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政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
今回の美浜発電所の事故でございますけれ
ども、
事業者がいわゆる自主点検ということで、自ら策定いたしました管理指針に基づいて配管の検査を実施していたわけでございますけれ
ども、今回の事故につきましては、こうした管理指針に基づきます肉厚管理が適切になされていれば発生することはなかったというふうに
考えております。事実、事故調査
委員会におきましても、管理指針の
内容そのものについてはおおむね妥当であると、こういう
評価がされているところでございます。
しかしながら、御承知のとおり、今回の事故につきましては、二十七年間当該部位について一度も点検されていなかったということで事件が発生したということでございまして、今
大臣から
答弁ございましたように、私
ども原子力安全・保安院といたしましても、大変、極めて重く受け止めているところでございます。
経済産業省といたしましては事故調査
委員会を設けまして検討を続けておりますけれ
ども、九月の二十七日に中間取りまとめをいただきました。その中では、原子力安全・保安院としても取り組むべきことということが指摘をされております。こうした指摘を踏まえまして、保安院といたしましても、この事故を真摯に反省をいたしまして、教訓として受け止めまして、再発防止
対策に全力に取り組んでいるところでございます。
具体的に申し上げますと、事故を起こしました部位につきましては、
平成十五年の制度改正によりまして、それまで
事業者の自主点検というふうにゆだねられておりましたものを
法律上の義務のある定期
事業者検査の対象といたしたところでございますけれ
ども、こうした検査の対象というものを明確化するために、昨年末に省令の改正をいたしました。また、今年の二月には、この肉厚管理の方法につきまして詳細に定めた通達を出しているところでございます。加えまして、昨年の後半から今年にかけまして現場での保安検査を行いまして、肉厚管理を焦点にした保安検査を、これは関西電力にとどまらず、すべての電力会社につきまして行っているところでございます。
保安院といたしましては、今後、事故調査
委員会の最終報告書が今月末にまとまるというふうに承知をしておりますけれ
ども、これを踏まえまして、再発防止
対策に最大限の
努力を行うことでその責任を果たしてまいりたいというふうに
考えております。
それから、御指摘がございました中央制御室の制御盤に蒸気が浸入をしたということでございます。これにつきましては、昨年の十月の初めに、現地におります保安検査官が関西電力から報告を受けております。
当該蒸気の浸入につきましては、運転員におきまして、プラント操作のための、停止のための操作を行ったわけでございますけれ
ども、そうした操作の上で支障がない程度のものであったというふうな
評価をしておりますけれ
ども、その後、直ちに詳しい事実関係の報告を求めまして、保安院といたしましても調査をしてまいりました。その後、関西電力から蒸気の浸入経路あるいは中央制御室への影響などにつきまして十分な調査結果のまとまったところを受けまして、保安院といたしましても、その
内容を
評価した上で、先週開かれました事故調査
委員会に報告したところでございます。また、本日、福井市で開かれました事故調査
委員会におきましても、保安院といたしまして、中央制御室に不要な外気が浸入しないような
設計、施工がなされているか否かについて
事業者が必要に応じて確認をすべきであると、こうした指摘を行っているところでございます。
なお、この事実につきましては、昨年の十一月、十二月、福井県につくられております原子力安全
委員会におきましても関西電力から報告をされまして、新聞等でも報道されているところでございます。
次に、配管の点検をすべき箇所、これにつきまして、当該事故が起きました部位以外につきましてもリストから漏れていたという問題でございますけれ
ども、昨年の九月までに関西電力のすべての発電所を点検した記録を確認いたしまして、主要点検部位、これは美浜の当該機について申し上げますと九百か所ぐらいございますけれ
ども、主要点検部位について見ますと、事故が起きました部位を含めまして十五か所の漏れがあるということを発見いたしまして、配管の取替え等の
対策を講じたところでございます。
さらに、関西電力は、事故が起きましたいわゆる主要点検部位以外の部位につきましても図面と詳細な照合による点検リストの漏れのチェックというものを行っておりまして、三月七日までにこうした主要点検部位以外の点検箇所、これは一つの発電所について申し上げますと三千か所ぐらいございますけれ
ども、その中でやはり五十か所程度のいわゆる不整合の箇所があると、こういう報告を受けております。これらの箇所につきましては、いわゆる減肉の起きやすい主要点検部位とは違いますけれ
ども、やはり点検というのは計画的に行う必要があるということで、きちっと点検計画の中に盛り込むように保安院から指示をしたところでございます。