○伴野
委員 本日は、
イラク特別
委員会におきまして、
イラク関係を初めとする幾つか最近気になっていることを両
大臣からお聞きしたいと思っております。
大野防衛庁長官におかれましては、2プラス2へ行かれる前に、非常に大切な時間、ありがとうございます。また、官房
長官におかれましては、
外務大臣の臨時代理までやられるんですね、総理の女房だけかと思っていましたら。うちの女房に、これは例えがいいかどうかわかりませんが、兄貴の役目とか、あるいはこれは弟がいいのかわかりませんが、その代理までやれと言ったら怒っちゃいますけれども、本当にお疲れさまでございます。
これはお世辞じゃなくて、本当にきょうはすてきなネクタイをお召しになっていらっしゃって、これはリップサービスではありません。私もよく営業トークで、
最後に褒めるところがないとネクタイを褒められるものですけれども、きょうは、リップサービスでも何でもなく、すてきなネクタイをお締めになっていらっしゃるな、そんなふうに思いつつも、せっかくいただいたお時間でございますので、建前もあるのかもしれませんが、できるだけ本音の
議論を
政治家同士でさせていただければ、そんなふうに思っております。
まず一点目は、
世界的なアルピニストのエッセーをかつて読んだときに、いわゆる山登りで、登山家は、優秀な登山家であればあるほど下山の準備をしっかりして、あるいは下山の準備さえしっかりしておけば遭難することはないだろうと。だから、ポイントは下山の準備、また、いつ下山をするか、これがポイントであるというようなことを読んだ覚えがありますけれども、まさに
我が国の今回の
イラクへの
自衛隊派遣というのはそれではないかな。
先ほど、午前中にも
末松議員の方から
出口論のお話がございました。正直に申しまして、いろいろな分析、
評価があると思いますが、私は、最終的にはこれは
政治家が総合的な情報を持って政治
判断するものだと思います、行かせたのも政治
判断だと思いますので。
いろいろ私なりに情報をとらせていただいた中で、やはり今こそ、撤退するにしろ、まだ十二月十四日以降も駐留させるにしても、今しっかりとした
判断をしておかなければいけない、この時期を逃してはいけないということで、我が
民主党も、我々は、
イラクの
自衛隊を政権をとらせていただければ即刻撤退させるとマニフェストに書き、そして選挙が終わった後も、党内
議論、いろいろ激しい
議論もありました。我々の考えをまとめさせていただき、今日、
法案を提出させていただいて、きのうお経読みをしていただいたわけでございまして、本来ならきょうの時間もその点で御
議論をさせていただくと非常にありがたかったわけでございますが、この点は非常に残念かなと。
ただ、いろいろ一般質問のお時間もいただきましたので、
出口論に入らせていただく前に、先週地元へ帰りましたら、御婦人から、私、今度
イラクの特別
委員会で働かせてもらいますというお話をしましたところ、奥様はこういうお話をされた。
イラク、ああ、あれ、
戦争が始まった理由は
大量破壊兵器があるかないかのお話だったよね、あれどうなっちゃったのと言われたんです。私も全員に聞いたわけじゃありませんから、そんな統計をとってやっているわけじゃありませんけれども、少なくとも私が接した多くの方の頭の中にはまだ、あの
戦争は
大量破壊兵器があるという、あるいはそれをきちっと査察を受けなかったという理由で始まったんだというふうに思っていらっしゃる
国民の方は今も多いと思うんですね。
小泉総理のメールマガジンにも、これは二〇〇三年の三月十三日ですかね、小泉総理はいつも八秒以内でフレーズをつくられるというから、そこは
政治家としては勉強させていただくところも非常に多いんですけれども、三月十三日には、この問題は「「全
世界対
大量破壊兵器を持っている
イラク」の問題である」というところをぽんと書かれているんですね。
最初にそういうメッセージを、しかも総理が発せられると、これは、これについてきっちりとした
説明がない限り、多分
国民の多くの方に入り込んで、刷り込まれていくんだと思いますね。今回の総選挙でも、非常に刷り込みをうまくおやりになったので自民党さんも大勝されたんだと思いますが、いまだに、やはり御婦人あるいは多くの
国民の中には、
大量破壊兵器はどうなったんだと。
いろいろ調べさせていただきますと、総理は、御自身で語るというよりも、それ以降は、特別
委員会やあるいは本
会議でこの点を指摘されますと、残念ながら少しずつ
意味合いが、これは
末松議員も御指摘になったところであると思いますが、二〇〇三年の三月には、これは
大量破壊兵器を持っている
イラクとの戦いだとおっしゃっておきながら、その一カ月後には、四月八日には、いずれ見つかると思うというような発言をされていたりとか、さらに一カ月後には、いずれ見つかると思っている、六月に入りますと、
フセイン大統領がいまだに見つかっていないんですよ、
フセイン大統領が見つからないのにわかるわけないというようなことをおっしゃっていたり、それが、七月ぐらいになると、今度は国連憲章の話だというふうに、だんだんすりかわっていくんですね。さらには、二〇〇四年には、多少これは開き直りかもしれませんが、未解決だということは事実だ、過去に
イラクが
大量破壊兵器を使った、これは事実だ、だからというようなお話をされている。
ずっとこれで続いていって、最近この
大量破壊兵器の話はどこかへ行っちゃいまして、よく小泉さんが発せられる八秒間のフレーズの中にもびっくりする言葉があるんですが、昨年の十一月十日に至っては、前岡田党首との党首討論の中では、
自衛隊が
活動しているところは非
戦闘地域だ、それが
イラク特措法の趣旨だというようなこともおっしゃって、
国民全員がびっくりしたのは記憶に新しいところだと思います。最近では、その
大量破壊兵器の話は全然出てこなくて、これは
我が国の資金援助と
自衛隊による
人道復興支援であるというようなお話をされる。
ずっとこれは、余り
国民に
説明していないといっても言い過ぎじゃないんじゃないか。事実、
国民の多くの方は、あの
大量破壊兵器はどこへ行っちゃったのと。確かにあの
戦争が始まったときは、報道も非常に、
大量破壊兵器、
大量破壊兵器、
大量破壊兵器ともう連続して刷り込まれましたので、それが刷り込まれて抜けていないなら、ちゃんと
説明してもらわなきゃいけません。
こういった現状を踏まえて、女房役である官房
長官、ここへ来て、撤退あるいは延長するにしても、きちっとここまでの経緯を、どうしてあの
戦争が始まって、今どう
評価されていて、
我が国はどういうそれなりの貢献をさせていただいて、今どうなっているからこれからこうするんですよということを、本当は私は選挙で語ってほしかったんですが、選挙では余り語られていなかった。
選挙が終わって、郵政も片づいたんですから、こんな命にかかわる大事なこと、私は、三十分ぐらい番組をつくっていただいてもいいぐらい、しっかりと
国民の皆さん方に今こそ語って、そしてしっかりとこれからの戦略を
国民の皆さんに問うべきじゃないかと思いますが、官房
長官いかがでしょうか。