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西村(真)
委員 先ほど来、平壌共同宣言は小泉総理
大臣の
成果だというふうな
外務大臣のお答えもあった。まあ、それはそうでしょう。しかし、私は、この六カ国
協議も含めて、
北朝鮮という側から眺めてみれば、全然様相が異なる。
言い方が悪いですが、平壌共同宣言は、
拉致被害者をえさにして小泉総理を平壌に呼び寄せ、金を払う約束をさせた宣言である。
北朝鮮から見たら、そうなる。今回も、
北朝鮮から見れば、私がさっき言った、二十年の堂々めぐりの起点にまた戻っただけだというふうに見るのが
北朝鮮からの見方ではないかな。私は、そう思う。
その根拠は、
北朝鮮の金正日体制を前提にして核の完全な査察など不可能であるということであります。したがって、いずれ近い将来、我が
日本が楽天的で
北朝鮮非核化の最初の一歩であると今のように期待して言っておったら、ある日突然六カ国
協議というものは、イスラエルやインドやパキスタンのように、
北朝鮮が核を持つことを前提にした上での何かの話し合いに変質しているかもわからない、こういうふうにこの場で申し上げたいと思うわけであります。これは
質問ではございませんから、御答弁は結構でございます。
六カ国
協議の枠組みというのは、そういうふうに変質するだろう。なぜなら、完全な検証など金正日体制のもとで不可能ですから。
北朝鮮は、核を放棄すれば、ただの貧乏な、こじきのような独裁国家。それ以上でもそれ以下でもない。ただ核を持っているからあれをやっているというだけの話。したがって、そう
考えるのが
常識ではないかなと思いますね。
次に楽天的だと感じたのは、先ほど
大臣が読まれた
報告書ですが、
懸案事項を
解決することを
基礎として
国交を正常化する旨の
文言が盛り込まれました、
拉致問題を含む
懸案事項の
解決の
重要性を六カ国が確認したんだと言っていることであります。
北朝鮮は、一貫して
拉致問題は
解決済みだと言っておったんではないんでしょうか。先ほ
ども質問にあったように、
拉致問題という
文言が出てこない以上、
北朝鮮は
拉致問題は
解決済みだという
姿勢を崩さないのではないか。なぜかそれが崩れたような期待は、過剰な希望的観測にすぎないのではないか、こういうふうに思ったわけであります。これは
大臣の
報告を聞いた上での感想でありますから、
質問ではございません。
その上で、重複を避けて、
基本的な問題に戻って
質問させていただきます。
先ほど来、官房副
長官も、
大臣、努力しているんだとおっしゃった。私は、努力しているんだということは認めます。しかし、何ら
解決しないというこの
現実は、我々はいかに把握してここからいかに脱却すべきであるのかということであります。
JR西
日本の車両転覆事故のときに、
一つの車両に数百人が閉じ込められておった。そして、付近の人々、JRの人、そして地方自治体、警察、総力を挙げて救出に当たっておった。あのときに私は、
北朝鮮に
拉致、抑留された多くの
日本人もそのように救出を待っている人たちである、同じ
日本人であるにもかかわらず、なぜ一方は二十数年放置されて、こちらは人間の心を持った迅速な救出の対象になるんだろうかと
考えておりました。
なぜ
北朝鮮に
拉致された
日本人の救出に、あの車両の中に閉じ込められた人たちの救出、また十代のほとんどすべてを異常な男のために監禁された少女の救出のように我々は対処できないのか。これが
最大の
我が国の課題であります。
ちょっと私が一方的に申し上げることばかり長くなりますが、
質問自体は重複を避けるので短いのでお許しいただければと思います。
ブッシュ大統領は、ことし、ヤルタ体制の欺瞞性を見事に
指摘したわけであります。独裁者に対して取引することによって、多くの東欧の人々の運命を狂わせてしまったではないかと。我々も今同じような宣言をしなければならないのではないか。
我が国は平和国家だ、武力は行使しない、しかしその平和だ平和だと言っている中で、
最大の平和を踏みにじられた国民の運命を我々は救出することができないんです。したがって、今構造改革など、改革だ、政治改革だと声高に叫ばれておりますが、真の改革は
日本国民を救出し得る
日本の政治に転換することではないかな、こう私は思っております。
そこで、
質問を始めますけれ
ども、
日本国
政府は、二〇〇二年九月十七日、
拉致被害者の消息を八名死亡と
北朝鮮から宣告されて、それを信じて
拉致被害者家族に、言われたとおりの
言葉で言いますが、残念でございますが、あなたの娘さんは既に亡くなっておられますと死亡宣告をしたわけであります。
そこで、改めて聞きますが、現在の
日本国
政府は、
北朝鮮が死亡したと宣言した八名は生きているという前提でおるのか、
北朝鮮の言うとおり死んだという前提でおるのか、いずれですか。