○北側国務
大臣 まず冒頭、参議院の方で郵政
事業民営化法案の審議に出ておりまして、この
委員会に参ったのが遅くなったことをおわび申し上げたいと思います。
今
委員の方から、公共交通における
安全確保についての御
質問をちょうだいいたしました。何といっても公共交通において一番大事なことは、これは、
利用者の
皆様を安全に輸送するというのが最大の役割であり、使命であるというふうに思います。
残念ながら、今
委員からお話がございました、四月の二十五日にはJR西
日本の福知山線であのような惨事になってしまいました。また、それ以外の交通モードにおきましても、さまざまトラブルや事故が続いております。
今、鉄道であれ航空であれ、昔に比べますと装置や機械類というのは非常に
高度化されております。にもかかわらず、そうしたトラブルや事故が起こっている。ある方に言わせますと、逆に、そういう装置や機械が
高度化をすることによって、安全に対する人間の意識が弱くなってきているのではないか、こういうふうなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。確かに、一連の事故やトラブルを見ますと、ヒューマンエラーと言われる人為的な要素にかかわる事故、トラブルというのが非常に多いわけでございます。
私は、そうした一連の事故またトラブルを通じて、このヒューマンエラーの問題について、
事業者の方々はもちろんのこと、私
ども行政の方も、もう一度このヒューマンエラーによる事故防止
対策というものをしっかりと専門家の
先生方にも入っていただいて
検討しないといけない、そう思いました。
それで、今省内には公共交通に係るヒューマンエラー事故防止
対策検討委員会というものを設置いたしまして、外部の
先生方にも入っていただいて、八月に中間取りまとめをさせていただきました。最終的には年度末になるかというふうに思っておりますが、そこで、その中間取りまとめでは、
事業者におきましてはトップから現場まで一丸となった安全管理のための体制の構築を図ること、さらには、その安全管理体制の確認を国が行う安全マネジメント評価の仕組みを導入すること等々具体的な
方向性を示していただいたところでございます。
もう一点、一連の事故、トラブルを通じて私が感じましたことは、やはり、私
ども行政のあり方も検証をしていく必要があるなというふうに思いました。
例えば、
国土交通省というのは、
社会インフラの
整備、交通インフラの
整備をしっかりやっていこう、これが一つ大きな仕事がございます。鉄道でいいますと、例えば
整備新幹線をどう
整備するかとか、航空でいいますと、
国際競争力を維持向上していくためにどう立派な国際空港をつくっていくか、こういう
社会資本整備という大きな仕事があります。
もう一つ大きな仕事は、先ほど
委員がおっしゃっていただいた
安全確保ということをしっかり図っていかないといけない。
例えば、鉄道局、航空局で今まで両方の仕事を当然やっておったわけでございますけれ
ども、私は、
国土交通省の中でそういう公共交通の
安全確保ということを専ら担当していく部署というのが必要ではないか、もう朝から晩まで、年がら年じゅうこの公共交通、横断的にかなり共通するものもございますので、その
安全確保ということに専念をしていく、そういう部署があるべきではないかというふうな意見も申し上げました。
今
検討をしているところでございますけれ
ども、
大臣官房に運輸安全
政策審議官という、これは仮称でございますけれ
ども、それをヘッドとする専任の公共交通の安全監視組織を
お願いしたいということで、実を言いますと準備を進めているところでございます。
国土交通省といたしまして、今申し上げましたヒューマンエラーによる事故防止をしっかりと進めていきたい、そのために、
事業者の安全管理体制の構築、国の安全マネジメントの評価の仕組み、そうしたものの早期の実施をしていきたいと思いますし、また
行政側の方も
安全確保ということを専らの仕事とする、そういう部署もつくっていかせていただきたいというふうに思っておりまして、いずれにしましても、
国民の
公共交通機関に対する信頼の回復に向けまして全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。