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那谷屋正義君 民主党・新緑風会の
那谷屋正義です。
提案されました
学校教育法の一部
改正案並びに、今日はせっかくの機会ですので、法案とは直接かかわりはありませんけれども、教
職員にかかわる労働安全衛生管理体制の整備をめぐる諸課題について
お尋ねをしたいというふうに思います。
巡り合わせとはいいながら今日は七夕という日で、この日に質問をさせていただく機会を持つことができました。子供
たちも含め、
教育に携わるすべての人の願いがかなうような文科省としての度量と良識の発揮を切に望むところでございます。
さて、
質疑に先立ちまして、どうしても
指摘をさせていただきたいところがございます。
中山大臣の、またしてもの従軍慰安婦の記述に関する問題発言についてであります。昨年十一月に引き続いて、従軍慰安婦という
言葉はそもそもなかった、これまでなかったことがあるということが問題という趣旨を六月十一日のタウンミーティングの際に述べられたとの報道に接して、私は失望を禁じ得なかったというのが偽らざる思いであります。
私は、四月十九日の本
委員会において、前回の検定時、森総理は、当時の森総理は、政府の考え方は村山内閣総理
大臣談話を基本として、深い反省とおわびの気持ちに立って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くす。政府としてはこの考え方に立って教科書があるべきものと答弁された。森総理答弁を尊重する覚悟はおありかというふうな質問をさせていただきました。慰安婦にかかわって見識を問わしていただいたわけでありますけれども、これに対して
大臣は、我が国が植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた事実は謙虚に受け止め、深い反省とおわびの気持ちを持って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくと、政府の一員の私も、この考え方を踏まえ
関係諸国との信頼
関係の一層強化に努めてまいりたいと誠実にお答えになりました。
さらに私は、
質疑の締めくくりに当たり、さきの大戦当時、従軍慰安婦という
言葉、用語はなかった。だから教科書に載せなくてもよいとの立場は、歴史
教育の何たるかについての無理解をあらわにするものである。科学的検証を得てその事実、
実態に適合する定義を成す。それが歴史
教育の道理であり、この帰結に思いが至らないことは正に歴史への冒涜以外の何物でもない。歴史
教育における思考停止は未来に対する責任放棄であり、罪ですらあると念押しもさせていただいたところでした。
大臣からは、
質疑終了後にもかかわらず、まあこちらをこう通られていった、退席されたわけですけれども、那谷屋さんの言うとおりだよなと、丁寧かつそのお人柄がうかがえるお
言葉もちょうだいしていただけに、その感は深まらざるを得ないのでございます。
中山大臣の論法によりますと、我が国の独立を確保するための偉業であったと
大臣が高く評価される明治維新という表記さえ教科書から姿を消すことが当然になる、こういうふうに思います。何より高校の
日本史教科書の十八冊中十六冊において慰安婦に関する記述が見られますが、この検定結果に対する最高責任者自らの
異議申立てにほかならないという事の重大性を承知した上での発言なのかと指弾せざるを得ないのは悲しくさえあるところでございます。文科
大臣としてはあってはならない不適切な発言であることを明確にさしていただいた上で
質疑に入りたいというふうに思います。
学教
法改正案の
質疑に先立ちまして、本案の
改正趣旨、目的とも密接に
関連するという点で、既に一年の歩みをしるしてまいりました国立
大学法人の今後の在り方等についてまず
お尋ねをします。
同法人化に関して、文科省は、要は頑張って
業績を上げている国立
大学が報われ、そうでない
大学は存在が厳しく問われるようにするための新しい競争の仕組みだと規定してきたわけでございます。法人発足後においては、市場原理による淘汰のみならず、政策誘導という政策的な淘汰さえちゅうちょしないとする文科省の本意が透けて見えるものであります。規模の小さな
大学であればあるほど、この文科省の効き薬の副作用は強まっていく。ともすれば
学生そっちのけで競争的資金等の獲得に血眼になる本末転倒の図が繰り広げられているのではないかという懸念も大きくなるばかりでございます。
その上、看過し得ないことは、運営費交付金が逓減せざるを得ない法人財政の仕組みを強要する文科
行政の矛盾にとどまらず、この間、
学生納付金の標準額の値上げが文科省の概算要求にもなく突然財務省から持ち出されたことなどでも証明される、いわゆる財政の論理優先の立場から行財政改革を完遂しようとする財務省や、国際
競争力強化に特化した経済産業省主導の特定
大学、
分野への資金投下などにより、国立
大学が自己収入増にきゅうきゅうとし、いわゆる学問の府としての使命と言える
教育研究がゆがめられつつあることであります。
国立
大学法人法の目的に合致する
大学の運営が果たしてなされているのか、文科省は本
委員会に対して
説明責任を全うすべきだと考えます。その決意はおありかどうか。
同時に、本年度で期限を迎える国立
大学等施設緊急整備五か年計画について、現時点での進捗状況等をどう総括するのか。さらには、創造力豊かな人材の育成等に不可欠な工程表として来年度以降における新たな施設整備計画を策定する用意がおありか、併せて確たる答弁を求めます。