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馬淵委員 姉歯建築士が
平成設計の
名刺を持って歩いているということは、他のところでもお話が幾つか出ております。事実、
平成設計事務所としての
姉歯さんの
名刺が、写真もついて報道に供されています。
さて、こうした構図の中で、
姉歯さんが
平成設計と一体であるということについては、こうした
名刺を現実に
渡辺参考人がごらんになっている
ように、ここは否定できない事実かと思われます。
そしてもう一つ、
平成設計と
木村建設についてであります。
先ほど同僚の方からもお話ありましたが、
木村建設と
平成設計についてですが、これに関しては、
平成設計の登記簿謄本を見ますと、
木村建設の社長の奥様であります木村ひとみさんが代表取締役についておられます。また、
木村建設の
関係会社として
平成設計が恐らく同じ形として
関係グループとしてあるということが、これも帝国データ等の情報によっては書かれております。
木村建設との
関係企業という形で、系列として
木村建設とされています。
また、
木村建設、
平成設計がこうした形で一体であるという前提を考えますと、さらに、先ほどお話にありました、
総研、
木村建設、
平成設計、
姉歯というこの四者のつながりがどういう形になっているのかということを少し
確認していきたいと思います。
木村建設では、これもホームページ上もう既に削除されていますが、キャッシュが残っています。そのキャッシュが残っているところを見ますと、これには、五十一年十一月より、
総研、
総合経営研究所グループに加入とされています。また、これもこの
場所で再々
確認をされていますが、
総研ビルに
木村建設が入っておられる。
これに対して、きょうお見えにならなかった
総研の内河さんは
記者会見を開いて、たまたまあいているからそこにかかわっていただいた、この
ように言明をされておられます。しかし、いろいろ見ていきますと、福岡の
総研白金
ビルにも同じく
木村建設が入っておられるということで、たまたまあいていたところが二つあったのかということになります。
きょうは内河さんがお見えになっておられませんのでその辺のところがはっきりわからないのですが、少しこの構図についてお話をさせていただきます。
実は、今回のこの問題に対しては、極めて組織的な構図がそこに潜在しているのではないかということが考えられます。
今回問題となった偽装は、
姉歯建築士によって行われました。そして、
姉歯建築士は
平成設計の
名刺を持って一体的に動いておられます。また、
平成設計は
木村建設とグループ
関係にあることは、先ほどのホームページ等々におきまして、また、代表取締役を奥様がされているということも考えれば、一体的なグループ
関係にあることは推定できるかと思われます。
そして、
総研さん。
総研さんがどういう形でかかわっているか。確かに、テナントで入っている、あるいはグループ
関係もあるということですが、
総研さんが実はビジネス全体のスキームを大きく動かしているということが実態としてあるのではないかということが考えられます。
それは、これも
総研さんのホームページで、キャッシュから消されているんですが、そもそも
総研が、利回り一二%前後を確保できるというビジネスモデルをホテルやマンションなどを建てたい
方々に提供されている。そして、それを実現するために、
設計依頼はすべて
総研で
打ち合わせ、そして
建設工事の発注折衝も
総研、
建築工事打ち合わせからコストダウンまで
総研が行うフルターンキー・システムで行います、この
ようにうたっておられます。フルターンキー・システムとは、一つに発注すればすべてが動くという仕組みになります。この
ようなことが
総研さんのスキームとしてつくられている。
さて、内河さん、きょうお見えになりませんでしたが、非常に興味深い発言をされておられます。二〇〇〇年の七月に「レジャー産業」という雑誌のインタビューに答えられています。内河さんがそこでどの
ようにおっしゃっているか。
内河さんは、いわゆるホテル、マンション、ホテル
業界、こうしたものは
設計からコンセプトづくりまで
設計事務所に全部任せてしまう、それによって、いかにコストを落とすかという課題を初めから放棄していると。そこで内河さんは、売り上げから逆算して、
建築費はこれぐらいにする、そのためにはどういう
建築にするかということを考えるホテルにならなければならない、こうおっしゃっています。
そして、インタビューの中で、何が重要かと問われれば、
設計の中でも
構造の問題だ、こうお答えになっています。
構造的な
部分、これが大事だと。そして、内河さんの発言は、これまでたくさんの
仕事を手がけましたが、それぞれセメントの量、
鉄筋の量、鉄骨の量など平米当たりでどの
ような
構造がなぜ安く上がるのかということを
計算し、今でも場合によっては、私が、この
建物は延べ床面積平米当たり
鉄筋量幾ら、
型枠量幾ら、コンクリートが幾らというところまで
計算し、
設計の指示をします、この
ようにおっしゃっているんですね。
これはまさに、前回の
参考人質疑で私の同僚が小嶋社長あるいは
木村建設、
皆さん方に尋ねた、
鉄筋量まで絞れというこの話を、内河さん自身が二〇〇〇年にこうして明言されています。
さて、私の地元でも今回の問題にかかわる
物件が発覚いたしました。サンホテル奈良という
物件です。これも
総研、
木村建設、
姉歯建築士がかかわっています。
この日曜日に、私は地元奈良でこのホテルの視察に参りました。そして、
建築主からいろいろとお話を聞きました。
建築主からは、
総研がこの企画を持ってきたと。そして、
平成設計の山口社長が十二月五日、一昨日奈良市にやってまいりました。奈良市の指導のもとに、事情聴取を行われたわけです。山口社長がおっしゃったのはこの
ような言葉です。
構造設計は
建築の企画
段階から
姉歯建築設計事務所に決まっていたと。明らかに、
総研、そして
木村建設、
平成設計、
姉歯という構図があります。
さらに、私の手元には、そのサンホテルの
建築工事予算管理表という資料があります。これは、
木村建設が破産されて畳まれるときに資料を一斉に持って出
ようとしたときに、これを慌ててオーナーが確保されたそうです。この
建築費は六億三千万円、そして、オーナーさんのお話によれば、
総研に支払う金額は四千六百万円のコンサルタント料、さらには、
設計料は
平成設計に二千七百万円支払います。このお金の
部分でいえば、
総研さんが提案をする中で四千六百万円のコンサルタント料が入り、
平成設計からは二千七百万円のうち二〇%以上が
総研にキックバックされる。また、
木村建設の中でいえば、ここにはっきりとメモ書きでありますが、追加
工事費と書いてあって、それを横に手書きで、仲介手数料として
総研に一千八百万円渡すとなっています。
この仕組み、どういうことか。
総研さんがまさに土地をお持ちのオーナーの
方々にこうした
物件の企画を持ちかけて、一二%以上利回りがありますよとお伝えをし、ところが一〇%以上、七千万円近い、今回の
工事は七億ですから、七千万円近いお金を
総研が吸い上げる。ホテル業者や
建築主は一〇%の利回りを得る。また、
木村建設さんも、この施工費の中では一〇%の粗利を確保されています。こうした利益を吸い上げる構図の中で、被害に遭われるのはホテル業者やマンションの住人です。
この構図について、きょう
出席のお三方の
皆さん、端的にこの構図についてどの程度のことをお知りか、お答えいただけますでしょうか。