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国務大臣(
町村信孝君) まず、その前提としてあの
安保理改革の話でございますけれども、一年前に小泉総理が
総会の場で
安保理改革の必要を主張されました。その時点での
国際社会の反応というのは極めてクールといいましょうか、無反応とは言いませんけれども、それに近いような状態であったと私は思います。その後一年、
日本が言わばイニシアチブを取る形で運動を展開をしてきた結果、なるほどこれは安保理が一九四五年当時の世界の実情をただ単に今日まで続けているというのはおかしいという認識というのは、非常に
国際社会の中で強く共有されるようになってきたと。したがって、
安保理改革は必要であるということについて、先ほど御
報告をいたしましたが、百三十九の国が
首脳会合あるいは一般演説の中でそのことを触れているということでありまして、私は、
安保理改革が必要であるということについて
国際社会の幅広い認識を得るに至った、これが私は第一ステージの
成果であったと、こう思っているわけであります。
確かに、一挙に決議が採択をされるというところには至りませんでしたから、失敗だと言われればそれはそういう、何も全部うまくいったと言うつもりも強弁するつもりもございません。しかし、何も生まなかったではないかというような御指摘もあるので、それは違うと。明らかに
国際社会が今の安保理の
改革を必要としている。確かに、アメリカあるいは中国も反対はされたけれども、しかしそのアメリカも中国もまた、
安保理改革の
内容の違いはあるにしても、常任
理事国の拡大であるとか発展途上国の代表性の増大であるとか、方向性を持った
発言すら出てきているわけでありまして、私はそういう
意味で、第二ステージということを申し上げましたけれども、第一ステージはさきの
総会で終わり、新しい
総会が、六十回
総会が始まりましたので、ここからまた本格的な取組をしていく必要があるということを申し上げたかったわけであります。
そういう中で、今
委員からそのハイレベル・レポートの話がありました。ちょっと私、あらかじめの御指摘がなかったものですからそのハイレベル・レポートは手元に今持ってきておりませんので、その一々について今ちょっと申し上げることは差し控えさしていただきますけれども、私は、
緒方さんを始め立派な
方々の御提言でありますので、それが今回の
成果文書の中でどこまで反映されたかということについては私も大変関心があり、できるだけ反映をされるようにということで、それこそ首脳会議が始まる前日までぎりぎりの調整が行われ、
日本もその最終
段階までそのぎりぎりの調整のメンバーの一人として入り、できるだけ反映できるようにということで
努力をしてまいりました。
国連総会の場で、
緒方さん始めそのハイレベルのパネルのメンバーの
方々ともお目に掛かって話をしましたが、もちろん全部は反映されたわけではないけれども必要な
部分は大体入っているかなと、一応合格点かなというのが
緒方さんを始め当時のメンバー、私は二、三の方とお目に掛かって、そんな話をしたこともございました。
そういう
意味で、十分ではないかもしれないけれども、有識者の
方々の御提言は相当
程度この
成果文書の中に反映をされたんだと、こう
理解をしております。ただ、これもこれからでありまして、これからこれをどう具体化をしていくのかということについて、
平和構築委員会なり
人権理事会なりとその中身をこれから
議論をして詰めていくことになっておりますので、その
議論に
日本も積極的に
参加をしてより実のある
改革というものに結び付けていかなければいけない、かように
考えているところであります。