○大仁田厚君 おはようございます。
後藤先生に引き続き、
国立大学法人法の一部を改正する
法律案についてお伺いしたいと
思います。
本題に入る前に、先日の四月二十五日に起きたJR福知山線の脱線
事故でお亡くなりになられた百名を超える方々と御家族に心からお悔やみを申し上げるとともに、いまだ入院されている方々や心に深い傷を負ってしまった被害者の方々にも一日も早い御回復をお祈り申し上げたいと思っております。
ちょっとそこで関連なんですが、この
事故の背景と
日本の
教育の関連性と、子供
たちにどう伝えるべきかという関連の下に、
文教科学委員会とは余り関係ないように思われるかもしれませんが、企業を始めとした組織や
日本の
社会の根底にはそれを構成する人づくり、つまり
教育があるわけですから、今回の事件と
教育は密接な関係があると私は
考えております、はい。
事故の直接の原因については、スピードの出し過ぎによる転覆脱線の可能性が高いということが調査
委員会から発表されておりますが、
事故から日がたつにつれて、当日の運転手の不安定な運転や、運転手をそこまで追い詰めていたJR西
日本の企業体質が
指摘されるようになりました。また、他の路線との競争激化と利潤追求を目指した上での
効率化により、人の命を預かる鉄道会社が最も重視しなければいけないはずの安全の
確保を怠ってしまったJR西
日本の
責任は逃れることはできないと
思います、はい。
その後、いろんな不祥事がまた出てきまして、社員が動転して救助活動をしなかったとか、ボウリング大会を開いたとか、宴会を行ったとか、ゴルフをやめなかったとか、連日連夜信じ難い事実が次々と出てきているんですけれども、はい。また、日常的に運転手に対してダイヤの遅れなどに対する罰則が科せられていたことや、上司に対する正しい
意見を提言したり、有事において社員一人一人が自己
責任の下に行動することができないといったJR西
日本という組織の
在り方そのものが大きく報じられていることは周知の事実です。そんなJR西
日本に対してマスコミはこぞって非難し、その報道を見た国民は怒りに震えていると
思います。
また、これもちろんのことですけれども、JR西
日本の
責任は甚大だし、その背景に企業の体質や組織の
在り方に問題があったのは確かなことですが、しかし、ちょっとここで、ちょっと誤解されないように、誤解されやすいのでちょっと、誤解を恐れずにちょっと言わせていただくと、多くの
日本企業や私
たちの
日本人は、効率重視、利潤追求を求め、安全
確保や人権の保障は後回しにしてしまっていた部分が少なからず僕はあるのではないかと、私は
考えております。今回の事件を対岸の火事ととらえては僕は絶対にいけないと思っておりますので、あえてこれ
質問させていただくんですが。
やっぱり僕は、敗戦後、
日本がここまで高度成長化したのは、やっぱり私
たちのじいさんやばあさんが一生懸命働いて汗水垂らして、やっぱりうちらの父ちゃんや母ちゃんが寝る間も惜しんで汗水流して今の豊かな
日本を築いてくれたということは本当に感謝しなければならないと思っております。だけど、この高度成長下の中で、やっぱり大きな代償と様々なひずみを生んできたのは僕は事実だと思っております。
そんな現状はこれまで放置されていたわけではなく、国会の各
委員会の場でも取り上げてきたし、また民間のレベルで
研究や提言もなされてきました。がしかし、今回の事件のように、JR西
日本のような危うい企業体質が現存していることが露見され、
自分も同じような体質の組織で生きていることに気付かされた人も少なからずいたと
思います。意図的かどうかは別として、結果的に効率や利潤を重視した
教育がなされてきたとしたならば、私
たちは今立ち止まって、もう一度
教育のそのものの
在り方を見直す必要があると思っております。
繰り返しになりますが、今回の事件でJR西
日本の
社会的
責任は追及されることは当然なことであり、被害者への賠償や再発防止策を始めとし、今後取り組むべきことは山積みしています。ここで、JR西
日本をつるし上げることだけに終始している一部のマスコミの報道の
在り方というのはちょっと疑問視があるんですけど、はい。そんな報道のおかげで、JR西
日本の駅員に石が投げられたり、
大臣、罵声が浴びさせられたり、暴力が振るわれるといった、いわゆる便乗被害も報告されています。被害者の方々やその家族の望むものは何なんでしょうか。また、国民が求めている情報は何なのかというものをもう一回再考し、客観的に報道に取り組まなければ、この
事故の本質はやっぱり見失ってしまうと思うんです。
また、同じ過ちを繰り返さないように僕はしなきゃいけないと思っていますので、そういった部分で僕は、大人のやり方とかそういったものを子供
たちはやっぱりしっかりと見ていると
思います。今回の事件は、
事故周辺
地域ではもちろんのこと、
全国各地の
教育現場で指導の材料になると私は
考えております。この
事故を子供
たちにどうして伝え、そして子供
たちがどのように
考えるかということは、とても重要なことだと私は
考えております。
そこで、
大臣にお伺いします。
教育をつかさどる
文部科学大臣の立場から、今回の事件の背景にあるとされている企業体質と、これまでの
我が国における
教育の関連性についてどのようにお
考えでしょうか。また、今回の事件について、
教育現場ではどのように子供
たちに伝えるべきかとお
考えでしょうか。