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国務大臣(
町村信孝君)
政府寄りの某新聞というのはどこだか是非教えていただきたい、そういうすばらしい新聞があれば仲良くしたいものだなと、こう思いますが。
結論を言えば、それは、この一年で
日本が憲章改正をしそして安保理の
常任理事国という資格を手に入れられなかったという結果を見れば、もうそれは失敗であったという評価をされることはある意味では当然かなとも思います。
しかし、ちょうど一年前の国連総会で
小泉総理が安保理改革、
日本の
常任理事国入りを強調した折、じゃ国連全体の反応はどうであったかといえば、まあ誠に冷淡なといいましょうかね、そんなことが本当の議題になるのかというような雰囲気であったわけであります。
その後、ハイレベルのパネルからの
報告書も十二月、十一月末に出され、今年の三月に入ってアナン事務総長の
報告書も出され、かたがたG4というものを昨年の九月にスタートをさせ、その運動が、それは率直に言って
日本がイニシアチブを取って進めてきたわけでありまして、その運動の中から、もしかしたらこれは実現をするかもしれないということについて、ある意味では危機感を持った幾つかの国が強い反対運動を展開をするに至った。これは正に、もし全く大した動きでもなければ、さしたる議題にも話題にもならず、反対運動も起こらず、ほとんど自然消滅したであろう、そういうテーマであったろうと思います。
しかし、私は、いろいろなそれは
考え方はあったと思うけれ
ども、一九四五年にできた国際
社会の秩序というものを、
戦争という手段によらないで、言わば平和的な話合い、
外交によってこれを変えようという、かなり見ようによっては破天荒なことを
日本が始めたわけであります。これが一年で、それは一遍に成就しなかったからもう失敗であったと言われるのは簡単かもしれませんが、私は、まずこの一年間の動きの中でこれだけ多くのまず国々が安保理改革、もちろんこの国連改革全体もそうでありますが、これが必要であったということを非常に多くの国々が
認識をしたと。そして、何らかの改革をしなければいけないということを発言するようになってきた。これは一年前と比べて大きな違いだと思います。
アプローチ、
考え方こそそれは違うかもしれませんが、強くG4決議に反対した
アメリカでさえも、
常任理事国の数は二つぐらい増えてもいいんじゃないかと、非常任と合わせて現在の十五が二十か二十一になってもいいのではなかろうかという具体的な提案を彼らはせざるを得ない
状況に変わってきた。
中国も、発展途上国を中心として
常任理事国の数が増えることは当然だとまで言うようになってきた。一年前にそんなことはだれも言わなかったわけであります。
私はそういう意味で、安保理改革だけについて言うならば、それはそれで私は大きな世界的な流れをつくってきたということがまず言えるのであって、そういう意味でこの一年間の、私
ども、私は第一ステージと呼んでおりますけれ
ども、第一ステージの動きは十分意味のあるものであったと、こう思っております。
しかし、現実に、アフリカの全体の動きがまとまらなかったであるとか、もちろん幾つかの国の反対運動が非常に強くなったであるとか、いろいろな事情から三分の二というものを取るということには至らなかったわけでありますから、結局枠組み決議を採決するには至らなかったという意味で、改めて今回の国連総会が始まってから第二ステージに移ったと。その際に、もちろん今
委員が言われたような反省を踏まえながら新しい取組をしなければいけない、それはそのとおりだろうと思っております。
〔理事浅野勝人君退席、
委員長着席〕
一つには、やっぱり現在の
常任理事国の
理解を得るという意味で、
アメリカ、
中国との
対話を深め、より共通点を多くするという
努力をしなければいけないだろうというのが一点あると思います。
それから、特にアフリカの国々が一体今後どういうような形になっていくのかというのをもう少ししっかり見通さなければいけないなと。なかなか、アフリカが一定の方向付けをして、みんながまとまっていくということになるのかならないのか、現状を見るとなかなか難しいような
感じがありますが、さりとて五十三か国という最大の票田でありますから、これらとのやっぱり連携もしていく。
それから、このG4との
関係をどうしていくのかというのが
一つの大きなテーマだろうと思います。現実に一年間同じかまの飯を食ってやってきたというある種の連帯意識というものが今あるわけでありますから、うまくいかなかったから、はい、さようならということも、なかなかそれはできないことであろうと思いますが、そこは、今それぞれの国が自分たちのこの一年の
活動というものを振り返って、今後どうしたらいいかというのを冷静に今
考えている時期であって、ぼつぼつG4でどうしようかという
議論がようやっと国連をベースに今始まり掛けていると、そんな状態であります。
私
どもも、例えば
ドイツもなかなか政権が決まらないといったようなこともあるものですから、余り今急ぎ得る状態にはないかなと思いますが、いずれにいたしましても、過去一年の動き、運動というものを反省すべきは率直に反省をしながら、これから新たに取組をし、十二月末までには国連総会に対して、どういう進捗を示したか、それをレポートしなさいということが各国の合意になったわけでございますので、それに向けてまた改めていろいろな運動を展開をしていかなければいけないと、こう思っております。
ちょっと長い答弁で、どうも済みませんでした。