○簗瀬進君 おはようございます。民主党の、自分で言うのもなんでございますけれども、ネクスト
法務大臣ということを仰せ付かっております簗瀬進でございます。
大臣対決ということで、今度が三度目ということになるだろうと思いますので、与えられた九十分をたっぷりと使いまして、
大臣の胸をしっかりとかりて
議論をさせていただければと、こういうふうに思っておる次第でございます。
今度の
通常国会はかなり私は、大変重要な
法案がこれメジロ押しだと、こういう印象を持っております。
まず、民事
関係では何といっても
会社法だと思います。一千条に及ぶこの
会社法の新設。
商法あるいは
有限会社法等、そういうようなものを一千条の
会社法に変えていくということでございますが、条文の多さというよりも、これ
質問の中でも後で触れさせていただきますけれども、その
会社法が成立をされることによって、単なる
有限会社という、そういう法人格が変わるとか、そういう個々の細かいこともありますけれども、大きな
日本の経済
社会の基本を変えることになる。
結論から申し上げますと、私は、ある
意味で非常に
準備態勢が整わないままで一挙に
アメリカ化していくんではないのかなと、それに対する
懸念を非常に持っております。これは後で述べますが、いずれにしても、
会社法というのは今後の
日本の二十一世紀の経済
社会の姿を変えていくという大変な根本的な
意味を持った
法律だと、こういうふうな認識を大変強く持っておるわけでございます。
一方で、今度は、明治以来の監獄法を刑事施設法ということで変えていくわけでございますけれども、これも二十一世紀の
日本の刑事
司法の姿をある
意味で根本から変えるきっかけになる、そういう大変重要な
意味を持っておるわけでございます。
さらには、人権擁護
法案が今巷間様々なことがささやかれておりますけれども、これも
日本の人権
状況について大変重要なかかわりを持っている
法律でございます。さらには、共謀罪の話がございます。テロ
対応ということではございますけれども、この共謀罪がいわゆるもしそのままの形で通るという形になりますと、これもう罪刑法定主義という基本を変えることになりかねない。あるいは、憲法十八条に内心の自由ということがございますけれども、内心は問われないと。ところが、昨今、精神世界にまで様々な法的な舞台の上に乗せていこうという、個々の
法律でもそういう動きがございますけれども、意思は外に現れて初めて罪に問うことができるんだと、正にこれは憲法十八条の
規定を受けた
考え方でございますけれども、それを共謀罪はもしかしたら大いに変えていってしまうのかなと、こういうこともございまして、これも非常に重要な
内容を持った
法律でございます。
そういう
意味では、非常に慎重にしてかつ充実した
審議をしていかなければならないと。そのしょっぱなが参議院においては今日でございますので、細かな
議論についてはそれぞれの
法案の論議に、その際に譲るといたしまして、今日は基本の部分から
大臣と
議論をさせていただければと、このように思っておる次第でございます。
さて、
委員の皆様には今日、まずちょっと資料を何枚か配らせていただきますけれども、その一番目に、地元の下野
新聞という
新聞社がございます。この下野
新聞が、昨年、宇都宮で起きました知的
障害者、それも重度の知的
障害者について誤認逮捕、さらには誤認起訴と、警察も検察も非常に問題のある
対応をしたということで、熱心にこのことを追っ掛けておりました。
その下野
新聞の二月二十六日付けに載っておった
記事を抜粋をさせていただきまして、簡単に、細かな事実を説明すると時間が掛かってしまいますので、分かりやすく一枚紙にして事実
関係を分かっていただくために皆様の前にお配りしてありますので、それを是非ごらんになっていただければと思います。
時間も限られておりますので、簡単に事実
関係を説明させていただきますと、二〇〇四年の八月に宇都宮東署で暴行容疑で無職の男性が逮捕されました。そしてその後に、九月八日に宇都宮の洋菓子店の強盗容疑でその男性が再逮捕されました。これが第一強盗でございます。その次に、十月十二日に別のスーパーの強盗容疑ということで男性が再逮捕されました。これが第二強盗ということでございます。そして、それについて十月二十二日に初公判が行われまして、昨年の十二月七日に第二回公判で結審ということになり、検察側が懲役七年、言うならば、暴行罪が一つ、それから強盗が二罪ということで、まあ懲役七年というのは求刑としては常識的な線かもしれません。しかし、懲役七年でございます。執行猶予がもう付かないというふうな形の大変厳しい求刑であることには変わりございません。
ところが、十二月二十四日、
判決の公判その日でございます。その日に、いわゆる男性が強盗罪二件の無罪を主張をするということになりまして、言うならば、
判決言渡しの寸前で、いわゆる強盗一罪、二罪については無罪であるというふうに、全く正反対の供述をいたしました。
それに対して、検察、
裁判所もまあ慌てた
対応、真摯ではあったと思いますけれども、慌てた
対応になって、結果として、その後、第四回公判というようなことになったわけでございますが、その間に、先ほどの第一強盗、第二強盗については別の人物が逮捕されるという形になりまして、その結果として、二月の十八日にその別な男性を強盗罪で起訴するとともに、地検と県警が捜査ミスを認めて謝罪をして、二月の二十五日に、これも異例なことではございますけれども、宇都宮地検は強盗一罪、二罪については無罪の論告をすると、こういうふうないきさつであったわけでございます。
多少事実
関係の説明が長くなりましたけれども、今日は、まずは検察庁の
関係と、それから警察の
関係、来ていただいておりますけれども、お手元の時系列の中で、二月の二十三日に地検と県警が、弁護人が自白を誘導した等の違法な捜査を
指摘したことに対して、適正な捜査だったと反論をしたと。謝罪をしておきながら、その後、適正な捜査だったと反論をしたと。私にとってはちょっと悪あがきのようにどうもこれは見えてしまうんですけれども、このことについて、本当に適正な捜査だったとお思いになっていらっしゃるんでしょうか。
法務省、それから警察庁、それぞれからまずは御答弁いただければと思います。