ、プラスいわゆるホテルコストというような負担になるわけですよ。そうすると、やっぱりそれでは私どもが最初から取り上げている趣旨になかなかこたえていただいてないんじゃないか、不十分だと私は言わざるを得ないと思うんです。やはり更なる激変緩和措置をすることが必要だと思っております。  この点につきましては、実は私どもも衆議院の福島という厚生労働部会長がおりますんで、よく相談をして、私自身も財政当局に、ここら辺りのことは少し非常に重要な問題だから財政当局もしっかりと対応してもらいたいという要望をそれなりにしてきておるわけでございますが、実際上はまだ進行中の問題もたくさんあると思うんでございますが、その後の検討はどうなっておるのか、ただいまのところお答えをできる範囲内で結構ですから、大臣から答弁をしていただきたいと思います。
  201. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 前国会におけるいろいろな御議論、御指摘がございました。その中で、私が一番気になったものの一つが今の御指摘でございました。  そこで、これは何とかしなきゃいけないということで、御指摘いただいた後、ずっと私どもも検討してまいりました。それからまた、当然、お話しのように私どもだけで、これは私どもはやりたいわけでありますから、やりたいといっても財政的な裏付けがなきゃやれませんので、今お話しのような、財政当局とも打合せをしなきゃいけない、調整しなきゃいけないというようなこともありまして、ずっと作業を続けてまいりました。そして、見直すことにいたしました。  具体的には、市町村民税は課税されるけれども、年間の所得税額が三十万円未満である中間層の世帯についてと、それから、世帯について課税の状況に応じて二つの区分を設け、それぞれの所得階層ごとに定額の負担上限を設けることといたしております。すなわち、新しいまた上限額をつくったということ、今つくるつもりだということを申し上げたところでございます。
  202. 草川昭三

    草川昭三君 是非その新しい上限額、中間的な所得の方が一番多いわけですからね、対象として。頑張っていただきたいと思うんですが、その激変緩和措置を適用をいたしますと、今度改めて中間層等の所得税非課税世帯では幾らぐらいの負担になるんでしょうか。
  203. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今申し上げました市町村民税が課税されるけれども所得税額が三十万円未満の中間層の世帯のうち、二つに分けると申しましたけれども、所得税非課税世帯では一万円を定率負担の上限額として、これと食費標準負担額を御負担いただくことに、御負担いただくことにいたします。  すなわち、まず医療費の方は一万円を定率負担の上限額とさせていただきます。それからまた、所得税課税世帯では四万二百円を定率負担の上限額とするということにいたしております。
  204. 草川昭三

    草川昭三君 今の中間的な所得の方々を二つに分けてそれぞれ適用しましょうという答弁でございますが、それはそれなりに私は評価をさしていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕  また、全国心臓病の子供を守る会の御家族の方々等からも要望を受けておるわけでございまして、負担の上限額を考える場合の世帯という、この世帯という、これは簡単に二言ですが、実際上この世帯というのはなかなか難しい内容になっておるんですが、前国会で示された考え方、つまり同じ医療保険に加入をしている家族を単位とするのが原則ということに変わりはないのかあるのかですね。分けるとまたこれ大変なんで、一くくりにしてやられるのか、その単位の問題について原則を改めてお答え願いたいと思います。
  205. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) これは、今お話しのとおりでありまして、このたびの自立支援医療制度におきます世帯というのは障害者本人と同じ医療保険に加入する家族で決定するということにいたしております。すなわち、共働きしておられる場合に保険がそれぞれ別になっておりましたらこれを合算して考えるなんということはいたしません。そのどちらかの、障害者と同じ医療保険に入っておられる方のその単位で考えるということにいたします。
  206. 草川昭三

    草川昭三君 要するに、住民票上の世帯ということで、別々の世帯として取り扱うという御答弁を今得たわけでございますが、ひとつ、まあ私の具体的な質問はこれで終わりますが、今の答弁をしていただいたことをなるべく分かりやすく、何というんですか、モデルA、B、Cでも何でもいいんですが、なるべく具体化して、しかも病気の内容も分けていただき、それから非課税世帯、あるいは市町村民税は払わないけれども所得税は払うとか、まあいろんなケースがあるもんですから、このケースを分かりやすくまた表にしていただいてPRをお願いをしたいと思います。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  残り若干時間がございますが、以上で終わりたいと思うんですが、先ほどもちょっと触れましたように、これはもう質問じゃございませんから、大臣がようく私の意見を聞いていただきたいんです。  これは私の要望なんですが、それは十月の四日行われましたところの経済財政諮問会議の内容なんです。この経済財政諮問会議の中で、社会保障の在り方に関する懇談会の結果について宮島社会保障の在り方に関する懇談会の座長の資料が一つ出ております。それに対して反論的な意味尾辻臨時議員、まあそういう話があるので厚生労働省として臨時に出席をされたと思うんですが、尾辻さんの医療制度改革についての見解というのも出されておるんです。  それはそれで私は理解はいたしますけれども、私は前回のときにも申し上げたんですけれども社会保障なり医療の問題について、経済財政諮問会議が物を言うことについていささか疑問があるんですよ。その疑問というのは、社会保障の在り方については経済成長率の、まあこれは骨太方針の二〇〇四の中に出ておるわけでございますけれども、とにかくその社会保障というものは経済の成長の枠の中で予算というもの、総額というものは定めるべきではないだろうかという提言をしておるわけです。  それに対して、もちろん尾辻大臣の方からは反論が出ておるんですが、私が今日一番問題提起をしたいのは、実は経済産業省もこの会議に、中川議員、もちろん大臣ですよ、中川さんから医療制度改革についての提言が出ておるんです。この内容を見ますと、基本的な考え方として、過度な公的負担は経済活力を阻害するため、公的医療給付費の伸びを経済規模に見合わせたものにするための目安になるような指標が大切だと。いかにも経済産業省が言いたそうなことですけれども、こういう提言が出ることを厚生労働省は黙って見とっていいのかということを言いたいんです、私は。  それで、特に、今私が言いましたように、公的医療の給付費は経済規模に見合ったものにしなさいよと、中身は別だけれどもと、まあこういうことですね。そして、上記の指標に基づく目標達成に向けたミクロの、まあ細かい細部のミクロの取組として、新産業創造戦略の推進等を通じ、民間活力やイノベーションの活用によって云々という言葉が続くんですが、公的医療給付を低減するという視点が大切だと。  だから、一方ではやっぱり責められてるんですよ、厚生労働省の行政というものが。膨らむから、高齢化ですから膨らむのは当たり前ですから、それをこういう経済財政諮問会議で責められておるわけでございますから、もう少しこのマクロ指標による政策目標の設定が必要だというものに対する反論を、私は、厚生労働省、予算ないかどうか知りませんけれども、社会保険庁ぐらいから借りてきて、余っておる金を、少し大々的にやったらどうなんですか、やったら。これは要望ですがね。もし、大臣、お答えがあるなら、お答えを聞いてやめたいと思います。
  207. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 先生のお持ちの時間が少々あるようですから、二点申し上げたいと思います。  一点は、よくおまえたちが今考えているいろんな軽減の方法というのを御説明しろというお話でございました。  この前も申し上げたんですが、私どもはもう何とか軽減をできるだけ多くの皆さんにしたいと、いろんなケースで軽減したいと思いまして、考えて仕組み作ったものですから、率直に申し上げてもう複雑な制度になってしまっておることは、まあ私が申し上げると自己弁護をしておるようですけれども、やむを得ないところがあると思っています。  もうとにかくできるだけ軽減したいと思ったものですから、その制度が非常に複雑になっておりまして、大きく医療の分野、今日先生がお取り上げいただきました医療の分野と、それから今度は福祉の分野がありますけれども、もうそれをできるだけ分かりやすいペーパー作ろうと思って、今私も努力して作っておりますが、もうそのペーパーですら、福祉の方がこういうペーパーでございますし、医療の方もこういうペーパーでございまして、なかなか御説明しづらいところがありますけれども、これはそんなことを言っておられませんから、もう繰り返し繰り返し御説明申し上げて御理解をいただいていきたいというふうに思っておりますということをまず申し上げます。  それから、経済財政諮問会議における、もういつも議論しておりますマクロ指標の経済的指標で抑制すべきだという、総額、キャップをはめろという、そのお話についてでございます。  まず、ちょっと先生のお言葉の中で、私が聞き違えておるかもしれませんけれども、誤解があっちゃいけないと思って申し上げますことは、宮島座長がこの前の経済財政諮問会議には出席しておられます。この宮島座長が出席されたのは、今、官房長官の下に社会保障全体をどうやって見直すかという有識者会議ができておりますから、その座長が宮島座長でございますので、そしてここでも医療費をどうするかという御議論がありますために、ここでの御議論がどういうことになっているかということを経済財政諮問会議が聞きたいとおっしゃったために、宮島座長が出席をされてこの御説明をなさいました。  この有識者の御議論というのは、決してどっちかとか言っておりません。いろんな皆さんおられるものですから、いろんな御意見あって一つにまとまっておりませんから、宮島座長もいろんな御意見がありますということを報告しておられます。  したがって、その宮島座長と私との間に意見の違いが全くあるものではございません。私は私で厚生労働大臣として出席をいたしました。ただ、私は常任のメンバーでありません。呼ばれたら行くメンバーの一人でありまして、あと、経産大臣は常任のメンバーでありますから必ず出席をしておるということがございます。  その中で、今先生がおっしゃったようなことは、これはもう私どもはもう何回でも主張しなきゃいけないことでありまして、主張し続けております。極めてもう率直に申し上げますが、経済財政諮問会議の中では少しあいつは言い過ぎているんじゃないかという非常に強い御批判もあるようでございまして、一言で言うと大変評判の悪いメンバーのようでございます。  あえてそう申し上げますのは、私としては言わなきゃならぬことは、国民の医療を守る立場からそれこそもう言わなきゃならぬことは命懸けで言わにゃいかぬと思っておりまして、絶えず言い続けております。厚生労働省としてはそういうふうにしておるということだけは是非理解をいただきたくてあえて申し上げるところでございます。  よろしく、みんなで頑張らなきゃいけませんので、御支援お願い申し上げます。
  208. 草川昭三

    草川昭三君 まあ頑張ってください。終わります。
  209. 岸宏一

    委員長岸宏一君) よろしいですか。
  210. 草川昭三

    草川昭三君 はい。
  211. 遠山清彦

    遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  草川議員に続きまして、残り二十五分間程度やらせていただきたいというふうに思いますが、まず最初に、先ほど草川委員の方から質問をさせていただいて、今日の御答弁で初めてこの育成医療の部分について、私も今手元に資料を持っておりますけれども、今までの厚生労働省説明でありますと、住民税が課税されて所得税非課税の世帯は、今までは、今も四千五百円から五千八百円の負担だったのが、軽減措置やっても九万五千円になりますよというところを、上限を一万円という形に負担軽減をするということで、非常にこれ私も聞いておりまして、ある意味予想以上に大きな負担軽減措置を決断をされたということで、草川議員も議員として財政当局に話をしたり頑張ってきたわけでありますが、その大臣の英断に心から敬意を表したいと思います。  また、住民税課税で所得税額三十万未満のところも、今までは六千九百円から四万四千円の負担方々であったのがやはり九万五千円になるというところを、今の大臣の御答弁で四万二百円の上限で切るということでございますので、併せて敬意を表すと同時に、またしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  で、私の質問の方に移らせていただきたいと思いますけれども、まず最初は、今回の障害者自立支援法が成立をした後に、これ今の支援費が導入された後にも起こったことでございますけれども障害福祉サービス利用者が大変に増加をしたわけでございます。これは俗に掘り起こし効果というふうにも呼ばれているわけでありますけれども、ただ、サービス利用者が増えることによって当然財政上は非常に苦しくなってきたわけでございますし、また地域によってサービスの質と量の間に格差があると。これはまあ今日の議論でもほかの委員の方、先生方からも出たわけでございますが。  そこで、こういうことを背景に、今回、国庫補助予算を義務経費化をするということと、あと、地域格差の縮小もしていく。すなわち、今まで余り障害福祉サービス利用者が少なかった地域利用者が増えるような形にしていこうというのが、そのための客観的な尺度を導入したり、システムを整えるということが今回の法案一つの大きな趣旨だというふうに理解しておりますが。  ただ、じゃ厚生労働省として、この自立支援サービスを導入した後に現状よりもどれぐらいサービス利用者全国で増えるか、その増加幅についてどういう見込みを立てておられるか、まず伺いたいと思います。
  212. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 法案成立によりサービス利用者がどの程度増えるかということでございますが、現時点においてなかなか難しい状況でございまして、今お答え申し上げられる状態にはございませんが、基本的な考え方は次のように考えております。  一つは、今委員からも御指摘ございましたように、総じて障害支援費制度において伸びてはおりますけれども、まだ未実施市町村あるいは未実施の分野があるということで、相当の伸びがあるだろうと考えております。また、精神障害につきましては新たに対象になります。先日の部会で、障害者部会、審議会の方でも御報告した障害福祉サービス実施状況につきましても、精神障害の方の実施状況は非常に少ない状況でございますから、今度の法律が成立しますとその部分も相当増えると、こういうふうに考えております。  そのため、まず、全国的に地域格差も是正しながらサービスを増やしていくためには、何といっても自治体障害福祉計画を定めていただくという必要があると思います。私どもは、そのためにガイドラインを作る必要がございますので、ただいま申し上げましたサービス利用の実態把握調査等に基づきまして、まず全国サービス利用状況を踏まえ、また最近の障害福祉サービス利用者数の伸び等を勘案した上で、さらに、今度の法律で認められましたらば、障害程度区分、新たな事業体系における対象者増など、こういったことの議論を整理しまして、来年初めには市町村障害福祉計画を作りますガイドラインを作成し、そのガイドラインに従って市町村にまずニーズの把握を含めた計画を作っていただく。そういうことによって、少なくても二十年度までの総量が出てくる。それから、第二期以降、二十一年度以降の具体的な伸びの姿も見えてくるんではないかと考えております。  したがいまして、私ども、来年の初めを目指しまして計画のガイドラインを策定したいと、そのための作業を続けていきたいと考えております。基本的にはサービスは相当増えるんではないかと考えております。
  213. 遠山清彦

    遠山清彦君 私も、これは自立支援サービスに移行をして、今まで支援費の対象になっていなかった精神障害の皆さんも対象になりますし、その分は丸ごと増えるわけでありますし、また今、局長正におっしゃったとおり、今まで支援費制度を余りやってこなかった地域でも、これは全国一律でやるということでありますので相当の伸びになると。  そこで、私がちょっと確認で一問簡単に聞きたいんですけれども、今のお話ですと、厚生労働省が来年の春までに作るガイドラインに沿って各自治体障害者福祉計画を作って、その福祉計画の中で立てたサービス見込量、利用者の見込数、あるいはサービスの見込量でやるんでしょうけれども、に基づいて、その積み上げの上で例えば厚生労働省が再来年度の予算要求をして必要な予算を確保すると。特にこの義務的経費の部分はそうすると。それでよろしいですかね、こういう理解で。
  214. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 基本的にはそういう手順でいくと思います。  例えば、高齢者の場合も市町村で老人保健福祉計画を作っていただいた。そういったことによりまして、国が設定いたしましたゴールドプランも上方修正されたというような経緯も、あれは十年計画で、五年目に新ゴールドプランが作られたというような経過もございますし、やはり行政やっていく上で、地域市町村にお仕事をしていただくわけでございますし、障害行政、地域ニーズをくみ上げるという形でなければうまくいかないと思いますので、そういう形が基本になるのではないかと考えております。
  215. 遠山清彦

    遠山清彦君 それで、この障害者福祉計画、各自治体が作っていく過程において当然一番大事な尺度というのは、もう今日は今朝からずっと出ております障害者程度区分のところでございますが、もういろんな先生方から議論があったところでございますけれども、私も十月五日付けで厚労省が出しましたモデル事業の結果についてはざっと見させていただきましたけれども、これ今回は介護保険制度にやや倣って、非該当、要支援、それから要介護度五みたいな形で分けていったわけでありますけれども、これ実際に障害者福祉サービス向けの障害者程度区分を決めていく際には、例えば今回の非該当から要介護五まで言うと、七段階に一応分類をされて統計を出しているわけでありますけれども、そういう七段階とか、あるいは非該当を除いて六段階とか、そういうふうな具体的な数の障害者程度区分になっていくんでしょうか。
  216. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 私どもの方もよく検討させていただきたいと考えておりますが、いずれにしても、まずは、一番皆さん御不安いただいていますのは、きちんとした三障害共通、それぞれの障害の特性を配慮しながら三障害共通の基準ができるか、また調査者や審査会によってばらつきが出ない客観的な基準ができるかどうかというのが最大の課題でございますし、また、今委員のおっしゃった点は、これからそのサービス支給計画なんかのときに何段階に分けとく必要があるのかと、そういうような話にもつながると思いますので、もう少し私どもも、まずこの障害区分、認定区分自体、まだ審議会でももう少し詰めてみたらというようなお話も障害程度区分についていただいているところでございますので、もう少し給付設計との関係については考えさせていただきたいと思います。  それから、介護給付だけではなく、訓練等給付のときにも、どの方が一番優先されるかというような、皆さんもちろんサービス、訓練等給付の対象者の方にはサービスが行き渡るようにしたいわけですが、優先度の判定などの点数も考えなきゃなりませんし、いろいろ考えさせていただきたいと思っております。
  217. 遠山清彦

    遠山清彦君 分かりました。それ非常に大事な点だというふうに認識をしておりますので、私個人の要望としては、是非また、障害者の当事者の方々の皆さんの声や御意見、それから障害者の団体の皆さんの御意見もしっかり聴かれて、それでこの程度区分の最終的な決定というのをしていただきたいと思います。  次の質問でございますけれども、今回の改革の方向性といたしましては、厚生労働省の資料に書いてありますが、市町村中心の一元的体制を目指すと、それから地域福祉実現ということが掲げられております。理念としてはもう当然そのとおりだと私も思うわけでございますが、他方で、市町村の財政状況に格差があることは、これは紛れもない事実でございまして、これは西副大臣にお伺いいたしますけれども、この市町村中心の一元サービスの重点化、これによって地域の格差を解消するというお話があるんですけれども、実際に市町村の間に歴然とこの財政的な格差が存在している中で、果たしてシステムを一元化したから単純にその地域格差の解消につながると言えるのかどうかという点なんです。  私が先日お手紙でいただいた障害者の方の御意見の中に、現在の支援費制度の下で地域格差を生んだ最大の理由というのは、この支援費制度のシステムに問題があるんではなくて、やはり障害福祉サービスの提供基盤が、つまり財政が少なくて、あるいは自治体の長の方針で障害福祉に力を入れているところと入れていないところがあるんでしょうから、元々その地域間にあるサービス提供基盤の強弱でこの支援費制度の格差が生まれているんであって、支援費制度そのものにそんなに問題ないんじゃないかという意見があるんです。  そうしますと、じゃ、今の支援費制度を更に市町村を中心に一元化をしても実態上余り問題の解決にならないんじゃないかという御意見があるんですけれども、この点もちょっと含めて御答弁いただきたいと思います。
  218. 西博義

    ○副大臣(西博義君) 委員御指摘のように、現状におきまして、サービス量の水準、これは大きな地域格差が生じているということは御指摘のとおりございます。  その原因として、財政状況一つの要因として存在するんではないかという御指摘でございました。もちろん、そのこともそうですが、もう一つは、これも御指摘がありましたように、その市町村の意識の違いといいますか、そういう事情もまた一つはあるんだろうと。また、そのことによって提供体制にも差異が出てくるという社会資源の問題がございます。さらに、支給決定に関しまして、支援の必要性に対する客観的な指標が今までなかったということも一つの要因ではなかろうかと、このようなことを今反省をしているところでございます。  このために、今回、自立支援法という形で社会資源の整備を図ろうとしているわけですが、一つは、先ほどからも議論ございました障害福祉計画を策定をしていただくと、ここが出発点で、このことを義務付けておりますので、そこに一つは大きな出発点ができるんではないかと、こう思っております。  第二点目が、今まできちっとした社会資源がないとできないというふうなこともございましたので、空き教室、空き店舗等、地域の資源を最大限に活用する、そういう方策を講じまして、さらに、運営主体もNPO等の皆さんもやっていただくという意味で規制緩和を進めることによって、きめ細かな状況をつくっていきたいということでございます。  もう一つは、これも御指摘がありましたように、障害程度区分をきっちり今回定めると。全国共通な区分を開発するということを通して、全国あまねくそういう状況をつくらせていただくということを提案させていただきました。  このような仕組みを組み合わせて総合的に今後、この自立支援法をてこにして全国サービスをつくり上げていくわけですが、地域の実情に応じたサービス基盤の整備、これを進めることによって、全国どこでも、障害の種類、それから状況に応じて必要なサービスを公平に利用できるようにしていきたい、こう思っているところでございます。当然、義務化という側面も大きな要素として今後生かされてくるのではないかと、こう考えているところでございます。
  219. 遠山清彦

    遠山清彦君 ありがとうございます。  今の答弁を私なりにそしゃくいたしますと、各自治体で義務付けられていなかった障害福祉計画がもう義務付けられると。ですから、市町村がしっかりこれを作らなきゃいけなくなる、それに合わせて客観的な基準を導入をするということであれなんでしょうけれども、私の要望としては、今のお話で、システムとしてもより幅広く障害者の皆さんに利用していただけるシステムになるんだなということを、感触を今つかんだわけでございますが、やはり福祉サービス提供基盤の弱いところは、やっぱりこの基盤強化をしていかなければいけないわけでございまして、その点については、厚生労働省の側からも、弱い自治体についてはいろんな形でその基盤整備を促していっていただきたいというふうに思います。  次に、予算の義務的経費化についてでございますが、これは本日も他の同僚委員からも御質問があったようでございますけれども、義務的経費化することは、もう一歩前進であることは間違いないわけでございますが、問題は、義務経費化されることによって予算の上限が固定化をされて、例えば、実際にある地域でこれだけのサービス量を見込んで義務経費として予算をつくったと。しかし、実際には利用サービス需要が上限を上回っていったと。その場合に、この財源確保が、現在は全部裁量でやっているわけですから、いろいろ補正予算とか組んでこう積み増してやれるんですけれども、逆に義務経費化されることによってなかなかそういう裁量で予算積み増すということが弾力的にできなくなってしまう。  そうしますと、足の出た分については都道府県とか市町村が持ち出しでやらざるを得ないんじゃないかという懸念の声が私のところにも聞こえてくるんですが、この点についての御見解を聞きたいと思います。
  220. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 予算制度で申し上げますと、そのような懸念というのは全く誤解であると思います。  裁量的経費というのは、国の裁量の経費でありまして、義務的経費は、国がそういうニーズがあった場合に支出しなければならないと、こういう経費でございますので、義務的経費になかったから制約が強まるということは論理的にあり得ませんし、そこは誤解であるというふうに思います。  そういう意味で私どもは義務的経費になったということが非常に大きいんだというお話を申し上げているわけでございまして、別の理由であればともかく、今の委員の御指摘の、裁量的経費であれば自由で財政的に有利で、障害者行政の推進上有利で、義務的経費になると不利だということは、どういうロジックか理解しかねるというふうに私は思います。
  221. 遠山清彦

    遠山清彦君 分かりました。  もう一つ、私のところに寄せられたちょっと御意見であるんですけれども、先ほどの障害者程度区分と絡む問題でありますが、この障害程度区分ごとに国庫補助基準があって、それによって予算配分がされた場合に、ある特定の区分に配分された予算がほかの区分に流用できなくなるんではないかと。これは、今はできると。まあ、今はできるというより、今区分がないですから、できるといったらできるということになるんでしょうけれども、ところがそこを細かく障害者程度区分で区切られてしまって、予算もそうやって区切られてしまうと、軽度、中度、重度の障害者の区分間で予算の流用というか移行運用ができないと。これは、これがまた問題になるんじゃないかという指摘があるんですが、これについてはどうでしょうか。
  222. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答えを申し上げます。  今の国庫補助基準、いずれにしても国庫補助基準はございますので、その基準をどういうふうに作るかという問題だと思います。御心配いただいているようなことは気持ちとして分からないわけではないわけでございますが、言わば、何というか非常に、例えが不謹慎かもしれませんけれども、どんぶり勘定であればいいというような側面ばっかりでありますと、やはりサービス利用者間の公平、それから、やはりこれを負担していただいております納税者から見た場合の透明性、公平性、効率性ということがあると思いますので、障害程度区分ごとに、ある基準を作って補助をさせていただくとした場合、基本的には軽度の、軽度といいますか、こういうサービスのボリュームを標準とされている方についてこれだけサービスをしているけれども、そのボリュームは、使ったのは少なかったからこれはほかに回しちゃうというのは余り健全な姿ではないんではないかというふうに考えております。要するに、支給決定ルールの透明化、公平化、こういったことも一つの今回の言わば法律基本的な考え方として提示させていただいております。  そういった中で、市町村福祉計画なり地域の住民、また国としてどういう障害者サービスが我が国のサービスとしてあるべきであって、そこをみんなで支えていくのかというのを議論して道を切り開いていくのがこれからの基本的な方向ではないかと思います。  しかしながら、例えばホームヘルプサービス利用者数を見ましても、昨日の資料で明らかなとおり、都道府県別に、都道府県単位でも六・三倍の格差があるわけですから、そういう現状の中からスタートしますので、非常に多く使っているところが平均並みにということであるともう本当に激震が走ってしまいますので、そういった意味では、偏りのある現状からできるだけ、画一化すればいいということではなくて、均一化というか、均てん化していく中でそういう方向性を目指して歩んでいくということだと思いますので、現状をよく踏まえながら、あるべき基準というものも念頭に置いて組み立ててまいりたいと考えております。
  223. 遠山清彦

    遠山清彦君 今の局長の御答弁は恐らく、分かりやすく言うと、例えば特定の障害者とかにちょっと偏って支給をされているような現状が仮にあったとしたら、全体の客観的な基準に基づいた支給決定制度を整えて、そして障害者福祉サービス利用できる方すべてにオープンで公平で透明な制度を作るというような形になるんだと思うんですね。  ただ、現状の支援費制度の下で既に様々な福祉サービスを受けている方が現におられますから、そこの移行する際に余り機械的にやってしまうと、今局長のお話の中にも若干そういうニュアンスがあったと思いますが、大きな問題になる部分もあるのかなと感じておりますので、そこは現実に即して制度移行というのをちょっとやっていただかなきゃいけないかなと、要望として申し上げたいと思います。  時間がなくなってきたんですが、西副大臣にちょっと、重度障害者等包括支援サービスの点でちょっとお伺いをしたいんです。  これも私のところに寄せられた意見を基に作った質問なんですけれども、そもそも、独り暮らしの重度障害者、この中には極めて重度な障害者の方も私なりに含んでおるんですが、その方々市町村の包括報酬の支払対象となる指定サービス事業者のケアの対象にちゃんとなるのかどうかということをお聞きをしたい。  それから、一つの大きな声としては、重度な障害者に対するサービスとしてこの包括支援サービスが新設をされるんですが、実際にこの包括支援サービス実施できる事業者の数が全国ですごい少ないという声があるんですね。そうしますと、制度として包括支援サービスで重度障害者助けますよと、こう言っても、実際に、自治体によっては、見回したら、これを委託できる事業所がどこにもないじゃないかとなると、制度だけ作っても実際に担い手がないという問題になると思うんですが、この点も含めてお答えいただければと思います。
  224. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 私の方からちょっとお答えをさせていただきます。  なかなか委員御指摘のとおり難しい問題でございまして、データを今一生懸命調べているところですが、非常にたくさんの在宅で多くのサービス利用されている方の分布状況を見ますと、例えば年額一千万円を超えている方々の数だけで見ますと、三つの県で全国の六割を超えるというようなことで、今そういうサービスを受けておられる方は非常に限定された地域に集中しているということがあります。それは、委員のお言葉をかりれば、要するに、重度障害者等包括支援サービス制度化しても、今の時点ではそういう事業者がないかあるいはそういうサービスについて利用されようとする方がまだ生まれていない、あるいは市町村の側でそういうサービスの言わば、存在を認めていないと言うと言い過ぎになると思いますが、そういうサービスについて地域として受け止めていこうという土壌がないという面もあるのではないかと思います。  ここのところは、鶏が先か卵が先かという点はあると思いますが、いずれにしても、まずシステムを作って、そういうサービスに対して費用が出ると。そうすると、そういう事業をやる事業者さんが生まれてきて、あるいはそういう障害者の方がおられてそういうニーズがあるということに着目して次第に動き出すということになるというふうに考えておりますので、私ども、まずは今度の法律で重度障害者等包括支援サービスを作りますので、そのサービスのモデルをきちんと提示して、全国でやっていけるようなシステム、また効率的でみんなで支えられるモデルを作っていかなければならないと、こういうふうに考えております。
  225. 遠山清彦

    遠山清彦君 もう終わりますけれども大臣、これは要望で、今日はもう御答弁要りませんが、この後大変でしょうから。要するに、今のお話にあったとおり、いわゆる応益負担の話を、大臣、この自立支援法でしたときに一番やっぱり反発が出ているわけですね。それは、サービスを使った量に応じて負担をしますよというのは簡単に言えば応益負担なわけで、そうすると、重度になればなるほどサービス一杯使うから、重度になればなるほどお金が取られるんじゃないかという、こういう負担増になるということで非常に大きな反発が障害者団体の皆さんからもあったと思うんですね。  ただ、今正に議論したこの重度の障害者に対する包括支援サービスというのをこれ新設するわけです。今私が指摘をしたように、新設するんですけれども、担い手の事業所が全然ない地域が多いという現状の中でこれをやっていこうということでありますので、是非こういうところの、まあ民間の、民の世界の話でもありますけれども、私は、正に重度の障害者方々が大変この今回の自立支援法に懸念を抱いている、正にその方々を対象にした新しいサービスの充実について特段の努力をしていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  226. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  前国会で廃案になった本法案が再提出されて、関係者にまたもや不安をもたらすものになっています。さらに、障害児福祉施設も利用契約制度に変わることに伴い、障害乳幼児の保護者からの、また関係者からも不安の声が本当に出ています。  そこで大臣質問ですけれども、前国会委員会で、障害児福祉施設を現行の措置制度から利用契約制度に変える理由として、「保護者がサービスを選択するという意識が醸成されてきた」と答弁をされました。その根拠となる調査結果があるのでしょうか。
  227. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今のお尋ねは、前国会の七月二十八日に、ここにおられる朝日先生の御質問に対して私がお答え申し上げたくだりだというふうに思います。そこで私は確かに、保護者の意識の醸成が成されたというふうにお答えを申し上げております。  そこで、その根拠でございますけれども調査を行っているかと言われますと、その調査は行っておりませんけれども、私がお答え申し上げました根拠を申し上げますと、例えば障害児の在宅サービスについて見ますと、支援費制度に移行した平成十五年の四月から十六年十月までの間に、児童のホームヘルプサービス支給決定者が二・四一倍になっております。また、人口カバー率も九割弱になっております。この人口カバー率といいますのは、実施しておる市町村の人口が全体の人口の中でどのぐらいの、対象者の数の中でどういう割合になるかということを人口カバー率と言っておりますけれども、これも九割弱になっておりまして、要するに極めて急激な伸びを示しておるところでございます。  そして、この数字を基に、この背景にあるのが、児童のサービスについても、保護者の間に、自らのサービスを選択して、契約制度に基づいてサービス利用するという意識の醸成があると考えておりますので、そのように御答弁をいたしたところでございます。
  228. 小林美恵子

    小林美恵子君 しかし、調査はされていないという御答弁でございました。  私は、ここにお持ちしていますのは、大阪障害者センターが発行しました実態調査でございます。ここにございますのは、児童デイサービス制度利用していないとの回答が七一・八%あります。その理由の一番が、制度を知らなかったということで三九・一%となっています。そのことを私は改めて強調しておきたいと思います。  同時に、そもそも障害者福祉支援費制度に移行する際、障害児童の施設を措置として残したのは、障害児福祉施設の入所、退所については専門的な判断が必要なものであることや、虐待などの高度な養護性を有するものも少なくないという理由だったと思います。専門的な判断には医学的判断も必要です。しかし、知的障害児のお母さんのお話をお聞きしますと、児童精神科医に診察してもらうのに一年半待ったとおっしゃっておられました。大臣もこの間の委員会の答弁の中でも、小児科医や児童精神科医が少ないというふうに答弁をされています。私は、こういう面こそ、こういう条件整備こそ最も急がれていると思いますけれども大臣、いかがですか。
  229. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、最初の御指摘について申し上げておきたいと思います。  そういう数字そのものはお述べになったとおりであろうと思いますから、そのことについて申し上げるわけじゃありませんで、申し上げたいことは、やはり今、障害者の皆さんに対するサービスというのが、どうしても地域差もある、そして、まだ全体の障害をお持ちの皆さんのところにサービスが行き渡ってない、そこを何とかしたいと思っておりますから今度の障害者自立支援法をお出ししておるわけでございまして、御指摘のような事実がある、そうしたことを何とか解決したい、前向きにやっていきたいという思いが私ども障害者自立支援法をお出ししておる、御提案申し上げておる理由だということは改めて申し上げておきたいと思います。  そこで、ただいまの御質問にお答えを申し上げます。  今回の改正におきましては、平成十五年度に障害児の居宅サービスが契約制度を導入したことにより、保護者がサービスを選択するという意識が醸成されてきたこと、既に申し上げたとおりでございます。それから、相談支援事業実施され、地域における相談支援に関する基盤整備を進め、専門的な相談支援体制の充実が図られたことなどを踏まえまして、障害児の施設の利用についても契約制度の導入を提案したものでございます。  しかしながら、いろいろな行政に対する対応が必要でございますから、引き続きこのことについての検討というのは私どもも必要なことと考えておりまして、今後、私どもの検討は続けてまいりますし、必要な措置はいたしていくつもりでございます。
  230. 小林美恵子

    小林美恵子君 今後検討するというふうにございましたけれども、つまりは条件整備は不十分だということですよね。その上で、通園施設なども利用契約となり、児童デイサービスも含めて費用には応益負担、一割の定率負担が掛かります。そのことが親御さんにとって、意識の醸成どころか、どんなに不安を抱いていることか。  ここで私は一通の手紙を紹介したいというふうに思います。  私は、現在、堺市内にある就学前の通園施設に通う重度の知的障害を伴う自閉症の五歳の男の子を持つ母親です。うちの子供は三歳で施設に通うようになり、それがきっかけとなり自閉症であることが判明しました。園に来る先生方の診断により重度の障害があると聞かされたのです。一生この子の介護で私の人生が終わるんだ、この子と一緒に死んでしまおうか、何度考えたことでしょう。それを支えてくれたのは同じ通園施設に通う母親や先生方でした。お母さん、今までしんどかったでしょう、これからは私たちもこの子のために一緒に何をしてあげられるのか考えていきましょう、先生に言っていただいた言葉は今も忘れることはできません。家族以外にこんな手の掛かる息子に本気で向き合い、一緒に悩んでくれたのには心から感謝をしました。  現在、通園施設は所得別に保育料が決められています。それが利用者制度というものになれば、保育料が一律になり、試算では現在の平均保育料の五倍前後に跳ね上がるそうです。しかも、給食費も実費。そんなことになれば、障害があるかないか分からない時期にある子供たちが障害児通園施設に通えなくなってしまいます。  こういう障害の乳幼児を持つお母さんといいますのは、実は乳幼児の障害というのは、大臣もよく御存じのように、発見はなかなか難しいと思います。ましてや、我が子が健康で生まれてくることを願っていたお母さんは障害をなかなか受容することはできません。利用契約になると進んで利用できないと涙ながらにおっしゃっていました。  大臣は、衆議院の審議の中でも、児童デイサービス障害が分からなくても、手帳を保持しなくても今後も利用できると答弁をされていました。私はあえてお聞きします。通園施設もそのことを保障しますか。いかがですか。
  231. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず、今、前半でお述べになりましたことについて申し上げておきたいと思います。  今そうしたサービスを受けておられる方のサービス、これを今後とも続けなきゃいけない。よく持続可能という表現をいたしますけれども、こうした制度を持続可能なものにしなきゃならないということを私どもは強く考えておるところでございます。そして、その持続可能なものにするために、まずは国が義務的な経費だとしてこれを認めてきっちり出すということにしなきゃいけない。そのためにどうすればいいかというようなことでこの障害者自立支援法を組み立てたということは是非理解をいただきたいというふうに思います。それ以上申し上げますと長い答弁になってしまいますから申し上げませんけれども、そこまでまずは申し上げたところでございます。  そこで、今最後に具体的な御質問でございましたので、そこの部分についてお答えを申し上げます。  今回の改正におきましては、障害児の施設利用について、措置制度から契約制度に移行することになりますけれども、そのサービス利用できる児童の範囲については変更を行うものではございません。従来どおり、手帳を所持しない障害児であっても都道府県は児童相談所の意見を聴いて支給決定することといたしておりまして、引き続き通園施設を利用することが可能でございます。すなわち変更はないということを申し上げます。
  232. 小林美恵子

    小林美恵子君 保障は私は当然のことだというふうに思います。でも、改めて確認をさせていただきました。  しかし、親御さんの不安は、やっぱり定率一割の応益負担の導入です。障害乳幼児の施設も、利用の際、費用が一割の定率の負担、食費も一日六百五十円の自己負担。肢体不自由児は、医療も現行では措置医療ですけれども、別途医療費も、そして補装具給付も一割負担になります。障害乳幼児を抱える世代は正に二十代、三十代の若い世代です。この御家庭にとって私は大きな負担の増大になると思うんです。  資料をお配りください。    〔資料配付〕
  233. 小林美恵子

    小林美恵子君 今から配っていただく同じものをパネルにさせていただきました。パネルがございますので、話を進めてまいりたいと思いますけれども、これは大阪の障害乳幼児を抱える御家庭の例で、現行と、その今の措置ベースの基準でいくと、サービス応益負担になればどうなるかということを厚労省の方に試算をしていただいたものを基にして作成した資料でございます。  見ていただきますと、知的障害児の場合でいきますと、現行の今現在通園料で三千円払っている方は、移行されますとそのサービス利用料は一万四千四百円。今の措置ベースの一割でいきますと一万四千四百円、それに食費が負担化されますから一万四千三百円で、合計二万八千七百円、約十倍の負担の増大になります。  さらに、肢体不自由児の場合でいきますと、今払っている通園料は七千円の御家庭でした。この御家庭でいきますと、そのサービス利用料が四千円になり、食費は一万四千三百円。それに、今肢体不自由児の場合は措置医療ですから、七千円の中に医療費が含まれています。別途医療費が加算されますから、それを試算してもらいましたら四千五百円だそうです。そうしますと、二万二千八百円です。  いずれも、いずれもですよ、こういう世代の御家庭といいますのは一か月の収入が大体二十八万とか三十万、まあ三十万以内です。そこから正に住宅ローンを払って、食費を払って、必要な生活経費を払って、それで今でも、今の七千円、三千円で本当にぎりぎりだとおっしゃるんですね。この上二万八千七百円、二万二千八百円とこの御家庭の場合のように負担が増えたら、一体どこから捻出すればいいのかと本当に心配されていました。  私は大臣にお聞きしたい。若い世代にこんな負担を押し付けていいというふうにお考えなのですか。障害乳幼児の通園の保障をどう保障されるおつもりですか。
  234. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) このたびの障害者自立支援法を御提案申し上げるに当たりまして私どもが一番配慮いたしましたことの一つが、できるだけ負担を軽くするようにしなければならない、そして特に御無理な負担だけはお願いしない、このことを配慮いたしました。  そこで、今のことでございますけれども、こうした方々に対して特別児童手当が差し上げてございます。こうしたことにお使いくださいということで手当を差し上げてあります。それが一級の方は五万九百円であります。二級の方は三万三千九百円であります。  もう一回申し上げますけれども、こういうことにお使いくださいということで手当を差し上げてあるその手当が、五万九百円と、二段階に分かれておりますけれども、三万三千九百円であります。正にその範囲の中で是非お出しをくださいというお願いをいたしておるところでございます。そのところを御理解いただきたいと存じます。
  235. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は今の話は別問題の話だというふうに思います。現行でいったらこういう負担の増大になるということを申し上げているわけでございます。移行してからこんな負担の増大になるということでございますから、この点についてやっぱりしっかりと大臣は認識されないと私はいけないというふうに思います。それを、この児童手当とかそういうふうに話を持ち出すべきではないんじゃないでしょうか。  それで、私はもう一度聞きたいと思います。この間よく政府大臣も、きめ細かやかな、きめ細かやかな対策を講じている、講じているとよくおっしゃいます。それで、あえてお聞きしたいというふうに思いますけれども、現在通園施設を利用している親御さんの所得から見れば、どれほどの世帯の方がいわゆる生活保護世帯、それから市町村民税非課税世帯の、対策を講じると言われる所得一、所得二ですね、そういう層に当たるか、その割合をお聞かせいただけますか。
  236. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 知的障害児通園施設、難聴幼児通園施設それぞれ、また肢体不自由児通園施設等施設が分かれておりまして、それぞれ率が若干違いますが、トータルで、平均で申し上げますと、低所得A、B階層の占める割合は一三%となっております。
  237. 小林美恵子

    小林美恵子君 それでいきますと、こういう障害乳幼児を抱える若い世代といいますのは、つまり八八%がそういうきめ細やかな対策の範囲には入らなくなるんですよね。で、全部一般に上限四万二百円になっていきますから、だから本当に負担の増大になるわけですよ。私は、こういうことをして、この負担の増大で障害児の方が通園施設に通えなくなったら本当にどうなるのかと、一体どこから出せと言うのかということを本当に改めて強く強調しておきたいなというふうに思います。  それで、こういう若い世代の負担というのはこれだけにはとどまりません。もう一つは、特に肢体不自由児は補装具費用も重なります。その点で質問を移ります。  お手元の資料の二枚目を見ていただきたいと思いますけれども、この方の例の場合は座位保持いすです。現行では一つ作るのに四十万円掛かるとおっしゃっていました。それを家用と施設用に二つ作っても、今負担は五千円で収まっています。これが一割負担になりますと、二つ作ると八十万円ですから八万円になります。それで、そうすると十六倍の負担になります。  親御さんにお聞きしますと、バギーは七万円から高いもので五十万円、足の装具は五万円から三十万円、保護帽子は一万五千円、座位保持いすは十万円から五十万円、それだけ掛かると言うんですね。で、幾つも買わないといけないということになりますと、全部合わせましても、低いので二十三万五千円、高いので百三十一万五千円になります。一割負担になれば二万三千五百円から十三万一千五百円もなるんですよね。で、これ二つ買えば二倍ですよ。それで、子供というのは成長していきますから、補装具も何度も買い換えないといけなくなります。私はこれが本当に若い世代に、これも含めて負担ができるのかということを私は大臣にお聞きしたいと思うんですよね。  それで、衆議院の御答弁で「所得に応じた数段階の負担上限額を設定する」というふうにお答えになっておりました。それだけの答えでは私は全く解消されないと思うんです。それ改めて、どういうふうに設定するのか、具体的に今示していただけるでしょうか。
  238. 岸宏一

    委員長岸宏一君) どちらがお答えになりますか。  じゃ、まず最初に局長から。
  239. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 補装具支給につきましては、今度の自立支援法で購入又は修理に要した費用の一割の定率負担お願いすることといたしておりますが、負担が家計に与える影響を考慮しまして、負担の上限額を設定することといたしております。  この上限額につきましては、予算編成の過程で設定することといたしておりますが、障害福祉サービス費の負担上限額などを念頭に置きながら設定をするということで、例えば低所得世帯一でありましたら一万五千円、低所得世帯二でありましたら二万四千六百円、一般世帯でしたら四万円というようなことを想定しておりますので、委員が提示されました補装具代の場合、八十万の一割ということのようでございますが、座位保持いすの十五年度の一件当たりの平均単価は二万四千三百円になっておりますが、非常に重度な方で大変高額な座位保持いすを使われる場合だと思いますが、今申し上げました所得にもよりますけれども、一定の負担の上限を掛けたいと思っているところでございます。
  240. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) あえて申し上げたいと思いますけれども、最初におっしゃったことが今度の障害者自立支援法を私どもお願いしておる理由ですというふうに申し上げましたけれども、今もまたそうなんであります。  百何十万掛かるというようなことをおっしゃいました。その百何十万は、そのお金が天から降ってくるわけではないんです、だれかが払わなきゃいけないんです。ですから、それをみんなで払う、税金で払うのか、だれかがまた出すのかという、そのお金はだれかが出さなきゃいけないわけでありますから、これはもうみんなで助け合うしかない。この制度を維持するためには、もう払えなくなりましたとは言えないわけですから、だれかが払わなきゃいけない。そうすると、みんなで助け合っていかなきゃいけない。それで、利用なさる方も、その負担する力がおありであればお払いくださいということを申し上げております。しかしそれでも、今局長が申し上げましたように、もうできるだけ抑えたいということで私どもは言っておるわけでありまして、是非そのように御理解いただきたいと存じます。
  241. 小林美恵子

    小林美恵子君 だれかが払わなくてはいけないということで、それで障害者方々とか障害乳幼児を抱える若い世代の皆さんに負担をしてもいいということにはならないじゃないですか。負担の増大してもいいということにはならない。私はまだお聞きはしていません。そういうことにはならないということを私は強調したいと思います。  それで、先ほど補装具の話がございました。確かに上限を設定すると言いますけれども、現行に比べますと、そういっても市町村民税非課税世帯は千百円から一万五千円になる、また二万四千六百円になる場合もある。市町村民税課税世帯は現行二千二百五十円の世帯でも四万二百円になって、結局はかなり、十倍から二十倍になるということではありませんか。それはやっぱり負担の増大ですよ。  次に、私、もう一つお聞きしたいと思います。  先ほど育成医療の話がございました。育成医療の話がございましたけれども、本当に障害児童のお母さんから、口唇裂の手術に七十七万掛かるとか、胃瘻の手術に八十万から百万掛かる、腰の手術にも二百万掛かるといって、現行の所得に応じての育成医療があるから救われたと。これが一割の自立支援医療になってしまうと手術も受けさすことができなくなると。  それで、激変緩和措置として前国会から見直しをされて、先ほど御答弁がございました、中間的所得の場合では、重度かつ継続でない場合、所得税非課税世帯は一万、所得税額三十万未満は四万二百円の上限とするとありました。  そういうふうにおっしゃいましたけれども、現行の方でいいましたら、四千八百円から、先ほどお聞きしましたら、四千五百円の、五千八百円の方が一万円ですよ。そして、所得税課税世帯でも、六千九百円の方が上限設定してもらっても四万二百円ですよ。激変緩和で上限設定した、上限設定したと言いますけれども、結局は、今の現行から比べれば激変倍増の負担じゃないですか。これを私は、こういうのを若い世代に本当に求めて、どうして必要な医療の確保ができるんだということを強く申し上げたいと思います。  もう質問はしませんけれども、最後に申し上げたいと思います。  こうして見ますと、施設の利用料だって、それから医療費だって、補装具だって、結局は上限を設定しなくてはいけないほど、この法案というのはいかに障害児障害者のその家族にとって負担を増大するものかを示しているものだと私は思います。しかも、上限を幾ら設定しても負担が増えることには変わりがありません。結局、今回の法案というのは、障害者自立支援とは名ばかりの、障害児障害者負担増大法案ではないですか。かつ、児童の育成にとっても逆行するものだと思います。  児童福祉法には、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」とあります。そのことは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべての児童に関する法令の施行に当たって、常に尊重されなければならないとあります。  でも、この法案でいきますと、若いお母さん方に負担が掛かって、通園施設に行けなくなるかもしれない、さらに補装具だって提供できなくなるかもしれない。それじゃ子供たちの育成には逆行するではありませんか。正にこの法案は、この面からも私は逸脱するもので、廃案しかないということを改めて強く申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  242. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  障害者自立支援法案が再度提出されて審議になっていることに非常にショックを受けております。私もあるお母さんから手紙をいただきました、話もしました。聞いてください。  私の息子は一種一級の身障手帳を持ち、知的にも障害がある重度障害者です。今年二十八歳になりました。支援費制度実施される二十五歳までヘルパーを使うこともできず、作業所に通う以外は親がすべてでした。支援費の実施で、初めてガイドヘルパーと週二回のおふろ介助ヘルパーが利用できるようになったのです。二十五年、やっとたどり着けた制度だったのです。  支援費の財政破綻はぜいたくをしているからではありません。そのことを分かっていただきたいです。親は年老いていきます。親が生きているうちに地域の中で自立生活をさせてあげたい、それが私たち親の切なる願いです。でも、現障害者自立支援法案応益負担の導入は、自立生活どころか作業所格差や家庭生活格差が生まれるのは必然です。毎日通っていた作業所に通えなくなるかもしれません。負担を負い切れなかったらヘルパーも利用する回数が減っていくかもしれません。医療費の負担増は命をも脅かしかねません。まだまだ不十分ながら、やっと地域に出られるようになった障害を持つ人の社会とのかかわりは、人間としての最低限の権利なのではないでしょうか。  親も子供を選べませんが、子供も親を選ぶことができないのです。昔の座敷牢のように家に閉じこもってしまう障害者は生まれないでしょうか。この子に生きてもらいたくないと思うような不幸な親が生まれないでしょうか。長い間、親の会の運動をしてきた私ですが、時代の逆行を感じます。そして、一番危惧するところが、一つの大切な命に格差が生まれてしまわないかということです。  大臣、こういう親の切々とした思いを聞かれて、どう思われますか。
  243. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) もう先ほど来申し上げておりますけれども、正にそういうような御懸念にこたえるために、今お読みになりました手紙の中にも、その子供が一人になったときに社会が本当に支えてくれるだろうかというようなくだりがございました。  そうした社会にするために、そしてそういう仕組みをきっちりつくり上げるために、まず第一歩として、あるいは二歩になるかもしれませんが、まずそれに向けて踏み出すその法律にしようというのが今回の障害者自立支援法でございます。そうそこのところはもう是非理解いただきたいと思います。私どももそうしなきゃいけない、そしてそれに向かって進んでいかなきゃいけない。そのためのまず第一歩にするためのこの法律というふうに私どもは考えておる、またそうしなきゃならないと思っておるということを申し上げたいと思います。  手を挙げておられますので、それ以上もう細かなことは申し上げませんので、まず私の思いを申し上げました。
  244. 福島みずほ

    福島みずほ君 今、国会前でも座込みの人たちがたくさんいます。前国会を経ても障害者の皆さんが不安を抱えているのはなぜだと思いますか。
  245. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) このたびの私どもが御提案申し上げておるものが、一割負担ということを原則として申し上げておる。その一割負担のところを御心配なさっておられるんだろうというふうに理解をいたしております。
  246. 福島みずほ

    福島みずほ君 そのとおりです。応益負担、それが出てきているので皆さん不安なわけです。手順が違うと思います。就労支援や教育の中のかなり平等化あるいは手助けするということがあった後におけるどうしようというなら分かるんですが、まず財政上の理由から応益負担、一割払えとなれば、みんな不安になるのはこれはもう当たり前です。  実際、減免措置があろうがなかろうが、ミーンズテストがあり、審査があります。だとすれば、応益負担になって、そのことがみんなが不安を持つと。ということは、大臣、この法案に根本的な欠陥があるのではないですか。
  247. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 原則一割負担、これはやはりちゃんと先に言いませんと、これも今朝からもお答えしておりますけれども社会保障を取り巻くいろんな法律がある、また制度がある、仕組みがある、そうした中での整合性というのはどうしても取らざるを得ません。取らなきゃなりません。  そしてまた、これについてもいろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、やがてやはり介護保険の中でという、介護保険を普遍化したときに介護保険の中でという話も出てくると思います。そうしたときに、やはり介護保険との整合性も取っておかなきゃいけない。いろんな整合性ということの中で原則として一割負担ということを言わなきゃならない。  したがって、原則一割負担ですよと言っておりますけれども、再三これまた申し上げておりますように、原則一割負担と言いますけれども、実質もう負担できるところで御負担くださいと。負担できないところまでとても無理な負担をしてくださいなんと言うつもりはありませんということで、減免制度をいろいろ考えて、今御説明も申し上げておるところであります。この減免制度是非やらせていただきたい。  そしてまた、この法律の中でも、収入をどうするのか、所得をどうするのか、障害者の皆さんの所得についてどう考えるかということは今後三年掛けて検討しますと言っておりますから、これまた検討しなければなりません。そして、我々はちゃんと答えも出さなきゃいけないと思っております。その三年間の間をどうつなぐかというようなこともありますから、私どもはその間、無理のない御負担をということで言っておるわけでございます。是非その辺のところを御理解いただきたいと存じます。
  248. 福島みずほ

    福島みずほ君 介護保険という制度基本的に保険制度負担がある、これなら理解ができます。しかし、障害のある人たちの問題は、一割負担ということでは制度が成り立たないというふうに私は考えます。基本的に税でやるべきだと。まず定率負担応益負担ありきでいけば、整合性なんというのは私はおかしい。整合性を理由個人障害者が生きられない、命が侵害される実態をつくってはいけないというふうに思います。  特に問題を生ずるのが、私は子供の問題であると思います。子供は、小さい、生まれたときからいろんな社会の中で生きないと、あるいは生活機能訓練やいろんなことをしないと、つまりちっちゃいときから十分に育つようにしていかないと、大人になったときに本当に動けない、あるいは就労支援なんて本当、夢のまた夢という事態が起きます。  どうして障害のある子供についても応益負担、一割負担なんですか。
  249. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 言っておりますように、すべての制度を、今回御提案申し上げておるものも含めて整合性を取るということで申し上げておるわけであります。  ただ、まず基本にそうしないと整合性が取れないというふうに私どもは考えておりますから、そのことを申し上げておる。しかし、それは原則でありますから、すべてを原則どおりやるわけではありません。それぞれの事情に応じてそれなりのことをちゃんとやりますと、個別に減免もしますしということで申し上げておるところでございます。
  250. 福島みずほ

    福島みずほ君 根本的な制度設計が間違っているこの障害者自立支援法案は廃案しかないというふうに考えます。それしかありません。  障害者の、例えば子供のことなんですが、やはり応益負担、これから障害のある子供を持った親は基本的に応益負担、一割負担せよと。ところが、障害のある子供が生まれる可能性、確率はもちろん当然あるわけです。そうしますと、障害のある子供を持った親は自分で本当に応益負担でやれとなれば、みんな本当に子供を持つことをためらうかもしれない。子育てが物すごく重くなるわけですよ。普通の子育てだって重い。でも、障害のある子供は必ず生まれる。そうすると、もし自分の子供が障害のある子供だったら、とても育てることができないとみんな若い人は思うと思います。  障害者対策は厚生労働省の少子化対策と無関係なのでしょうか。
  251. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) まず最初に、廃案しかない、そういうふうに言われましたのであえて申し上げますけれども、では廃案にしてどうなるというふうにお考えなのか、そして廃案にした後どうしようとおっしゃるのか。それはやっぱり御説明もいただきたいと思います。私どもはこれしかないということで、将来を考えてこれしかないということで御提案を申し上げておるわけでありますから、もしそういうふうにおっしゃるんであれば、そこのところのやはり御説明是非いただきたい、あえて申し上げたいと存じます。  そして、今の御質問でございますけれども、後段の方の御質問が……
  252. 福島みずほ

    福島みずほ君 障害者対策と少子化対策は無関係か。
  253. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) はい、分かりました。少子化対策と障害者の、障害児との関係について御質問でございました。  これは当然もう、子供の対策が少子化対策でありますから、障害児であるから別に分けて考えるということではありません。私は少子化の対策でいつも言っているんですけれども、少子化対策には二つある。一つは、まず出生率を端的に言えば上げる、たくさん子供が生まれるようにするということで考える少子化対策もありますし、もう一つは、現実として子供の数が小さくなっている、その少なく生まれてくる子供を大事に育てるという少子化対策がもう一つあるというふうに言っておりますけれども、正にその少ない子供たちを大事に育てるという少子化対策の中で考えるべきことというふうに理解いたしております。
  254. 福島みずほ

    福島みずほ君 もし障害のある子供が生まれたら、応益負担、一割親は負担せよと言われたら、やっぱりみんな大変ですよ。子供を持とうというふうに夢を持てる社会にはならないですよ。厚生労働省が少子化対策など考えていないというふうに思います。  私に意見を聞かれましたので申し上げます。  日本の障害者施策に対する予算は、前通常国会質問いたしましたが、決して多くはありません。OECDやいろんな国と比べて予算が多いわけではありませんというのが一点です。  二点目は、手順が違う。就労支援や、どうやって応援していくかという施策が成功して、かなりあって、それからどうしようなら分かります。しかし、冒頭からこれだけ差別があり、これだけ教育上の差別があり、これだけ例えば所得が低い、これだけ問題がある中で、定率負担、一割せよというのは手順が違う。拙速でやるなと。去年グランドデザインが出て、もう法案をして、やっぱり拙速で厚生労働省が突っ走っているからこそみんなが不安を感ずるのだということを申し上げます。  次に、ちょっと資料を配ってください。    〔資料配付〕
  255. 福島みずほ

    福島みずほ君 支援費が最大七・八倍、各地で違います。端的にお聞きをいたします。先ほどから地域の実情に応じた義務化というふうなことが行われておりますが、サービス地域格差解消の名の下にサービスが下がることはないのでしょうか。各自治体サービスが下がるか下がらないか、それについて答えてください。
  256. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  各地のサービスにつきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、地域ニーズを踏まえまして障害福祉計画の策定をする、そういった形でこれから障害者施策が進んでいくと、こういうふうに考えております。  現在、地域差がございますが、基本的には、これからの施策を考えますと、これまでサービスがほとんどなかったというのは昨日の調査でも出てまいりましたけれども、精神障害者施策、そういった施策の充実を図ること。まだ未実施市町村も、人口カバー率では相当来ておりますが、未実施市町村があること。それから、分野別に申し上げましても障害児などまだまだサービスが少ない部分がございますし、従来からの施策も整理なり統合し、より実情に合った施策体系に変えていかなければならないということで、今回、三障害を一元化し、市町村実施し、サービス体系も改めていくと、こういう施策を取ってまいりたいと考えております。
  257. 福島みずほ

    福島みずほ君 端的にお聞きします。  このように各都道府県で大きな格差があります。滋賀県や大阪府は高いですが、端的にお聞きします。サービスは下がるんですか下がらないんですか。サービスが下がる自治体があるんですか。
  258. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 基本的にはサービスが下がることはないと思います。適切なサービスがされておれば下がることはないと考えております。
  259. 福島みずほ

    福島みずほ君 ありがとうございます。  そしたら、滋賀県や大阪府のサービスは絶対に下がらないという答弁の確認でよろしいですね。
  260. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 申し上げておりますように、現在行われているサービスが適正なものである限り、私、大阪なり滋賀県なりそれぞれのところのサービスについて今コミットする気持ちはございませんけれども、つまり、私がそういうことを保証するほどよく存じておりませんのでそこは留保させていただきますが、適正なサービスが行われている限り下がることはないと考えます。
  261. 福島みずほ

    福島みずほ君 適切なサービスですよ。今のはどういう答弁なんですか。  私がお聞きしたいのは、結局、下がる自治体があるということです。なぜ障害者の人たちが不安を感ずるのか。今利用できているのに下がってしまう。確かに上がる自治体もあるかもしれない、でも今使っていることが使えなくなる、だから不安なんです。だから、はっきり答弁してください。
  262. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 例えば、私どもの十八年度予算で申し上げますと、居宅サービスについては三割増の予算要求をいたしておりますし、全般に、現在、今度法案が成立したことを前提に支援費についてお願いしていますサービスも一〇%程度の増加をお願いしておりますので、下がることはない、全国的に下がることはないと考えております。
  263. 福島みずほ

    福島みずほ君 全国的に下がることはないという答弁など理解ができません。支援費は最大七・八倍格差があるわけです。  私がお聞きしたいのは、サービスが下がる自治体があるかどうかです。適切なサービスかどうか。今度、じゃ厚生労働省サービスを削るときは適切なサービスではなかったといって削るんでしょうか。私が今日お聞きしたいのは、サービスは下がるのか下がらないのか。
  264. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今おっしゃっておることが、これもさっきから同じせりふを申し上げておりますけれども、正に障害者自立支援法お願いしておるゆえんであります。格差があるんです。格差があるから、低い方をまず何とかしなきゃいけない。この低い方は確実に上がりますよ。だから、その低い方をまず確実に上げるために今度のことをやっているんだというのは是非理解していただきたいと思います。  ただ、こんなもの平均化しようなんて思っておりませんから、こんなもの平均化しようなんて思っておりませんから、適切なサービスを、さっきからこれまた御答弁申し上げておりますけれども、こんな適切なサービスをカットしようなんていうことを言っておるわけじゃありません。  ただ、それは厳密に見て絶対に下がらないかというと、それは下がるところはあるかもしれませんよ。だけれども、それはあるかもしれないけれども、それはまあ先のことだから、分からないからあえてそういうふうに申し上げておりますけれども、適切なサービスをカットしようなんていうことは絶対言ってないわけでありまして、まず下を上げなきゃいけないじゃないですか。  どうするんですか、日本の障害者の皆さんの施策を。このままの、これだけの格差でこのままおいておいていいんですか。絶対にいけないと思っています。だから、下を上げるために何とかしたいという今私どもが言っていることを是非理解をいただきたいと思います。
  265. 福島みずほ

    福島みずほ君 下を上げること、障害者施策の充実はもちろんそのとおりです。私が懸念しているのは、これだけ格差がある中でサービスが下がるところが出るでしょうと。今さっき大臣は、大臣発言というのは重要ですよ、サービスが下がる自治体があるんですか。大臣お願いします。
  266. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 私、ただ単純に比較をして、かもしれないという表現は使いました。それは一つずつ見ていかなければ、先のことだから厳密には申し上げられないという意味で申し上げたわけであります。これはもうそのとおりであります。将来のことを、神様じゃありませんから絶対にこうなりますというふうには申し上げられない。それは、かもしれないということにおいては言わざるを得ない。  しかし、これは再三申し上げておりますように、必要なサービスを削るということは絶対私どもは言っておりませんから、そのサービスは維持します。維持した上で、後れているところの、この後れておる分を上に上げたい、このことをもう強く申し上げておるわけであります。
  267. 福島みずほ

    福島みずほ君 今、そんなに不必要なサービスがされているという状態ではありません。今大臣は、先のことは分からないとおっしゃいました。だからこそみんな不安になっているわけです。で、下がるかもしれない。下がるかもしれないからこそみんな不安になっているわけです。今得られているサービスが得られなくなる、それがこの法案の最大の欠陥です。約束できないじゃないですか。下がるかもしれないということを大臣が今日おっしゃったことは非常に重要ですよ。  で、またお聞きをします。今日一貫して話があるのは、客観的な基準の導入、それをやります、モデルの提示をこれからやります、そういうのがあります。それから障害者区分、これから詰めます。どういうことでしょうか。分からないんですよ。先のことは分からない、下がるかもしれないと言われて私たちが賛成できると思いますか、こんな法案に。
  268. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 言葉じりをとらえないでいただきたいと思います。基本的に申し上げていることは、必要なサービスを削る気は全くありませんということを言っているじゃないですか。ですから、そういう意味で、局長みたいに答えりゃ答えられますけれども、ただ厳密に言って、将来のことですからそれはあり得ますということを、ただ数字の、数字だけを比較したらそれはあるかもしれませんねということをできるだけ厳密に言いたい。また後でうそ言ったと言われるのも嫌だから申し上げただけの話でありまして、是非言葉じりをとらえないでいただきたい。  必要なサービスは絶対しますということで、サービスの水準を下げるなんていうことを言ってはいないじゃないですか。そこは是非理解いただきたいと思います。そして、後れているところを上げたいと、これだけ言っていることだけは是非理解ください。
  269. 福島みずほ

    福島みずほ君 応益負担になって一割負担になればサービス利用しない人たちが出るわけですよ。必要なサービスかどうかということに、じゃ大臣、やっぱりとても重要なことで、この応益負担障害者自立支援法案ができると困る人が出てくる。助かるところもあるかもしれないけれども、要するに生きていけないということに皆危惧を持っているわけです。  で、どうなんですか。これでいくと八倍違うわけですよ。どこに合わせる。滋賀に合わせるんですか、それとも最低の福井とかに合わせるんですか。どうなるんですか。合わせる合わせないの問題でなければ、もし、基本的に滋賀や大阪絶対下げない、基本的に下げない、それでよろしいんですか。
  270. 岸宏一

    委員長岸宏一君) じゃ、中村局長
  271. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、大臣お願いします。中村さん、済みません。大臣でいいです。
  272. 岸宏一

    委員長岸宏一君) いや、その後大臣に答えさせます。
  273. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) 委員長の御指名ですのでお答えさせていただきます。  まず、私どもがきちんと答えられないのは、福島委員が言っておられるサービスが下がるか下がらないかという定義がはっきりしないことが第一ですね。  例えば、観念的に申し上げますと、報酬単価が一〇%下がるという事態があるかもしれません、例えば、単価の設定の問題ですから。そういった場合に、サービス量は変わらなくても、そのところの地域サービス量が、これはモデルの話ですから、五%伸びたときに、金額ボリュームは九五になるけれどサービス量は一〇%増えている。それはサービスが減ったというのか増えたというのか、そこのところをきちんと議論しないで、例えばそういう議論をすることがまずおかしいということ。そういうことをはっきりしない前提で、滋賀がどうだ大阪がどうだというような議論の仕方についてはなかなかお答えしにくかったということでございます。それが一点でございます。  それから、今度のものは、地域ニーズに応じてサービスを、ニーズをくみ上げまして障害福祉計画を作っていく。分野も広げますし、それぞれのメニューも、言わば実情に合った、もっとニーズに合ったものに変えていくということでありますので、私どもは、質的にも量的にも自立支援法によって増えます、サービスが増えますし、そういうことを国の財政としても担保するために義務的負担もするということを申し上げているわけであります。  また、応益負担応益負担とおっしゃいますが、我々の考えでは、言わば障害福祉につきましては言わば九割の、みんなで九割の費用はもう自動的に支え合おうと。残りの一割部分については御利用者負担を原則としますけれども、それこそその資力や経済力に応じて、更にそこのところのみんなで支え合いの部分を埋めていこうということで、というやり方をやっておりますので、九割保障した上で更に上乗せを低所得の方の部分については図っていくと、そういう制度であるというふうに考えております。  応能負担の場合のように、全くそのサービスが当たらない、お金があればサービスが当たらないということではなく、今度の法律というのは、やっぱりサービスは買うものだと、みんな買う主体になると、言わばそういう考え方に立ち、少しでもその費用についてはシェアすることによって当事者としての参画もしていくと、またそういうことが、他の当事者であります、言わば広い意味での当事者でありますタックスペイヤーの費用を分担していただいている、そちらの人たちにとっても費用負担負担増なわけでございますが、そういう負担増をする人たちの理解を得ると、得ていただくためには、やはり利用者の方もシェアできる範囲でコストをシェアしていただくと、それが新しい福祉考え方ではないかと、こういう考え方に基づいて御提案さしていただいているということを御説明したかったわけでございます。
  274. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 質問時間が終わりましたが、福島委員お願いでございますから、大臣、最後に御答弁をお願いします。
  275. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) るる局長が申し上げましたから、私から一言だけ申し上げます。  障害者福祉の予算というのを今回も大幅に伸ばしてきています。それは、今までで十分であったかなかったかというのはいろんな御議論があるでしょうし、私どもも十分であったとは思わない。だから、伸ばしてきた、伸ばしてきた、そして今度も大きく伸ばすんです。その大きく伸ばす中でその全体のレベルがどうなるかということは、当然、これだけ総額が、予算の総額が伸びれば全体のレベルは必ず上がるわけでございます。このことだけは申し上げておきたいと思います。
  276. 福島みずほ

    福島みずほ君 一言。
  277. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 一言。はい、じゃ一言だけ。
  278. 福島みずほ

    福島みずほ君 済みません、ありがとうございます。  買う主体というふうにおっしゃいました。障害者の人たちはスタートラインがそもそも違う、スタートラインを応援してあげて上げていくことが政治の責任だと思います。お金がなければ買えないじゃないですか。買う人と買えない人と出てくる、そのさっきのお手紙の格差ということが生ずるというふうに思います。  また、生活保護を受ければいいという答弁が前通常国会でありました。なぜ障害者の人たちが生活保護を受けないのか。生活保護をなぜ障害者の人たちが持ちたくないのか。それはやっぱり人間の尊厳。資力調査やいろんなことが嫌だ、やっぱり何とか頑張って生きていきたいと思うからこそ生活保護をもらいたくないと思うわけです。そのことが基本的に分かっていないというふうに思います。  どうも時間ちょっと延長して済みません。ありがとうございます。
  279. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時十四分散会