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鈴木(馨)
委員 状況はよくわかりました。さはさりながら、
中国の状況を見ていますと、やはり民主国家である
日本とは異なって一党独裁、そういった不自然な、抑圧的な体制をとっている国でございます。そういった国の
政府、その最大目標というとやはり権力の維持ということになるわけでございまして、そのリスクになるような世論の暴発、そういったものは無理にでも抑え込まなくてはいけない、そういった状況にあるのだろうと思います。
こういった話をなぜするかといいますと、やはり国内の不満が限界値に達しないように常にコントロールせざるを得ない体制である
中国というところを見ますと、今回の
靖国の参拝に対する抑制された
対応というのも、
日本への配慮というよりも、どちらかというと国内のいびつな政治体制、そういったものの維持のために迫られたものであるということも言えるのかなという点を
考えますと、ここはやはり
靖国で状況が非常に悪化してしまった
日中関係、こういったものを見ますと、逆説的に言えば、今このタイミングでこそ、ある
意味一つのガス田の試掘を行うようなタイミング、
外交的にいえばそういうタイミングにもあるのかなという
考え方もどうしても出てくるのかなと思う次第でございます。
これは一民間企業の判断ということでございますので、そこはそれを尊重してという
外務大臣の御
答弁でしたので、それはそういうことなのかなと思いますけれども、タイミングというのは常々、
外交の話でございますので、そういったところも踏まえて
考えていかなくてはいけないのかなというふうに
考える次第でございます。
次の論点に移りたいと思います。
少し前になりますけれども、七月でございましたか、
中国の人民解放軍の朱少将という方だったと思いますけれども、
一つ非常にびっくりするような
発言がございまして、これはたしか欧米のメディアに対しての
発言ということでございました。
台湾に関する紛争に米国が介入した場合、それは本土に対する攻撃であっても、また艦船に対する攻撃であっても、米国本土に対するミサイル攻撃というものを、核攻撃というものを選択肢として排除するわけではないと明言したということがあったと思います。
非常にそれは国際的にも波紋を投じた
発言ではございますけれども、その後のこの少将の軍内での取り扱い等を見ますと、この
考え方というのは
中国の
政府の
考え方とさほど違うものではないのかなというふうな分析をせざるを得ない次第でございます。であるとすると、このことがもしかすると
日本の
安全保障上に持つ
意味というのは実は非常に重要なのではないかなという
考え方も成り立つと思います。
台湾の有事の際にという注釈つきではございますけれども、これは
中国の
考え方からしますと、もしかすると、この主体が
日本ということであっても同じようなことが言えるのかなということを
考えてしまうわけであります。もちろん、これは
中国の対米の牽制でございますので、
日本も尖閣列島を初めいろいろと、
中国との間に軍事的な抗争が起き得る、そういったスポットというのを持っているわけでございますので、やはり
日本としても全く他人事ではいられないのかなというふうなことを
考えてしまうわけであります。
例えば尖閣列島でそういった紛争が起こった際に、アメリカというものが、果たして自国が核攻撃にさらされる、そういったリスクを冒してまで
日本を本当に守るのかなと。こういった
発言があった後で、しかも
中国の核戦略というのがそういった先制論に傾いているとすれば、非常にこれは憂慮すべき事態ではないかなと。
米国といっても、究極
目的は、
日米同盟はございますけれども、やはり最終的には
日本の
安全保障でございます。そういったことを
考えますと、
日米同盟を守って
日本を守るということと自国を核攻撃のリスクにさらすということ、どちらがアメリカの大統領が選択をするかということでございますと、やはりそれは自国を守ることにどうしても傾くというふうに
考えるのが自然かなと思います。
もちろん、こういった状況というのは望ましくないのでございますけれども、
中国政府の核戦略の
考え方というのがもし仮にそういう
方向に向かうのであるとすれば、
日本としても、これはやはり
政府としては自国の安全は自国で、
自分の手で守るという
方向にどうしてもいかざるを得ないのかなという推論も出てくるわけでございます。
もちろん、仮定の話で恐縮なのでございますけれども、仮に
中国が本当にこういった戦略的な転換をしたというふうに
考えられた場合には、今申し上げましたように、
日本としても、アメリカに頼らずに独自に自国の安全を保障できるような能力を整備するということも国民を守るという政治の観点からは必要なのかなと、そういった検討も、これは
中国への牽制という
意味を含めて必要なのかなという
考え方も出てくるのかと思いますけれども、この点について
外務大臣の御見解を伺えればというふうに思います。