○山中
委員 期待しております。
さて、それでは
テロ特措法の方に移らせていただきますが、
アフガニスタンも四年
たちまして、そして曲がりなりにも総選挙ができたという段階で、
延長の期限一年ということに関しまして、私は適切な
判断であると思っております。それは、今後どのように展開していくかという対テロ
作戦そのものが
国際社会の中で変わっていく時期に来ているというふうに思っているからです。また同時に、それに関連いたしまして、基本計画や実施要項が半年というのもうなずけるところでございます。
四月に実は
米国のUSAID、援助庁の主催で、津波などの自然災害等における日米の軍と民間の協力に関するシンポジウムというのがございまして、私はそのモデレーターをさせていただきましたが、その折になぜそういうシンポジウムが行われたかという
一つの理由は、実は
テロ特措法によって自衛艦が
インド洋におりましたときに、昨年のスマトラ沖地震のときに大変に迅速な救助、実際は遺体でございましたけれ
ども、救助
活動をして、その真摯な姿勢も含めて大変高く
国際社会で評価された。このことが
一つのきっかけとなってこのようなシンポジウムが行われましたし、欧米におきましても、特に私はヨーロッパにおりましたけれ
ども、
日本は早かった、
日本は非常によくやっているという評価を得た。このことは今回の
テロ特措法による
活動の副産物ということで、一言つけ加えさせていただきます。
そういうことも含めまして、私は、国の安全保障に関しては、ぜひ
民主党も含め、与党、野党が協力して一緒に決議をしていく、一緒に賛成できるようにしていくということは非常に大事ですので、ぜひ
民主党の方々とも、この二日間の
議論を通して一致したところを見出すようにと期待しております。
さはさりながら、
自衛隊のここまでのさまざまな努力を非常に高く評価いたしますし、しかしもう一方、二〇〇一年の
米国同時多発テロ以来、本当にテロは減少しているのかということに関して、私
どもは事実をきちんと見る必要があると思います。
外務省の資料によりますと、
国際テロの発生件数は二〇〇一年に三百五十五件、二〇〇四年に六百五十一件となっております。また、
国際テロによる死者数は二〇〇一年に五千八百九名、これはニューヨークのも含めてでございます。しかし、二〇〇四年には何と八千六百十一名という数字が出ております。したがって、
国際テロは
拡散し増加している、この現状に目をつぶるわけにはまいりません。すなわち、米英の力によるテロの抑え込みだけでは必ずしも一〇〇%の効果を発揮しているかどうかというところが疑問であります。
ですから、この
テロ特措法の
延長が一年ということで議決されましたら、この
委員会及び党の部会などでも、これまでの
自衛隊の燃料、水の補給の動き、こういったものから得るものは大変多いと思いますけれ
ども、一体今後
日本ができる
テロ対策の戦略的、総合的な方策は何かという検討を始めていただきたいというふうに考えております。
宗教対立のない
日本だからこそ、軍事的な準備と非軍事的な信頼醸成という両手の外交というものをきちんと提唱し、実践していくことができるのだというふうに私は信じておりまして、実は、英米もこの後どうしていいかということで悩んでいるのが現実でございます。ですから、同盟国としても、新たな視点を
日本が提案していくということは大変意義があると思います。
あるべき論を言うのは簡単なんですが、ドイツの名
外務大臣と言われたゲンシャーが、外交はプラクティカルでなければならないというふうにお会いしたときにおっしゃったのを非常に印象深く思っておりますので、例えば、これからの検討の課題として、具体的にはアジアにおけるテロ
活動を未然に
防止するためにはどうしたらいいか。
日本の特性を生かすとすれば、当然情報の交換、これは、
外務大臣初め情報に関するネットワークを今
日本はつくっております。また、交渉術、紛争予防などの専門家の育成、これもまだアジアでは行われておりません。
あるいは、先ほどの
答弁の中で、
外務大臣の
答弁の中だったと思いますけれ
ども、DDR、つまりアフガンでの武器の回収、これも、戦時でなくても
日本がイニシアチブをとれるかもしれません。あるいは、武器の輸出入制限に関する
国際的な協力の喚起というのもあるでしょうし、それから、今経産省が試みております出入国の管理体制の強化というのも
国際的に協力できる
一つの分野かもしれません。
また、テロや紛争が勃発したときに、平和構築の過程で、
自衛隊をどのような条件でどのようなミッションで派遣するのかとか、民間人はどうするのか、NGOはどうするのかなどというように、平和構築に向けて
日本が
テロ対策の理論的、実践的なイニシアチブを特にアジアを視野に入れて積極的に進めることは、ひいては
日本が信頼という国益をかち得て、そして
国際社会においてますますその信頼を高めていくという
意味で大変大事なんですが、しかし、こう申し上げていても、実際にこのような検討をするかどうかというのは、ポリティカルウイル、つまり政治の意思によるところが非常に大きいわけでございます。
そういう
意味で、官僚主導ではなく政治家がきちんと討論をしていくという
意味で、ぜひ
外務大臣の御所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。