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倉吉政府参考人 まず、前提としての議論でございます。現行の
司法試験が御指摘のとおり数%しか受からない、そのために、受験勉強に追われる、学生が予備校に行く、そういったいろいろな弊害があるということが指摘されました。
一方で、
司法制度改革審議会で言われましたのは、
司法をもっと国民に身近にしなければいけない、そのためには法曹人口を大幅にふやさなければいけない、
社会も変わってくる、その変革する
社会の需要にも応じ切れないだろう、法曹人口を大幅にふやす必要があるということが言われました。そして、それを担保するものとして、法科大学院を中核とし、そこでの教育と、それから
司法試験、
司法修習を連携させたプロセスとしての法曹養成が必要だ、こういうことになったわけでございます。
今までの現行
司法試験が一点突破、さっき
委員が御指摘されたとおりですが、一点だけで採用するという
制度であったとするならば、それをプロセスとしてとろう、それで法科大学院が中核だ、こういうことになりました。その線に沿って、法科大学院が
平成十六年の四月に開校いたしまして、今、新しい法曹養成
制度が動き出しているわけでございます。
そこで、今
委員の御指摘になりました、九割という言葉がありましたが、実は、
司法制度改革審議会の意見に七、八割という言葉が出ております。ここをちょっと読ませていただきます。
「法曹となるべき資質・意欲を持つ者が入学し、厳格な成績
評価及び修了認定が行われることを不可欠の前提とした上で、法科大学院では、その課程を修了した者のうち
相当程度(例えば約七〜八割)の者が」「新
司法試験に合格できるよう、充実した教育を行うべきである。」
この文書は、日本語で読んでいただければそのとおりでございまして、法科大学院における教育
内容、教育方法を論じたものです。厳格な成績
評価と修了認定をして、その上で、それをくぐり抜けた人の七、八割が新
司法試験に合格するような、そういう充実した教育をしてくれ、こういうことを言っているわけでございまして、必ずしも、新
司法試験において法科大学院の修了者の七、八割が必ず合格するんだ、そういうことを保証するんだ、そういうことを申し上げたわけではございません。
この点につきましては、
法務省としましても従前からそのような
説明をしてきたところでございまして、例えば、
平成十四年十一月の衆議院
法務委員会、文部科学
委員会の連合審査会におきまして、当時の森山
法務大臣が同じような答弁をしております。
ただ、
委員の御指摘は、これからどうなるんだという
お話だろうと思います。法科大学院、合計で七十四開校いたしました。今、全部の在校生といいますか勉強している生徒たちが、大ざっぱで六千名ほどおります。来年の三月に二年コースの最初の卒業生が出ます。これが二千ちょっとだったと思いますが、その
関係で、
司法試験
委員会が目安として出しました、あれはあくまでも概括的な数値として出したわけですが、来年度は九百から千百という数字を出しております。それでいきますと、来年、二千人が仮に全部厳格な成績
評価と修了認定をくぐり抜けて出てくれば、そんなことは私はあり得ないと思っておりますけれども、そういうことがあるとすれば、来年はその五、六割ということになるのかなと思います。
ただ、どれだけの成績
評価、修了認定が行われるのか、これは法科大学院みずからも
評価されることでありまして、今後の様子を見てみないとわからないということでございます。
〔
委員長退席、
吉野委員長代理着席〕