○鷲尾
委員 私、正直申し上げまして、こういった資料を
審査で見過ごしてしまう、そして、組織の
体制としてこのタックスプランニングの数字をもっと突っ込まなかった、突っ込めばこれは明らかにおかしいということがわかるはずですから、突っ込めなかったこの
法人の
体制、これは私は
投資家に対する背任だというふうに思っております。これは
法人の体質自体が整備されなければいけない問題でございまして、こういっただれもがわかる資料を見過ごしていた。これでは
投資家は納得しないわけです。
実際に資料一の被害
状況を見てみますと、実際足銀が増資してから優先株というのは紙くず同然になってしまっているわけです、二年もたたないうちに。しかも、それは二年前から
中央青山監査法人の皆さんは関与していたわけですよね。これは
責任重大なわけでございまして、
法人としてしっかりとした
責任をとるべきだというふうに私は考えております。これでは
市場にとって迷惑千万なわけです、こんな
監査法人、こんな
市場の番人がいたら。はっきり言って、我々は何を信じていいんですか。私はそういうふうに思えてなりません。
もう一つ
紹介したい
記事がございます。
朝日
新聞の十月七日付に、
中央青山監査法人の
会計士が
足利銀行の
融資先顧問になっているという
記事がございます。この中で、中央青山の
会計士が顧問就任しました、就任してから先ですね、実はこの取引先の査定というのは、日銀の査定では破綻懸念先だったんです、ところが、この顧問が就任して以降、この破綻懸念先の債権が要注意先に格上げされているんです。その結果どうなったか。結局、引き当て額が不足して、それも粉飾の要因の一つになっているわけです。これは明らかに
中央青山監査法人と
足利銀行は完全なる
癒着関係にあった、そういうことを示す事例だったと私は思っています。こんなことは
投資家の負託を受けた
会計士にあるまじき行為でありまして、それを見過ごしてしまう
法人の
責任も私は重大だと思っております。
要するに、
中央青山監査法人は、こういった繰り延べ税金資産の問題、これもかなり甘い査定だった、しかも、
法人の体質としてそれを見抜けなかった。そして、こういった利害関係の
チェックもできなかった。業界の
ルールを守っていなかった。その結果、結局この
公認会計士の業界の
信頼を失墜せしめた、私はそう言えると思うんです。しかも、これは
日本の四大
監査法人、世界に冠たる
日本の四大
監査法人、
公認会計士としての指導的
立場にあるこの
監査法人がこういうことをやっているわけです。これは、こういう
法人をほうっておいていいのか、私は本当に疑問だと思います。
それでは、次の
質問にも移りたいと思いますが、資料四をごらんいただきたいと思います。
資料四の右側に自己資本比率の推移という表がございます。この自己資本比率の推移でございますが、実は、
平成十五年三月期から
平成十五年九月期までにこれはマイナス八%動いているわけです。この要因は、実は債権
評価が変わったことによります。なぜ変わったかといいますと、この間に
金融庁の検査が入ったわけです。
金融庁の検査が入ったと。そうしたら、
監査人は従来の債権
評価の整合性というのは無視して
金融庁の検査結果に右へ倣えしました、そういうわけでございます。
この点、
投資家の
立場に立ってみたら、では、十五年三月期の債権
評価について
監査人の判断は正しかったのか、そういった疑問がわくわけでございます。そもそも、
金融庁の検査と
監査の結果というのは違う結果が出るものだというふうに、当時の竹中
金融担当大臣はおっしゃっておるわけでございますが、しかし、当時は、そこにおられる先生方も御存じのとおり、
金融庁の検査と
監査結果が余りにも乖離すると
市場に非常に混乱を及ぼすということで、
金融庁と
監査人と
金融機関の三者協議を重ねてきたはずでございます。ですから、自己資本比率をここに見るように八%も動かすほど検査結果と
監査結果が乖離するのはおかしいはずなんです。
要するに、もう一度申し上げますと、
金融庁の検査結果を正しいとするなら、普通に考えたら、
平成十五年三月期の債権
評価は間違っていて、
会社と
監査法人が結託して粉飾して
投資家をだましていた、そういうふうに言えるわけです。事実、先ほ
ども申し上げたとおり、
中央青山監査法人は足銀の経営陣に告訴されておりますしね。
また、日経ビジネスの十月十七日号の
記事にあるんですが、竹中大臣のコメントとして、中央青山が
監査した十五年三月期の決算結果は正しい、十五年三月期の中央青山の債権
評価も正しいとするコメントがあるわけです。実は、回りくどく言いましたが、このコメントから透けて見える構図があると私は考えます。と申しますのは、
金融庁が実は
監査法人に足銀破綻の引き金を引かせたかったんじゃないか、そう思っていたからこそ中央青山の粉飾に目をつぶるかわりに債権
評価については
金融庁の
評価に全面的に従えと、そういった握りが行われているんじゃないか、そういう構図が読み取れるわけです。事実、これも日経ビジネスの
記事にその旨の
記事があります。
私はここで
奥山理事長にお聞きしたいんです。
足銀問題に関して、私は、
会計士が粉飾に加担した、それは事実だと思うところでございますが、この問題について、先ほど資料一でもごらんになったと思うんですが、非常に
投資家に不測の
事態、不測の混乱を及ぼしたわけでございます。この混乱を招いたのは、実は
監査法人だけじゃないんじゃないかと私は思うわけなんです。
監査法人だけじゃなくて、これは
金融庁にも大いに
責任がある問題じゃないかというふうに私は考えるわけでございます。
資料の四、この左側を見ていただくとわかると思うんですが、足銀は公的資金の注入を何度も受けているわけですよ。公的資金の注入を受けているということは、
金融庁は債権の
状況を知っているのは当たり前の話ですよ、そうじゃなかったら
監督官庁として成り立たないわけですから。これは、
金融庁は知っていて見過ごしたんじゃないかというふうに私は思うわけです。
金融庁は気づいていて、そこにつけ込んだんじゃないかと。
当時
会計士協会の会長をやられていた
奥山理事長、実際、竹中さんとパートナー関係にもあったわけじゃないですか。
奥山さんに足銀破綻の引き金を引かせようとしたんじゃないですか、そのかわり過去の粉飾に目をつぶろうと、そういう握りがあったんじゃないかというふうに私は考えております。その
金融庁の裁量的な処置に中央青山はやむなく従った、それが事実なんじゃないですか。その点をお聞きしたいと思います。