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中川(泰)
委員 私は、一番問題の京都四区で、激戦区で上がってまいりました
中川泰宏といいます。よろしくお願いいたします。
こうして御
質問の機会を一期生に与えていただいた
理事の皆さん方に心から感謝と御礼を申し上げます。
私は、これまで二つの
立場から
農業を見てまいりました。
一つは、十年ほど務めた町長の
立場から、それからもう
一つは、JAの会長として、
生産者また
経営者の
立場から、
改革を迫られる
農業のあり方を考えてまいりました。
農業は、やり方次第でもうかる産業であるということを確信いたしました。京都の京野菜
農家では、一億円を残すという、十年でそんな
農家が生まれてきておるところであります。
しかしながら、
農業は画一的なやり方では無理であります。やはり、それぞれ
地元の事情に合わせてやらなくてはならぬと考えております。
地域によって千差万別、その私が体験をした具体的な事例で、
大臣や
政府にお考えをお聞きしたいと思います。
なお、私の最も尊敬する
岩永大臣に見習いの私が二度
質問すると失礼に当たりますので、また、その
岩永大臣の率いる
政府の
方々も同じくであります。一方的に私の方から
質問事項を申し上げ、一回だけ
答弁していただいたら結構であります。見習いでありますので、これから勉強してまいります。
まず、京都府では、
平成元年から、
地域の特性を生かした伝統野菜の復活を図り、京都のブランド野菜として
全国の先鞭をつけました。私が町長だった八木町でも、伝統野菜をブランド化し、三億円産地をつくり上げたところであります。東京の有名デパートへの売り込みなど、首都への販売戦略に力を入れ、
地元を盛り上げてまいりました。ブランド化という理屈と伝統野菜の復活という
地元の納得がうまくかみ合って成功したのであります。
しかし、気候など自然に左右される野菜生産は、価格の低迷で
経営が危機にさらされることも多く、価格安定
対策が求められております。現在、国の施策として、指定野菜価格安定
対策や特定野菜等供給産地育成価格差補給事業がありますが、京野菜は指定をされておりません。しかし、
地域の特産として京野菜は
農家経営の柱に育ってきたところであります。京都府では、独自の
経営安定対策で下支えをしております。この
対策に国の
支援が求められております。
例えば、米
対策の中の水田
農業構造改革交付金は、
地元の自由裁量が大幅に認められた制度で、
地域の
実情に合わせて自由裁量できるという交付金のメニュー化を、
経営安定対策の中に盛り込めないでしょうか。大産地、大規模
農家といった画一的な基準ではなく、
地域に合わせた施策を求めたいと考えております。
大臣のお考えをお尋ねします。
また、八木町では、乳牛
経営で出されるふん尿を堆肥化しております。その際排出されるメタンガスを発電に利用しております。環境保全に寄与しているわけですが、その維持管理コストは
地元にとって極めて重いものであります。単なる産業廃棄物の処理といった感覚ではなく、生態系の循環という環境維持の努力に対して、施設をつくるだけの補助金ではなく、その後の運営に要する経費も助成をいただきたいとお願いいたします。
さらには、食の安全、安心への関心が高まる中、昨年猛威を振るった鳥インフルエンザ
対策も考えていただきたいと存じます。ことしも茨城など関東地方で発生しておりますが、京都では事後処理が
課題となっております。鶏ふんの処理対応は決まったものの、鶏体は土中に埋まったままで、抜本的な予算措置はなされておりません。こうした予測もしない事態の処理に対して国の適切な
支援を求めていきたいのでありますが、二点についての
政府のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
次に、
食料自給率の向上やWTOの
対策、さらには生産性向上を目指す
構造改革の諸施策は、道路
行政に例えるならば、高速道路、基幹道路の整備、建設に当たります。同時に、使い勝手のよい
生活道路や路地裏整備といった、暮らしやすい環境整備も必要です。こうしたプランは、
地域、地方の要望を取り入れた柔軟な
政策づくりでしかできません。
農業政策も、国家の
食料確保の骨格となる基幹
政策、路地裏整備ともいえる
地域の特性を生かした
農業経営の
支援政策の両輪が相まって初めて確立されるのではないでしょうか。
このことは、
農業改革の柱となる
品目横断的経営安定対策の具体化でも配慮していただきたいことであります。焦点となる
担い手の
要件は、
認定農業者と一定の基準を満たす
集落営農組織を基本に
議論は進んでおります。しかし、
地域によって、
農業を支えるのは、この
要件を満たす
生産者だけではないのであります。
地域の
実情に合わせた
担い手の構想を打ち出していただき、小規模
農家が参加できる
集落営農の
要件を広げるべきではないでしょうか。
京都は
農業生産法人に力を入れております。今後の
担い手の受け皿となる
集落営農の
組織化、法人化の推進、販売や
経理の税務申告を担う人材の
確保や体制整備への予算措置も必要であります。これら具体的な措置について、
政府のお考えをお願いいたします。
また、
農業改革の一環として、農協再編があります。
全国で農協
合併が進み、一府県一農協を掲げる府県も少なくありません。京都も一農協を目指しております。団体の再編の動きは、農協だけでなく、
農業関係のすべての
組織、団体に課せられたテーマであります。再編は時代の要請であり、むだなぜい肉を省き効率化を急ぐべきであります。これまで国の
農業政策は各種の
農業団体を通じて行われてきましたが、
農家戸数の減少、
経営規模の拡大、さらには基盤整備の完了など、それぞれの団体の役割が薄れてきたという
現実があります。こうした団体を運営するため
農家が負担する費用はばかになりません。
具体的に申し上げますと、
農業会議、土地改良区、
農業共済などの再編統合は急務の
課題であります。農協を核に、
農業団体の再編統合によって新たな活力を発揮する時期を迎えております。御承知のとおりに、
農業会議は農地
行政を担当していますが、耕作放棄地が増加する中、農地の有効利用の方策もなく、存在理由が薄れております。土地改良区も、基盤整備事業が進み、発足当時の意義が失われております。
農業共済は、新たな
品目横断的
経営所得安定
対策の
導入が進めば、その役割は小さなものとなります。
農業関係団体が目指したのは、
農業の活性化でありました。しかし、時代の環境は変化しており、変化に対応できるシステムの構築が求められます。そのほかに多くの
農業団体がありますが、個々の団体の役割は縮小しております。こうした団体を一体的に再編統合する必要があります。この点についても
大臣の見解をお伺いしたいと思います。
また、団体再編のほか、府県
行政との協力体制にも国のきめ細かい配慮が望まれます。
農家の技術指導で、農協は
営農指導員を抱えております。一方、府県は、改良普及員を国の人件費補助のもとに有しております。
経営合理化を進める農協
合併は、組合員への
営農指導や
生活指導への対応を弱める傾向があります。また、農林
行政のスリム化の中で普及員の減少が目立ちます。総体として
農家への技術指導が弱体化をしております。この立て直しが必要と思いますが、
大臣にお伺いをしたいと思います。
最後に、米取引、市場問題に触れたいと思います。
先般、JA全農あきたの幹部が業務上横領で逮捕されました。JA
関係者の一人としてまことに申しわけないと反省をしております。
この事件の背景には、
現行の米市場の未整備、不透明さがあります。コメ価格センターも市場機能を十分発揮しているとは言えません。
政府は、今後、米流通、市場
対策についてどのように展開されようと考えておるのか。また、米先物市場を目指す
全国の商品取引所の動きがあります。JAグループでは、
国民の主食である米の安定的な供給のため、米の先物市場開設には反対をしております。こうした不安がないよう十分配慮していただき、先物市場の前提には現物市場の整備が必要であります。その
対策を含めて、先物市場について
大臣の見解をお伺いしたいと思います。
時間の
関係上、一挙に申し上げたことをおわびを申し上げて、尊敬する
岩永大臣から御
答弁よろしくお願いいたします。