○秋葉
委員 自由民主党の秋葉賢也です。きょうは、国内の治安に関する件につきまして、何点か御質問をさせていただきたいと思います。
この特別国会での南野
大臣の昨日のごあいさつにもございましたように、
司法制度改革のさらなる着実な実施ということ、そして
国民の安全、安心の
確保について、とりわけ特段意を用いていきたいという昨日の御
説明がありました。本当に
法務省の改革も着実に進展しているなというふうに思いますけれ
ども、同時に、今の時代背景もまた、かつてない犯罪認知件数の増加でありますとか悪化がますます顕著になっている状態でございます。
そんな中で、私も一昨日、行刑
施設を訪問したいということで府中刑務所の方を視察させていただいてまいりました。
今、行刑
施設における現状と
課題ということを概観してみますときに、
平成七年度には四万六千九百二十八人であった受刑者数の実態が、
平成十七年度では七万八千二百四十七人ということで、このわずか十年間に三万人も増加をしてきているという実態がございます。
いろいろと戦後の資料をひもといてみますと、戦後はずっと収容率が一二〇%、多いときですと一六〇%を超える時代もございましたけれ
ども、昭和四十二年以降は一〇〇%を割る、つまり定員オーバーをしている状態がない形で推移をしてまいりました。
それが、
平成十二年の収容率が九五・四%ということで、定員オーバーということはなかったわけでございますが、
平成十三年に、未決囚も含めてでございますけれ
ども、六万五千五百八人に対して受け入れ側の
施設の定員が六万四千七百二十七ということで、一〇一・二%、一・二%過剰収容になってきている。この数値が、
平成十六年では一〇五・九%ということで、年々収容
施設も整備はいただいているわけですけれ
ども、それにいわば追いついていないというような実態にあるわけでございます。
そんな中で、いわゆる刑務官といいますか職員の皆さんの負担率というのも相当重いものになってきているなと。私が伺った府中では、一人の刑務官が五・六人の受刑者を受け持つというような状況だと伺ってまいりました。
日本の矯正
施設七十四庁合わせても、大体、一人当たりの職員が受け持つ収容者の割合が平均で四・四人ということでございますので、府中刑務所の五・六人というのは大変な負担感ではないかなというふうに思っております。
そんな中で、七十四庁の
うち一番高い負担率になっているということで、職員の皆さんの御苦労というのも大変なものではないかな。四週八休、つまり週休二日が十分
確保されていないという状況で、しかも年次休暇がほとんどとれていないというような多忙さであるというお話でございました。
ですから、名古屋での残念な事件なんかもございましたけれ
ども、ああいった行刑
施設での事故を未然に防ぐためにも、やはり一人当たりの負担感というものをこれから勘案していかないと、大きな事件の遠因になってくるのではないかなということを憂慮せざるを得ない。
参考までに、諸外国との職員負担率なんかを比較してみますと、あのアメリカでさえ三人ということで、ドイツが二・一人、フランスが一・九人、イギリスが一・六人ということで、
日本は一人当たりの職員が受け持つ人員というのが四・四人ということで、突出して高くなっているというふうに申し上げてもいいのではないかなというふうに思っております。
それに伴ってということだと思いますけれ
ども、保安事故な
ども急増しておりまして、懲罰件数の増加とともに、職員の皆さんの
精神的、肉体的な負担も大変高まっているというのが率直な原因ではないのか。
そもそも、もちろん、いわゆる収容人員が多くなってきた、犯罪そのものがふえているということがあるわけですけれ
ども、認知件数の増加に加えて、従来よりも重い
判決が出るケースが多くなっている、あるいは引き取り手がいない受刑者がふえているといったようなことも挙げられるようですけれ
ども、これからのこの職員の
確保という問題についてどのようにお
考えになっているのか、まず伺っておきたいと思います。