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2005-10-11 第163回国会 参議院 外交防衛委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月十一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         林  芳正君     理 事         浅野 勝人君     理 事         三浦 一水君     理 事         山本 一太君     理 事         榛葉賀津也君                 岡田 直樹君                 柏村 武昭君                 櫻井  新君                 谷川 秀善君                 福島啓史郎君                 山谷えり子君                 犬塚 直史君                 今泉  昭君                 喜納 昌吉君                 佐藤 道夫君                 島田智哉子君                 白  眞勲君                 荒木 清寛君                 澤  雄二君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君     ─────────────    委員異動  九月二十六日     辞任         補欠選任      柏村 武昭君     愛知 治郎君      喜納 昌吉君     柳田  稔君      島田智哉子君     浅尾慶一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         林  芳正君     理 事                 浅野 勝人君                 山本 一太君                 榛葉賀津也君                 柳田  稔君     委 員                 愛知 治郎君                 岡田 直樹君                 福島啓史郎君                 山谷えり子君                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 今泉  昭君                 佐藤 道夫君                 白  眞勲君                 荒木 清寛君                 澤  雄二君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     町村 信孝君        国務大臣        (防衛庁長官)  大野 功統君    副大臣        防衛庁長官   今津  寛君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        愛知 治郎君        外務大臣政務官  福島啓史郎君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣沖縄振興        局長       藤岡 文七君        防衛庁防衛参事        官        西山 正徳君        防衛庁防衛局長  大古 和雄君        防衛庁運用局長  山崎信之郎君        防衛庁人事教育        局長       飯原 一樹君        防衛施設庁業務        部長       長岡 憲宗君        外務大臣官房審        議官       遠藤 善久君        外務大臣官房審        議官       高田 稔久君        外務大臣官房参        事官       伊藤 秀樹君        外務省北米局長  河相 周夫君        外務省国際法局        長        小松 一郎君        財務省理財局次        長        日野 康臣君        農林水産大臣官        房審議官     皆川 芳嗣君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (国連改革・六者会合に関する件)  (パキスタンにおける地震被害に対する援助に  関する件)  (在日米軍再編問題に関する件)  (自衛隊海外派遣に関する件)  (イラク情勢自衛隊イラク派遣に関する件  )  (自衛官大麻取締法等違反事件に関する件)  (国連改革に関する件)  (国際刑事裁判所規程締結に関する件) ○万国郵便連合憲章の第七追加議定書万国郵便  連合一般規則及び万国郵便条約締結について  承認を求めるの件(内閣提出) ○郵便送金業務に関する約定の締結について承認  を求めるの件(内閣提出)     ─────────────
  2. 林芳正

    委員長林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る八月三十日、齋藤勁君委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。  また、去る九月十五日、田村秀昭君が委員を辞任され、その補欠として島田智哉子君選任されました。  また、去る九月二十六日、柏村武昭君、喜納昌吉君及び島田智哉子君委員を辞任され、その補欠として愛知治郎君、柳田稔君及び浅尾慶一郎君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 林芳正

    委員長林芳正君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 林芳正

    委員長林芳正君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事柳田稔君を指名いたします。     ─────────────
  5. 林芳正

    委員長林芳正君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、外交防衛等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 林芳正

    委員長林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 林芳正

    委員長林芳正君) この際、長官政務官から発言を求められておりますので、これを許します。愛知防衛庁長官政務官
  8. 愛知治郎

    長官政務官愛知治郎君) おはようございます。  このたび防衛庁長官政務官を拝命いたしました愛知治郎でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  国内外におきまして安全保障上取り組むべき課題が山積をしておりますが、防衛庁長官政務官として全力で取り組んでまいる所存でございます。  林委員長を始め委員各位皆様の御指導、御鞭撻を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。(拍手)
  9. 林芳正

    委員長林芳正君) ありがとうございました。     ─────────────
  10. 林芳正

  11. 林芳正

    委員長林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  12. 林芳正

    委員長林芳正君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  まず、外務大臣から報告を聴取いたします。町村外務大臣
  13. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 外務大臣を再度拝命をいたしました町村信孝でございます。  参議院外交防衛委員会の開催に当たり、林委員長を始め、委員各位に謹んでごあいさつを申し上げますとともに、この機会に国連改革の現状及び先般中国の北京において行われた第四回六者会合について御報告を申し上げます。  安保理改革を始めとする国連改革は、国際社会が直面する様々な脅威に効果的に対処する上で極めて重要です。去る九月、ニューヨークで国連第六十回総会が開会し、その冒頭、百八十か国以上の国の元首、首脳等参加を得て、国連首脳会合が開催されました。我が国からは小泉総理大臣に御出席をいただいたほか、私も同首脳会合の日程の一部及びその直後の一般討論出席してまいりました。  まず、安保理改革につきましては、G4を軸とする過去一年の作業が具体的な成果には結び付きませんでしたが、改革の機運はかつてなく高まっています。国連首脳会合で採択された成果文書でも安保理改革の実現に向けて本年末までに国連総会検討を行う旨の記述が盛り込まれました。また、首脳会合一般討論演説を通じ、百三十九か国が安保理改革必要性に言及しています。我々は現在、第二の出発地点にいます。これまでの蓄積を踏まえつつ、今後とも、各国理解協力を得ながら、改革に向けて更なる外交努力を行っていく考えです。  また、前述の成果文書は、開発、平和、人権国連改革など、幅広い内容を含むものであり、旧敵国条項の削除、人間の安全保障への言及、平和構築委員会人権理事会の設置、事務局マネジメント改革についての改善措置等が記述されております。これらは今後の具体的行動に向けた良い基礎であると考えます。  第四回六者会合においては、六者が達成すべき大きな目標を示す共同声明に合意することができました。この共同声明の中で、北朝鮮は、すべての核兵器及び既存の核計画の検証可能な廃棄を約束しました。これは、六者会合を通じて朝鮮半島非核化を実現する上での重要な基礎となるものです。  また、共同声明においては、六者会合の最終的な目標一つとして、日朝及び米朝国交正常化が明確に位置付けられ、日朝関係については、懸案事項解決することを基礎として国交を正常化する旨が盛り込まれました。このことは、すべての六者会合参加国が、拉致問題を含む懸案事項解決重要性を確認し、その上で日朝国交正常化を共通の目標として位置付けたことを意味するものであり、今後の拉致問題への取組においても極めて意義あるものと考えます。  十一月初旬に行われる予定の次回会合では、今回の共同声明を実施に移すための具体的方途、特に核廃棄等の手順や検証の問題に関し協議を進めていく考えです。我が国は、朝鮮半島非核化日朝間の諸懸案解決を踏まえた日朝国交正常化、そして北東アジアの平和と安定という大きな目標達成のために、関係各国と協調しつつ最大限努力していきます。  なお、今般の六者会合の際に行われた日朝協議において、我が方より、拉致問題につき、生存者の帰国、安否不明者真相究明拉致実行犯の引渡しを再度強く求めた上で、このままでは厳しい対応を求める声が日本国内でますます強まる旨伝え、北朝鮮側の真摯な対応を改めて促しました。また、日朝政府間協議再開に速やかに応じるよう申し入れたところ、北朝鮮側から、対話再開に同意する旨の回答を得ました。  政府としては、できるだけ早期に政府間対話を行い、拉致問題を始めとする諸懸案解決に向け、引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。  以上、国連改革及び六者会合について御報告申し上げました。林委員長を始めとする本委員会委員皆様の御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。  ありがとうございました。
  14. 林芳正

    委員長林芳正君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  15. 岡田直樹

    岡田直樹君 おはようございます。自由民主党の岡田直樹でございます。  三連休明け質問ということで、一部御通告できなかったものもあるんですけれども、お許しをいただいて、よろしくお願いいたします。  それは、パキスタン地震のことでありまして、犠牲者が何万人とも知れない大変な大惨事になりました。JICAの楢原さん、そしてその二歳のお子さんまで犠牲になるという大変痛ましいことであります。スマトラ沖地震津波に続いて、我が国としてもできる限りの救助や復興支援を行うべきものと考えております。既に日本から消防庁、警察庁あるいは海上保安庁などの国際緊急援助隊派遣をされまして、また医療チーム派遣をされた。  そこで、防衛庁としてはどんな対応考えられるかということをお伺いしたいと思います。スマトラ沖の際には、陸海空の自衛隊が大活躍で、現地でも非常に高い評価を受けたわけでありますが、今回も、パキスタンから要請があったような場合、自衛隊派遣することができるか、その可能性についてお伺いをしたいと思います。大野長官お願いします。
  16. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、今回のパキスタンの大地震におきまして、尊い命を犠牲にされました方々に心から哀悼の意を表させていただきます。また、このような大きな地震被害に対しまして、心からパキスタン方々にお見舞いを申し上げたいと思います。  そこで、今月九日であったと思いますけれども、ムシャラフ大統領が、とにかく輸送用ヘリコプターが必要なんだ、あるいはブルドーザーみたいなものが必要なんだと、こういう御発言をなさっております。そのことは町村外務大臣の方から防衛庁にも伝わってまいっております。  そこで、我々は、正式な要請があればいつでも対応できるように既に検討を始めております。ブルドーザーを運ぶとなると、これはもう船で運ばざるを得ませんから大変時間が掛かる。これはちょっと念頭から外しておりますけれども、小型ヘリコプターであればこれを解体してC130に載せて運んでいける、こういうことで、今二機程度あるいは二、三機程度を運んではどうかと、これはC130で運ぶわけでございますけれども、そういうことで既に検討をしております。早ければ今週末にでも正式要請がきちっとあれば派遣して、とにかくこういう国際緊急援助活動自衛隊も一生懸命やっているんだ、一生懸命やらせていただきたい、このように思っております。  なお、一つだけ申し上げたいのは、やはり実力部隊でございますので、相手側自衛隊として運用していくんだ、この了解は取っていかなきゃいけない。こういう点はきちっとして、そして自衛隊としてできる限り応援をさせていただきたい、このように思っております。
  17. 岡田直樹

    岡田直樹君 特に、自衛隊の場合は相手国からの正式な要請というものが必要だと思います。町村大臣に、恐縮なんですけれども、そういう御要請というのは今のところまだ入っておりませんでしょうか。
  18. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 自衛隊を特にという話が来ているとは私は承知をしておりませんが、今日の夕方には谷川外務大臣現地に到着すると思います。したがって、明日先方のしかるべき要人と会ってそんな話も出るのかなというふうに思っております。  また、我が方の対応としては、自衛隊以外のことで、正式の要請が必ずしもないまま我が方で独自でこれが必要であろうという判断をして、緊急援助隊派遣、あるいは緊急援助物資の提供、更には今日の閣僚懇談会でも報告いたしましたが二千万ドルの資金無償資金協力といったようなことは、もちろんその中身については今後先方協議して決めていくわけでありますけれども、積極的に先方要請を待たずともやれるものはどんどんやっていこうということにいたしております。
  19. 岡田直樹

    岡田直樹君 外務省防衛庁とが連携をして、自衛隊派遣の用意があるということをパキスタンの方にむしろ積極的に打診をするぐらいのことがあってもいいんではないかなと私は思います。NGOや赤十字の方々も当然支援に当たられるわけですけれども、現地は混乱していて危険もありましょうから、やはり自衛隊人員派遣ということも必要ではないかと思います。  スマトラ沖のときも、大野大臣、大変積極的な姿勢を示されて迅速に自衛隊派遣を命ぜられた。今回もそのように対応をしていただきたいと思うんですけれども、先ほど機材の件についてはお話がありましたが、人員についてはいかがでしょうか。
  20. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 人員についても検討をさせていただいております。ただし、今現在どのぐらいの人員が必要になるのか具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、やはりきちっと対応をできるような人員是非とも派遣したいなと。ひとつ、要請がある、そしてそれに応じて最大限の努力をやらせていただきたい、これも素早くやっていきたい、このように思っています。
  21. 岡田直樹

    岡田直樹君 素早くという御答弁をいただきました。特に被害の大きいカシミール地方は周知のとおりインドパキスタン紛争の地でありまして、パキスタン政府は、インドからの支援物資は受け入れるけれども、しかしインド軍の人的な支援というものはなかなか受け入れ難いと、こういう話も聞いております。その点、自衛隊であれば抵抗は少ないと思いますし、スマトラ沖地震の際の経験もあると。引き続きのことで自衛隊方々には大変御苦労でありますけれども、日本国際社会でより信頼をかち得ていくためにも是非人員派遣も御検討を願いたいと、こんなふうに思います。  以上、通告できなかった部分で急な御質問大変失礼をしました。  次に、先日一部の新聞報道によりますと、在日米軍再編協議に絡んで、自衛隊が、今回のパキスタンのような大災害とかあるいは紛争の後の復興支援、あるいはテロとの戦いにおける後方支援、こうした点で米軍任務を一部肩代わりするような、そういう役割分担というものが検討されておると、そういう報道がございました。  この点について、可能な範囲で大野大臣から御答弁いただきたいと思います。
  22. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 今、米軍編成と我々は言っておりますけれども、実は同盟の改編とでもいう部分と、それからもう一つ米軍の再編成という部分と、二つ分けて考えることができるわけですね。それで、同盟変革という意味は、要するにお互い協力し合って、その中で役割分担をやりながらやっていこうと、この部分について今先生お尋ねがあったと思います。それからもう一つ部分は、いわゆるそれを支える、そういう目的を支えるための米軍基地を含む米軍の構成の問題、こういうことでございます。  現在、今申し上げましたような変革と再編成という問題、第二段階の問題として取り組んでいるところでございまして、いわゆる自衛隊米軍役割分担能力等について、あるいはインターオペラビリティーについて議論をしているところでございますし、また米軍の施設・区域の問題も同時に議論している、こういう段階でございます。  この問題につきましては、今申し上げたいのは、自衛隊米軍周辺事態における協力をどうしていこうか、こういう問題が一つ。それからもう一つは、やはり我が国に対する武力攻撃事態等において共同対処する場合どうするかという問題に加えて、やはり今先生も御指摘なさいました津波災害救援のような国際的な安全保障環境改善のためにどういうふうに取り組んでいったらいいのか。そういう問題を議論するに当たって、その心は、やはり情報を共有しよう、そして情報を取る場合にどっちが役割分担でやっていこうか、あるいは共同対処でやろうじゃないか、共同運用でやろうじゃないか、こういう思想の下にこういう議論をやっているわけでございます。  新たな安全保障環境の下におけるいろいろな課題に積極的に対応していく、そのための役割任務能力に関する検討でございまして、十分お互い議論し、理解し、そして結論に到達すべくやっておりますけれども、具体的内容といいますと、今この段階でちょっと申し上げる段階ではないかとも思いますので、いずれ近いうちにはっきりとした文書にしてまたお示しできる時期があると思います。
  23. 岡田直樹

    岡田直樹君 今の時点で具体的に詳細にということは難しいかなと思いますけれども、大臣のおっしゃった情報共有あるいは共同対処新聞報道によりますと、被災地哨戒機を飛ばして米軍その他の各国部隊情報を提供すると、あるいは復興支援参加する国々、その人員機材輸送艦で運ぶ、そういった想定がされていると。これはあくまでも新聞報道でありますが、こうしたバックアップといいますか、国際的な安全環境を守っていくという、そういう役割というものを日本は積極的に果たすべきであると、こう思いますし、また日米間で御検討を進めていただきたいと思います。  災害だけではなくて紛争後の復興支援、あるいはテロとの戦い支援、そうした場合に、我が国はその都度テロ特措法とかあるいはイラク特措法、こうした特別措置法を設定して、そのまた期限も延長を重ねてきたわけでありますが、この際、自衛隊海外派遣に関する恒久法恒久法を制定して臨機応変に対応すべきではないかと、こういう声は当然出てくるものと思います。もちろん、厳格な歯止めをその法律に設けた上で、しかし迅速に対応ができると、そうした恒久法、私も必要だと思いますし、ちなみに民主党の前原代表もそうした恒久法が必要ではないかと、こういう御意見と聞いております。  海外派遣恒久法の制定についてどのようにお考えか、大野大臣、御見解を伺いたいと思います。
  24. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 大変いい御指摘、ありがとうございます。  やはり、国際情勢というのは大幅に変わってきております。国対国の戦争から宗教や人種的、民族的な紛争を発端とする、言わばそれを火種とする紛争も出てきている。そういう中で、どうやったら国際安全保障環境を良くしていけるのか。つまり、人種的、民族的な、あるいは宗教的な地域的な紛争がその地域の安全を脅かす、その地域の安全を脅かすことが世界的な平和や安全を脅かしてくる、それは日本にとっても脅威であります。  したがいまして、そういう国対国で、国対国という紛争の場合には、いわゆるナショナルインタレスト、国益というものが中心になりますけれども、やっぱり世界じゅうの国々がそれを無視できない、ほっておいてはいけない、こういう状況が今新しい国際環境国際安全保障環境の中で出てきているのではないか、こういう点が第一。だからこそ、日本国際的な協力の中でそういう紛争を事前に防止していかなきゃいけないし、紛争が起こった後はやはり人道復興支援等を通じてやっていかなきゃいけない、こういう問題が出てくると思います。  それから、二つ目の問題として、やはりテロの問題は無視できません。このテロという行動は国境なき行動でありますから、私はやはりこれも国際的な共同作業テロを撲滅していかなきゃいけない、こういう要請が当然あると思います。  さらに、もう一つ申し上げれば、問題はやはり、いろんな意味天然災害といいましょうか、津波地震やこういうことがあった場合に、やはり国際社会として協力していかなきゃいけない、こういう新しい観点が今一番大きな大事な問題として私は出てきていると思います。  そういう意味で、そのたびごと自衛隊を出すべきか出さざるべきかというような、特別立法特別措置法でやっていっていいんだろうか、こういう反省は我々持っております。と同時に、やはり実力組織でありますから、これは集団的自衛権の問題も含めて、やはり武力行使の問題をどう考えたらいいのかと、こういう点も十分慎重に考えておかなきゃいけない、こういう問題があろうかと思います。  この国際平和協力全体の在り方につきましては、内閣官房を中心に幅広く検討が行われておりますけれども、正にこの今先生がおっしゃったような問題意識、大変大事な問題意識だと我々は思っておりまして、国際平和協力に関する一般法の整備につきましては、今後十分御議論いただいて、そして解決の道を探っていただく、これはもう本当に大事なことだと思っております。
  25. 岡田直樹

    岡田直樹君 残り時間も少なくなりましたが、イラク派遣の陸自部隊についてお伺いをしたいと思います。  イラク・サマワの英軍、イギリス軍、そしてオーストラリア軍が来年五月ごろには撤収をするんじゃないかと、こういう報道もございましたけれども、この点についていかがでございますか。
  26. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 我が国は、これまでもイラクに駐留する多国籍軍の中の関係国と十分緊密な連絡を取り合ってやってまいっております。しかしながら、イギリスもオーストラリアも来年五月をめどにサマワから撤退すると、撤退を始める、このような公式の決定はなされておりません。  来年以降の多国籍軍の在り方につきましては、現在、治安権限移譲に向けたイラク政府と多国籍軍の共同委員会というのができておりますけれども、そこでしかるべく議論されていくわけでありますが、今後やはり政治的プロセスの問題、治安を守れるかどうかの問題、その他の問題があろうかと思います。  現地の情勢を十分踏まえながらでありますけれども、そういう意味で、現地の情勢を踏まえるという意味で大変このスケジュールを具体的に今決めるというのは難しいという問題と同時に、やはり今スケジュールを決めますと、あっ来年何月になったらどうなるんだな、これはもう正にテロリストにこう手のうち見せるような格好になりますから、こういうことはやっぱり各国とも控えているようでありまして、やはり今後具体的なタイムスケジュールは決めるのが難しいなというのが国際的、今の各国の認識ではないか、このように思っております。
  27. 岡田直樹

    岡田直樹君 基本計画の延長は必要だと思います。ただ、いつまでも行きっ放しになっているというわけにもいかないので、これはイギリス軍やオーストラリア軍の動向なども見極めた上で主体的に適切な御判断をいただきたいと、こう申し上げて、質問を終わらせていただきます。
  28. 犬塚直史

    犬塚直史君 おはようございます。民主党・新緑風会の犬塚直史です。  今日は、九月十六日の国連総会特別首脳会議で採択された成果文書を中心に、我が国国連を通じて平和構築にどういう貢献をしていくかということを中心に質問したいと思うんですが、その前に、ちょっと気になる話題が二つほど出てまいりましたので、これから先にお伺いしたいと思います。  まず、アメリカ大使館が借地料を未納だと、九七年まで、しかも月額で二十万円しか払っていなかったというニュースがございました。  これは敷地が一万三千平方メートル、あの広大な敷地、一等地、しかも使われていないものではないにもかかわらず、この前回、社民党の照屋議員の質問主意書に答えて、八三年から九七年までが年間約二百五十万円しか払っていないと、また九八年以降は、日米間で契約変更について合意できていないため賃料は支払われていないとしているわけですね。この詳しい経緯については交渉への影響を理由に明らかにできないとしているという夕刊フジの報道なんですけれども、まずこの事実関係から確認したいんですが、これいかがでしょうか。
  29. 河相周夫

    政府参考人河相周夫君) 御指摘の在日米国大使館の賃料の関係でございますけれども、この敷地に関しましては、明治二十三年に日米両国の政府間で賃貸借契約が結ばれまして、その後何回か改定を経てきておるわけでございます。ただ、平成九年に切れた、期限とする契約がございまして、それの以降の新たなその賃貸借契約について交渉をしたわけでございますけれども、合意に達することができないまま現在に至っておって、引き続き現在交渉中という状況にございます。交渉の中身の詳細につきましては、交渉への影響ということもございまして、ここに明らかにすることは差し控えさしていただきたいと思います。
  30. 犬塚直史

    犬塚直史君 交渉への影響というのは、これ、賃貸借契約の交渉のことを言っておるんでしょうか。
  31. 河相周夫

    政府参考人河相周夫君) 日本政府としては、賃貸借契約の更改のための交渉を行っているという立場でございます。
  32. 犬塚直史

    犬塚直史君 それでは、当該敷地の坪数と、それから近隣の賃貸市場の坪当たりの単価を教えていただけますか。
  33. 日野康臣

    政府参考人日野康臣君) お答え申し上げます。  米国大使館に貸付中の国有地の面積は、坪数で申し上げますと約三千八百八十坪でございます。  それから、大使館近隣の賃貸市場価格についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、最近調査したものはございませんが、貸付料改定に当たりまして平成九年当時に調査した幾つかの事例によりますと、この敷地近隣の坪単価は年額約三万四千四百円と算定されております。
  34. 犬塚直史

    犬塚直史君 年額坪三万円というのでよろしいんですか。
  35. 日野康臣

    政府参考人日野康臣君) そのとおりでございます。
  36. 犬塚直史

    犬塚直史君 到底、年額坪三万円という単価はちょっと市場価格とは大分違うのかなと。例えば、一等地での新築のビルの坪当たりの賃貸借の単価で、いいところですと三万円、四万円、これはビルの中ですからね。高いところですと十万円になった時期もありましたから、その一等地の敷地、土地の価格が年間で三万円というのはちょっとあり得ない。どういう市場価格の調査をされているのかなと私は思うんですが、それはこっちに置いておきまして。  交渉への影響を理由に詳しい経緯を説明できないというのですね、賃貸借契約に対する交渉であれば何も私は心配をするような話ではないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  37. 河相周夫

    政府参考人河相周夫君) これにつきましては平成九年以降、米側と随時交渉をやっているわけでございますけれども、米側、交渉相手との信頼関係、立場というのもございますので、交渉内容については差し控えさせていただきたいと思います。
  38. 犬塚直史

    犬塚直史君 私は、まさしくそういう交渉の仕方がむしろ逆にパートナーとしての信頼関係を損なっていく、正々堂々と交渉できない。相手がどんなに大きい、まあ普通の会社でいきますと、どんなに小さな会社が大きな会社を相手にしたとしても、同じ会社同士の交渉でそんな遠慮することはないわけですよね。そういう交渉の仕方がかえって信頼感を損なうということだと思うんですが、ほかに滞納している在日公館はどんなところがあるんですか。
  39. 日野康臣

    政府参考人日野康臣君) 在日公館敷地として国有地を貸し付けております相手国は、米国のほか、イギリス、メキシコ、スペインの三か国であり、米国以外は貸付料を支払っております。
  40. 犬塚直史

    犬塚直史君 やはり外務大臣、やっぱりこういう言わば気を遣い過ぎているのか、あるいはあいまいになっているのかよく分かりませんが、こういうことをやっていくと信頼関係が損なわれるということについて、是非外務大臣がこの件についてはしっかりとしたリーダーシップを取られて正々堂々と交渉をされることをお願いいたしますが、大臣、いかがですか。
  41. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 委員の御意見として承っておきます。
  42. 犬塚直史

    犬塚直史君 それでは次に、自衛隊員の最近新聞によく出ております大麻、覚せい剤の使用につきまして、これも気になりましたので本論に入る前に御質問をいたします。  この件につきましては定期的な薬物検査導入をするという新聞報道が出ているんですが、この進捗状況を教えていただけますか。
  43. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) 私ども、今般の事案を受けまして、過去の経験等を踏まえましていろいろな施策を検討しなければいけないと思っておるところでございます。その際、例えば米軍等で行っておるような施策も参考にすべきものと考えておりますが、いろいろ法制度上の違い等もございますので、その辺りは関係当局とも密接に連携を取って検討を開始したところでございますが、今のところ、何らの方向性を得るに至る段階に至っていないということでございます。検討中でございます。
  44. 犬塚直史

    犬塚直史君 この件についてちょっと調べたんですが、ここに手元に、ドラッグ・ファクツという、これはアメリカの言わば非合法ドラッグやマリファナの使用について何年かに一度に行われる非常に大規模な調査結果を手元に今持っております。  これによりますと、これはアメリカの国防総省の調査の統計だけをちょっと申し上げますと、一九八〇年、海兵隊においては過去一年間においてマリファナ、非合法ドラッグを経験をした者は全隊員の四八%に上ると、四八%ですよ。これはほぼもう全員が黙認状態であったということを言ってもいいと思うんですね。これは多分、ベトナム戦争後のいろいろな経緯もあったとは思うんですが、いかに現場の人たちが大きなプレッシャーの下で働いているのか、その逃げ道があるいはアルコールになったり、あるいは自殺になったり、あるいはこうしたドラッグに走っていくということがこれはあると思うんですね。これは如実に表れているのが、やっぱり海兵隊員に一番多いと。そして、エアフォースは同じ時期、二三・四%なんですね。国防総省全体でいくと三六・七%。これでもゆゆしい数字なんですけれども。  この一九八〇年から一番直近のところまでどんどんどんどんこの率が下がり続けております。これ、下がった原因というのはどういうところに一番有効な手だてがあったというふうに考えておられますか。
  45. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) 薬物をめぐる基本的な環境が米国と日本とは違うということは事実だと思っておりますが、ただ、その際、先ほど申しましたとおり、米軍とも連絡を取りまして、制服ベース、それから私どものベースでも情報の提供を依頼し、それについては十分なできる限りの協力をするというふうなことを申し出てこられております。その際、やはり一つは、抜き打ち検査というんですか、スポットのチェックですね、ノンノーティフィケ、いろいろな、ノンノーティスのチェック、いろいろ表現ありましたが、そういったものが有効であったという指摘もございます。  ただ、先ほど申しましたとおり、そこはアメリカの内部秩序の維持及び軍法、軍法会議という制度の下での対策だということも十分念頭に入れて我々、参考にしなきゃいかぬということだと思っております。
  46. 犬塚直史

    犬塚直史君 今おっしゃるように、これは抜き打ち検査しかないんですよね。この抜き打ち検査をやるようになって、そして、だんだんだんだん、海兵隊でいえば四八%だったものが二〇〇〇年には七・九%まで落ちてきているわけですね。当然のことながら、これが検出をされた、尿検査などで検出をされれば自らの進退問題に直結するわけですから、これは効果があるのは当然のこと。  そして、法体系をこれは整備しなきゃいけないというのは当然のことだと思うんですが、この整備をするという、機運をつくるということは余りにも遅過ぎると思うんですけれども、防衛庁長官、いかがですか。
  47. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 自衛隊というのは国民の信頼の上に成り立っているわけでございますので、今回の事件、防衛庁長官として本当に深刻、重大に受け止めております。したがいまして、こういう問題が再発しないように、既に先生御存じのとおり、該当のところでは尿検査も本人の同意を得てやっておりますし、それから面接調査、それから所持品の調査もやっております。しかし、根本的に、こんなことは絶対にあってはならないことでありますので、私は早速、今津副長官をヘッドとして薬物問題対策検討会議というもので是非とも対策を考えてほしい、このように指示しておるところでございます。  第一回の会合は明日やりますけれども、私は、いろんな意味でここできちっと議論していかなきゃいけないなと。その中で大事なことは、やっぱり生活指導というか服務指導みたいな、集団生活しているわけですから、その上席にある者がきちっと部下の監督、生活指導をしていくようなことも考えていかなきゃいけないな、言わば、鬼軍曹、優しい鬼軍曹が自衛隊員をしっかりと生活指導する、服務指導する、こんなことも考えていかなきゃいけないんじゃないかなと。いずれにしましても、この対策会議で根本的な対応策を打ち立ててもらいたい、このように指示しておるところでございます。
  48. 犬塚直史

    犬塚直史君 こういう非常に大きな問題、しかも日本だけではない各国が取り組んでいる問題、アメリカに至っては一九八〇年から尿検査をやっている問題に対して、我が国の取組が余りにも遅過ぎるということを指摘して、この質問、この部分は終わりたいと思います。  次に、今年は戦後もう六十年ということで、私は長崎なんですが、被爆六十年祈念式典に小泉総理も出席をされまして、まあ今年の八月九日も過ぎていったわけですが、この被爆六十年、国連創立六十年にもなるわけですけど、衆院の入口にも銅像がある、憲政の父と言われた尾崎行雄さんが日本で最初にこの世界連邦建設に関する決議案を戦後すぐ、一九四五年の十二月十一日ですか、提出をされ、採択には至らなかったというふうに聞いているんですが、今年の八月二日、衆議院の本会議で、この戦後六十年、被爆六十年の決議の中で世界連邦実現についてという決議がいよいよ採択されたわけなんですが、この決議で表明された世界連邦ということについて一体どんな取組を外務大臣、イメージされているのか、まずはお知らせください。
  49. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 世界連邦というのは、一つの理想の姿として世界の平和を実現するための提案なんだろうと、こう受け止めております。したがって、一九四六年ですか、終戦直後にこの世界的な運動体が組織をされたというのは、正に第二次大戦あるいは第一次大戦の反省の上に立った、そうした国際的な動きであるというふうに受け止めております。そんなこともあって、この八月二日の衆議院本会議において採択された戦後六十周年決議の中でも世界連邦実現ということが触れられているんだろうと、こう理解をしております。  ただ、なかなか現実にはこうしたものをつくるというのは容易なことではないんだろうということでありまして、ただこの理念は大切なものだろうと、こう思いますから、当面は国連を強化するための諸改革努力をしていくと、そのことによって将来的な世界連邦というものも展望できるのかなと、こう思っておりますが、当面は現実的にはこの国連をいかに強化していくのかということに全力を尽くすことが大切なのではないだろうかと、私はそう受け止めているところであります。
  50. 犬塚直史

    犬塚直史君 おっしゃるように、その国連を強化するための諸改革ということだと思うんですけれども、それでは改めてここでもう一度、戦後六十周年で、この機会に聞きたいと思うんですが、常任理事国入りをして一体日本は何をするのかということをもう一度外務大臣の口からお聞かせください。
  51. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 先般、国連首脳会合というのが開かれまして、小泉総理も選挙直後ではありましたが、それに出席をしスピーチをしたわけでございます。その中で、まず新たな国連のあるべき姿、ビジョンということで三つのことを言われました。一つは優しさのある国連、二番目は強い国連、三番目は効果的な国連ということで、言葉ばかりではなくて実際行動をすることが重要であるということを主張をしたわけでございます。そういう意味から平和構築委員会をつくる、あるいは人権理事会をつくるといったような成果文書というものが採択をされたわけでございますが、その重要性ということについても言及をしているところでございます。  特に安保理ということで今委員のお尋ねがあったわけでございますけれども、安保理というのは言うまでもありませんけれども、世界のいろいろな問題を扱うわけでありますが、特に平和をつくるという観点から幅広い機能を持っているわけでございまして、日本は戦後一貫して正に平和国家として活動してきた。平和外交、世界の平和をつくる、日本ももとより平和でなければならないということで、一貫して第一次大戦、第二次大戦の反省の上に立ってそういう外交日本はやってきたと思いますので、核を持たない常任理事国という姿も前提にしながら、世界の平和をつくるためにいろいろな努力をしてきた。それは開発の面もありましょうし、あるいは紛争後の平和の定着のための様々な努力、現在平和をつくるための、あるいは人道復興支援活動のためのイラクの自衛隊派遣あるいはインド洋における自衛隊の活動等も含めて、あるいは国連平和維持活動といったようなことをいろいろやっております。  そうした経験を踏まえて、日本独自の平和をつくるための活動というものが安保理という場を通じてより積極的にできるのではないだろうかと、このように考えて、日本は常任理事国入りをしてそれを実現をしていくんだということを主張してきたわけでございます。今も主張しているところでございます。
  52. 犬塚直史

    犬塚直史君 私は常任理事国入りをして日本が活躍するべきだと思っております。しかし、この常任理事国入りをするということについて、ただ単に日本が被爆をした唯一の国だから、あるいは核兵器を持っていない国だから常任理事国入りができるという、そういう論理ではいかにも説得力が弱いのではないかと思っております。  今回、民主党の我が同僚議員の参議院の予算委員会での質問に対しまして、国民の期待をこうここまであおっておきながら九月のこの国連総会の場では常任理事国入りを果たすことができなかったと、失敗だったではないかという質問に対して、いや、これは失敗ではなく第二のステージだというふうに大臣もおっしゃっておられますが、人間、あきらめなければ何でも失敗にはなりませんので、常任理事国入りをするということについては失敗にはならないのかもしれませんが、いかにも常任理事国に入れば物事が解決するかのような形しか見えてこないというのが一番問題ではないかと思います。  ついては、今回の採択された文書の中に「保護する責任」というものが出てまいりました。これは非常に画期的な新しい概念が入ってきたんだと思います。当該国の自治権を超えて、何か問題があってその国がその国の国民を守ることができない、大きな人道的な罪が犯されていることが放置されているようであれば、国際社会がこれに介入しなければいけないと、介入ができるということを盛り込んだ非常に歴史的な意義があるわけですね。  しかし、どう介入するかということについては、これははっきりとした定義がなされていない。この件について武力行使の基準が明確になっていないということがやっぱりこれからの大きな問題だと思うんですが、この件に関して町村大臣国連ハイレベル委員会のあのレポートを大臣読まれたということなんですけれども、五つの基準、国連ハイレベル委員会が提案をした、武力行使に当たってハイレベル委員会が言った五つの基準をここに盛り込むという努力は首脳会議ではなされたんでしょうか。
  53. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) まず、その前提としてあの安保理改革の話でございますけれども、一年前に小泉総理が総会の場で安保理改革の必要を主張されました。その時点での国際社会の反応というのは極めてクールといいましょうか、無反応とは言いませんけれども、それに近いような状態であったと私は思います。その後一年、日本が言わばイニシアチブを取る形で運動を展開をしてきた結果、なるほどこれは安保理が一九四五年当時の世界の実情をただ単に今日まで続けているというのはおかしいという認識というのは、非常に国際社会の中で強く共有されるようになってきたと。したがって、安保理改革は必要であるということについて、先ほど御報告をいたしましたが、百三十九の国が首脳会合あるいは一般演説の中でそのことを触れているということでありまして、私は、安保理改革が必要であるということについて国際社会の幅広い認識を得るに至った、これが私は第一ステージの成果であったと、こう思っているわけであります。  確かに、一挙に決議が採択をされるというところには至りませんでしたから、失敗だと言われればそれはそういう、何も全部うまくいったと言うつもりも強弁するつもりもございません。しかし、何も生まなかったではないかというような御指摘もあるので、それは違うと。明らかに国際社会が今の安保理の改革を必要としている。確かに、アメリカあるいは中国も反対はされたけれども、しかしそのアメリカも中国もまた、安保理改革内容の違いはあるにしても、常任理事国の拡大であるとか発展途上国の代表性の増大であるとか、方向性を持った発言すら出てきているわけでありまして、私はそういう意味で、第二ステージということを申し上げましたけれども、第一ステージはさきの総会で終わり、新しい総会が、六十回総会が始まりましたので、ここからまた本格的な取組をしていく必要があるということを申し上げたかったわけであります。  そういう中で、今委員からそのハイレベル・レポートの話がありました。ちょっと私、あらかじめの御指摘がなかったものですからそのハイレベル・レポートは手元に今持ってきておりませんので、その一々について今ちょっと申し上げることは差し控えさしていただきますけれども、私は、緒方さんを始め立派な方々の御提言でありますので、それが今回の成果文書の中でどこまで反映されたかということについては私も大変関心があり、できるだけ反映をされるようにということで、それこそ首脳会議が始まる前日までぎりぎりの調整が行われ、日本もその最終段階までそのぎりぎりの調整のメンバーの一人として入り、できるだけ反映できるようにということで努力をしてまいりました。  国連総会の場で、緒方さん始めそのハイレベルのパネルのメンバーの方々ともお目に掛かって話をしましたが、もちろん全部は反映されたわけではないけれども必要な部分は大体入っているかなと、一応合格点かなというのが緒方さんを始め当時のメンバー、私は二、三の方とお目に掛かって、そんな話をしたこともございました。  そういう意味で、十分ではないかもしれないけれども、有識者の方々の御提言は相当程度この成果文書の中に反映をされたんだと、こう理解をしております。ただ、これもこれからでありまして、これからこれをどう具体化をしていくのかということについて、平和構築委員会なり人権理事会なりとその中身をこれから議論をして詰めていくことになっておりますので、その議論日本も積極的に参加をしてより実のある改革というものに結び付けていかなければいけない、かように考えているところであります。
  54. 犬塚直史

    犬塚直史君 今、緒方さんのことが出ましたので、この安保理常任理事国入りについて緒方さんが言われていることをちょっとこれ読ませていただきます。  安保理常任理事国でなくても、日本国連への大口の資金拠出国でもあり、ある程度の自国の立場を反映できる、逆に、せっかく常任理事国になっても、国連システムが改革強化されていないと役割が十分に果たせないかもしれない、まず、日本自身が国連可能性をどのようにとらえ、平和と安全保障についてどのような国連の見取図を作っていくかを示さなくてはならないでしょうと、という言わば本末転倒ではないかという指摘をしているんですね、まあ本末転倒というのは言い過ぎかもしれませんが。  先ほど私が申し上げた、つまり保護する責任というところまで踏み込んだ今回の採択文書で、どう介入するかということについてこのハイレベルが言っていたのは、一つには御存じのようにジェノサイド、民族浄化の問題なんですね。本当に国内で脅威が深刻なのか、民族浄化やジェノサイドが本当に行われているのかどうか、差し迫っているかどうか。そういうことがあった場合には自治権を超えて国際社会が入り込んでもいいというようなことがここに出ているわけなんですね。で、それを一体、それではだれが決めるのかと。その危機の認識、ジェノサイドあるかどうかというのは一体だれが決めるのかということなんだろうと私は思います。  この件に関しては、国際社会ではもう既にだれが決めるかということはもう出ているわけでございまして、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪については、これはICC、国際刑事裁判所に管轄権があると。特に、安保理でこれをICCに付託した場合には全世界的なこの管轄権があるということは、これはもうはっきりと明示されているわけであります。  そこで質問なんですが、民主党はテロ対策に、テロとの闘いにですね、ICCの早期締結は不可欠と考えておりますが、外務大臣の見解をもう一度お願いいたします。
  55. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) ICCの設立に関する会議で、既存の条約に基づき国内裁判所における処罰及び国際協力によって対処することが可能であるということで、テロ行為に関してですね、こういう合意がありまして、したがってICCが訴追、処罰する対象犯罪としてテロ行為についての規定は置かないこととされたという経緯がございます。したがって、起草の経緯から見る限り、テロ対策はICCの設立をするその主たる目的とはされていないという経緯があるようでございます。
  56. 犬塚直史

    犬塚直史君 ちょっと今テロ対策と大量殺害がちょっとごっちゃになってしまったんで済みません。テロ対策について、テロはもちろん定義さえもまだできていないわけですから、今これ議論できる段階ではないと思うんですが、私が申し上げているのは、ジェノサイド、民族浄化、人道に対する罪のことについて申し上げているわけなんですね。これ、町村大臣、公明党も民主党も社民党も共産党もマニフェストの中にICCの早期批准ということは入っているわけなんですけれどもね、先般来、町村大臣もこの件については非常に努力をしておるというお話をいただいておりますので、大臣のリーダーシップで是非自民党のマニフェストにもこれ入れていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  57. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 恐縮ですが、私は自民党のマニフェストにICCのことが書いてあったかなかったか、多分なかったような気がいたします。しかし、ちょっと今手元にございませんので正確な記憶はございません。  日本国家として、政府としては、このICCの設立というものをローマ会議以降一貫して支持をするということは、もうこの場でも再三委員からの御指摘もあり、お話をしてきたわけでございまして、法整備についても検討するということでやってきているところでございます。  国内法整備の形式あるいは内容について、今具体の検討を関係省庁、法務省、外務省あるいは警察庁、防衛庁、こういったところで検討を進めているわけでございまして、このICCの規程を可能な限り早く締結できるように、政府としては検討を更に急ぎ進めていきたいと、こう考えているところであります。
  58. 犬塚直史

    犬塚直史君 九八年のこのローマ規程採択以来、七年間がたっているわけです。二〇〇二年にはこれは設立されたわけですが、その間、我が国はこの国内法の整備について努力をされてきたわけなんですけれども、今現在この担当者は一体何名おられて、どのぐらいの頻度でこの作業を進めておられるんでしょうか。
  59. 小松一郎

    政府参考人小松一郎君) ただいま外務大臣から御答弁申し上げましたように、ICC規程の締結のための具体的な国内法整備、形式及び内容について具体的な検討を取り進めておるという御答弁を大臣から申し上げたところでございますけれども、具体的な条文レベルでの検討を開始しておるというふうに御理解をいただければと思います。  このような国内法の整備は非常に人権もかかわることでございますので、非常に緻密に進めていく必要がございますので、一定の時間を要することは御理解を得たいと思いますけれども、外務大臣の御答弁にもございましたように、可能な限り早く締結できるように更に進めたいというふうに思っているところでございます。  その具体的な担当者の数が何人いるのかというところにつきましては、ちょっと今具体的にその数字を持っているわけではございませんけれども、外務省に関する限りは、この国際法局の国際法課が担当しております。また、総合外交政策局の人権人道課もここに緊密に関係をしているということでございます。  それから、外務省ともう一つ、国内法の整備に当たりましては、主に今御協力をいただいて協議を、作業を進めているのは法務省の刑事局でございますけれども、そこの法務省の方のその人員というところになりますと、ちょっと私もお答えをする材料もございませんし、お答えする立場にもないのかなと思っております。そこのところは御理解をいただければと思います。
  60. 犬塚直史

    犬塚直史君 国内法の整備に関しては、批准をした国であっても整備がまだできていない国があるということも聞き及んでおります。作業量としては大変な作業量であるということも私は理解をしておるつもりなんですけれども、そうした非常に大きな作業量のこの大事な仕事に対して、外務省ではこれだけに働いている専門官というのは何人いらっしゃるんですか。
  61. 小松一郎

    政府参考人小松一郎君) これだけのためにということになりますと、なかなかお答えしにくいところがございますけれども、国際法課につきましては多岐に、非常に多岐にわたる業務をしておりますので、もちろん課長から筆頭課長補佐であるとか、それからこの人権人道の関係の担当者、さらには法務省から御出向をいただいている検事の方々、こういうような方々が中心に作業をしております。それで、専従、これだけをやっている人間が何人いるのかということについては、なかなかお答えしにくい面がございます。
  62. 犬塚直史

    犬塚直史君 ちょっと今のお答えはよく分からなかったんですが、少なくともこれを、まあカレンダーを決めてチームでもってこの作業量を確定をして、そしていついつまでにこの辺までやっていこうという体制ではないということは分かりました。そういう理解でよろしいですか。
  63. 小松一郎

    政府参考人小松一郎君) 私どもといたしましては、体制上の問題があってこの作業が非常に障害があって進んでいないという認識は持っておりません。具体的、先ほど申しましたように、その国内法との関係におきまして必要な問題点、詰めるべき点というのはかなりピンポイントしたというふうに考えておりますし、それを基に具体的な条文の形での作業というものも開始をしているということを先ほど御答弁申し上げた次第でございます。  他方、そのための法律を作るということになりますと、これは釈迦に説法でございますけれども、まず、法案という形でその担当の官庁がそれをまとめましたものを関係の省庁に協議をして、いろいろなコメントもございますし、それから憲法、それから既存の国内法との整合性というような観点につきまして内閣法制局で非常に綿密な審査を受けると、こういうことがございますので、今からいつまでにその作業を終えられるのかということについて非常に確定的なことを申し上げるという、断定的に申し上げるということはかえって誠実ではないのかなということでございますけれども、先ほど来、大臣よりも答弁申し上げていましたとおり、これはできるだけ早くこの作業を終わらせたいということでやっている次第でございます。  それからもう一点。先ほどから法律の面での詰めという点を中心に御指摘をいただいているわけでございますが、実は、我が国がICC規程を締結をする関係で一つ大きな問題といいますか、困難という点がもう一つあるということをこの機会に、この国会、それからこれを御支援をいただいている犬塚先生にも是非理解をいただきたいと思っておりますのは、予算面でございます。  これは、我が国がICC規程を締結をするということになりますと、加盟国として相応の予算の分担の義務を、法的義務を負うということになります。これは詳細は申し上げませんけれども、この分担率というのが一応国連の分担金の拠出率というものをベースに決まるということになっておりまして、さらに、大口の拠出国でありますアメリカがそこに入っていないと、それから当面ICCの締約国になることが期待できないということがございますので、我が国の負担が非常に大きくなるという問題がございまして、私ども試算をいたしましたところ、大体数十億円程度になるという予想をしております。  したがいまして、財政状況が極めて厳しい中で、このような財政負担について国民、それから国民を代表する国会、政府部内において非常に、可能な限り広範な御理解をいただくということが不可欠でございまして、そういう御理解も得て政府全体で取り組んでいく必要があるということを付け加えさせていただきたいと思います。
  64. 犬塚直史

    犬塚直史君 数十億円という数字が高いか安いかというのは仕事の内容に当然よるわけですね。これだけ大切な、言わば多国間主義でいくのか、あるいは一国主義でいくのかということに対する一つのシンボルになるような条約を話すに当たって、数十億円が高いか安いかということについて、それはそれでしっかりとした議論をしていかなければならないと私は思っております。  この件につきまして、一つ、今月に入って面白い記事を読みました。アメリカの上院の公聴会、九月二十日ですね、先月の九月二十日、上院小委員会の公聴会。ラテンアメリカとチャイナの役割について、中国の役割についてという公聴会。  これ事前に通告をしているんですが、これ背景がどういう公聴会だったかといいますと、アメリカがICCに関しては非常に強硬に反対をしていると。世界じゅうの国々で、EU、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国がみんな批准をしている中で、ラテンアメリカの国々も批准をしている国がたくさんあると。そうした批准している国に対して、アメリカの市民だけは例外とせよと、ICCの訴追対象から外せという二国間条約を、いわゆる九十八条条約というのをこの間ずっと結び続ける努力をしているわけですが、それを結ばなかったラテンアメリカの国に対して軍事的あるいは経済的な援助を中止をするということをやってきたわけですね。そして、その中止をされた国が、その反対に今度は中国に対して軍事的、経済的援助を求めているという事実があると。  これはゆゆしき問題ではないかというこの公聴会の議事録なんですが、これについて外務大臣のコメントをお願いいたします。
  65. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) まあ、アメリカのやっていることで余り私が一々コメントしなきゃならぬテーマだとも必ずしも思いませんが、お尋ねでございますから、私も委員の御指摘があったんで多少勉強いたしました。  事実関係は、アメリカがICCに関する立場の違いを理由にして中南米諸国に対して援助を制限しているということはあるようでございますし、現に米国民、ICCの規程締約国でアメリカの国民をICCに引き渡さない旨を定める二国間協定をアメリカと未締結の国に対しては、アメリカの対外事業歳出法修正条項、これも委員に教えていただいた例のネザーカット修正条項というので、経済支援を行わないこと、また米国軍人保護法によって軍事上の協力を停止するということは私も承知をいたしております。  ただ、アメリカは、このICCの規程を弱体化させる意図はないと、各国がICC規程の締約国になる権利は尊重をすると述べた上で、同時にICC規程の締約国とならないというアメリカの決定も尊重をされるべきである、こういう見解を表明をしているようであります。  これと中国の関係というのは、私は、中国は中国、また独自の観点で、特に輸出市場であるとか、あるいは資源供給先との結び付きを強めたいということで、中南米のみならず世界全体にこういう外交活動を展開をしているということでありまして、まず、そのICCとアメリカの活動と直接どういう因果関係があるのかというのは私も正直言ってよく分かりませんし、また分析することもなかなか難しいんだろうと思います。ただ、中国が非常に、特に資源の確保という観点から熱心な活動を世界じゅうに展開をしているということは、これははっきりしている事実だろうと、こう思っております。
  66. 犬塚直史

    犬塚直史君 この例を申し上げましたのは、明らかにアメリカの一部の方向性が行き過ぎではないかと。このICCに関しては明らかに、締結をした自国の外交方針に対してアメリカが明らかに関与してくる、そして軍事的、経済的な支援も取りやめてしまうほど、逆に言えばこの条約に対しては反対をしていると。これは明らかに私は行き過ぎであるというふうに思うんですね。  私、先ほど来ICCの条約の国内法整備について御質問をしましたが、国内法の整備ができたからといって、これすぐに我が国締結してうまくいくとは到底こういう状況の中では思っておりません。やはり、アメリカもこれは巻き込むような形でICCをやっぱり批准していく、あるいは国際法というものを、やっぱり法治の世界というのを一緒につくっていくというような立場がどうしても必要じゃないかというふうに思っているんです。  今、アメリカでも一枚岩でありませんので、単独行動に走りがちなこのアメリカではなくて、やっぱり国連創設ですとかこういう非常に高い理念を持ったアメリカに働き掛けて、一緒にICCのこの批准に向かっていくような、そういった働き掛けというのを是非大臣お願いをしたいんですが、いかがでしょうか。
  67. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) そのためにも、まず我が国の中での作業をできる限り急いで、まず自らがやるべきことをやると。その上で、じゃアメリカとどういう話ができるのかなということになるんだろうと、こう思いますから、まず、先ほど来御答弁を申し上げたような、そのICCの規程を国内においても締結できるように事務的な検討を、詰めをより急いでいく必要があるんだろうと、こう考えております。
  68. 犬塚直史

    犬塚直史君 昨年のあのEUの担当者たちが日本に来て十二月に行ったICCのあのパネルディスカッションの場においても指摘を受けたんですが、もう既に日本の国内法の整備に関しては、EUの担当者が受ける質問にしても非常に専門的で精度が高いもので、印象としてはほかの批准をしていない国々と比べてもはるかにレベルの高い質問をされると。はっきり言って、印象としては、もう既に国内法の整備に関しては、ある程度これはもう道筋ができ上がっているんじゃないかというような印象を担当者は持っておられました。  私は、もちろんここに対する、一つには人数を増やしていただきたいと。もっと人数を増やして、非常に大切なことなので、外務省としても専門でこれだけをやる人たちを増やしていただきたいというのが一つと、もう一つは、このICCのためのローマ規程を締結するに当たっての特別委員会というのをやっぱり持つべきじゃないかと思うんです。これ、国内だけで議論をして、はいできました、やりましょうというような話ではなくて、やはり世界じゅうからこの専門家を招致して意見を聴いてやっぱりどういう形でこれを進めていくのかという、政治レベルの進め方が必要じゃないかと。韓国の場合、大統領の一声みたいな形で締結をしたが、国内的な整備ができてないということもあるようですし、日本なりのやり方でアメリカを巻き込むような政治的な論議の盛り上げというのを是非やっていきたいと思うんですが、外務大臣、いかがでしょうか。
  69. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) ちょっと特別委員会というのがどういう意味だかちょっと私にはよく分かりませんでしたが、なかなか私もそう全貌をよく知っているわけじゃございませんが、例えば集団殺害罪、ジェノサイドですか、これについても、日本でも例えば殺人罪というのは個々にはあるわけですね。これを集団という形でやるときにそれがどういう法律構成になるのか、またそれを扇動するという際には例えば憲法で定める表現の自由との関係がどうなるのかといった、なかなかこれは法律的に難しい議論があるようであります。そういったことを今詰めている段階だと、こう承知をしておりますから、その辺がもう少し煮詰まってからまたこれをどう具体に展開をしていくのかというのは考えていく必要があるんだろうとは思っております。
  70. 犬塚直史

    犬塚直史君 ICCの条約締結のための特別委員会の設置を提案をいたします。委員長、よろしくお願いします。
  71. 林芳正

    委員長林芳正君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
  72. 犬塚直史

    犬塚直史君 以上で質問を終わります。     ─────────────
  73. 林芳正

    委員長林芳正君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会外務大臣官房審議官高田稔久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 林芳正

    委員長林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  75. 荒木清寛

    荒木清寛君 まず外務大臣に、今回のパキスタン地震について、どう日本として支援をするのか、お尋ねいたします。  外務省の説明ですと、犠牲者二万人以上ということですが、四万人を超えるという、そういう報道もあるわけでございます。先ほど具体的な日本支援策につきましては説明がありましたので、重複は避けていただいて結構でありますけれども、本年のスマトラ沖地震につきましては我が国の迅速な対応国際社会で高く評価されたわけでございます。今回のあのパキスタン地震も同じアジアの中での出来事でございますから、やはり我が国国際的な評価を高めるような、そういう迅速かつ積極的な支援を行っていくべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  76. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 八日の地震でございましたから、九日の日にはもう既にパキスタン国際緊急援助隊派遣をするということ、あるいは緊急援助物資も今日到着をするというようなことですね、かなり私は迅速に対応できていると、こう思っているわけでございます。また、今日の閣議、閣僚懇の場でも二千万ドルの支援決定というようなこと、さらに、先ほど御答弁ございましたが、防衛庁の方でも、特にヘリコプターのニーズが高いということで、その具体の検討をもう既に始め、検討が完了次第、多分行っていただけるんだろうと、こう思ったりもしております。また、谷川大臣も今夕には現地に到着をいたしますので、明日から先方要路の方と会って、より具体のニーズ把握をしながら、すぐそれをまた日本に打ち返して、これへのまた対応をするということでございますから、私は非常に敏速に対応ができているんだろうと思います。  ただ、例えばヘリコプター日本から運ぶといってもなかなか容易なことではない。たまたまアフガンに展開しているアメリカは数機のヘリコプターパキスタンの方に持っていくということで、これは物理的に近いところに展開をしてきたという有利さもあってすぐ送れたけれども、日本はそういうわけにはまいらないので、C130ですか、これにヘリコプターをある程度ばらして積んで、そして運んでいくというような作業が必要になってくるということでありまして、そういったことをできるだけ早く、準備を整え次第、今後対応すべき部分も当然あるだろうと、こう思っております。
  77. 荒木清寛

    荒木清寛君 次に、イラクへの自衛隊派遣問題につきまして何点かお尋ねをいたします。  まず、イラクの治安情勢でございますけれども、外務大臣に御説明を願います。  もちろん、テロ事案の発生は続いておりますから、なかなか治安の状況が改善をしないということはもう報道等でよく承知をしております。特に私は、その中でも心配なのは自衛隊が展開をしておりますサマーワの状況でございまして、NGO関係者は不安定さがこの地域で増している、こうしたことも先般新聞の中で発言をしておりまして、その点、非常に危惧をしておるわけでございますが、現在の治安情勢につきまして改めて御報告願います。
  78. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) イラクの治安情勢、地域により、また時期により脅威の度合いというのは大分異なっているようでございまして、駐留多国籍軍、イラク治安部隊と武装勢力との衝突、車爆弾、ロケット弾等によるテロなどの事案が発生をしているということで、国全体としては依然として予断を許さない状況が継続をしているということだろうと思います。  イラクの治安部隊、これはNATO等の支援もありまして次第次第に強化をされておりまして、九月二十八日現在では十九万二千人の部隊員が整備されるに至ったという状況のようでございます。また、イラク移行政府は、発足以降、駐留米軍等と協力しながら大規模な武装勢力掃討作戦を実施するなどによりまして、治安回復に向けて全力で取り組んできているということでございまして、こうした努力が実を結ぶことを期待をしております。  なお、委員お尋ねのサマーワについてでございますけれども、もとよりそれは予断を許さないとはいうものの、イラクの他の地域と比較して安定している状況というのはこれは一貫して変わらないことであろうと、こう私どもは理解をしているところでございます。
  79. 荒木清寛

    荒木清寛君 続いて、外務大臣に今後のイラクの政治プロセスの見通しについて御説明願います。  特に、憲法草案についての国民投票が今週行われるわけでございますが、スンニ派の動向が非常に注目をされているわけでございます。この部族、スンニ派の対応いかんによりましては憲法草案が否決をされるわけでありまして、そうしますと、この一月に総選挙が行われたというその時点にまた戻ってしまうわけですね。そういう意味では、非常に民主化のプロセスが遅れるだけではなく、非常に見通しがまた困難になるわけでございますが、この点はどういう情報を得ておられますか。
  80. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 九月中旬、私、国連総会に参りまして、例えばイラクのズィーバリー外務大臣とも会談をいたしました。政府の一員というお立場もあるんでしょうけれども草案、憲法草案は可決されるであろうということをかなり自信を持って言っておられましたし、また国連関係者も同様の見方を示しておりました。  また、これはイラク開発国際センターという機関が実施した調査によりますと、七九%が憲法草案に賛成をすると。これも地域によってばらつきがあるようでございます。多分そこは、そこに住んでいる方々の宗教あるいは民族の違いにもよるんだろうと思いますけれども、そういう調査結果もあるようでございまして、もとより断定的なことを申し上げる立場にはございませんけれども、十月十五日国民投票のこの憲法草案、可決されるのではないのかなという期待を込めてそういう見通しを持っております。  これが可決されますと、十二月十五日までに国民議会選挙が行われると。その議会選挙の結果、政府が、本格政権が成立するのは一月中、場合によると二月に入ってからということになるのではなかろうか、かように考えております。
  81. 荒木清寛

    荒木清寛君 次に、防衛庁長官にお尋ねいたします。  サマーワの駐留英豪軍、来年五月をめどに撤退開始という報道が各地で行われております。先ほど大臣は、公式の決定はなされていないというのはもちろんそのとおりだと思いますが、そういう方向での調整がされているという情報といいますか、あるいは我が国に対してのそういう打診というのはあるんでしょうか。
  82. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、調整をしている、この点は先ほど御説明したとおりでございます。  それから、五月撤退説というのが報道で流れましたけれども、そういうようなことが正式に決まったわけではありませんし、公式に何ら決定を行っているわけではありません。ただ、五月というのがなぜ出てきたんだろうと、こういうことを考えますと、今の豪州、オーストラリア軍が一応五月一杯がマンデートになっている、こういうことでありまして、そのことについて、その後のことにつきましては何ら、今から考えるべきことだと、こういう情報でございます。  それから、先ほども御説明申し上げましたけれども、今からどういうふうに現地の情勢がなっていくのか、特に今外務大臣から御説明がありました政治的プロセスの問題、それから治安がうまく収まっていくのか、安定していくのか、こういう問題を考えておかないといけない、やっぱり将来流動的に考えておかないといけないというので、期日についての議論というのは今のところ明快ではありません。それと同時に、それを明快にすることが戦略上、やはり相手が、じゃこの軍隊は何月になれば撤退するんだな、こういう予測を与えるとかえってこういう国際活動がやりにくくなってまいりますから、そういう意味できちっとしたタイムスケジュールは設定することができない、こういう議論があるようでございます。
  83. 荒木清寛

    荒木清寛君 それでは、防衛庁長官に引き続きお尋ねいたしますが、派遣自衛隊の期限は十二月十四日で切れるわけでございます。私は、仮に延長するにしましても、もうそろそろ撤収に向けての戦略といいますか、いつまでやるのかということはもう今回は明確にした上で延長すべきではないかと思うんですね。  といいますのは、自衛隊の人道復興支援活動については私は相当理解は進んでいると思うんですが、ただ、毎日新聞の世論調査を見ますと、派遣について賛成か反対かということについては七七%が反対という結果が出ているわけですね。これはやはり、それにしましても、いつまでも、ずるずるとというふうには言いませんけれども、いつまでやるんだという、そういう国民の一つの不安感というのはあると思いますので、仮に延長するにしましても、そろそろ、いつまで自衛隊は活動して、そしてまたODAにつないでいくのかという、そういう戦略は明確にすべきではないんでしょうか。
  84. 大野功統

    国務大臣大野功統君) この問題、荒木委員のおっしゃることは私よく理解できます。  問題は、十二月十四日以降のことについてどう考えるか、その戦略をどういうふうに考えていくのか、こういう問題でありますけれども、度々申し上げておりますとおり、一番は政治プロセスがきちっといく、そして治安の問題があります。これは国際社会の共通の認識であります。  それから、日本にとりましては、やはりその上に、日本が、自衛隊がやっておりますことは人道復興支援活動、イラクの復興という視点からやっておりますから、そういう意味で、イラクの復興状況がどうなっているんだろうか、これも一つの視点として考えておかなきゃいけない。これがその他の国と違う視点の一つになろうかと思います。  それから、もちろん主体的に判断していきますけれども、やはり国際社会の責任ある一員として国際協力をやっていかなきゃいけない、こういう問題がありますし、やはり日本にとりましても、イラクの安定は中東の安定、中東の安定は世界の安定なんだ、そして世界の安定は日本の平和と安定につながってくるというような視点。それからもう一つは、やはりこの原油の輸入、輸入の九割は中東から来ております、そういう問題点。あるいは自衛隊が、自衛隊が言わばイラクと日本の間に懸け橋、心の懸け橋を架けてくれておるわけでありますから、こういう懸け橋をどうするのか。次のリレー、リレー、次の走者が出てこないとなかなかこの問題難しいな、つまりODAとの関連をどうしていくか、こういう戦略、考え方も必要であります。  いずれにしましても、実力組織でありますからいつまでも駐留しているというわけにはいけませんが、やはりそういうことを総合的に考えながら今後進めていかなきゃいけない、このように思っているところでございます。
  85. 荒木清寛

    荒木清寛君 このイラクの復興状況について今のお話で確認をしておきますが、自衛隊によるこの人道復興支援活動の内容ですね。給水活動はもう終わっているはずでありますが、医療支援ですとかあるいは公共施設の復旧活動ですね、これは今どんな状況なんでしょうか。
  86. 大野功統

    国務大臣大野功統君) これは今ちょっとデータを持ってきておりませんけれども、先ほど荒木委員は国内世論の話をしておられましたが、サマワでは自衛隊にいてもらいたい、そして復興支援活動を続けてもらいたい、こういうことが世論調査によりますと九割近い、八八%がそういう意見である、こういうことでございます。この復興のニーズはまだまだある、復興支援日本からしてもらいたいというニーズはまだまだ多くある、このことは我々認識しております。  現在の状況というのは、ちょっと細かくなりますので、データはございますけれども少し割愛させていただきますが、やはり現地のニーズは、公共事業にしろ、道路、学校の修復、あるいは医療支援活動にしろ、大きくある。このことは十分御理解をちょうだいしたいと思っています。
  87. 荒木清寛

    荒木清寛君 それでは最後に、先ほど自衛隊国際協力についての恒久法といいますか、一般法の話がございました。私は、先ほどの大臣の答弁の趣旨もよく分かりますが、今まだテロ特措法に基づくインド洋での活動、あるいはイラク特措法に基づく活動が行われているわけでありますから、やはりそれぞれいったんこれが終わって、そういう結果を踏まえて、それから検討し、また御提案いただく問題だと思いますが、いかがでしょうか。
  88. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 先ほど考え方を申し上げましたけれども、最後に申し上げましたのは、これは今内閣を中心に検討をしておりますと、そしてこれは国民の間で、国会で十分御議論いただきたい、そして解決してもらいたい問題だと、こういうふうに発言しておりますので、十分御議論をいただきたい、このように思っています。
  89. 荒木清寛

    荒木清寛君 終わります。
  90. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 在日米軍の体制見直しの問題について大野大臣にお伺いいたします。  在日米軍の再編案をめぐって、大野長官はこれまで、アイデアの交換をしている、何ら決まっていないと述べるだけで、国会での検討の詳細に立ち入ることはされてこなかったと思います。しかし、アメリカでは既に個別の具体案にいろいろ言及されている、そしてまた同時に、これをどうまとめるかということは時期が差し迫っている、そういうところにあると思います。今日は具体的にお尋ねしますので、やはりかみ合った形の御答弁をお願いしたいと思います。  アメリカのローレス国防副次官は、先月二十九日開かれたアメリカの上院外交関係委員会東アジア太平洋小委員会の公聴会で、キャンプ座間への米陸軍新司令部の移転問題に関し、こう述べているんですね。日本との間で司令部ユニットを座間へ配置することについて議論を行ってきたと、そして詳しく協議していると、そのことを認めております。ローレス氏の説明によると、米陸軍は、今度の再編で従来の司令部の形態を廃止して座間に持ってきたいという新しい司令部、それを持ってきたいと述べているわけですけれども、そこで座間へ持ってきたいという新司令部の性格、規模、任務等について、アメリカはどのように説明しているんでしょうか。
  91. 大野功統

    国務大臣大野功統君) この問題は二つあるということは申し上げました。改編の問題と、それから米軍の再編の問題であります。  で、再編の問題につきまして、我々はやはりきちっとしたある程度方向性が固まってきた段階でないと発言してはいけない、このように思っています。なぜならば、アメリカの場合は日本と交渉しておけばいいだけであります。日本の場合はアメリカと交渉をする上に、更に地元にどう御理解いただけるか、地元の御協力という問題があるわけでございます。生煮えの段階でこのような問題について軽々に発言しますと、あらぬうわさとなってしまうおそれがあるわけでございます。  したがいまして、大変申し訳ないんでありますが、今日は是非ともかみ合った議論をやれと、こういうことでございますけれども、どうもかみ合わせが悪くなるんじゃなかろうかなと、このように恐れるわけでございますけれども、どうぞひとつ、キャンプ座間に関するものも含めて個々、個々具体の話につきましては申し上げられる段階ではない。  しかし、おっしゃるとおり、これは早くやらないと憶測が憶測を呼んでしまうようなところもありますので、私どもはやはりこの問題、早く解決しようということで、アメリカとの間では鋭意努力して協議に励んでおるところでございます。
  92. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 煮詰まったものをどんと地元に提示する、そして今協議中、かなり煮詰めた協議をしているのにこの国会でも明らかにしない、私はこれはとんでもない話だと思うんですね。そもそもアメリカ側から座間に新しい司令部を移転するということについては、もうそれを推進しているということで、それを前提にした形で様々な議論が行われているんじゃありませんか。
  93. 大野功統

    国務大臣大野功統君) お尋ねは、どのぐらいの規模でどのような形でというようなことまでになってまいりますと、そのことを仮に言ったら、あ、そういうふうな協議もやっているんだなと、いろんな憶測になってまいります。したがいまして、私は今の段階で個々具体の基地の問題については発言を差し控えさせていただきたいと思います。  これは、私は日本の国益のためだと思っております。やはり、全体として早期にうまく日米間の協議を進め、かつ地元との御理解、御協力を得る。言わば我々の目的は、新しい共通戦略目標に沿って同盟変革をやると同時に、それを支えるための地元の基地問題でありますから、それを総合的にやってまいりますにはもう少しお時間をいただきたい、そしてそのときにはきちっと国会で明快な御説明をさせていただきたい、このように思っております。
  94. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 大臣、そのときにはもうアメリカとの間で話を決めて出すということなんですよ。  で、アメリカのこの小委員会での話をずっと見ると、ローレス副次官は、配置される実際の部隊から見るならばヘビー・アンド・ベリー・ライトな司令部だと、こう述べている。あるいは、司令部について、よりモジュール型のものになる、そして可動性のある司令部ユニットだと、そういうことまで述べているわけですよね。あるいは、米陸軍のコーディー副参謀総長は、この司令部の性格について、戦時には統合又は多国籍の任務部隊の戦略司令部になる、そう述べているわけですよ。これは、スターズ・アンド・ストライプスの七月三十一日付けでもう既にそう述べている。  こういうことを前提にしたそういう協議を既にやられている。それなのに国会にそのことは一切明らかにしない。どういうことですか、これは。
  95. 大野功統

    国務大臣大野功統君) アメリカがそのようなことを言っているということは私ももう少し調べてみますけれども、アメリカが言っていることをそのまま日本が受諾しているのか、あるいは日本には日本の事情がありますから、そこはいろんな議論をしなきゃいけません。両方の議論をきちっとした上で、煮詰まってくれば地元の御理解もいただき、かつまたきちっとした説明責任を十分に果たさせていただきたい、このように思っております。
  96. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 こういう証言については、大臣は全部御存じだと思うんですよね。  しかも、ローレス副次官は、日本が司令部の詳細について米国の考え方を説明するよう求めてきている、アメリカは一体何を考えているのか日本が知りたいと、それを繰り返し求めてきていることを述べているわけですね。そして、今説明を行っている過程にある、そして実際に二十九日の週には実際に追加的な説明を行ったと、そういうことまで述べているわけですよね。これはアメリカ議会でそう繰り返し述べているわけです。  ですから、私は、大臣が、もうこれ以上聞いても今日は答えない、かみ合った議論はしないと宣言された、私はこの態度は全くひどいということをはっきり述べておきたいと思うんですね。  しかし、そう大臣が言う一方で、自民党の日米安保・基地再編合同調査会の額賀福志郎座長が先月二十七日、在日米陸軍のパーキンス司令官と懇談した際に、先方からこんな話があったと報道されている。司令部が座間に来るということを前提に計画が進んでおりますと、そう述べているわけですよ。そしてそう聞いているわけですね。ですからこういう話になっているわけですよ。  ですから、私は、ここでは一切述べません、説明しませんという態度と、実際、アメリカの側ではそういうことを前提にすべて準備が進みつつある、そして額賀氏がこのように述べる、私はこれは本当におかしい話だと思います。アメリカが計画を、移転を前提にした、新しい司令部を座間に移転するというそういうことを前提にして進めている、そういう議論が行われている、このことは少なくとも大臣、御存じでしょう、認めますでしょう。
  97. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、日本側がアメリカ政府に説明を求めているじゃないかと、こういう御指摘でございます。当然のことながら、お互いの言い分を十分に理解しなきゃいけない、お互いに説明し合っている、議論している、これはもう当然でございます。  それからもう一つは、額賀先生行動、言動でございますけれども、これは自民党としておやりいただいているものでございます。額賀先生、大変安全保障問題に幅広い基本的な視野をお持ちの方でございますから、先生にもそういう面で側面的に応援していただきたいと思っておりますが、党と、やはり、党でこういうふうに言っていると、それから政府として今交渉して、基地問題、どういうふうに現地で御理解いただくようにしていくか、これはまた別の問題だということで、歯をかみ合わせたいのは私重々に熱望しているんでありますが、どうも本当にかみ合わなくて申し訳ございません。
  98. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 いや、本当に申し訳ない話だと思いますよ。  それで、それじゃ地元の問題ですが、先月の三十日に相模原市は、外務省防衛庁に対して政府が移転案の交渉を全く明らかにしないということで、そのことを知ってまた文書を提出しております、大変驚き困惑していると。そして、市に所在する基地について現在どういう検討が進められているのか、政府から米側に地元の実情、意向を伝えて、これに対するアメリカの反応やいかん、そういうことについてもどうなのかということを求めているわけですが、地元への説明はいつ、どのような手続、方法で行われたんでしょうか、行われているんでしょうか。
  99. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 地元の市長さんあるいは県知事さんからはしょっちゅういろんなお話を聞かせていただいております。  今回、この問題につきましては、ここに要望書もございますけれども、中身はもう先生御存じのとおりだと思いますから申し上げませんが、そういう意味で、それらを踏まえながら交渉に臨んでいるわけでございますが、そういう意味では、私は、県知事さん、地元県知事さん、それから首長さんという方々とはいつもいろいろな面で話をさせていただいております。
  100. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 九月三十日に行われた相模原市の申入れに対しては回答されたんですか。イエスかノーかで。
  101. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 要望はちょうだいいたしております。まだ、文書による回答はまだであると思います。
  102. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 それから、座間市の場合、こちらは、やはり基地の恒久化につながるという理由から、第一軍団の座間司令部移転に明確に反対する立場を取っております。星野市長が今月五日に大野長官町村外務大臣要請を行った際に、政府対応に対して不誠実かつ不透明だと、そういうふうに不信感を述べられました。  そこで伺いたいのは、その場で市長から指摘のあった一九七一年の国と座間市との間で交わした覚書の問題です。  第二条は、国はキャンプ座間の基地縮小について最大限の努力をするとはっきり書かれております。縮小が文書の中で確認されたのは、当時、当時から座間が一貫して基地をなくしていく方向を目指してきたからですけれども、しかし、もしここに新司令部が移転するということになればこれと逆行することになる。この場合には、この場合にはですよ、覚書のこの二条に対するほご、二条をほごにすることになりませんか。
  103. 大野功統

    国務大臣大野功統君) この覚書につきましては私どもも十分存じておりますし、また、今先生がおっしゃったように、最近、座間市長からそういう文書もちょうだいいたしました。この点も踏まえまして対応していきたいとは思っております。
  104. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 やればほごになるんですよ。  それからさらに、陸自の中央即応集団司令部を移転して米軍と基地を共同化していくというそういう検討も言われております。こういう検討をされているんですか。
  105. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 中央即応集団につきましては、今、どのような編成でどういうふうにやっていくか、これを検討中でございます。あわせて、早い時期に総合的な話を御説明申し上げたいと、このように思っております。
  106. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 ここに移転するかどうかと聞いている。
  107. 大野功統

    国務大臣大野功統君) そのことも含めまして検討いたしております。
  108. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 共用化について星野市長は到底容認しかねると表明しております。  市の言い分は全く当然のことで、自衛隊の移駐について、覚書の第一条では施設部隊三百名の一部使用に限定されていると書かれているわけですよね。この一条の下では、日米が司令部を置く共同化は認められないんじゃありませんか。
  109. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 今委員のおっしゃった意味がどういうふうなところにあるのか。覚書は覚書としてございます。それを踏まえながら様々な角度から検討しているわけでございます。
  110. 林芳正

    委員長林芳正君) 緒方君、時間が参りましたので、おまとめください。
  111. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 はい、最後です。  やはりこの日米の共同化、これは実際、大臣が記者会見の中では、近いところにそれがあった方がいいとかそういうことも認められている。いわゆる私は、これ非常に重大だと思うんですよ。そうすると、この覚書の関係でも、基地も縮小しない、そして新たな共用化を進めるということは二重の覚書破りになる、そのことを指摘して、質問を終わりたいと思います。
  112. 大田昌秀

    大田昌秀君 最初に、防衛庁長官にお伺いいたします。若干通告した内容と違いますが、よろしくお願いいたします。  先日、十月九日付けの毎日新聞は、一面トップで「普天間移設 「シュワブ沿岸」で最終調整 防衛庁 内陸案を断念」と報じていますが、これは事実でございますか。
  113. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 新聞報道では、これは防衛庁案だとか、それからこれはアメリカの提案だとか、色を付けていただいております。我々は色抜きで、何が一番ベストなんだろうか、SACO合意の中で苦渋の選択が辺野古でありました。その辺野古がなかなか進まないものですから、早く普天間を移設できる策はないものだろうか、そういう意味で苦渋の選択の上に苦渋の選択をしているわけでございます。だれがどうだ、だれが何を断念したか、だれが何をどう提案したか、こういう問題につきましては、やはり国際的な二国間の協議の問題でもございます。また、地元の関係もございますので、答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
  114. 大田昌秀

    大田昌秀君 日本の全国的に数百万部の部数を持っている新聞が一面トップで堂々と報道している内容政府考えと全く違うということになりますと、基地を抱えている現地ではもうそういう報道に日夜振り回されるという格好になるわけなんですね。  過去に、これまでも何回も新聞報道についてお伺いしますと、いや、それは事実と違うとか、いや、我々の意図とは違うとかという趣旨の御答弁がありましたけれども、このような状態が続くとこれは随分問題だと思いますけれども、その点については今後どのように対策をお取りになるおつもりでしょうか。
  115. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 大田委員、全く問題の本質をおつきいただいて恐縮でございます。  こういう状態が続きますと、やっぱりあらゆるところでフラストレーションが起こってまいります。それを解消するためには、できるだけ早くアメリカとの間の協議について先が見えるような格好にして、地元の皆様にも正確な情報をお伝えし、かつ御理解、御協力をちょうだいしなきゃいけない。そういう意味で、今、町村外務大臣とともに、真剣にこの問題、急いでやっていかなきゃいけないな、こういうことで取り組んでいるところでございますので、いずれきちっとした説明をさしていただきます。御了解をちょうだいしたいと思います。
  116. 大田昌秀

    大田昌秀君 関連してお伺いしますけれども、防衛庁長官、よろしくお願いいたします。  その普天間飛行場の移設先とか今のいわゆる米軍の再編の問題ですけれども、一体政府部内で防衛庁が責任を負っておられるのか、それとも外務省なのか、それとも官房なのか、それとも政府部内でどういう形の提携をなさって最終的な案をお決めになるのか、御説明いただけたらと思いますが。
  117. 大野功統

    国務大臣大野功統君) これは内閣全体の問題であると私は思っております。それに関係するのはもちろん内閣官房であるし、外務省であるし、防衛庁でございます。防衛庁の中でも防衛施設庁、防衛庁自衛隊の方と、これみんなで総合的に考えていかなきゃいけない、みんなで決着を図っていかなきゃいけない。こういうことで、今取り組んでいる形というのは、官房長官外務大臣、私が中心となって常に協議しながら理解を深めて同じ方向で進んでいくと、こういう努力をいたしております。
  118. 大田昌秀

    大田昌秀君 そうしますと、最初の質問に戻るわけなんですけれども、政府部内のいろいろかかわっておられる省庁というのがあるわけなんですが、その際に、総括的にその都度その都度決まったこと、あるいは話し合われたことで差し支えのない分野については、広報官とか何かそういう方がおられて、きちっとした、そのときそのときのお決まりになったことでもきちっと報道していただけると混乱はある程度防げるのではないかと思うわけなんですが、そういうお考えはございませんでしょうか。
  119. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 大田委員の御意見もよく私は理解できるわけでございます。しかし、この問題は日本全体の問題であります。  言わば抑止力の維持と負担の軽減と、こう二つの哲学、理念でもってやっているわけでございますけれども、抑止力の維持はおいておいて、負担の軽減となりますと、やはり各地の基地の問題が出てまいります。一つの基地、Aという基地についてある程度煮詰まったとしても、Aを発表すると、そうするとBがどうなるんだ、Cがどうなるんだと、こういうような問題に跳ね返ってまいりますので、そこはお互いに一斉にスタートしていかなきゃいけないな、こういう理解で我々三者の会合は持たれているところでございます。御理解をいただきたいと思います。
  120. 大田昌秀

    大田昌秀君 これもまたマスコミ報道に関する質問ですが、十月下旬に予定していたラムズフェルド米国防長官の訪日が見送られることになったと報じられた件でございます。  その理由について十月六日付けの東京新聞は、普天間飛行場の移設先の日米協議が暗礁に乗り上げ、現段階で訪日しても進展が見込めないと判断したと見られ、この問題をめぐる日本政府対応への強い不満の表れと指摘しているわけなんですが、ラムズフェルド米国防長官の訪日見送りという事態を防衛庁長官はどのようにお受け止めになっておられるでしょうか。
  121. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 新聞報道は確かに私も存じております。  ただ、ラムズフェルド国防長官が訪日をキャンセルしたとの報道に関しましては、十月六日の国防省、アメリカの国防省の報道官の記者会見において、予定されていた訪日予定がキャンセルされたとの報道もあるが、それは正しくない、そもそも国防長官が訪日する予定はないと述べております。  在日米軍の兵力構成見直しについては、できるだけ早く、まあ可能であれば今月中にでも中間報告を行いと考えておりますけれども、米国要人の往来を含め、今後の時間的枠組みについては現時点では具体的に何ら決まっておらない。  ただ、我々は、繰り返して恐縮です、できる限り早く日米間で合意をしていかなければ、先ほど申したように、国内的にもフラストレーションがたまってしまうんだと、それから国際的にもなかなか難しくなると、こういう意識は十分持っておりますので、一生懸命頑張ってまいります。
  122. 大田昌秀

    大田昌秀君 関連して外務大臣にお伺いしますけれども、この防衛庁長官の訪日延期については何らかの説明が外務省に正式にあったんでしょうか。
  123. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 元々来るということが決まったわけでもありませんから、キャンセルという事態が起こりようはずがないわけであります。
  124. 大田昌秀

    大田昌秀君 重ねて外務大臣にお伺いしますが、米軍の再編に係る国内の米軍基地の整理、縮小、撤去等の日米協議の今後のスケジュールと最終的な合意の時期の見通しについてお聞かせいただけますか。
  125. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) この問題、大分長く日米間で話し合ってまいりました。いつまでも協議を続けているというわけにもまいらないと思います。  したがって、先ほど来、大野長官御答弁のように、できるだけ早く取りまとめをしたいということで、最終的な今詰めをやっているところでございます。最終的といいましても、取りあえず、まだ全部詰め切らない部分もあるでしょうし、今後地元にもよく御理解を得なきゃならない部分もあるでしょうから、私どもは中間的な取りまとめというようなものをできるだけ早くやりたいということを考えておりますし、その後、一定の時間を置いて最終報告という形にしたいと、こう思っておりますが、それがいつであるということについて明確な日米間の合意があるわけではございません。ただ、いたずらに時間を掛ければいいものではないな、できるだけ早くまとめようねという基本線においては一致をしているということでございます。
  126. 大田昌秀

    大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いします。  二万人近くの米海兵隊が沖縄に駐留する理由はほとんどなくなったということが、軍事専門家の学者やあるいは評論家たちが指摘しておりますけれども、改めて長官が、なぜ沖縄にこれだけ多くの米海兵隊がいなくちゃいけないかというその理由について長官の御見解をお聞かせください。
  127. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず申し上げたいと思いますのは、我が国としましては、引き続き日米安保条約を堅持して米軍の前方展開を確保し、その抑止力の下で日本の安全、平和を確保していく、このことが大変大事なことである、米軍の軍事的プレゼンスというものはアジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠のものである、こういうふうに考えております。  そのことをまず申し上げた上で、その抑止力が、米軍の抑止力が大変大事だということを申し上げた上で、なぜ沖縄なんだろうかと。沖縄というのは歴史的な問題もございますけれども、やはりこの海兵隊というのは物すごい展開力、即応力、機動性を持っているわけでございます。沖縄の地理的特性を考えてみますと、東アジアの各地に対し、やはりアメリカの本土やハワイ、グアムからも距離的に近い、だからその即応力、展開力はもっともっと生かして使える、やはり地理的に近いということがあるわけでございまして、展開力を持っているその海兵隊になお緊急な展開を必要とする場合には迅速に展開してもらいたい、こういう意味があるわけでございます。  それからもう一つは、沖縄というのは、アジアの各地に対してある程度一定の距離を持って、等距離で位置しているところである、こういう点もあろうかと思います。こういうふうに、沖縄の海兵隊、我が国の抑止力という意味からも、それからもう一つ、最近の例でいいますと、スマトラ沖津波災害対応につきましてもやはり中心的な、沖縄にあります海兵隊が中心的な役割を果たした、このような点も見逃すわけにはいきません。  いずれにしましても、沖縄に駐留する米海兵隊は高い機動力、即応力、展開力を持っているわけでございまして、在日米軍の持つ抑止力の大きな大きな一翼を担っているわけでございます。私は、そういう意味で、我が国及び極東の平和と安定について、安定の維持について沖縄の海兵隊は大きな役割を果たしている、そういうことを申し上げたいと思います。
  128. 大田昌秀

    大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。  海兵隊が沖縄を去らないのは、あるいは削減されないのは、政府が駐留経費に加えて特別協定でもっていわゆる思いやり予算というのを支出しているからだという意見が大分強いことを知っておりますけれども、来年三月末にこの期限が切れる現行の在日米軍駐留経費特別協定は一体いつまでお続けになるおつもりですか。
  129. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 来年三月末で切れるわけでございますので、その延長問題については、今、日米間で協議中でございます。  いつまで続けるかということについて別に明確なめどを持っているわけじゃございませんが、しかし日米同盟関係、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用にこれは必要なものであろうというふうに考えておりますので、確かに財政事情は大変厳しいわけではございますけれども、この安保体制の円滑かつ効果的な運用確保のために私どもとしてはこれを続けていく必要があると、こう考えております。
  130. 大田昌秀

    大田昌秀君 いま一つ外務大臣にお伺いいたします。  沖縄地元の新聞では、次期米軍の主力機となるMV22オスプレーが普天間基地に移設されるという計画があるということを報じておりますが、これは事実ですか。
  131. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) そういう報道があったということは新聞を通じて承知をしておりますけれども、アメリカ側に照会をしてみましたが、アイデアの一つではあるかもしれないが、沖縄の配備について現時点に何ら具体的に決まっていないということでございました。
  132. 大田昌秀

    大田昌秀君 ありがとうございました。  農水省とほかの方にもおいでいただいたんですが、時間切れで大変申し訳ありません。
  133. 林芳正

    委員長林芳正君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  134. 林芳正

    委員長林芳正君) 万国郵便連合憲章の第七追加議定書万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約締結について承認を求めるの件及び郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。町村外務大臣
  135. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) ただいま議題となりました万国郵便連合憲章の第七追加議定書万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この追加議定書及びこれに関連する一般規則及び万国郵便条約は、平成十六年十月五日にブカレストにおいて開催された万国郵便連合の大会議において作成されたものであります。  この追加議定書並びにこれに関連する一般規則及び万国郵便条約は、万国郵便連合の運営等及び国際郵便業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、万国郵便連合憲章を改正し、現行の万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約を更新するものであります。  我が国がこの追加議定書及び関連文書締結することは、引き続き万国郵便連合の加盟国として活動し、及び国際郵便業務を適切に実施するため、極めて重要であります。  よって、ここに、この追加議定書及び関連文書締結について御承認を求める次第であります。  次に、郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この約定は、平成十六年十月五日にブカレストにおいて開催された万国郵便連合の大会議において作成されたものであります。  この約定は、郵便送金業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、現行の郵便送金業務に関する約定を更新するものであります。  我が国がこの約定を締結することは、我が国と他の締約国との間の郵便送金業務を適切に実施するために極めて重要であります。  よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いをいたします。
  136. 林芳正

    委員長林芳正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  両件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会