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簗瀬進君 最後が慎重になっちゃったんで非常に残念なんですけれども、是非前向きに考えていただければなと私は思っております。
その次に、様々なこの
行政訴訟法の
改正の積み残しの
課題がいろいろと
指摘をされております。私の手元に「自由と正義」の二〇〇四年十二月号というようなものがありまして、これは我々、今後の
行政訴訟の新しい
取組をする、新しい宿題がずっと書いてあるなと思って、これに沿いながらの
質問もしているわけなんですけれども、その中に、
弁護士費用の片面的敗訴者
負担制度の導入と。昨年のいわゆる敗訴者の
訴訟費用負担、これは最終的には廃案という形になったんで、あれとは全く趣旨が違っておりますので誤解のないようにしていただければと思うんですけれども、いわゆる弱者が勝った場合に
弁護士報酬を相手方から回収できるという片面的、片面ですね、片面的敗訴者
負担という、こういう
法律がアメリカ、自由競争の権化、市場経済のメッカと、こういうふうに言われているアメリカでは相当、実にこういう
司法的弱者を
救済をしようというかなり細かな
制度をつくっているということをやっぱり我々は認識をしておいた方がいいんではないのかなと思っております。
これは専門家の、テンプル大学ジャパンというところのマシュー・ウィルソンという準教授の方が、これは
弁護士会が行ったシンポジウムの中で
指摘をいたしておりますけれども、このような
司法弱者が勝った場合にのみということになるわけですが、その場合に
弁護士報酬を相手方から回収できると。逆に、
司法強者というふうなことでいうと、
司法強者が勝った場合には
司法弱者にその
負担を求めることはないと、こういうふうないわゆる片面的敗訴者
負担、これが連邦で、アメリカの連邦法で約二百個ある、それからアメリカ五十州の議会でもこのような片面的敗訴者
負担の
法律を約四千個実際に作っていると、こういうふうな
指摘がございます。なるほどなと思いました。
ちょっと時間がもう迫ってまいりましたので、このマシュー教授、マシュー準教授が紹介をしているフロリダ州の
法律がございます。例えば、この彼が紹介しているのは九つのパターンがありますけれども、例えばこういうのがあります。陪審サービスに関する
法律。陪審となったことにより解雇された被用者は雇用者に対する訴訟の
弁護士報酬を回収できると、こういう明文の規定をフロリダ州は置いております。また、独占企業・独占禁止法で、フロリダ州独占禁止法違反による損害と
救済措置を求める訴訟における勝訴原告は、合理的
弁護士報酬、これを、合理的
弁護士報酬を三倍にした損害額を請求できると、そこまでの規定も置いてありますし、例えば差別禁止に関する
法律で、差別禁止にかかわる州法に違反して差別された個人は合理的な
弁護士報酬を回収することができる等の規定もフロリダ州では置いてあります。
保険契約とか、それから不動産売買とか、フランチャイズ、あるいは自動車のフランチャイズ、消費者の債務取立て、不公正な取引慣行に関する
法律等々、言うならば、かなり法的にあるいは経済的に優位に立っている人、それから劣位に立っている人、優位に立っている企業、劣位に立っている人と、こういう
関係に置かれた場合にはこの
訴訟費用の片面的な敗訴者
負担というのを劣位の者にのみ適用をすると、こういう細かな規定をこのフロリダ州に置いているという、こういう報告があるんですね。
私は、これは大いに参考になるんではないのかなと、こういうふうに思っておりまして、正にそういう
意味では、
リーガルセーフティーネットをしっかりと張っていく、そのためのもう
一つの柱としてこの片面的敗訴者
負担についての
検討を始めていただきたい、このように思うんですけれども、
大臣の御
所見をちょっといただければと思います。